第202回 年収別給与所得者数/「中間層」の給与所得者数を把握③など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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この記事のカテゴリー >>中間層の見方


<継承する記事>第201回 年収別給与所得者数/「中間層」の給与所得者数を把握②
前回の記事前々回の記事 では、現時点までで年収700万円未満の「年収別所得者数」についてグラフを添えてお示ししてきました。

勿論、700万円以上の「年収層」のデータもあるのですが、今回はその前に。
前回の記事 でもお伝えしました様に、「中間層」について、私なりの考え方をお示ししてみたいと思います。


「中間層」の定義

「中間層」と一言で言いますが、この言葉、明確な「定義」がどうもなされていないようです。

例えば、教科書的に、「デジタル大辞林」で語彙を調べてみますと、以下のように記されています。

『ちゅうかん‐そう【中間層】
社会成層の資本家階級と労働者階級との中間に位置する階層。農民・中小企業主などの旧中間層と技術者・管理職などの新中間層とがある。』

シリーズ、「共産主義と左翼」の中で若干ご説明しましたが、「資本家階級」とは「ブルジョワ層」のことであり、「労働者階級」とは「プロレタリアート層」になります。

で、定義的には「ブルジョワとプロレタリアートの中間に位置する人たち」と、ここでは説明されているわけです。

ただ、ここでいう「中間層」とは、このような階級闘争時代の「階級」について言及したものではありませんね。
定義的には、ウォールストリートジャーナルの記事で用いている「中間層」が近いのではないでしょうか。

衰退する米国の中間層、過半数割り込む
米国ではもはや、中間層が過半数ではない。

 米世論調査機関ピュー・リサーチ・センターが9日に公表したリポートで明らかになった。このリポートは、40年以上の間に米国で所得や財産がどう変化したかを詳しく説明している。

 2015年初めには、米国のいわゆる中間層に当たる成人数は1億2080万人だった。一方、低所得層(下位中間層と最低所得層)と高所得層(上位中間層と最高所得層)の成人数は合わせて1億2130万人だった。ピュー・リサーチは1970年ごろからこの統計を取り始めたが、高・低所得層の合計数が中間所得層の数を上回ったのは今年が初めて。

中間層(ウォールストリートジャーナルより)

これはアメリカのニュースですので、記事内容そのものは私が記したい内容とは関係性のないものですが、「定義」という意味では参考になります。所得層を「低所得層」と「高所得層」に分け、そのどちらにも属さない所得層を「中間層」と呼んでいますね。

この記事では、具体的に「中間層」を以下のように記しています。

『ピュー・リサーチは、典型的な中間層家庭を、3人家族の場合で2014年の年収が4万2000~12万6000ドル(約511万~1534万円)と定義した』

勿論、この定義がそのまま日本にも通用するとは思いません(年収1534万円がとても「中間層」とは思えませんし)が、一般的にイメージされる「中間層」とは、このようなイメージになるのではないでしょうか。

私の記事に於きましても、「中間層」は、上記記事で『ピュー・リサーチ・センター』が行っているようなイメージでの「中間層」について記事にしていきたいと思います。


「給与所得者数の推移」を積上げてみると・・・

今回の調査対象は「年収層別」の給与所得者数の推移なのですが、項目が多いため、確認しやすいよう、分けて掲載しています。

ですが、これをあえて「同じグラフ」の中で表現すると、以下のようになります。

給与所得者数推移積上げ(累積)

単位は「千人」です。
ピュー・リサーチ・センターのような形式で「中間層」を調べるためには、各年ごとの「給与所得者」の「中点」を調べる必要がります。

そこで、各年ごとの給与所得者数を総数を「100%」と考えて、「割合」で表示してみると、以下のようになります。

給与所得者数推移100積上げ

こうしてみるとわかりやすいですね。「50%」が「中点」になります。
中点が位置している所得層が所謂日本の「中間層」ですね。

黄色い帯は「300万円~400万円」ですから、この所得層が日本の「中間層」となります。

【年収300万円~400万円の所得者層の推移】
給与所得者数推移(300万円~400万円)

そう。こちらの所得層です。

安倍内閣(アベノミクス)初年度では、確かにこの所得層の人数が減少していますが、これは何も安倍内閣から始まったことではありません。民主党内閣当時から、継続して起きている現象ですね。

ところが、安倍内閣2年目、3年目になると、この「中間層」に属する所得者数がV字回復していることが分かりますね?

これを、「300万円~400万円」の一つ上の収入層と一つ下の収入層を合算してみてみます。

【年収200万円~500万円の給与所得者数の推移】
給与所得者数推移(200万円~500万円)

いかがでしょう。この数字で見ますと、確かに平成25(2013)年、つまり安倍内閣(アベノミクス)初年度の給与所得者数は前年を下回っていますが、2014年はこの層の給与所得者が一気に上昇していますね? たった一年で東日本大震災の時の水準を上回る値にまで回復しています。ただ、ここは2010年の数字も見てみたいところです。

再度200万円~300万円の給与所得者を見てみますと、
給与所得者数推移(200万円~300万円)

この通り、2014年の人数は一気に増加していますが、逆に2015年の給与所得者の数は急落しています。

その上で先ほどご覧いただきましたように、年収300万円~400万円の給与所得者数は2015年も継続して上昇し、

【年収400万円~500万円の給与所得者数の推移】
給与所得者数推移(400万円~500万円)

その上で年収400万円~500万円の給与所得者の数も上昇しています。

一方、年収200万円以下、つまり共産党基準での「ワーキングプア」の人数は以下のように推移しています。

【年収200万円以下の給与所得者数の推移】
給与所得者数推移(200万円以下)

民主党内閣当時から継続して上昇し、2015年にようやく減少に転じるのです。

ただ、

【年収100万円以下の給与所得者数の推移】
給与所得者数推移(100万円以下)

年収100万円以下の「ワーキングプア」の数は既に2014年には減少に転じており、

【年収100万円~200万円の給与所得者数の推移】
給与所得者数推移(100万円~200万円)

代わりに100万円~200万円の「ワーキングプア」の数が上昇しています。

つまり、「200万円以下のワーキングプア」のが2014年まで上昇し続けている原因は、2013年は「100万円以下のワーキングプア」が増えたことにあり、2014年は「100万円~200万円のワーキングプア」が上昇したことに原因があるのです。

2013年はまだ年収100万円~200万円の給与所得者はわずかしか上昇していませんし、2014年には年収100万円以下のっ給与所得者は減少し始めているのです。

共産党や民進党は、このようなデータをキチンと把握してわめいているのでしょうか。

次回記事では、この「中間層」の捉え方について、もう一つ別の視点から記事にしたいと思います。

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