第209回 平成28年(2016年)9月消費者物価指数速報/コアコアCPI下落の理由⑤など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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第207回 平成28年(2016年)9月消費者物価指数速報/コアコアCPI下落の理由③

今回の記事では、2016年9月分消費者物価指数速報の締めとしまして、「教養・娯楽」費目について記事にしたいと思います。


「教育娯楽」の消費者物価の上昇率が縮小している理由

「教育」の費目もコアコアCPI下落に影響しているのですが、こちらはその理由が「公立保育園の保育料」の下落や「小学校補習教育」の下落という些細な事情であり、元々上昇している1.6%という状況から1.5%にわずかに縮小した程度の問題ですから、この費目は飛ばします。

「教養娯楽」費目の物価上昇率も、0.4%から0.3%への下落という些細な下落幅ではありますが、この分野の「消費者物価」が下落している理由は、ご想像の通り、といいますか、その大きな理由は「教養娯楽用耐久財」の下落にあります。

ご想像の通り、「テレビ」の下落幅が-15.3%から-18.6%に拡大していることも勿論あるのですが、今月は少し「異常な」動きを見せているのがこの分野です。

例えば、「パソコン(デスクトップ型)」が2.5%のプラスから0.7%のマイナスに下落。
同じく「パソコン(ノート型)」が1.4%のプラスから-2.3%のマイナスに、こちらは「大幅な」下落。
更にプリンターに至っては、10.1のプラスから、53.9%のマイナスに、「急落」しています。

代わりにこの分野の物価下落に歯止めをかけているのは「宿泊費」。-0.3からプラス2.3%に上昇。
ウェイトも113と大きくなっていますので、この分野に「救われた」といってもよいかと思います。「教養娯楽サービス」全体としても0.8%から1.1%に物価上昇の幅を拡大しており、「教養娯楽用耐久財」のウェイト59に対して、「教養娯楽サービス」は592となっています。

この他、「書籍・他の印刷物」が0.3%から0.4%に物価上昇の幅を拡大。「教養娯楽用品(文房具)」が-0.1%から0.2%に上昇、「運動用具類」が-1.7%から-0.8%に下落幅を縮小、などとなっています。


改めて、「教養娯楽用耐久財」に関連してですが、「テレビ」に関しては第180回の記事 で掲載しました、以下のグラフ。

テレビ出荷数推移
テレビ出荷数(前年同月比)推移

上記グラフを使ってお示ししましたように、また前回の記事 お示しした家電用品に関する解釈と同様、「政府データが市場動向を正確に捕捉しきれていない」ことがテレビの消費者物価を下落させている最大の理由だと考えています。

ところが、今回登場した「パソコン」に関連しては、少し事情が異なります。
実は、「消費者物価指数」が軒並み「アンケート調査」に基づいた市場調査結果から物価を算出しているのに対して、パソコンは「ニドヘッグ法」と呼ばれる、「POS」データを利用した、実際の販売データを利用して「消費者物価」が作成されているからです。

同様の方法を他の品目についても導入することを内閣府は考えているわけですが(第189回記事 及び第191回記事 をご参照ください)、性能の変化が著しい「パソコン」および「カメラ」に関しては他の指標に先駆けてこのような調査方法が用いられています。

ウェイトとしては、デスクトップが8、パソコンが14、合わせて22と、決して大きな分野とは言えませんが、これまでとは異なる動きを見せており、今後着目したい分野です。

この分野に関しても、電子技術産業協会 様にて、詳細情報が公開されています。

2016年9月のデータを見てみますと

PC全体の出荷台数 前年同月比 88.10%
デスクトップ型PC  前年同月比 90.90%
ノート型PC      前年同月比 87.30%

PC全体の出荷金額 前年同月比 90.50%
デスクトップ型PC  前年同月比 90.90%
ノート型PC      前年同月比 90.30%

となっています。
この中で、詳細を見てみますと、他の分野が軒並み販売台数を落としていくな中で、唯一ノート型PCの内、「モバイルノート」という分野の出荷台数が前年同月比113.80%と上昇しています。

一方、「出荷金額」を見てみますと、同じ「モバイルノート」は前年同月比119%。
「モバイルノート」は他のPCと比較しても安価な製品ですから、他の売り上げが下落する中でこの分野が、という点については納得がいきますね。

結果的にPCの消費者物価も下落することになります。
この現象が一時的なものなのかどうか、今後の動きに着目したいと思います。


総評

改めて、2016年9月の消費者物価指数について検証してみますと、トータルとして最も大きな現象としては、「コアコアCPI」が0%成長になったということが特徴的です。

内容を砕いて見てみますと、今回のもう一つの特徴として、「エネルギー価格」がその下落幅を全体的に縮小させているということ。これまで消費者物価指数を下落させるネガティブな要素としてしか働いていませんでしたが、「CPI」や「コアCPI」といった指標の下落幅が0.5%で維持されたことに関してはプラスに作用していることになります。

但し、今回の消費者物価指数で最も着目しなければならないのは「エネルギー価格を含まない『コアコアCPI』」が下落しているということ。その理由です。

根本的な原因として、家電製品の売り上げ状況をCPIが的確に捕捉しきれていないということ。
これが前提としてはあるのですが、今回最も大きな影響を与えたのは、実は「被服及び履物」の内、季節もの商材であったのではないかと考えています。

家電の影響が大きかったのか、衣料の影響が大きかったのかという点でいえば、家電のウェイトは111、下落幅はマイナス1.6%、衣料のウェイトは174、下落幅はマイナス1.3%ですから、確かにどちらか一方が原因だったわけではなく、双方が重なったことが原因なのですが、そもそも「家電製品の消費者物価の下落」は本来の実体経済を政府データが捕捉しきれていないために起きている誤った情報であると私は考えています。

ですが、衣料の季節もの商材が気温の関係で伸び率を減退させていることは、「事実」です。

今後、「エネルギー価格」の関連が下げ止まれば、「自動車関係費」であったり「家事用消耗品」なども改善してくるものと思われます。後は「家電製品」に関する異常な評価状況さえ改善され、正常なデータが反映されるようになれば、「消費が減退している」といったデマ情報もまた姿を消すと思うのですが、一体いつのことになるのやら・・・ですね。


9月分の「税収」も出ていますので、次回記事では、2016年9月度の「税収」について記事にしたいと思います。


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