第216回 TPP問題とRCEP・FTAAP/「自由と繁栄の弧」の真価②など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<継承する記事>
第215回 TPP問題とRCEP・FTAAP/「自由と繁栄の弧」の真価①

前回の記事に引き続き、今回の記事では、「RCEP」・「FTAAP」についての記事を掲載します。


「RCEP」とは

RCEPの正式名称は「東アジア地域包括的経済連携」といいます。

しかし・・・ややこしい。
色々調べているのですが、まだ「真相」がよく見えてきません。

全体像としては、1997年に起こった「アジア通貨危機」をきっかけに、東アジア内での連携が必要とされるようになり、ASEANの議会に日中韓が招待される形で「ASEAN+3」がスタート。

2002年11月に開催されたASEAN+3首脳会合で、同地域の経済大臣会合に対し、「東アジアFTA」の検討を指示されます。
東アジアFTAは「EAFTA」と呼称されます。

2004年11月に開催されたASEAN+3首脳会合では、中国提案によりEAFTAの共同専門家グループが設置されます。

この経緯を、ネット上の記載によっては「中国が2005年4月から提唱してきた」とするものもあれば、「韓国が提案し、中韓が推す」との記載もあります。どちらが真実なのかがよくわかりません。要調査、ですね。

実は「東アジアFTA」のこの考え方、「中国を中心とした経済圏=東アジア共同体」を作り上げることが目的とされている様で、日本とするとあまり好ましい情報ではありませんね。

中韓が推しているという時点で既に・・・。ちなみに日本で東アジア共同体にめっちゃ乗り気だったのは民主党内閣において総理大臣を務めた鳩山由紀夫なのですが・・・まあこの情報は蛇足ですね。

この考え方には日本だけでなくASEAN諸国も懸念を表明していました。

そこで、2006年8月に日本から提案されたのが「東アジアEPA」。これまで中国が主導してきた「東アジアFTA」に「インド」「オーストラリア」「ニュージーランド」を加えた「ASEAN+6」を経済圏とした「東アジア経済連携協定(CEPEA)」を形成することが当時の日本の経済産業省によって提唱されたのです。

分かりやすいですね。
中韓が形成しようとしていたのは「自由貿易圏(FTA)」であり、つまりこのエリアから関税を撤廃・又は削減することで域内の物品やサービス、投資の自由化を行おうとしていたわけです。

ところが、これに対して日本は単に関税の撤廃・削減を行うだけでなく、経済協力や投資、知的財産権に関しても「ルール作りを行いましょう」と提案したわけです。

しかも、ここに「オーストラリア」「ニュージーランド」「インド」という新たなフィクサーを加え、中国のわがままを通りにくくしたという・・・。これを提唱したのが中国シンパとの呼び声が高い二階俊博当時経済産業大臣ということですから、これは非常に意外ですね。

2011年8月には日中共同で「EAFTAおよびCEPEA構築を加速させるためのイニシアチブ」という提案が行われ、東アジアFTAが東アジアEPAに吸収される形で設立に向けての交渉がスタートしたのが「RCEP(東アジア地域包括的経済連携)」です。

TPPにおけるガンはアメリカでしたが、RCEPにおけるガンは中国です。「自由貿易圏」を形成しようとする米中に対し、これを「経済連携協定」へと進化させるのが日本の役割であることがよくわかります。

RCEPへ向けての交渉でもまた「自由と繁栄の弧」構想が功を奏していることが分かりますね?


「FTAAP(エフタープ)」とは?

先ほどお伝えしたアジアにおける経済協定とはまた別に、これらの地域を含めた「アジア太平洋地域」における経済協定、「APEC(エイペック)」というものが存在します。

APEC.png


APECの歴史はCEPEAやEAFTAの歴史よりも古く、その設立は1989年。
日本に後押しされる形でオーストラリアのホーク首相の提唱でスタートしました。

発足時の参加国は

「オーストラリア」、「ブルネイ」、「カナダ」、「インドネシア」、「日本」、「アメリカ」、「マレーシア」、「ニュージーランド」、「フィリピン」、「シンガポール」、「タイ」、「韓国」

の合計12カ国。現在ではここに台湾、中国、香港、メキシコ、パプアニューギニア、チリ、ペルー、ロシア、ベトナムの合計9カ国と地域が加わり、現在では21の国と地域で構成されています。

FTAAP(エフタープ)とは、このAPEC地域における自由貿易圏形成を目指したものです。
「FTA」「AP」ですから、想像は簡単につきますよね。

アジア、パシフィック、自由貿易圏です。

TPPともよく似ていますが、TPPとFTAAPの違いは、「中国(および台湾・香港)」と「ロシア」が含まれているかいないかの違いです。一方でRCEPには「ロシア」と「アメリカ」が含まれていません。

TPPにもRCEPにも共に含まれている国は、実は日本とACEAN、オセアニア諸国だけなんですね。

こうやって考えると、「TPP」の持つ意味も少し見えてくるのではないでしょうか。
安倍内閣がなぜTPP参加を急ぐのか。「TPP」にしても、「RCEP」にしても、ゆくゆくは「FTAAP」に向けたルール作り。その基盤づくりであることは明白なんです。

勿論「米中露」という利害関係が対立する3つの経済圏が同時に含まれる「FTAAP」が本当に成立するのかというと、これは非常に怪しい話です。ですが、今後の世界関係において日本がイニシアチブを発揮していくためには、日本が中心となって国際社会のルール作りを行っていくべきなんです。


さて。米国では「政治の素人」ともいえるトランプが総理大臣になりましたね?
前総理大臣であるバラク=オバマが総理大臣になったのはいつだったか、覚えていますか?

彼が総理大臣になったのは2009年1月。リーマンショックの影響がピンポイントで世界を急襲しているその真っ只中にありました。
リーマンショックからの脱却に向けてどう舵を取ればよいかわからなったオバマは、とある人物に電話をかけて教えを請います。

その人物こそ麻生太郎さん。当時の日本の内閣総理大臣でした。

トランプが米国経済に対してどのようにかじ取りを行っていくのか。現在ではまだ明確ではありません。
ですが、意外とオバマさんがそうであったように、トランプもまた日本の総理大臣に教えを請い、安倍さんと連携しながら経済政策を推し進めていくのではないか・・・と私は考えていたりします。

ともあれ、今後の動向を静かに見守っていきたいですね。


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