第298回 消費者物価指数(CPI)の見方/2107年(平成29年)2月度版など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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先月末(2017年3月末)、2017年2月の消費者物価指数が公表されましたので、今回はこの内容について記事にしたいと思います。
振り返りで、1月の消費者物価指数 の特徴として、何よりも大きいのは、政府の公表する「消費者物価指数(総合)」の項目が変化した、という事。

これまでは、「コアCPI」として、「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」という名称が割り当てられていたのですが、1月よりこの名称が「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」に変わりました。

勿論、項目として「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」という項目そのものがなくなったわけではないのですが、政府が重要視して公表していました、「消費者物価指数(総合)」「コアCPI(生鮮食品を除く総合)」「コアコアCPI(食品(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合)」という項目の「コアコアCPI」の内容が「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」に置き換えられたということです。

項目の重要性に就いては1月の消費者物価指数 にてごらんいただきたいのですが、これまで政府ではなく日銀が公表していたデータを政府も採用し、こちらの方が重要だ、と考えるようになったということです。

その他、2016年度までの消費者物価指数の中でずっと足を引っ張り続けてきていたのが「エネルギー価格」と「家電製品」の2つだったのですが、2016年12月、「エネルギー価格」の内「原油価格」に由来する品目の消費者物価指数がついに上昇へと転じ、これが1月も継続したという事。

この2点が大きな特徴だったかと思います。

2017年2月の分析はは先ず消費者物価指数の全体像から行っていきます。


消費者物価指数(総合)

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【消費者物価指数総合の前年同月比】
※( )内は2017年1月の前年同月比です。
消費者物価指数(総合) 0.3(0.4)

生鮮食品を除く総合(コアCPI) 0.2(0.1)

持家の帰属家賃を除く総合 0.4(0.6)

生鮮食品及びエネルギーを除く総合(コアコアCPI) 0.1(0.2)

「生鮮食品を除く総合(コアCPI)」以外は軒並み伸び率が鈍化していますね。
ちなみにもう一つ、「持ち家の帰属家賃を除く総合」を加えていますが、この理由については第281回の記事 をご参照ください。

このうち、私が重要視している新コアコアCPI=「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は0.1%と伸び悩んでいます。
なぜこの「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が伸び悩んでいる様に見えるのか。

このことを検証するため、今度は「10大費目別消費者物価指数」を見てみましょう。


10大費目別消費者物価指数

【10大費目別消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
食料 0.8(1.8)
生鮮食品 1.4(8.0)
生鮮食品を除く食料 0.7(0.6)

住居 -0.2(-0.2)
持ち家の帰属家賃をを除く住居 0.1(0.3)

光熱・水道 -2.1(-3.4)

家具・家庭用品 0.6(-0.1)

被服及び履物 1.3(1.1)

保健医療 0.6(0.5)

交通・通信 0.3(0.3)

教育 1.0(1.5)

教養娯楽 0.4(0.9)

諸雑費 0.3(0.4)

解りますでしょうか?
「住居」に関しては、「持ち家の帰属家賃」は統計上実際には存在しない架空の数字であり、まったく重要性のない数字であることは散々お伝えしている通りで、「食料」に関しても「生鮮食品」は「利益」ではなく「原価」の増減によって物価が左右されますので、「生鮮食品を除く食料」の方が数字としては大切になる、ということも既にお伝えしているとおりです。

ですので、
生鮮食品を除く食料 0.7(0.6)

持ち家の帰属家賃をを除く住居 0.1(0.3)

光熱・水道 -2.1(-3.4)

家具・家庭用品 0.6(-0.1)

被服及び履物 1.3(1.1)

保健医療 0.6(0.5)

交通・通信 0.3(0.3)

教育 1.0(1.5)

教養娯楽 0.4(0.9)

諸雑費 0.3(0.4)

の10項目で見ることで、政府が目指す「物価上昇率」により近い状況を見ることができることができます。

さて、いかがでしょう。
遂に、「光熱・水道」を除くすべての10大費目で前年同月比プラスを達成することができました。

では、私が重要視している「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」ですが、一つ言えるのは、

 「住居」費目で、「住居」全体の前年同月比が -0.2%、
 持ち家の帰属家賃をを除く住居の前年同月比が0.1%

となっていますが、前述しました通り持ち家の帰属家賃はフィクションの数字ですから、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」から更に「持ち家の帰属家賃」を除くと新コアコアCPIももう少し数字は大きくなります。必要なデータだと思うんですけどね、この項目。

ただ、それ以上に、「持ち家の帰属家賃をを除く住居」が1月より伸び悩んでいますので、「持ち家の帰属家賃をを除く住居」そのものも新コアコアCPIが1月より伸び悩んでいる理由の一つとなっています。

理由は、「設備修繕・維持」の中分類品目が1.0%から0.6%に鈍化したから。
ただ、それ以上に「家賃」が-0.4%の下落幅を維持していますので、「住居」費目をみる上ではこの「家賃」の下落が継続していることがウィークポイントとなっています。

この他、「教育」「教養・娯楽」「諸雑費」の3つの費目で上昇幅が鈍化しています。

「教育」では、「補習教育」が0.9%から-0.6%に下落したことが、「諸雑費」では「理美容サービス・理美容用品」の物価が下落したことがその要因となっています。

「教育娯楽」は後日記事にて触れる予定ですので、今回の記事では割愛します。

上昇幅が鈍化している項目をウェイト(重要度)別に見てみますと、
持ち家の帰属家賃をを除く住居 0.1(0.3) ウェイト:589

教育 1.0(1.5) ウェイト:316

教養娯楽 0.4(0.9) ウェイト:989

諸雑費 0.3(0.4) ウェイト:574

となります。「割愛する」と言いましたが、「教養娯楽」のウェイトが最も大きく、鈍化した幅も0.5%と、「教育」と並んで最も大きな鈍化幅となっていますね。

実はこの費目、「教養娯楽用耐久財」、「教養娯楽用品」、「書籍・他の印刷物」、「教養娯楽サービス」の4つの中分類品目で構成されています。

このうち、プラス幅が上昇しているのは「書籍・他の印刷物」だけで、他は全て上昇幅が縮小しており、「教養娯楽用耐久財」に至ってはマイナス幅が-3.6から-4.2に拡大しています。

「教養娯楽用耐久財」、つまり「テレビ」のことですね。
勿論テレビだけではありませんが、これまで足を引っ張り続けてきた「家電」の分野です。

ところが、実は今回の調査データの中で、もう一つの家電分野が含まれる、「家具・家庭用品」費目はマイナス成長からついにプラス転換しています。「家庭用耐久財」もまたプラス成長しているんですよね。


ということで、次回記事では、この「家電製品」ともう一つ、「教養娯楽用品」の中で物価の上昇幅を鈍らせた原因となっている「教養娯楽サービス」についても記事にしてみたいと思います。


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