第221回 GDPデフレーターと消費者物価指数の違い/どちらを見るべきか?③など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<継承する記事>
第220回 GDPデフレーターと消費者物価指数の違い/どちらを見るべきか?②

「GDPデフレーター」と「消費者物価指数」を比較した場合、GDPデフレーターの最大の長所は、その値から「輸入物価」全体がマイナスされており、日本国内の利益、私たちの給与所得に影響を与える部分に限定した「物価状況」を見ることができるという部分に尽きることを前回の記事ではお伝えしました。

ですが、「消費者物価指数」で考える場合も、輸入物価の影響を受けやすい、「エネルギーの消費者物価」を取り除いてやることで、GDPデフレーターに近い値をはじき出すことができます。

総務省統計局資料としても、この「エネルギー価格」を含まない、消費者物価指数である「コアコアCPI」を発表してはいるのですが、この値からは消費者物価指数の内、全体への影響が最も多い「食料」全体の物価まで外されてしまっていますので、私としてはこの「コアコアCPI」で物価を見るのはあまり好きではありません。

「食料」の内、「生鮮食品」に関しては確かに気温や気候条件など、本来の経済状況とは異なる側面から影響を与えることが考えられますので、ここを除く事には賛同するのですが、食料全体となると話は別です。

これは、実は日銀が同じことを考えて、丁度「エネルギー価格および生鮮食品を除くCPI」というものを発表しています。

これが以下のグラフになります。

【エネルギー価格および生鮮食品を除く消費者物価指数(CPI)】
CPI(生鮮食料・エネルギー除く)

少し小さくて見えにくいかもしれませんね。
2013年度から見ると、

2013年度 前年同月比
4月    -0.6
5月    -0.4
6月    -0.2
7月    -0.2
8月    0.0
9月    0.0
10月   0.3
11月   0.6
12月   0.6
1月    0.8
2月    0.9
3月    0.8

2014年度
4月    0.8
5月    0.7
6月    0.8
7月    0.8
9月    0.7
10月   0.6
11月   0.5
12月   0.5
1月    0.4
2月    0.4
3月    0.5

2015年度
4月    0.7
5月    0.7
6月    0.7
7月    0.9
8月    1.1
9月    1.2
10月   1.2
11月   1.3
1月    0.9
2月    1.0
3月    0.9

2016年
4月    0.8
5月    0.7
6月    0.7
7月    0.5
8月    0.4
9月    0.2

この、所謂「日銀版コアコアCPI」からは、実は「消費増税による影響」もあらかじめ除外されています。

内閣府が公表しているCPIからも、1.7%をマイナスすることで増税の影響を除くことはできるのですが、こちらの方があらかじめきちんと計算されていますし、内閣府統計にはないデータですから、私は現時点ではこの「日銀CPI」こそがより正確に国内の物価状況を見る資料としては適しているのではないかと思っています。

GDPデフレーターの欠点も、消費者物価指数の欠点もきれいに取り除かれていると思います。

今年度に入ってから、特に7月、8月、9月と上昇幅が縮小していますが、このグラフから「消費増税による影響」はとても感じられませんね。
寧ろアベノミクスの本領が発揮されているのは消費増税が行われた、その翌年である2015年であることがよくわかります。

散々お伝えしてきていますように、「原油価格下落」による影響が長く続いており、このことであたかも消費者物価が下落し続けているかのように言われていますが、少なくとも2013年10月以降、一度たりとも前年同月を下回った月など存在しないことが分かりますね?

また、今年度に入って下落している理由もその最大の理由は「家電製品の物価の下落」であり、この理由として、政府試算が現実の物価状況を正確に捕捉しきれていないことを私は挙げています。

第207回 平成28年(2016年)9月消費者物価指数速報/コアコアCPI下落の理由③
第209回 平成28年(2016年)9月消費者物価指数速報/コアコアCPI下落の理由⑤


さて。それでは今回の命題。
「物価」を判断する指標として、「GDPデフレーター」と「消費者物価指数」のどちらを用いるべきか。
結論は、「消費者物価指数」を利用して日銀が作成している「日銀版コアコアCPI」をみましょう。

これが結論になります。
その上で、疑問に思った部分について「品目別CPI」を見て原因追及をしましょう。

このやり方が一番正確な情報を導き出すことが可能です。
間違えても「2014年に行われた消費増税の影響が2016年7月になって突然出てきた」なんてトンデモ論に惑わされることのありませぬよう・・・。



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