第259回 平成28年(2016年)12月消費者物価指数速報/品目別指数①など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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第258回 平成28年(2016年)12月消費者物価指数速報

さて。今回の記事では、前回お約束いたしました通り、2016年12月の消費者物価指数、10大費目別の内、消費者物価指数全体を引き下げる要因となっている3つの項目、「光熱・水道」、「家具・家庭用品」、「交通・通信」の3費目について記事にしたいと思います。


「光熱・水道」の消費者物価指数

エネルギー

【「光熱・水道」の前年同月比( )内:ウェイト】
光熱・水道(745 )
10月 -6.0
11月 -5.8
12月 -4.8

電気代(356 )
10月 -6.8
11月 -6.9
12月 -6.5

ガス代(181 )
10月 -7.8
11月 -7.9
12月 -7.7

他の光熱(41 )
10月 -19.0
11月 -13.7
12月 0.0

上下水道料(167 )
10月 0.4
11月 0.5
12月 0.5

「光熱・水道」以下掲載しているのは「光熱・水道」費目の中分類項目です。

「電気代」が下落している理由を、私、過去の記事の中で「発電に用いるエネルギー価格の動向」を理由として掲載していたのですが、この分野は「電力の自由化」に伴う影響もありますね。

で、見ていただくとわかると思いますが、「他の光熱」が先月の-13.7%から一気に0%に持ち直していますね。

では、「他の光熱」とは何のことを差しているのかというと、「灯油」のことです。
この中分類を構成している品目は「灯油」だけですから、中分類「他の光熱」=「灯油」のことだと言って間違いはありません。

「ガス」や「電気代」は確かに「エネルギー価格」ではあるのですが、共に「原油価格」がダイレクトに影響を与える分野ではありません。(電気代に関する考え方は先ほど訂正させていただいた通りです)

ですが、「灯油」は原油から直接精製されるものです。このようにしてみると、「原油価格の下落」がいかにして日本国の物価に影響を与える存在なのか、ということがよくわかります。

「電気代」「ガス代」は10月、11月と比較しても大きな変化はありませんから、「光熱・水道」費目全体のマイナス幅が1%減少している最大の要因は「灯油代の減少」だということになります。

しかしこうしてみると、「原油価格の下落」さえ収まれば物価下落にセーブをかけることはできると考えていましたが、「電気代」「ガス代」の下落幅も注意してみる必要があるようですね。


「交通・通信」の消費者物価指数

自動車

【「交通・通信」の前年同月比( )内:ウェイト】
交通・通信(1476 )
10月 -1.7
11月 -1.5
12月 -0.7

交通(224 )
10月 0.0
11月 -0.1
12月 -0.3

自動車等関係費(836 )
10月 -1.7
11月  -1.1
12月 0.4

通信(416 )
10月 -2.5
11月 -3.0
12月 -2.9

こちらは「交通・通信」費目の中分類前年同月比。「交通」を構成している品目は主に「運賃」です。
運賃は全体的にほぼ横ばいなんですが、JR在来線及びタクシー代、航空運賃が下落しており、この影響を受けて「交通」中分類全体も下落しています。

特に影響が大きいのは航空運賃で、

10月 -2.4
11月 -3.8
12月 -5.2

と連続して下落しており、その下げ幅も大きくなっています。


さて。「交通・運賃」費目そのものは下落しているのですが、この中でも唯一「自動車等関係費」だけは12月、プラスに転じていますね。

自動車等関係費
10月 -1.7
11月 -1.1
12月 0.4

自動車
10月 0.1
11月 0.1
12月 0.1

自転車
10月 4.8
11月 4.8
12月 4.7

自動車等維持
10月 -2.4
11月 -1.5
12月 0.4


「自転車」は相変わらず高い伸び率を継続していますね。
また、このうち「自動車」は6月~7月にかけてマイナスで推移していたのですが、9月に前年同月0%を記録して以降、順調に0.1%
の伸び率を記録しています。

0.1%という伸び率は消して高い伸び率ではない様に見えるのですが、


自動車(199)
10月 0.1
11月 0.1
12月 0.1

軽乗用車(40)
10月 0.5
11月 0.2
12月 0.3

小型乗用車A(55)
10月 0.2
11月 0.3
12月 0.3

小型乗用車B(5)
10月 -9.7
11月 -9.7
12月 -9.7

普通乗用車A(80)
10月 0.3
11月 0.3
12月 0.3

普通乗用車B(20)
10月 0.8
11月 0.8
12月 0.8

「自動車」の品目は更に細かく分類されています。
で、見ていただくとわかると思いますが、「小型自動車B」だけが-9.7という伸び率を毎月記録している以外は、どの項目もプラスで推移しています。

「軽自動車」が唯一10月と比較して上昇幅が小さくはなっていますが、それでもプラス上昇。11月よりもその上昇幅は大きくなっています。

で、ちなみに「小型自動車B」が何を表すのかというと、それは「小型自動車(輸入車)」のこと。
という事は、「普通自動車B」は「普通自動車(輸入車)」となるわけですが、実はこの「普通自動車B」の物価も、今年度4月~9月まで、継続してマイナス成長していました。

これが10月より上昇に転じ、且つ0.8%と国産車普通車を上回る物価上昇幅を記録しているわけです。
国会質問において、民進党のどなたかが国内の消費者物価について、「自動車の物価も下がっている」と言っていましたが、この様な数字をまったく見ていないことがよくわかります。


さて、この「自動車等関係費」に於いて本丸となるのは、実は残されたもう一品目。「自動車等維持」という項目の消費者物価です。全体として11月は-1.5%であり、長い間マイナスで推移し、国内の消費者物価の足を引っ張り続けていた品目でもあります。

詳細品目としては

ガソリン
自動車タイヤ
自動車バッテリー
カーナビゲーション
自動車整備費(定期点検)
自動車整備費(パンク修理)
自動車オイル交換料
車庫借料
駐車料金
自動車免許手数料
レンタカー料金
洗車代
ロードサービス料
自動車保険料(自賠責)
自動車保険料(任意)

と非常にたくさんの品目があるのですが、この全ての品目を抽出していては脳が沸きそうになりますから、これらの項目の内、全体への影響が大きいと思われる二つの項目について掲載したいと思います。

ガソリン(206 )
10月 -7.7
11月 -4.1
12月 1.6

カーナビゲーション(21 )
10月 -4.8
11月 -10.3
12月 -6.4

皆さまご想像の通り・・・と思います。
「ガソリン」の動きです。この2項目以外は以前からプラス成長を続けていたり、自賠責保険の様に市場動向の影響を受けないものも多くありますので、検証することそのものに大きな意味は持たないと思うのですが、この2つだけは動きが大きい。

「ガソリン」は「灯油」と同じくピンポイントで原油価格動向の影響を受けるものです。
これまで原油価格の下落に伴ってこれらの項目が物価を下げ、消費者物価全体を引き下げる主犯でもあったこれらの項目の前年同月比が下落幅を縮小させ、ついに上昇に転じたことで消費者物価指数全体としてはプラス成長するようになりました。

ただ、「生鮮食品を除く総合」=コアCPIで見ますと数字としてはマイナスを記録しており、CPI全体のプラス幅が「生鮮食品の物価」によって支えられているということも見えてきます。

今回調査した項目の中で見ると、未だに物価を下落させる方向に働いている「電気代・ガス代」、そして「航空運賃」「輸入小型自動車」。調査結果は公表していませんが、「通信」の物価。

「通信」の項目を下落させているのはピンポイントで「携帯通信料」と「携帯電話機」の2つです。
通信料が2%、電話機が9%の下落。特に通信料はウェイトが230とそれなりに大きいことも影響しています。

これはやはり「格安スマホ」や携帯電話会社の料金プランの見直し等も影響していると考えられます。

次回記事では、今回記事にできなかったもう一つの分野、「家具・家庭用品」の動向についても探ってみたいと思います。


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