第260回 平成28年(2016年)12月消費者物価指数速報/品目別指数②など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<継承する記事>
第259回 平成28年(2016年)12月消費者物価指数速報/品目別指数①

前回の記事に引き続き、今回も2016年12月消費者物価指数 品目別指数について記事にしたいと思います。

前回の記事を作成した目的は、「原油価格の下落」がついに物価を下落させる要素ではなくなった、ということを明らかにするため、特に「灯油」と「ガソリン」という項目に着目して記事を作成しました。

作成してみて改めて見えて来たこととして、「エネルギー価格」に含まれるのが「原油価格」由来のものだけではなかったということ。「光熱・水道」費目に含まれる「電気代」「ガス代」は今後も物価を下落させる要因として存在し続けることはよくわかりました。

この他「交通・通信」費目に於ける「航空運賃」、「輸入小型車」、「携帯通信料」、「携帯電話機」も物価を下落させる要因となっています。

今回の記事では、今年度に入って物価を下落させるもう一つの要因として君臨し続ける「家電」に着目して記事を作成してみます。


「家具・家庭用品」の消費者物価指数


洗濯機

家具・家事用品(348)
10月 -1.0
11月 -0.7
12月 -1.0

家庭用耐久財(111)
10月 -4.2
11月 -3.7
12月 -3.8

室内装備品(25)
10月 -4.7
11月 -4.0
12月 -3.7

寝具類(27)
10月 1.0
11月 0.5
12月 0.1

家事雑貨(72)
10月 4.5
11月 4.5
12月 4.0

家事用消耗品(86)
10月 -1.2
11月 -0.9
12月 -1.7

家事サービス(27)
10月 0.1
11月 0.1
12月 0.1

「家具・家庭用品」以外の項目は「家具・家庭用品」費目の中分類指数です。

見ていただくと、「家庭用耐久財」「室内装備品」「家事用消耗品」の3つの項目が「家具・家庭用品」全体の前年同月比を引き下げる要因となっていることが分かります。

所謂「家電製品」が含まれているのは、このうち「家庭用耐久財」の中分類品目。
そこで、先ずはこの「家庭用耐久財」から検証してみます。

家庭用耐久財(111)
10月 -4.2
11月 -3.7
12月 -3.8

家事用耐久財(57)
10月 -9.2
11月 -9.4
12月 -8.3

冷暖房用器具(37)
10月 1.8
11月 3.8
12月 1.8

一般家具(18)
10月 -0.7
11月 0.3
12月 0.6

「一般家具」は「家電」ではありませんが、10月にマイナスを付けた後、11月、12月とプラス方向に変化しています。
「一般家具」は7、8、9月と下落していた分野ですので、漸く下げ止まった・・・というところでしょうか。

また、同じ「家電製品」の中でも「冷暖房用器具」に関しては10月以降高い物価上昇率を維持しています。
冷暖房器具も8月が+0.1%、9月が0%と、辛うじて物価下落こそしていませんでしたが、1月~7月にかけて、連続でマイナスを記録していましたので、この分野もようやく持ち直した、という所でしょうか。

ただ、季節ものですので、処分に入る1月以降は再び下落し始めるかもしれません。

ということで、「家庭用耐久財」の中で、「家庭用耐久財」全体の物価を引き下げる主犯となっているのは残る「家事用耐久財」だということが分かります。

家事用耐久財(57)
10月 -9.2
11月 -9.4
12月 -8.3

電子レンジ(4)
10月 -23.0
11月 -18.9
12月 -28.5

電気炊飯器(11)
10月 -3.1
11月 0.2
12月 -1.0

ガステーブル(3)
10月 -3.0
11月 0.5
12月 3.2

電気冷蔵庫(16)
10月 -2.4
11月 -11.0
12月 -12.1

電気掃除機(9)
10月 -17.8
11月 -15.5
12月 4.7

電気洗濯機(全自動洗濯機)(7)
10月 -16.5
11月 -14.9
12月 -20.0

電気洗濯機(洗濯乾燥機)(7)
10月 -7.9
11月 -6.0
12月 -2.9

値は全て「前年同月比」、( )内は「ウェイト」。言うなれば「重要度」または「影響度」みたいなものです。
「ウェイト」全体を「10000」として計算し直していますから、「家事用耐久財」の影響力は 57/10000 だということになります。

非常にわずかな影響力しかない様にみえますが、それでもこの値が「家具・家庭用品」全体の物価を引き下げる要因となっており、その「家具・家庭用品」がまた消費者物価指数全体を引き下げる要因として働いているわけです。

このうち「ガステーブル」は家電製品ではありませんが、2016年5月~10月までは、家電製品ほではないにしろ1%を上回る、最大で4.7%の物価下落率を示しており、物価を上昇させる側ではなく、物価を下落させる側に影響していました。

この「ガステーブル」もまた11月以降はプラスに転じており、12月は3%を上回る物価上昇率を記録しています。

となれば、いよいよこの分野の「物価下落」に影響を与えているのはピンポイントで「家電製品」だということになります。
そして、「家電製品」の中でも「電気掃除機」は15%を超える物価下落率から今度は4.7%の上昇へと転じています。

そこで、私が毎回お示ししているのが「出荷ベース」の物価動向です。

参考にしているのは、「日本電機工業会」様データです。

【2016年12月分 国内出荷実績 前年同月比】
電気冷蔵庫
 数量 108.7 金額 99.4

 うち401L以上
  数量 93.0 金額 93.7

電気洗濯機
 数量 118.3 金額 115.9

 うち洗濯乾燥機
  数量 116.2 金額 121.2

電気掃除機
 数量 100.7 金額 99.8

電子レンジ
 数量 113.5 金額 112.8

ジャー炊飯器
 数量 104.9 金額 100.3

  民生用電気機器計
   金額 103.0

これが、「出荷ベース」の「販売数量」と「販売総額」の前年度比を示したものです。

毎回お示ししているとおりですが、「家事用耐久財」全体の物価が8%も下落しているとは考えられないような数字になっていますね?
「消費者物価指数」とは「消費する側」の数字であり、日本電機工業会様データは「出荷ベース」での数字です。

この二つの数字の間になぜこれほどのギャップが生まれるのか。
可能性は二つしかありません。

どちらかの数字が現実を大幅に乖離した算出方法となっているか、もしくは「出荷側」と「消費者」の間にいる「販売店」が、意図的に金額を引き下げて大安売りしているかのどちらかです。

例えば、ジャパネット○カタの様に。

勿論、安売りをすることが悪い、と言っているわけではありません。
販売店側が、そのことできちんと利益を取れているのであれば全く問題はないのです。

安売りしてもらったことで浮いたお金で、消費者は別のものを購入するか、または貯蓄に回すことができるのですから。
そのどちらも行えなかったとしても、このことが消費者にとってマイナス要因となることはありません。

私が言いたいのは、即ちこのような経済現象もって「物価が下落した」と大騒ぎし、「アベノミクスは失敗だ~~!」と大騒ぎするのは間違っているのではないか、ということです。

「賃金」のケースも後日再度記事にしようと思いますが、今回の記事では、この部分をご理解いただければと思っております。



次回記事では、もう一つの「家電分野」が含まれる「教養・娯楽」分野も検証したいと思います。


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