第314回 平成28年度(通年)及び3月度消費者物価指数が発表されましたなど、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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この記事のカテゴリー >>「物価」の見方


タイトルにございます通り、本日(4月28日)、平成28年(2016年)度通年の消費者物価指数が発表されました。

これは、勿論同時に平成28年(2016)度3月度の消費者物価も発表されたという事。
日経ニュースですと、こんな感じで報道されています。

【日経ニュースより】
消費者物価3月0.2%上昇 エネルギー除くとマイナス
2017/4/28 12:12

 総務省が28日発表した3月の全国消費者物価指数(CPI、2015年=100)は、値動きの激しい生鮮食品を除く総合指数が99.8となり、前年同月比0.2%上昇した。3.9%上昇したエネルギーが物価全体を押し上げた。エネルギーを除くベースでは0.1%下落し、13年7月以来3年8カ月ぶりにマイナスに転じた。

日経ニュースより(前年同月比)

 生鮮食品を除く総合指数は3カ月連続の上昇。ガソリンが20.4%と大きく伸びたほか、電気代や都市ガス代も前年比のマイナス幅を縮小した。国内外の旅行需要を反映し、宿泊料や外国パック旅行費も物価を押し上げた。

 ただ消費が力強さを欠くなか、エネルギー以外の物価は伸び悩んでいる。春先の値引きキャンペーンが広がった携帯電話機は26.6%下落したほか、ノートパソコンも11.0%下がるなど耐久財が物価を押し下げた格好だ。

 先行指標となる東京都区部の4月のCPIは、生鮮食品を除く総合指数で0.1%下落した。被服及び履物が0.1%下がった。昨年に比べて春夏物を値上げする動きが鈍かったという。4月中旬から小売り大手が日用品などの値下げに動いており、総務省は「ある程度は物価に反映されている」との見方を示した。

通年のニュースではなく、3月度の記事になります。

記事内容がだいぶん私が毎回掲載している記事に近くなってきたかな、とも感じます。
記事内容として、携帯電話や耐久消費財に焦点を当てているあたりがまさしく・・・といった感じですね。

記事で「消費者物価指数」と書いているのは、「生鮮食品を除く総合」であり、政府・日銀が「物価上昇」の目標としている数字で、「コアCPI」と呼ばれるものの事。

記事では、「3.9%上昇したエネルギーが物価全体を押し上げた。」と記されています。
消費者物価が下落している当時では、「エネルギー価格が全体を押し下げている」等とは書いていなかった様に記憶していますが、随分都合の良い話です。

で、記事中にある「エネルギーを除くベース」とは、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」の事。
第280回の記事 でご紹介した様に、平成28年度1月より新たに消費者物価指数に加えられた数字です。

12月までは「コアコアCPI」として、「食料およびエネルギーを除く総合」という指標がこの位置に割り当てられていましたが、これが「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」へと変更された形です。理由はリンク先 でご覧ください。
 
28年度通年のニュースも報道されているんですが、ネット上ではまだ検索にかかりませんので、今回は報道を確認できる平成28年(2016年)度3月の消費者物価指数から記事にいたします。


平成28年(2016年)度3月度消費者物価指数の見方

先ずは大枠で、「消費者物価指数総合」に関連した項目から記事にします。

【消費者物価指数総合の前年同月比】※( )内は2017年2月の前年同月比です。
総合
0.2(0.3)

生鮮食品を除く総合
0.2 (0.2)

持家の帰属家賃を除く総合
0.3(0.4)

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合
0.4(0.3)

生鮮食品及びエネルギーを除く総合
-0.1 (0.1)

こちらは2017年3月の消費者物価指数(前年同月比)です。

私は、長い間「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」を見ることが大切だ、と言い続けてきたわけですが、その「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が、遂に前年度割れしてしまいました。

ここが大切だ、と言ってきた私としては、この「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が下落した理由を追求することが今回この「消費者物価指数」に関連した記事を作成する最大の目的となります。


「持家に帰属する家賃」の見方

住居

私の記事を読んでいる方であれば、既にご承知のことと思いますが、「消費者物価指数」をみる上で、一番気を付けなければならないのはこの「持家に帰属する家賃」の存在です。

【持家に帰属する家賃」の前年同月比】※( )内は2017年2月の前年同月比です。
持家の帰属家賃を除く総合
0.3(0.4)  ウェイト:8501

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合
0.4(0.3)  ウェイト:8087

持家の帰属家賃
-0.4( -0.4) ウェイト:1499

第281回の記事 でお伝えしていますように、「持家に帰属する家賃」とは、

 「現在居住する持家が、もし持家ではなく借家であったとすると、その家賃はいったいいくらになるのか?」

という数字であり、本来そんなものに対する「消費」は全く発生していません。
そんな数字は現実には存在しない、フィクションの数字なのです。ですから、私個人の考えではありますが、この数字は本来「消費者物価指数」そのものに加えるべきではない数字です。

ちなみに上表の「ウェイト」とは、日本国で起きる全ての「消費量」を「10000」と考えたとき、持家に帰属する家賃であれば、その消費量は一体どのくらいの数字になるのか、という数字です。

日本国内で起きるすべての「消費」には共通の単位が存在しませんから、これを「加重平均」という方法を用いて平均化したもの。
私はこれを「重要度」と表現しています。

つまり、ウェイトとは、「消費者物価」を考えるとき、そのアイテムの「重要度の割合」を示したものです。
持家に帰属する家賃のウェイトは「1499」。本来日本ではそんなものの消費は全く起きていないにも拘わらず、なぜか存在する「持家に帰属する家賃」のウェイトが、なんと消費者物価指数全体の約15%も占めているのです。これははっきり言って異常です。

「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」には、そんなフィクションの数字が含まれており、その数字を差し引いた結果、前年同月比が前年度割れした、ということになります。

ですが、例えば「持家の帰属家賃を除く総合」では「持家の帰属家賃が含まれた総合」の前年同月比が0.2であることと比較して0.1ポイント増しの0.3%。この差は大きいと思います。

また、ここから「生鮮食品」を除いた「持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合」は0.4%と更に上昇幅を拡大させていることから、消費者物価指数「総合」の物価を引き下げている原因として、「生鮮食品」が影響を与えていることが分かります。

逆に上昇させている理由は「エネルギー」にあるわけですが、「持家に帰属する家賃」そのものは2月も3月も-0.4%と変化しておらず、持家に帰属する家賃を除かない「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は0.1%から-0.1%と、その下落幅は0.2%にすぎませんから、持家に帰属する家賃を除く「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は恐らく0.2%。

未だ前年同月比でプラス圏内にとどまっているものと考えられます。
私は思います。もし本当に正確に「消費者物価指数」を活用したいのであれば、「生鮮食品及びエネルギー」から、更に「持ち家の帰属家賃」を除いた「総合」も指標として加えるべきだと。


然し、それでも「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が、2月から3月にかけて下落していることには変わりありませんから、次回記事ではこの「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が下落した理由について検証してみたいと思います。


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