第218回 GDPデフレーターとは何か?/日本一わかりやすく考えるなど、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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この記事のカテゴリー >>「物価」の見方


前回の記事 でもご案内しましたが、このところ「GDPデフレーター」に関連したキーワードからの検索が増えていますので、少しこのキーワードに関連した記事を追加してみたいと思います。

↓勿論過去にもこの「GDPデフレーター」について記事にしたことはあります。
第9回 GDPデフレーターとは何か

キーワードからのアクセスもこの記事にランディングしています。
ただ、私自身の知識量とすると、あの時より現在の方が増えていると思いますし、文字色をたくさん使ってしまっていることで、却って読みにくくなっているのではないか・・・という懸念もありましたので、今回改めてこの「GDPデフレーター」について記事を作成してみようと思います。


「GDPデフレーター」とは何か?

「GDPデフレーター」とは何かと申しますと、これは一言で、「国内の物価が『インフレ』であるか、『デフレ』であるかを判断するための指標」である、ということになります。

その計算式は、

 名目GDP ÷ 実質GDP × 100

で表されます。
既に何度もお伝えしていますように、「名目」とは「何円消費されたのか」という「金額」を表すための指標であり、「実質」とは「何個消費されたのか」という「量」を表すための指標です。

金額を個数で割るわけですから、「消費量1当たりの金額」が算出されます。

りんご

例えば、リンゴを総額5000円購入したとして、購入数量が10個であったとすると、りんご一つ当りの単価は

5000÷10=500

になりますよね?
つまり、500円のリンゴを10個買った結果合計で5000円支払いました、とこうなるわけです。

この場合、「総額5000円」に相当するのが「名目GDP」、「購入数量10個」に相当するのが「実質GDP」、「りんご一つ当りの単価」に相当するのが「GDPデフレーター」です。

このように考えるとわかりやすいですよね?
例えば総額が6000円になったけれども、購入数量は10個のままであったとすると、りんご一つ当りの単価は600円になります。

この現象をGDPに置き換えて考えると、名目GDPは2割上昇したが実質GDPは上昇しなかった。GDPデフレーターの上昇率は20%であった

というように表現されます。

「名目GDP」と「実質GDP」

この様に表現すると、多くの人の頭の中に、「クエスチョンマーク」が思い浮かぶかもしれません。

「え、だって『実質GDP』って金額で表されてるじゃん!」

と。

これは当然だと思います。
先ほどのリンゴの事例を用いて、少し頭の体操をしてみたいと思います。

【質問1】
Aさんは、とあるスーパーマーケットで、リンゴを10個、総額5000円購入しました。リンゴ一つ当りの単価は何円だったでしょう?

質問は先ほどの事例とまったく同じです。答えは5000÷10=500で500円になります。

ですが、この答えは本当に正しいのでしょうか?

【質問2】
Aさんは、とあるスーパーマーケットで、リンゴを10個、総額5000円購入しました。リンゴ一つ当りの単価は何円だったでしょう?
このスーパーマーケットで販売しているリンゴは「フジ」「つがる」「王林」「紅玉」「ジョナゴールド」の5種類です。

この様な問題であったとすると、いかがでしょう。

「リンゴ一つ当りの単価」は本当に 『5000円÷10個=500円』 という数式で表せるのでしょうか。

答えは「×」です。

実はこの500円という単価は「リンゴ一つ当りの単価」ではなく、「リンゴ一つ当りの平均単価」だったんですね。

では、次の質問です。

【質問3】
Aさんは、とあるスーパーマーケットで、リンゴとみかんを合計で10個、総額5000円購入しました。リンゴ一つ当りの単価は何円だったでしょう?
このスーパーマーケットで販売しているリンゴは「フジ」「つがる」「王林」「紅玉」「ジョナゴールド」の5種類です。

秋のフルーツ

いかがでしょう。こうなってくると、もうすでに平均値を求めることすら不可能ですね?
では、こんな質問だといかがでしょうか?

【質問3】
Aさんは、とあるスーパーマーケットで、リンゴと牛乳を総額5000円購入しました。Aさんは牛乳を何リットル購入したでしょう。
リンゴの平均単価は500円であると考えます。

先ほどまでは「単価」を問いかける質問でしたが、今回は「販売量」を問いかける問題になっています。

もう意味が分かりませんよね、ここまでくると。

では、次の質問です。

【質問3】
Aさんは、とあるスーパーマーケットで、リンゴと牛乳を総額5000円購入しました。Aさんはこのスーパーマーケットの商品をいくつ購入したでしょう。
リンゴの平均単価は500円、牛乳1リットル当たりの平均単価は200円であるとする

えっ、ってなりますよね、こんな聞き方されると。リンゴを数える単位が「個」であると考えている人もいらっしゃるかもしれませんが、ひょっとすると「g」かもしれません。牛乳の単位も「リットル」ではなく、「パック」かもしれません。

組み合わせが今回はまだスーパーマーケットで販売されている程度のものですから、まだ辛うじて想像できるかもしれませんが、ここに「ガソリン」であったり「パソコン」であったり、「車」であったり、「家」であったり、単位も、考え方も異なるコンテンツが入ってくると、もうとても「販売数量」など数えることは不可能になってしまいます。

ましてこれが国家レベルになると、「金融」だとか「設備投資費」だとか「税金」だとかとても同じ単位で考えることができないコンテンツだらけになってしまいますし、住んでいる地域が異なれば、一単位当たりの金額を平均化することそのものが不可能になるケースだらけになってしまいます。

そこで、「国家」規模でこれを考える場合、単位を「個」だとか「g」だとか「リットル」だとか、異なる単位で集計することはせず、「円」という共通の単位で販売数量を計測しているのです。正式には数式を用いて算出しています。
その最大の計算結果が「実質GDP」なのです。

つまり、「実質GDP」とは、単位こそ「円」で表現していますが、実際には金額ではなく、「数量」を表しているのです。

詳しくは、第53回の記事 などでも掲載しています。


「GDPデフレーター」とは何か。
それは、日本国内で1年や四半期などの期間内で消費されたありとあらゆるコンテンツの「平均単価(単位:%)」を現したものです。

日本国政府や日銀が「インフレ(物価上昇)」を目指しているのは、この平均単価で考えた場合、冒頭のリンゴの事例を挙げますと、500円のリンゴより、600円のリンゴが消費される社会を作ることを目指している、ということです。

ただ、その時に、確かに500円のリンゴより600円のリンゴの方が売れるようにはなったけれども、販売数量が9個しか売れなくなったのでは意味がありません。せめて同数、願わくば11個、12個と売れるような社会を作りましょう、というのが現在の安倍内閣の政策=「アベノミクス」なのです。

いかがでしょう。「GDPデフレーター」について、「日本一わかりやすく」考えるお手伝いができましたでしょうか?

次回記事では、同じ「物価」を計る指標として「GDPデフレーター」以外に「消費者物価指数」という指標があるわけですが、ではどちらの指標を用いるべきなのか、どちらの指標で見れば正確なインフレ・デフレの状況が判断できるのか。

そのようなテーマで記事を記したいと思います。


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