第258回 平成28年(2016年)12月消費者物価指数速報など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

ランキングサイト

この記事のカテゴリー >>「物価」の見方


今回は少し話題を変えまして、「経済」に関連した記事を掲載したいと思います。

タイトルにある通り、「消費者物価指数」に関連した記事です。
先月末、2016年11月分の消費者物価指数も公表されてはいたのですが、10月までの記事内容と大きく変わり映えがしないこともあり、11月分の内容にしては記事にしていません。

で、改めて今回記事にしようと思った理由としては、勿論単純にこれまで消費者物価指数の動向を記事にしてきたから、という理由も勿論あるのですが、最大の理由としては、これまで日本の「消費者物価指数」の推移について足を引っ張り続けていた「エネルギー価格」の動向が変化したからです。

今年度に入って改善傾向にはあったのですが、それでも「前年同月比」で見るとやはり「マイナス成長」という傾向に変化はありませんでした。

勿論「エネルギー価格」とは、その大部分が輸入物価の動向であり、仮にこの部分が増加したとして、日本国内ではどの企業にもメリットはありませんし、利益も生まれません。

ですから、本来であれば低ければ低いほど良いわけですが、それでも「消費者物価」全体を引き下げるほどの影響を発揮し続けられると、「安倍内閣も日銀も、物価上昇を目指すと言ってばかりいるが、一向に改善されないじゃないか!」などという誤った評価に餌を与えることになってしまい、このことが「期待インフレ率」の下落につながってしまいます。

「景気」っていうのはやはりみんなが「ひょっとして自分たちの生活はよくなっているんじゃないか」と思ってくれた方が、やっぱりよくなるんです。ですから、せめて適正な評価が行えるようにするためにも、分析屋の私としては、非常に待ち焦がれていた状況ではあります。

と言うことで、まずは「12月消費者物価指数(総合)」前年同月比を見てみましょう。

総合
10月 0.1
11月 0.5
12月 0.3

生鮮食品を除く総合
10月 -0.4
11月 -0.4
12月 -0.2

持家の帰属家賃を除く総合
10月 0.2
11月 0.6
12月 0.4

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合
10月 -0.4
11月 -0.4
12月 -0.2

食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合
10月 0.2
11月 0.1
12月 0.0

「物価」

10月、11月の「総合」がプラスで推移している理由はこちら。

食料
10月 2.3
11月 3.6
12月 2.5

生鮮食品
10月 11.4
11月 21.6
12月 13.8

生鮮食品を除く食料
10月 0.6
11月 0.5
12月 0.5

生鮮食品の高騰によるものです。

12月も同様と言えば同様なのですが、詳細は後の「品目別」の項目で解説していきたいと思います。

上の数字の中で、「持家の帰属家賃を除く総合」という項目について。
「持家の帰属家賃」とは、「もし自分が持っている家が持家ではなく賃貸住居であった仮定したら家賃はいくらか」という架空の数字に基づいた「物価」であり、本来はカウントする必要のない数字です。

この数字を除くか除かないかで「総合」の数字が前年比で0.1%も変化していることがわかると思います。
ちなみに「持家に帰属する家賃」とはこのような推移になります。

住居
10月 -0.2
11月 -0.2
12月 -0.2

持家の帰属家賃を除く住居
10月 0.2
11月 0.2
12月 0.2

家賃
10月 -0.4
11月 -0.4
12月 -0.4

持家の帰属家賃を除く家賃
10月 -0.4
11月 -0.4
12月 -0.4

「持ち家の帰属家賃」という数字は私が現在見ている統計表には掲載されていませんが、おそらく前年同月比で-0.4%。
「家賃」も含めた全体の「住居」の数字をこの「持家に帰属する家賃」が大きく引き下げていることもご覧いただけると思います。

また一方、「物価」全体の数字が1万であった場合のシェア率のことを「ウェイト」というのですが、この「ウェイト」の内、もっとも大きな割合を占めるのが「食料」。

同じ食料でも「生鮮食品」のウェイトが414(414/10000のシェア率)であるのに対し、「生鮮食品を含まない食品」のウェイトは2209であり、「物価」全体に最も大きな影響を与えています。

物価「総合」の中には、前記している様に、

「総合」
「生鮮食品を除く総合」
「持家に帰属する家賃を除く総合」
「持家に帰属する家賃及び生鮮食品を除く総合」
「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」

という5つの項目があり、このうち

「総合」のことを「CPI」、
「生鮮食品を除く総合」のことを「コアCPI」、
「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」のことを「コアコアCPI」

と呼称し、政府データとしてはこの3つの数字が重要視されています。

そしてこの3つの指標、その他2つを合わせて5つの指標の内、今年度中足を引っ張り続けた「エネルギー価格」が除外されている指標は「コアコアCPI」だけなのですが、この指標からは「物価」に対して最も大きな影響を与えるはずの「生鮮食品を除く食料」の項目までもが除外されています。

前記しています通り、天候の変動を受けやすい「生鮮食品」を除外した、「生鮮食品を除く食料」は

10月 0.6 %
11月 0.5 %
12月 0.5 %

と、特に10月と12月に関してはCPI全体の昨対を上回る上昇幅を示していますから、これを除外して「物価」を見るのもおかしな話です。

ということで、この様な総務省データのウィークポイントを完全克服した「生鮮食品及びエネルギー価格を除く総合」という指標を日銀が公表しているのですが、残念ながらこの「日銀版コアCPI」は総務省データよりも遅れて公表されます。

私たち日本国民が、本当の日本国経済の状況を知るために、とても大切なデータだと思うのですが、何とかなりませんかね、このいびつな状況・・・。

ということで、政府が発表している「消費者物価指数」の見方を少しおさらいしてみました。


平成28年(2016年)12月10大費目別消費者物価指数

さて。私が重要視している「物価指標」はこちら。「10大費目別消費者物価指数」です。

食料(2623)
10月 2.3
11月 3.6
12月 2.5

住居(2087)
10月 -0.2
11月 -0.2
12月 -0.2

光熱・水道(745)
10月 -6.0
11月 -5.8
12月 -4.8

家具・家庭用品(348)
10月 -1.0
11月 -0.7
12月 -1.0

被服及び履物(412)
10月 1.2
11月 1.0
12月 0.6

保健医療(430)
10月 1.0
11月 0.9
12月 0.8

交通・通信(1476)
10月 -1.7
11月 -1.5
12月 -0.7

教育(316)
10月 1.5
11月 1.5
12月 1.5

教養娯楽(989)
10月 1.0
11月 0.8
12月 0.5

諸雑費(574)
10月 0.7
11月 0.4
12月 0.3

ちなみにこのうち、「エネルギー価格」の動向は以下のようになっています。

エネルギー(784)
10月 -7.9
11月 -6.7
12月 -4.4


全体的に、上昇幅に鈍さが見えはするものの、基本的にプラス幅を示していることが分かります。
10月までの昨対と全体的な傾向としては変わっていませんね。

ですが、「住居」に関して言えば、前述していますように「持家に帰属する家賃」を除けば

10月 0.2
11月 0.2
12月 0.2

と、順調にプラスで推移していますし、「ウェイト」で考えますと、「住居」が全体で「2087」という数字であるのに対して、「持家に帰属する家賃」のウェイトは「589」。

つまり、その差額1498分は「持家に帰属する家賃」のウェイトだということになります。
ですが、既に前述した通り、「持家に帰属する家賃」とは、本来存在しないフィクションの数字です。

この統計指標はっきり言って異常だと、私は思います。

そういえば、日銀CPIからはこの「持家に帰属する家賃」は除外されているんでしょか。本来この数字も除外すべきものだと思います。

つまり、実数として昨対でマイナスを記録しているのは「光熱・水道」、「家具・家庭用品」、「交通・通信」の3つ。
これ以外の費目は全てプラス成長している。これが我が日本国の「物価動向」ですね。

さて、この中でも特に「光熱・水道」及び「交通・通信」は「エネルギー価格」の動向が絡んでくる要素です。
次回記事では、この二つの項目、及び「家具・家庭用品」の動向について検証してみたいと思います。


TOP「物価」の見方第258回 平成28年(2016年)12月消費者物価指数速報

このエントリーにお寄せ頂いたコメント

URL:
コメント:
 

スポンサードリンク

Copyright © 真実を問う!データから見る日本 All Rights Reserved.
ほったらかしでも稼げるFC2ブログテンプレート [PR]