第213回 TPPって何?/今更聞けないTPP協定批准までの経緯など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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第211回 有利?不利?日本にとってのTPPの考え方/「強行採決」の意義

ついに決まりましたね、新しい米国大統領、ドナルド・トランプ氏。

ドナルド=トランプ

前回より始めたこのTPPに関する記事ですが、元々はこの米国大統領決定にタイミングが合うように製作する予定だったのですが、残念ながら少し時期を外してしまいました。

そんな中、日本ではTPP協定承認の決議があっさりと衆議院を通過してしまいました。

【NHKニュース 11月10日 19時14分】
(※内容は読み飛ばしてください)
TPP承認議案 衆院本会議で可決

TPP=環太平洋パートナーシップ協定の国会承認を求める議案と関連法案は、衆議院本会議で民進党などが退席するなか、採決が行われ、自民・公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決されました。
TPP=環太平洋パートナーシップ協定の国会承認を求める議案と関連法案は、先週、民進党と共産党が抗議するなか、衆議院の特別委員会で可決されました。そして、10日午後開かれた衆議院本会議で採決が行われました。

それに先立つ討論で、自民党は「自由で公正な、開かれた経済の枠組みを作ることはわが国の大きな使命であり、核となるのがTPP協定だ。TPPの重要性をトランプ氏含め、アメリカに伝え、共有することが重要だ」と述べました。

一方、民進党は「アメリカ大統領選挙で当選したトランプ氏が、明確に反対しているにもかかわらず、採決を行うのは、世界の笑い者になるだけだ。アメリカの動向を見極めながら、TPPに対応するのが常識だ」と述べました。

このあと、民進党、自由党、社民党は、先週の特別委員会での採決は、不正常な状況で行われたものであり、無効だなどとして、採決には加わらず、退席しました。そして、採決の結果、自民・公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決され、参議院に送られました。共産党は、採決で反対しました。

TPP協定には、日本が輸入する農林水産品や工業製品などの95%の品目で関税を撤廃することや、知的財産の保護、投資に関する紛争を解決するための制度など、幅広い分野の貿易や投資などに関するルールが定められています。また、関連法案には、協定発効後、牛肉と豚肉の生産者が、全体で赤字経営になった場合に、赤字額を補填(ほてん)する制度の拡充などが盛り込まれています。

議案などの衆議院通過を受けて、論戦の舞台は参議院に移り与党側が、今の国会で成立させたい考えなのに対し、民進党などは、徹底した審議を引き続き求め、廃案に追い込むことを目指すことにしています。


本日の内容としては、そもそも「TPP」とは何ぞやと、そのような基本的な疑問について記したいと思っています。
「TPPって何?」と改めて問われても、はっきりこれがTPPだって答えられる人、案外少ないのではないかと思うんですよね。

実は私もその一人。そこで今回の記事では、TPPがそもそもなぜスタートしたのか。
交渉スタートから妥結に至るまでの経緯を記事にしてみたいと思います。


TPPの前身、「TPSEP」

TPPは元々、「シンガポール」、「ブルネイ」、「チリ」、「ニュージーランド」の間で交渉がスタートし、締結された「TPSEP」というものがベースになっています。

TPSEPとは、「環太平洋戦略的経済連携協定(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)」の略称。
TPPが「Trans-Pacific Partnership Agreement 」。「戦略的経済」が抜けた、「環太平洋連携協定」の略称です。

TPSEPとは、4か国間で締結された、経済連携協定(EPA)のことです。
では、「経済連携協定(EPA)」とは何ぞやと申しますと、外務省ホームページには以下のように記されております。

【経済連携協定(EPA)】
FTAの要素を含みつつ、締約国間で経済取引の円滑化、経済制度の調和、協力の促進等市場制度や経済活動の一体化のための取組も含む対象分野の幅広い協定。

FTAとは何ぞやと申しますと、

【自由貿易協定(FTA)】
物品の関税及びその他の制限的通商規則やサービス貿易の障壁等の撤廃を内容とするGATT第24条及びGATS(サービス貿易に関する一般協定)第5条にて定義される協定。

とされています。

経済産業省はもう少しわかりやすい説明をしてくれていて、「FTA」と「EPA」について、

「FTA」とは「関税の撤廃・削減を定める協定」であり、「EPA」とは「関税だけでなく知的財産の保護や投資ルールの整備なども含めた協定」であると記されています。

つまり、貿易を行う際の「障害」となる要素を撤廃・削減することのみに焦点を当てたものが「FTA」、障害を取り除いたうえで、改めてルール作りを行うことを目的としたのが「EPA」であると、そう考えることができるのではないでしょうか。

TPSEPは元々シンガポールとニュージーランドの二国間で行われていた交渉に、チリとブルネイが加わった、「EPA交渉」であり、発効したのが2006年5月。2010年3月にはここに「アメリカ」、「オーストラリア」、「ベトナム」、「ペルー」の4カ国との間でも交渉が行われるようになり、その規模は「戦略的経済連携協定」から「パートナーシップ(連携)協定」へと拡大しました。

2011年には更に「マレーシア」が交渉に参加し、

「シンガポール」、「ブルネイ」、「チリ」、「ニュージーランド」、「アメリカ」、「オーストラリア」、「ベトナム」、「ペルー」、「マレーシア」

の9カ国で2011年11月12日に大枠合意。日本が交渉参加を表明したのはこのタイミングで、この時すでにTPPそのものは2012年内の最終妥結を目指す段階に至っていました。

TPP参加国


なぜ日本の「TPP交渉参加」はあれほど批判されたのか?

TPP交渉は、日本が交渉参加を表明した時点で、TPP交渉そのものが「大筋合意」に至っていたため、

「日本は交渉そのものには参加することができず、既に参加している国々の間で決められたルールに従うしかない」

という意見が日本国内では盛んに主張されました。

また、日本同様交渉参加への意欲を示していたものの、実際には交渉参加を行わず、米国との二国間交渉「米韓FTA(米韓自由貿易協定)」に切り替えた韓国が米国から突きつけられたISDS条項等の不平等条項や、TPSEP交渉がスタートする以前に北米で結ばれていた「NAFTA(北米自由貿易協定)」。

これらを論拠として、日本市場が米国企業の食い物にされる、といった主張が広く繰り広げられました。

現在でもTPPに反対する人たちはこのような主張を行い続けています。

ですが、見ればわかる通り、どちらも「FTA(自由貿易協定)」であり、つまり「関税を撤廃・削減すること」のみを目的とした協定ですね?

また交渉そのものも甘利さんが奮闘し、日本にとって不利な状況を克服していった様子は記憶に新しいと思います。
ニュース等を見ても、トランプやヒラリーがTPPに反対していた理由として、「日本の一人勝ちになるからだ」といった趣旨の報道が目立つようになりました。

随分と交渉参加当初の報道とは内容が変わってきました。


次回記事では、改めまして私の「TPP評」について、麻生さんの「自由と繁栄の弧(回廊)構想」とともにお伝えしたいと思います。



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