第280回 CPI公表の改定/平成29年(2017年)1月分消費者物価指数の見方など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

ランキングサイト

この記事のカテゴリー >>「物価」の見方


本日、2017年1月分消費者物価指数が公表されましたので、今回はこの事を記事にしたいと思います。

今回より、実は消費者物価指数の公表内容に新たなる項目が加えられています。それが

 「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」

です。これまで「食品及びエネルギーを除く総合」として掲載されていた項目が変更され、名称が「「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」へと変更されています。

もちろん「食品及びエネルギーを除く総合」という項目がなくなったわけではないのですが、例えばHPで見るとこんな感じ。

消費者物価指数ページ

拡大してみます。

生鮮食品及びエネルギーを除く総合

赤枠で囲っている部分です。
ここに、先月までは「食品及びエネルギーを除く総合」という項目名が記されていたのですが、ついに総務省も変えてきましたね。

如何に「食品及びエネルギーを除く総合」という項目が無意味な項目であったのか、ということに気づいたという事。
日銀のウェブサイトでは既に掲載されていて、「日銀版コアCPI」と呼ばれていたものです。

私のブログでも散々訴えていた通り。
消費者物価指数の中で、他の項目と異なり、日本の国内の景気状況とまったく関連性のない動きをするのがこの「生鮮食品」と「エネルギー」の2項目です。

物価は基本的に

「原価」+「利益」

で構成されているわけですが、安倍内閣が目指している物価上昇とは、「原価」の部分ではなく「利益」の部分の物価上昇を目指しているのです。

ですが、例えば生鮮食品は天候の影響を受けやすいですから、天候不順により不作に陥れば、農家も生活費を確保しなければなりませんから、当然出荷額が高くなります。

「出荷額」とは即ち「原価」に相当する部分。たとえ原価が上昇したことで物価全体が増加したとしても、「利益」が圧迫されていたのでは、販売する側の収益は増えません。却って減益になります。

同じ理由で「海外からの輸入単価」の影響を受け、原油価格が上昇したとすると、国内で販売されるガソリンや灯油等のエネルギー価格が上昇します。

「輸入単価」はそのまま「原価」に相当する部分ですから、このことが原因で物価全体が増加したとしても、企業の利益が圧迫されていたのでは意味がないわけです。

ですが、これを「食品」全体で考えるとどうでしょう?
天候の影響を受けるのは生鮮食品のみですし、お菓子やレトルト食品、調味料や飲料なども天候の影響を受けるかというと、そんなことはありませんね。

「生鮮食品」と「その他の食品」を分けて物価が計上されていることにはきちんとした意味があるわけです。

「その他の食品」の中には当然外食も含まれています。明らかに国内の「景気」の影響で物価が上下する分野です。
寧ろ国内の景気動向をかんがえれば、最も早く景気の影響を受けて変動するのがこの「食品」の分野であると考えてもよいのではないでしょうか。

ところが、先月までの総務省データでは、なぜか「生鮮食品」と「その他食品」がまぜこぜにされ、その上で「エネルギー価格」と共に消費者物価指数全体から差し引かれたデータが「コアコアCPI」として掲載されていたのです。

はっきりってこれではデータとして使い物になりません。
そして今月より、漸く、ついに「生鮮食品およびエネルギーを除く総合」が「コアコアCPI」のポジションに掲載される様になったのです。

【生鮮食品及びエネルギーを除く総合(前年同月比推移)】
生鮮食品及びエネルギーを除く総合グラフ

小さくて見にくいですが、画像をクリックしていただければ拡大できますので、拡大して確認してみてください。
2013年1月からのデータを掲載しています。

2012年のものから掲載したかったのですが、さすがに小さくなりすぎますので、こんな感じにしています。
2014年のデータは、消費増税が行われていますので、全体から1.7%ずつ引いて消費増税の影響が出にくい様にしています。

日銀CPIから取ってくれば消費増税の影響を取り除いたものがもう少し正確に出せるんですが、今回は総務省データで掲載しています。赤線が前年同月比0%のラインです。

2016年に入って上昇幅が縮小こそしていますが、それでも1月たりともマイナスになることなく、プラス成長し続けていることが分かりますね?

勿論データの算出方法に課題がないわけではありませんが、それでもエネルギー価格の下落に伴う物価のマイナス成長や生鮮食品の高騰に伴う物価上昇などのいわゆる「ノイズ」が排除されていますので、中々見やすい資料になっています。

改めまして次回記事では、ここからもう一つ「ノイズ」となる指標をお示しして、2017年1月度消費者物価指数本体に入っていきたいと思います。


このエントリーにお寄せ頂いたコメント

URL:
コメント:
 

スポンサードリンク

Copyright © 真実を問う!データから見る日本 All Rights Reserved.
ほったらかしでも稼げるFC2ブログテンプレート [PR]