第288回 教育勅語とは?/教育勅語の現代語訳にチャレンジなど、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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第287回 教育勅語から見る現代の日本政治の最大の問題点

教育勅語原文

教育勅語

朕(ちん)惟(おも)うに  我(わ)が 皇祖(こうそ)皇宗(こうそう) 国(くに)を肇(はじ)むること 宏遠(こうえん)に 徳(とく)を樹(た)つること 深厚(しんこう)なり

我(わ)が臣民(しんみん) 克(よ)く忠(ちゅう)に 克(よ)く孝(こう)に 億兆(おくちょう)心(こころ)を 一(いつ)にして 世々(よよ)厥(そ)の美(び)を済(な)せるは 此(こ)れ 我(わ)が国体(こくたい)の精華(せいか)にして 教育(きょういく)の淵源(えんげん) 亦(また)実(じつ)に此(ここ)に存(そん)す

爾(なんじ)臣民(しんみん) 父母(ふぼ)に孝(こう)に 兄弟(けいてい)に友(ゆう)に 夫婦(ふうふ)相(あい)和(わ)し 朋友(ほうゆう)相(あい)信(しん)じ 恭倹(きょうけん)己(おの)れを持(じ)し 博愛(はくあい)衆(しゅう)に及(およ)ぼし 学(がく)を修(おさ)め 業(ぎょう)を習(なら)い 以(もっ)て智能(ちのう)を啓発(けいはつ)し 徳器(とくき)を成就(じょうじゅ)し 進(すすん)で公益(こうえき)を広(ひろ)め 世務(せいむ)を開(ひら)き 常(つね)に国憲(こくけん)を重(おもん)じ 国法(こくほう)に遵(したが)い 一旦(いったん)緩急(かんきゅう)あれば 義勇(ぎゆう) 公(こう)に 奉(ほう)じ 以(もっ)て天壤(てんじょう)無窮(むきゅう)の皇運(こううん)を 扶翼(ふよく)すべし

是(かく)の如(ごと)きは独(ひと)り 朕(ちん)が忠良(ちゅうりょう)の臣民(しんみん)たるのみならず 又(また)以(もっ)て爾(なんじ)祖先(そせん)の遺風(いふう)を 顕彰(けんしょう)するに足(た)らん

斯(こ)の道(みち)は 実(じつ)に我(わ)が皇祖(こうそ)皇宗(こうそう)の 遺訓(いくん)にして 子孫(しそん)臣民(しんみん)の倶(とも)に遵守(じゅんしゅ)すべき所(ところ) 之(これ)を古今(ここん)に通(つう)じて 謬(あやま)らず 之(これ)を 中外(ちゅうがい)に施(ほどこ)して悖(もと)らず

朕(ちん)爾(なんじ)臣民(しんみん)と倶(とも)に 拳々(けんけん)服膺(ふくよう)して 咸(みな)其(その)徳(とく)を一(いつ)にせんことを 庶(こい)幾(ねが)う

明治二十三年十月三十日
御名(ぎょめい) 御璽(ぎょじ)

これが、前回の記事 より話題にしている、「教育勅語」の原文です。

少しでも読みやすい様、漢字、仮名遣いは現代漢字仮名遣いに訂正しています。

前回の記事では、この全文の内、特に福島瑞穂議員が稲田朋美防衛大臣に対して詰め寄っていた

 「一旦緩急あれば 義勇公に奉じ 以て天壤無窮の皇運を 扶翼すべし」

との件をピンポイントで解説しました。

前回の記事でも散々お伝えしましたように、戦前の日本の決断を、「侵略行為」だとか、関連して天皇陛下がまるで悪いことを為されたのような誤った解釈に基づいて教育勅語に目を通してしまうと、ここで記している内容の正確なイメージは先ずつかめないでしょう。

前提条件として、日本という国が、「古事記」や「日本書紀」に記された神話に基づく「歴史」の上に成り立っているという感覚を持つ必要があります。

そして、今上天皇に至るまで、全ての「天皇」という存在が、天照大御神という神様の血を引く、万世一系の存在である、という感覚を持つことが必要なのです。

今私たちが直接拝謁することの出来る今上天皇や、開戦に至る御聖断を行った昭和天皇、そして教育勅語の作成を命じた明治天皇だけでなく、神話の時代にまで遡る、歴代の天皇の祖先、原文に在る、「皇祖、高宗」の存在を頭に入れて読む必要がある、ということです。

これは、前回の記事に於いて、

 「一旦緩急あれば 義勇公に奉じ 以て天壤無窮の皇運を 扶翼すべし」

の件に目を通しただけでもわかりましたよね?


教育勅語の現代語訳にチャレンジ

ネットを検索すれば、この「教育勅語」に対する訳文はたくさんあるわけですが、訳文によって表現の仕方も違いますし、私自身に得心がいくかどうかという部分で、やはり自分自身で訳してみなければ見えてこない部分もあるのではないかと感じ、今回教育勅語の現代語訳にチャレンジすることとしました。


『朕 惟うに  我が 皇祖皇宗  国を肇むること宏遠に 徳を樹つること深厚なり』

最初の一文です。このうち、「徳を樹つること」という部分なのですが、この言葉を調べてみますと、中国最古の歴書である、「書経」に記された言葉、「徳を樹(た)つるには滋(しげ)きを務め、悪を除くには本(もと)を務む」という言葉が出てきます。

「滋き」と「本」とは相反する意味合いを持っていて、「滋き」とは大本ではなく小さなこと、些細な事を意味していて、「本」とは逆に些細な事ではなく大元、根本の事。

「樹つる」とは読んで字のごとく、「立てる」や「建てる」にも通じるものなのですが、書経の例では、「身に付ける」という意味合いで用いられている様です。

「滋」という言葉そのものは草木が水や養分を吸収して育っていく様を表す言葉で、「樹」とは、元々樹木や農作物を「植える」または「立てる」という意味があるのだそうです。

では改めて、「徳を樹つるには滋きを務め、悪を除くには本を務む」という言葉ですが、

 「徳を身につけるには、どんな小さなことでもおろそかにせず、大切にしなさい。
 悪を取り除くには、まず根本から改めるよう努力しなさい」

といった意味合いを持つ言葉なのだそうです。

では改めて教育勅語に戻ります。

『朕 惟うに  我が 皇祖皇宗  国を肇むること宏遠に 徳を樹つること深厚なり』

上記の内容を踏まえて「徳を樹つること深厚なり」という言葉を目にするといかがでしょうか。
この場合の「樹つる」は「身に付ける」というよりも「植える」、つまり「始める」といった意味合いに近い表現なのではないかと思われます。

またもう一つ。「国を肇むる」という言葉。
真説・年間暮らしの行事 というサイトで、以下のような記述を見つけました。

【以下引用】
建国記念の日
 
紀元前660年1月1日に日本の第一代天皇である神武天皇が即位されました。

その日を太陽暦に換算すると2月11日なので、 この日が建国記念の日として定められています。 しかし、 この日をもって日本の「建国」とする考え方は、 非常に「歴史迷信」といわなければなりません。

かつて明治天皇が教育勅語を制定されたとき、 草案を起草した元田永 孚らは冒頭部分を「国を建つること宏遠に」としました。 ところが明治天皇はその草案を却下されたのです。 すなわち日本には「肇国」はあっても「建国」はないということでした。 すなわち人類の歴史と同時に日本の国の歴史は始まっているのです。

そこで教育勅語はその部分が「こと宏遠に」と改められ、 はじめて明治天皇の御裁可が頂けました。

すなわち神武天皇から始まる神大倭かんやまと朝は第34代の皇統で、 その前に71世続いた武鵜草葺不合たけうがやふきあえず朝があり、 その前にも代々と皇統が続いてきました。

すなわち神武天皇から始まる日本の歴史は、 日本の本当の歴史からいえばほんの近代史にすぎないのです。

深い・・・。

「皇祖」とは初代天皇である神武天皇以前の皇族の事を、「皇宗」とは第2代天皇である「綏靖(すいぜん)天皇」以降の天皇のことを云うのだそうです。

綏靖天皇
【綏靖天皇】

明治天皇の思いとして、確かに天皇という存在は初代神武天皇より始まりましたが、「国を肇」まったのは、人類が誕生したその瞬間であった、とする思いがこの一文に込められているわけですね。

そしてそれ以来時が断たれることなく「徳」が研鑽され続けている、と。

 『朕 惟うに  我が 皇祖皇宗  国を肇むること宏遠に 徳を樹つること深厚なり』
深い・・・。

そして、これに続くのが

我が臣民 克く忠に 克く孝に 億兆心を 一にして 世々厥の美を済せるは 此れ 我が国体の精華にして 教育の淵源 亦 実に此に存す

国民のことを「臣民」と表現していることは、これは時代背景を現したものですから、これをあえて咎める必要性すらありませんね。

「克く忠に 克く孝に」という言葉には対象語が記されていませんが、これは「天皇陛下に」という意味ではなく、「皇祖の時代より続く天皇の世」つまり「日本」そのものを対象としているものと推察されます。

人によればこれが親であったり、世話になった恩師であったり、兄弟であったり、友であったり。
「世々厥(そ)の美(び)を済(な)せる」とありますから、これが教育勅語の作成されたその時代の事を現したものではなく、まさにこれまでの歴史の「億兆」の「心」を示したものであると考えられます。

「肇国の時代」より長きにわたって積み重ねられた「徳」が今まさにその時代の「美」を為しているのであり、これが「国体」、即ち日本という国のあるべき姿の「精華」、即ち「真髄」であり、そして教育の「淵源」、源であると、そう記されているわけですね。

そしてそれがまさに今、「実際に」「今の時代」に存在している、と。


記事が長くなりますので、一旦ここで終了し、後半を次回記事にて記したいと思います。


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