第211回 2016年度9月次税収(消費税収・所得税収等)が発表されました②など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<継承する記事>
第210回 2016年度9月次税収(消費税収・所得税収等)が発表されました①

「消費納税」の考え方

全開の記事より、「消費税」の部分だけをピックアップして記事にしてみます。
内容としては、2015年度中に私が考え続けていた「誤解」をより詳らかに説明することを目的とします。


【2015年度の「誤解」とは?】

何度もお伝えしています通り、「消費税」は「前年度の納税額」を参考に決められます。
今年は2016年なので、2015年の納税額を参考に決められています。2015年の納税額は、2014年の納税額を参考に決められています。

ですが、私は当初、「今年度」の「月別」データは、「今年度の消費」に対して支払われた税金だとずっと思いこんでいました。

【第一の誤解】

2014年。消費増税が行われた当時。

確かに5%から8%に増税されたため、「税収」だけで比較すれば3%分の誤差が生れるため、フェアな比較はできないかもしれない。だが、税率がかけられる前。税抜きの消費額同士を比較すれば、「消費の変化」を見ることができるはずだ。


【真実】
会計年度、決算月の違いにより、企業の中には2014年度に2013年度分の消費税を納税する企業がいる。
したがって2014年度の税収からは正確な「税抜きの消費金額」を計算することはできない。

【第二の誤解】

2014年の誤解を踏まえた上で。2015年度スタート当時。

2014年度は確かに税率が混在するかもしれないが、増税前の税率は5%、増税後の税率は8%なので、2013年の月別のデータから5%分、増税後、2015年の月別のデータから8%分の税率を引いて計算すれば、税抜きの消費金額を算出し、増税前後を比較することができるはずだ。

【真実】
「消費税率」には「国税」と「地方税」が混在していて、政府が公表しているのは「一般会計税収(国税)」であり、増税前は4%が国税分、増税後は6.8%が国税分なので、そもそも計算する税率が違う。

【第三の誤解】

自らの予測が大外れしてショックを受けた2015年5月までの間。

政府が発表している一般会計は「国税」であり、増税前の2013年度の月別の税抜き消費額を税率4%から逆算し、増税後、2015年度の月別の税抜き消費額を6.8%から逆算し、それぞれを比較すれば消費額の変化を月別に比較できるはずだ。

【真実】
年間の消費税納税総額が分かるまでの間、月別の消費税納税は前会計年度納税額を参考にして決められている。


特に、第三の誤解を知ったときは、正直雷で撃たれたような衝撃を覚えました。

これらの誤解に対するそれぞれの真実を踏まえた上で、増税前後の「消費税収」について考えてみます。


2014年度の消費税収と2015年度の消費税収についての考え方

消費税の「税抜き価格」を計算する場合、一番考え方が難しいのは2014年度です。


【2014年度の「月別」の消費納税額】

2014年の「月別」の消費納税額は、増税が行われる前。2013年度の消費納税額を参考に決められています。

ただ、実際に2014年の月別の納税額を見てみますと、2013年度の実績以上の納税が行われています。
考えられる理由としては分納を行うことができるのは前年度に納税額が大きかった企業だけですから、納税額そのものが大きくなっていること、などでしょうか。

また、年間を通じて実績を上げ続ける自信のある企業などはきちんと月別でも8%勘定の納税を行っていたのかもしれません。
どちらにしても2014年の月別の消費納税額は増税前、2013年のものを参考としていますので、本来の実績よりも低い納税額となっています。


【2014年度の「年間」の消費納税額】

一方、「年間の消費納税額」に関して言えば、2014年度の納税額の一部には2013年度の実績も含まれていますから、トータルでの納税額も年間を通じて完全に8%の税率が適用されている2015年度と比較すると低くなっています。


【2015年度の「月別」の消費納税額】

一方で、2015年度の「消費税収」は2014年度の実績をベースに決定されています。
ですので、2015年度の「月別」の納税額は2015年度実績ベースの納税額よりは低い納税額となっています。


では、改めて今年度(2016年度)9月次の「消費税納税額」を見てみます。

平成28年度 9月末租税及び印紙収入、収入額調 財務省

イメージからしますと、納税までに2か月の猶予がありますから、実際には2か月前。7月の納税額です。昨年度(2015年度)の7月の納税額を参考に行われた7月分の納税額です。勿論8月分や9月分の納税を行っている企業もいます。

6月までは還付分が反映されていて、累計はマイナスになっていますので、正味7月~9月の3か月分のデータです。
累計で前年同月比93.1%、予算比で98.6%となっています。

飽くまでも昨年度の実績が反映されたものであり、14年、15年の実績と違って初めて純粋の税率8%同士が比較されたデータであることもあるのですが、「マイナス」っていうのはあまり気持ちのいいものではありませんね。


【その他の税収について】

税収全体で見ますと、前年同月比は前年比95.2%、予算比が102.3%となっています。

下落幅として大きいのはやはり筆頭が「法人税」の累計53.1%(-2746億円)ですが、金額の面だけからいえば消費税の-3177億円も大きいです。

その他前年同月と比較して、揮発油税の-126億円、関税の-568.6億円などが大きいです。
一般会計税収全体としては8029億円のマイナス。ただ、予算比ではプラスとなっていますから、このまま予算ベースの値を維持することに期待したいですね。



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