第299回 家電製品の物価動向/2017年(平成29年)2月消費者物価指数よりなど、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<継続する記事>
第298回 消費者物価指数(CPI)の見方/2107年(平成29年)2月度版

さて。前回の記事に引き続き、2017年度消費者物価指数について記事にしてみたいと思います。

前回の記事で予告しました通り、今回の記事のテーマは「家電製品の消費者物価指数」です。

家電製品に関しては、1月度の記事 でも「それでも上昇しない消費者物価指数」とのタイトルで、他の消費者物価指数が軒並み改善する中で、唯一「家電製品」だけが未だに伸び悩んでいることをピックアップして取り上げました。

改めて、2017年消費者物価指数10大費目についておさらいしておきます。

【10大費目別消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
生鮮食品を除く食料 0.7(0.6)

持ち家の帰属家賃をを除く住居 0.1(0.3)

光熱・水道 -2.1(-3.4)

家具・家庭用品 0.6(-0.1)

被服及び履物 1.3(1.1)

保健医療 0.6(0.5)

交通・通信 0.3(0.3)

教育 1.0(1.5)

教養娯楽 0.4(0.9)

諸雑費 0.3(0.4)

「食料」及び「住居」については、より実体経済に近い部分を抽出して、「生鮮食品を除く食料」「持ち家の帰属家賃を除く家賃」を掲載しています。

前回の記事 でもお伝えしました通り、長らく低迷を続けてきましたこの「消費者物価指数」も、ついに「水道・光熱」を除くすべての費目について前年同月比プラス成長を達成しました。

「水道・光熱」がマイナスを記録している理由は、ここに「エネルギー価格」が含まれているからなんですが、ここも含めてエネルギー価格に関連した記事は次回作成いたします。

今回テーマとする「家電製品」が含まれるのは、「家具・家庭用品」及び「教養娯楽」の二つの費目です。

10大費目別では、「家具・家庭用品」「教養娯楽」とも前年比でプラス成長を果たしています。
特に「家具・家庭用品」は1月まで前年比マイナス成長を続けていましたから、漸く・・・といった感じです。

ただ、その内訳を見てみますと、この項目の根本的な課題が解決された・・・というわけではないようです。


家具・家庭用品の消費者物価指数

洗濯機

【「家具・家庭用品」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。

家具・家事用品 0.6(-0.1) ウェイト:348

 家庭用耐久財 0.6(-1.3) ウェイト:111

 室内装備品 -3.1(-4.0) ウェイト:25

 寝具類 1.1(1.1) ウェイト:27

 家事雑貨 3.7(3.7) ウェイト:72

 家事用消耗品 -0.9(-1.1) ウェイト:86

 家事サービス -0.1(0.0) ウェイト:27

比較しやすいように、ウェイト(重要度)も併記しました。

ご覧いただきますとわかりますように、「ウェイト」つまり「重要度」の最も大きな「家庭用耐久財」の消費者物価指数が前年同月比で最も伸びており、これが「家具・家事用品」の物価上昇に大きく貢献していることが分かります。

そして、今回テーマとしている「家電製品」もこの中分類品目の中に含まれています。

【「家庭用耐久財」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
家庭用耐久財 0.6(-1.3) ウェイト:111

 家事用耐久財 -2.7(-4.8) ウェイト:57

 冷暖房用器具 5.1(2.7) ウェイト:37

 一般家具 2.7(2.6) ウェイト:18

「家庭用耐久財」は「家事用耐久財」と「冷暖房器具」及び「一般家具」の3つの小分類で構成されています。

そう。ご覧の通り、今回「家具・家庭用品」の消費者物価指数を大きく引き上げた最大の理由は、「冷暖房器具」の前年同月比が大幅に上昇したことにあります。

品目はこんな感じ。
  ルームエアコン 5.9(3.0)

  温風ヒーター 2.2(0.0)

  空気清浄機 1.8(4.1)

「ルームエアコン」が大きく牽引していることがわかります。
一方、もう一つの「家電製品」である「家事用耐久財」はこんな感じ。
  電子レンジ -19.5(-28.7) ウェイト:4

  電気炊飯器 2.6(0.3) ウェイト:11

  ガステーブル 3.7(4.8) ウェイト:3

  電気冷蔵庫 -6.5(-7.8) ウェイト:16

  電気掃除機 16.2(14.7) ウェイト:9

  電気洗濯機(全自動洗濯機) -20.2(-20.3) ウェイト:7

  電気洗濯機(洗濯乾燥機) 3.9(0.7) ウェイト:7

「ガステーブル」は家電ではありませんが、それ以外は全て「家電」品目です。
「電気炊飯器」「電気掃除機」「電気洗濯機(洗濯乾燥機)」の3つが上昇する中で、「電子レンジ」「電気冷蔵庫」「電気洗濯機(全自動洗濯機)」の3つが物価を引き下げています。

「電子レンジ」「電気洗濯機(全自動洗濯機)」の2項目は二桁のマイナス幅を記録しています。
また、「電気冷蔵庫」は6%を超えるマイナス幅を記録している上に、「ウェイト(重要度)」も「家事用耐久財」全体57の内11となっていますので、その影響を無視することは出来ません。

但し、メーカー側の出荷状況(日本電機工業会データ)を見ますと、

【2017年2月出荷状況(前年同月比)】
電子レンジ
 数量:115.9%
 金額:110.8%

電気洗濯機(全体)
 数量:112.3%
 金額:112.2%

電気冷蔵庫
 数量:101.2%
 金額:101.0%

となっていますので、消費者物価指数側の数字の算出方法を100%信頼するのだとすれば、これは物価そのものの問題ではなく、販売店側の販売手法の問題である、ということもわかります。


教養娯楽の消費者物価指数

テレビ

【「教養娯楽」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
教養娯楽 0.4(0.9) ウェイト:989

 教養娯楽用耐久財 -4.2(-3.6) ウェイト:59

 教養娯楽用品 0.1(0.6) ウェイト:210

 書籍・他の印刷物 0.5(0.2) ウェイト:128

 教養娯楽サービス 0.9(1.6) ウェイト:592

「教養娯楽」は全体のウェイトも989と大きくなっています。

1月の前年同月比0.9から上昇幅が0.4と縮小しているわけですが、その最大の理由は「教養娯楽用耐久財」のマイナス幅が拡大している事。

その他、「教養娯楽用品」「教養娯楽サービス」も上昇幅を縮小させており、それぞれウェイトが大きくなっていますので、「教養娯楽用耐久財」を深堀した後で、この2項目についても軽く見てみたいと思います。

【「教養娯楽用耐久財」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
教養娯楽用耐久財 -4.2(-3.6) ウェイト:59

 テレビ -6.1(-3.4) ウェイト:15

 携帯型オーディオプレーヤー 0.6(-0.4) ウェイト:1

 電子辞書 17.3(-2.0) ウェイト:1

 ビデオレコーダー 3.2(0.6) ウェイト:4

 パソコン(デスクトップ型) -8.4(-7.0) ウェイト:8

 パソコン(ノート型) -10.6(-10.7) ウェイト:14

 プリンタ 9.6(7.5) ウェイト:2

 カメラ 8.6(4.7) ウェイト:4

 ビデオカメラ -17.1(2.0) ウェイト:2

 ピアノ 0.0(0.0) ウェイト:5

 学習用机 2.0(1.6) ウェイト:3

はい。ここでもやはり物価上昇率を伸び悩ませている最大の原因は「テレビ」及び「パソコン」の家電製品。

こちらもメーカー側の出荷状況(電子情報技術産業協会データテレビパソコン)を見てみます。

【2017年2月出荷状況(前年同月比)】
映像機器全体の出荷額:96.1%
 内薄型テレビの出荷台数:95.2%

パソコン
 出荷台数:114.7%
 出荷金額:114.5%

となっています。
テレビに関しては大分消費者物価指数の示す数字と現実の数字が近づいてきている様ですね。
つまり、出荷ベースで見ても販売ベースで見ても、「伸び悩んでいる」と。

PCは出荷ベースと販売ベースでの数字に大きな開きが見られます。
こちらも「販売側の問題」ということでしょうか。

日銀・安倍内閣の目指す「物価上昇率」を達成する上で、残るネックとなってくるのは「家電製品」のみ。
ピンポイントで何が問題であるのか、ということがようやく顕在化してきましたね。


「教養娯楽用品」と「教養娯楽サービス」

ここは、物価上昇率としてはプラスの数字を示していますから、軽く触れる程度にしておきます。

「教養娯楽用品」の中でマイナス幅が大きく、同時に「ウェイト」も大きな品目として、「運動用具類」と「玩具」。この二つの項目が挙げられます。

教養娯楽用品全体のウェイト210に対し、運動用具類が52、玩具が21となっています。

運動用具類は1月の-1.2%から-0.7%にマイナス幅を縮小させているのですが、玩具は-1.4%から-1.6%にマイナス幅を拡大させています。

玩具全体の中でウェイトが大きいのは「組み立て玩具」の8。
前年同月比は-0.5%から-1.3%に拡大しています。

下落幅が大きいのは、ウェイトとしては「1」と非常に少ないのですが、下落幅が-14.2を記録している家庭用ゲーム機据え置き型。
一方で携帯型は0.1%とプラス成長していますから、時代の流れを感じますね。


次回記事では、冒頭でお伝えした通り、「エネルギー価格」の変動に着目して記事を作成してみたいと思います。


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