第30回 『消費増税』と『高齢化社会』など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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アベノミクスを問う⑤

前回の記事では、安倍内閣において、消費増税を行ったタイミングが、果たして適正なものであったのか。
消費増税を行う前に、国民の景気経済が消費増税に耐えられるほどの経済状況にまで景気を引き上げる必要があったのではないか。

これらの是非を、現在の安倍内閣ではなく、過去、橋本龍太郎内閣において実施された消費増税とその結果を検証することで問いかけました。

麻生内閣に於いてその目標と具体的な方策を掲げたものの、その政策が民主党内閣において全面的にストップされてしまったことから、結局デフレをより深刻化させてしまうこととなりました。

安倍内閣が誕生してからもまだ1年しか経過しておらず、「デフレから脱却した」とはとても言えない状況の中、なぜ安倍内閣は消費増税に踏み切ったのか。今回の記事にそのテーマを託しました。



『社会保障問題』

まずはこちらのグラフをご覧ください。
社会保障費 推移
こちらは社会保障金額の推移です。
国立社会保障・人口問題等研究所のHPより拝借しました。「社会保障給付費等の推移」より、エクセル形式でダウンロードできます。
社会保障費 一覧

こちらは同じデータを、グラフではなく、一覧表等して示したものです。1997年(平成10年)以降のデータを示しています。
「福祉・その他」の項目で24年に支出が減少してはいるものの、総額も含めて毎年増額しています。
和暦だと少し判断が難しくなるので、西暦に直しています。

最も大きな変化があるのは2008年(平成21年)。リーマンショックがあったその翌年です。
この年以降も押しなべて社会保障のための歳出は増え続けています。

出生率推移

一方こちらは、「出生率」および「出生者数」の推移。
見ていただくとよくわかると思うのですが、調査がスタートした直後の3年間。他の期間に比較しても、取り分けて出生者数が多いことがわかります。いわゆる「団塊の世代」です。

日本が敗戦したのが1995年8月ですから、団塊の世代とは、その翌々年に生まれた人々だということがわかります。
「高齢化社会」だとか、「少子化」だとかよく騒ぎますが、私は取り分けて現在の日本人の出生者数が少ない、という考え方は少し問題の本質を見誤りがちなのではないかと思います。

ご主人が戦争に行っていれば、子供を産み育てる上で不安な状況があれば、とても子供を産み育てる、という発想にはならないと思います。
終戦とともに、このような不安感から解放された人たちが関係を結び、生まれたのが「団塊の世代」です。

このところの世論の風潮を見ていますと、まるでこの時と同じような状況を作り出せ、と言っているような、あの頃が正常であったんだというような感覚を覚えます。

ですが、あの当時が異常だった。これが正論ではないでしょうか。
敗戦直後のような状況を生み出すことは、はっきり言って今の日本では不可能です。団塊ジュニア世代も、団塊の世代がいたからこそ生まれた世代です。

ですので、このことと少子高齢化が日本の経済にもたらす状況とはきちんと分けて考える必要があります。
少子高齢化そのものを問題とするのではなく、その結果この国ではどのような問題が起きるのか、ということを考えるのことが大切だと私は考えています。

『年金』と『医療』

さて。先ほどお伝えしました、「団塊の世代」。
最初の年の人が生まれたのは1947年(昭和22年)。この年の方が年金を受け取るようになるのは一体いつになるでしょうか。

どうやら男性と女性で差があるようですがどちらの場合も一部ではありますが、受給そのものがスタートするのは60歳から。
満額受け取れるようになるのは女性が61歳。男性は63歳~64歳にかけて。

1947年に足してみるとどうでしょう。
団塊の世代が年金受給年齢に到達するのが2007年。女性が満額受け取るようになるのが翌年の2008年。男性が満額受け取れるようになるのは翌々年、2010年~2011年にかけてです。

では、改めて先ほどの社会保障給付費の一覧表を見てみましょう。

年金の項目を見てみますと、これまで1兆円~1兆円を下回る水準で推移していた年金給付費が、1兆円を超えるのが2007年。一機に12兆円も増えるのがその翌年、2008年です。
また更に、9兆円一気に受給額が増えるのが2011年。

こうしてみると、社会保障費の内年金受給者が増えたのは、リーマンショック等や東日本大震災等の社会現象が原因ではなく、ただ単に団塊の世代が年金受給世代となったことが原因ではないか、という推測が成り立ちます。

この他、年金に関しては『年金が破たんしない』理由がたくさんありますし、抑々年金の収支に関しては、一部を除き別会計で処理されていますので、また別に記事を立てて考えてみたいと思います。

では、、残る医療・福祉その他の項目を考えてみましょう。
「福祉その他」の中に含まれている項目は、主に「介護」や「生活保護」などの項目です。

社会保障給付費・保険料差額

こちらはトータルでの社会保障給付費の推移と社会保険料収入との差額です。

社会保険料は医療のために支払われる金額であり、年金支出には別途年金保険料収入があるわけですから、これを示さずに保険料収入のみと比較するのはどうなんだ、財務省、という突っ込みはさておき(年金は国庫負担分のみを掲載しているということでしょうか。これは後日検証します)、医療費が毎年増え続ける中、2023年、団塊の世代が後期高齢者(75歳)を迎える年になると、医療費が莫大に跳ね上がるのではないか、という検証が政府にて行われているわけです。

ここからは政府発表をうのみにして掲載するわけですが、社会保険料が毎年1兆円ずつ増大する中、2013年と比較して10兆円、財源が不足するわけですから、この財源をどこかで賄わなければならないわけです。

その財源として白羽の矢が立てられているのが「消費税」。

社会保障関係費の収支バランスを見て、2013年度の時点でいくら赤字があるのかということを含めて考えなければならないわけですが、次回以降の記事にて、この社会保障収支の検証を行い、ではなぜ「消費税なのか」という項目に話題を進めていきたいと思います。
このシリーズの過去の記事
>> 第31回 医療保険制度を分析する
このシリーズの新しい記事
>> 第29回 消費増税を問う

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