第223回 平成28年(2016年)10月消費者物価指数速報①/品目別指数①など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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第222回 平成28年(2016年)10月消費者物価指数速報①/歪なマスコミ報道

では、いつもの通り「CPI(総合)」を「10大費目別(前年同月比)」で見てみます。

 食料 2.3(9月:0.6)
 住居 -0.2(9月:-0.1)
 光熱・水道 -6.0(9月:-6.2)
 家具・家事用品 -1.0(9月:-1.5)
 被服及び履物 1.2(9月:1.4)
 保健医療 1.0(9月:1.0)
 交通・通信 -1.7(9月:-2.1)
 教育 1.5(9月:1.5)
 教養娯楽 1.0(9月:0.3)
 諸雑費 0.7(9月:0.6)


「食料」の消費者物価指数

食料

今回の10大費目別指数の特徴として最も大きいのはやはり「食料」の物価指数の上昇です。
理由ははっきりしていまして、

 食料 2.3%(9月:0.6)
 生鮮食品 11.4%(9月:-0.8)
 生鮮食品を除く食料 0.6%(9月:0.8)

「生鮮食品」の物価高騰が最大の理由です。
この話題は、ニュース等でもよく見かけたのではないでしょうか。

日本生命のシンクタンクと思われるニッセイ基礎研究所というところでは、これが新たなる消費抑制につながる、とも分析しています。
消費者物価(全国16年10月)~生鮮食品の価格高騰が消費の新たな悪材料に

記事内容としては、個人的に首をかしげる部分もいくつかあります。
内容として、「食料」と「エネルギー価格」にしか触れていないのは専門機関が記す記事としては少しお粗末なのではないでしょうか。

「生鮮食品の価格高騰が消費の新たな悪材料に」なっているにもかかわらず、「食品及びエネルギーを除く総合(コアコアCPI)」や「生鮮食品及びエネルギーを除く総合(日銀版コアコアCPI)」がなぜプラス幅を拡大しているのか、ニッセイ基礎研究所の記事ではこの部分が検証できていません。


「家具・家事用品」の消費者物価指数

住居

「食品及びエネルギーを除く総合(コアコアCPI)」や「生鮮食品及びエネルギーを除く総合(日銀版コアコアCPI)」がプラス幅を拡大している理由として、影響が大きいと思われる分野の一つは、「家具・家事用品」の項目ではないかと思われます。

マイナス幅が1.5から1.0に0.5ポイント縮小しています。
中分類で見てみますと、以下の通りです。

 家具・家事用品
  家庭用耐久財  -4.2(9月:-6.8)
  室内装備品 -4.7(9月:-4.6)
  寝具類 1.0(9月:1.8)
  家事雑貨 4.5(9月:5.1)
  家事用消耗品 -1.2(-0.9)
  家事サービス 0.1(0.1)

前年同月比的には「悪化」している項目が多いのですが、この中で唯一「家庭用耐久財」に関しては「改善」していますね?
勿論数値としてはマイナスですから、前年度より「悪化」しているのですが、前月と比較するとマイナス幅は縮小しています。

「家庭用耐久財」の中には小分類として、「家事用耐久財」と「一般家具」の二つの項目があります。

家庭用耐久財

 家事用耐久財 -9.2(9月:-13.1)

  電子レンジ -23.0(9月:-16.8)
  電気炊飯器 -3.1(9月:-11.1)
  ガステーブル -3.0(9月:-2.3)
  電気冷蔵庫 -2.4(9月:-4.9)
  電気掃除機 -17.8(9月:-20.3)
  電気洗濯機(全自動洗濯機) -16.5(9月:-14.8)
  電気洗濯機(洗濯乾燥機) -7.9(9月:-26.7)

  冷暖房用器具 1.8(9月:0.0)
   ルームエアコン 1.4(9月:-0.6)
   温風ヒーター 0.2(9月:1.6)
   空気清浄機 9.7(9月:4.5)

 一般家具 -0.7(9月:-0.2)
  整理だんす 2.5(9月:1.3)
  食堂セット -1.9(9月-1.0)
  食器戸棚  -2.4(9月:-0.7)

「一般家具」は-0.2から-0.7にマイナス幅を拡大していますから、改善要因として大きいのは「家事用耐久財」の下落幅の縮小だということになります。

「家事用耐久財」の中で、マイナス幅を拡大しているのは

「電子レンジ」・「ガステーブル」・「電気洗濯機(全自動洗濯機)」の3項目。
それ以外の項目は全てマイナス幅を縮小。特に「冷暖房機器」の内「ルームエアコン」に関してはマイナスどころか、消費者物価はプラスに転じ、元々プラスであった「温風ヒーター」も「空気清浄機」もプラス幅を拡大しています。


「日本電気工業会」データ

毎回お示ししていますが、この「家事用耐久財」に関しましては、現実の物価変動を政府データが吸収しきれていないのではないか、と考えている分野です。

まずは先月、9月データを掲載してみます。
そこで、日本電機工業会ホームページより、実際に出荷された数量、および出荷額を毎回お示ししています。

【9月】
(単位:千台・百万円)数量 前年比 金額 前年比
電子レンジ       253  141.9  8,419  165.8
電気炊飯器      502  100.8  11,785  95.0
電気冷蔵庫      358  103.2  42,720 101.9
電気掃除機      486  117.3  10,858 124.0
電気洗濯機(全体) 383   111.7  29,295 111.6
洗濯乾燥機      94   105.7  14,269 106.7
ルームエアコン    469  104.3  39,274  108.3

【10月】
(単位:千台・百万円)数量 前年比 金額 前年比
電子レンジ       235  102.3  6,917 103.1
電気炊飯器      428  92.4   9,694  91.8
電気冷蔵庫      237  96.4  27,275  95.9
電気掃除機      336  88.8  7,211   93.7
電気洗濯機(全体) 345  118.7  24,587 117.5
洗濯乾燥機      63   104.7  8,831 111.2
ルームエアコン    336  114.7  28,236 111.2

「炊飯器」「冷蔵庫」「掃除機」に関してはやや勢いに陰りが見えるものの、特に「洗濯機」「洗濯乾燥機」「ルームエアコン」に関しては出荷額で昨対10%を超える上昇幅を記録しています。

「消費者物価指数」の項目と比較すると、やはり首をかしげるばかりですね。
ただ、どちらにせよこの項目の「前年同月比下落幅」が「縮小」したことが消費者物価指数全体に影響を与えているということは間違いありません。


「教養娯楽」の消費者物価指数

もう一つ大きいのは、この分野ですね。
数字で見てみると、プラス0.3%からプラス1.0%への拡大ですから、先ほどの「家具・家事用品」よりも大きな上昇幅です。
「家具・家事用品」のウェイトが348、「教養娯楽」が989となっていますから、影響力は「教養娯楽」の方が圧倒的に大きいですね。

教養娯楽
 教養娯楽用耐久財 -5.5(9月:-7.8)
 教養娯楽用品 2.0(9月:0.2)
 書籍・他の印刷物 0.2(9月:0.4)
 教養娯楽サービス 1.5(9月:1.1)

全項目で改善していますが、この中で特に影響力が大きいのは「教養娯楽用品」です。
プラス幅が1.8、ウェイトは210となっています。教養娯楽用耐久財のマイナス幅も2.3改善しています。ウェイトは59ですが、ここの影響も大きいです。

またもう一つ、「教養娯楽サービス」も0.4%プラス幅を広げています。ここはウェイトが592ですから、ここの影響も無視できません。

ボリュームが大きくなりそうですので、記事を分けます。


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