第203回 年収別給与所得者数/「中間層」の給与所得者数を把握④など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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この記事のカテゴリー >>中間層の見方


<継承する記事>第202回 年収別給与所得者数/「中間層」の給与所得者数を把握③
前回の記事では「中間層」の捉え方について、「給与所得者全体の中点」が一体どの年収層に位置するのか、という点に着目して、記事を作成してみました。

今回の記事では更に、所得層を「低所得者層」「中間層」「高所得者層」の3つに分割し、この3つの年収層の推移に着目して記事を作成していきたいと思います。


「中間層」のもう一つの視点

前回の記事で、私は意図的に「年収200万円~500万円の所得層」を「中間層」として掲載しました。
ピュー・リサーチ・センターの基準では、「中間層」が全体の50%以上になることを前提としていましたが、現在の日本のデータでこれをやってしまうと、年収100万円~200万円の層までもが「中間層」に含まれることになってしまいます。

そうすると、どうも情報を正確に分析することが難しくなってしまう様なので、私は「年収200万円~500万円の所得層」を「中間層」として考えてみました。以下に、各年収層ごとの給与所得者がそれぞれ全体の何%になるのか、年別に掲載してみます。
             平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年
100万円以下     8.6     8.6      9.1     8.8     8.6
100万円~200万円 14.8    15.3      15     15.2    15
200万円~300万円 17.4    17.1      16.8    16.9    16.3
300万円~400万円 18.4    18       17.4    17.3    17.5
400万円~500万円 14     13.9      13.8    13.9    14.1
500万円~600万円 9.2     9.4       9.6    9.5     9.7
600万円~700万円 5.6     5.7       5.9    5.9     5.9

単位は「%」です。

次に、私の考える「中間層」の全体に占める割合を見てみます。
やり方としては、「中点」の属する年収層が「300万円~400万円」ですから、まずはこの「300万円~400万円」の年収層を中心に考えます。

「中点」を基準に、「年収300万円~400万円層」の割合に、一つ下の「年収200万円~300万円層」の割合と、一つ上の「年収400万円~500万円層」の割合を加えます。

2011年 「年収300万円~400万円層」:18.4+「年収200万円~300万円層」:17.4+「年収400万円~500万円層」:14=49.8

2012年 「年収300万円~400万円層」:18+「年収200万円~300万円層」:17.1+「年収400万円~500万円層」:13.9=49

2013年 「年収300万円~400万円層」:17.4+「年収200万円~300万円層」:16.8+「年収400万円~500万円層」:13.8=48

2014年 「年収300万円~400万円層」:17.3+「年収200万円~300万円層」:16.9+「年収400万円~500万円層」:13.9=48.1

2015年 「年収300万円~400万円層」:17.5+「年収200万円~300万円層」:16.3+「年収400万円~500万円層」:14.1=47.9

そうすると、各年の「中間層」の全体に占める割合の推移が分かります。どの年もほぼ50%になりますので、この層を「中間層」ととらえてもよいのでないでしょうか。

 2011年 49.8%
 2012年 49%
 2013年 48%
 2014年 48.1%
 2015年 47.9%

まとめるとこんな感じです。2014年に一度増加しているもの、継続して減少していますね?
「中間層の割合が減っている」という風に記すと、またどこかのマルクス主義者が「格差が拡大していることが証明された!」などと喚き始めそうですが・・・。

【各所得層が全体に占める割合の推移】
所得者層の全体に占める割合

この様なグラフを使って情報を分析してみると、少し状況が違って見えてきます。

先ほど定義づけた「年収200万円~500万円」までの所得層を「中間層」と考え、200万円以下を「低所得者層」、500万円超を「高所得者層」と考えてグラフ化したものです。

推移の傾斜が分かりやすいように、「低所得者」と「高所得者」の値を左側、「中間層」の値を右側に取っています。
誤解を生まない様、傾斜の幅は同じ幅に設定していますので、単純に「中間層」のグラフを真下にずらした形になっています。

「中間層」が減少しているのは、むしろ民主党内閣時代から安倍内閣初年度(2013年)にかけて。
安倍内閣に入ってからはこの層の人数が「安定」しているように見えます。

また、「高所得者」が増えているのは何も安倍内閣に入ってからだけではなく、民主党内閣時代から継続して上昇しています。
寧ろ安倍内閣初年度~2014年にかけてはその人数は横ばいとなっています。

一方、「低所得者」は2013年まで増加していますが、2014年からは減少に転じています。

つまり、民主党内閣時代は「中間層が減少する中で、低所得者の数も高所得者も増えていた」ことになりますね?
普通の感覚の持ち主であれば、このような状況を「格差が拡大している」というのではないでしょうか。

一方、安倍内閣2年目以降は、確かに「高所得者」も増えていますが、一方で「低所得者」の数は減り、「中間層」の人数は横ばいとなっています。これは、実は「中間層」の水準が上昇していることを示しています。

前回の記事 でお示しした様に、私は「中間層」の定義として、「給与所得者の中点」が、どの年収層に位置するのか、というところで判断しています。

「中点」は「年収300万円~400万円」の所得層に位置していましたよね。
ですが、同じ300万円~400万円という所得層でも、中点が位置するのが301万円と399万円というのでは全くその生活水準は異なります。

先ほどの、「各所得層が全体に占める割合の推移」のグラフが示している結果は、この「中点」の位置が上昇していることを示しているのです。

もし仮に、この「中点」が399万9999円の位置にあったとするならば、このペースでいくと次年(2016年)の中点はさらに上昇し、ひょっとすると401万円になるかもしれません。

そうすると、今度は「中間層」の基準が「300万円~400万円」の層から「400万円~500万円」の層に移ることになるのです。
そうすると、「中間層」は「300万円~600万円」となり、年収300万円以下が「低所得者層」となるかもしれません。

この場合、共産党さんは「年収300万円以下がワーキングプアだ!」と大騒ぎでもする気なのでしょうか。

前回の記事と合わせて長くなりましたが、特に「給与所得者」に絞ってアベノミクスの効果を調査するとすれば、「格差」は縮小し、「中間層の平均給与所得者」の水準も上昇しつつある、とこういう評価になるわけです。

次回記事では、さらに「年収700万円以上の給与所得者」についてもデータを掲載していきたいと思います。


このエントリーにお寄せ頂いたコメント

いろんな指標があってしかるべきですが、個人的に格差はジニ係数、セーフティーネットはホームレス率でいいかと考えます。
又、『格差が拡がり大変だ~』と騒ぐのであれば、税率を高くして、再分配機能を効かせないと駄目ですね。法人税はアベノミクス減税によってアメリカを下回り、やっと世界で二番目の高さになりましたから、タックスヘイブンも踏まえ、下げこそすれ上げては世界の中で不平等が生まれ駄目、所得税も同じ。8%にして他国同様、消費税収が一番高くなりましたが、其をあげないと駄目になりますね、ほんとうに格差が広がっているのなら。
党利党略だけの活動してほんとうの格差是正策を労しないから、市民運動家はいっぱいいてもリベラリストはいないと馬鹿にされるのですねρ( ^o^)b_♪♪(*´∀`)♪
かっ at 2016/10/28(金) 22:42 | URL

かっさん、ありがとうございます(^^)/&お返事遅くなりました。

丁度今日「税収」についての記事を記したのですが、確かに法人税減収には減税の影響もありますね。
しかしそれでも世界二番目の高さとは(^^;)

どんな情報もそうだと思うんですが、マクロ指標だけ見て十把一絡げに「アベノミクスは失敗ダー」というのではなく、「価格ベースのミクロ」とまで言うつもりは毛頭ありませんが、マクロとミクロの中間にあるミドル指標くらいにまではせめて情報を砕いて考えてもらいたいですよね、マネタリストたちには。
nonkinonki at 2016/11/06(日) 20:30 | URL

調べていて気付きました。
規制をするにも緩和するにも利が発生。
緊縮すると民に財が廻らず公が優位に
ケインジアン政策は土木建築の益に
規制や金融の緩和は資本を持つものと投資家の益に
税率の向上は公を優位に、但し財政再建ではなく低収入者に再分配すると低資産者の優遇に
フリードマンの全てにおける政府が介入しない競争は、公平にならず、資本家及び投資家の益になると解っています。
詰まり、各経済評論は国の為で無く、自分の益の為に騒ぐだけ。
マネタリストが愛国者を装い、金融緩和を叫び、国が行えば、投資家が儲かり、国内への整備怠れば今まで同様海外に投資されます(円安になりますが、今のように不安定な為替になります)。既に元を多大に刷り、企業のマイナスを株式化し、すった元で買い上げ、企業を持たせる強烈なデフレ処理している中国は破綻するとマネタリストは批判する。日本へ中国同様行いを指導し、中国は批判するダブルスタンダード。
そして、アメリカのよう、雇われCEOが国家予算に匹敵する収入を得るようになると中間層は壊滅していきマルクス論が繰り返されます。
資産や資本が偏るのも求人倍率が高くなり労働者の分配が偏るのも緩和しすぎて競争激化し偏るのも保護しすぎで保護内に資産が停滞し偏るのもよくないですよね(●^o^●)につけても、アメリカほどでないにせよ、税への理解が進んで無いですね日本は、共産、社民、マスコミが悪いですが(;>_<;)
かっ at 2016/11/06(日) 23:20 | URL

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