第200回 年収別給与所得者数/「中間層」の給与所得者数を把握など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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この記事のカテゴリー >>中間層の見方


今回の記事では、私が記した第38回の記事 に対するコメントとして、

賃金の動きは平均値では実体が判らない。
賃金は高所得から低所得者層で構成されており、現在のように中間層が減少し開きが 拡大している場合は「中間所得層」等の動きも見ないと実体が判らない。その場合、例えばドットプロット等の比較で動きを見るべきでは?

というコメントをいただきまして、これは確かになるほどな、と感じましたので、タイトルにもあります通り、「所得層別」に給与所得者数を追いかけてみたいと思います。

賃金

コメントへの返信にも記しました通り、第177回の記事 に於きまして、特に「200万円以下のワーキングプア」に焦点を当てて記事を作成はしたのですが、これでは私たちの生活の実感に近い「中間層」の所得を把握することはできません。

「平均値」っていうのは「シンプソンのパラドックス」といいまして、例えば極端に多くの所得を稼ぐ世帯の給与所得金額が大幅に増えれば、仮に低所得者ばかりが増えていたとしても急激に平均所得を引き上げてしまいますし、逆に「中間層」の数も多く増えているのに、低所得者の賃金が平均を大幅に下回っていれば、「平均給与所得」を引き下げてしまいます。

コメントを下さった方が「賃金の動きは平均値では実体が判らない」とおっしゃっているのはつまりはそういうことです。
とはいえ、何を以て「中間層」というのかというと、これを明確に定義づけるのは難しいと思います。

今回の記事で利用するデータは、企業の規模ではなく、雇用者の所得をベースに分類している「国税庁」のデータから、同資料で分類しています「所得層」別のデータから引っ張ってこようと思います。


国税庁データの分類

勿論この国税庁データもまた「サンプル指数」であり、これが「正しい」というわけではありません。
ですが、「厚生労働省データ」がおもに「常用労働者5名以上」の企業のみを対象にしており、個人事業所を初めとする、超小規模事業所のデータを補足しきれていないことから考えると、厚労省データに比べれb実態に近いデータであると考えています。

国税庁データでは、給与所得者層を、以下のような所得水準で分類しています。

"100万円以下"
"100万円~200万円"
"200万円~300万円"
"300万円~400万円"
"400万円~500万円"
"500万円~600万円"
"600万円~700万円"
"700万円~800万円"
"800万円~900万円"
"900万円~1,000万円"
"1,000万円~1,500万円"
"1,500万円~2,000万円"
"2,000万円~2,500万円"
"2,500万円超"

合計14所得層です。

ちなみに全体はこちら。

【給与所得者数の推移(国税庁ベース)】
給与所得者総数

単位は「千人」です。最新の2015年の給与所得者数は4794万人です。
西暦で掲載すればよかったのですが、平成で集計してしまいました。平成23年が西暦2011年。平成27年が西暦2015年ですので、グラフは2011年~2015年までのデータとなっています。

今回は、これを前記した14の所得層に分けて記事として掲載します。
データが多いので、記事を分割して掲載します。


年間給与所得平均100万円以下の給与所得者数の推移

給与所得者数推移(100万円以下)

こちらが「年間給与所得平均100万円以下の給与所得者数の推移」を示したグラフです。

見ての通り、安倍内閣がスタートした直後、2013年に一気に「年間100万円以下の給与所得者数」が上昇した後、2014年、2015年と減少しています。2013年は393.5万人から421.5万人に増加しています。(28万人増)

金額から考えると、アルバイトやパートなどの、短時間労働者がここに該当するものと思われます。


年間100万円~200万円の給与所得者数の推移

給与所得者数推移(100万円~200万円)

ここまでが、第177回の記事 でご紹介した、共産党が盛んに主張している「ワーキングプア」に該当する「労働者数」の推移です。

見ていただくとわかると思うのですが、この層の給与所得者は、安倍内閣がスタートした時点では、ほぼ横ばい。ほとんど増加していません。増えるのは2014年。安倍内閣がスタートした翌年からで、698.4万人から721.4万人に増加しています。(23万人増)

つまり、安倍内閣初年度に増加したのは主に年収100万円以下の所得者層で、翌年は年収100万円以上200万円以下の所得者層が増えたということですね。同じ「ワーキングプア」でも、こうしてみると少し違った状況が見えてきますね。

年収100万円~200万円の所得者層も、翌2015年には減少に転じています。


年間200万円~300万円の給与所得者数の推移

給与所得者数推移(200万円~300万円)

こちらも100万~200万の所得層同様、安倍内閣がスタート直後は横ばい。その翌年、2014年に一気に増加しています。
782万人から802.9万人に増加。(20.9万人増)

ですが、この層は翌2015年になると一気に人数を減らしています。(780.2万人に減少。22.7万人減)
100万円以下の所得者層が6.2万人減、100万~200万の所得者層が2.2万人減。合わせて31.1万人の減少数です。

ところが、改めて「給与所得者総数」を見てみますと、2014年から2015年にかけて、合計で37.7万人給与所得者数は増加しています。年収300万円以下の給与所得者数が2014年~2015年にかけて31.1万人減少しているにも関わらず、合計で37.7万人の給与所得者が増えているのです。

ということはすなわち2014年から2015年にかけて、年収300万円異常稼ぐ所得者層が合わせて68.8万人増えたということ。
300万円以下が31万人減少する中で、です。

これを見て、「格差が広がった」という人はいるでしょうか?
勿論合計で年収300万円以下の人は1910.4万人存在します。

一番減少しているのは年収200万円~300万円の世帯で、年収200万円未満の減少数を通算したものを上回っているわけですから、「格差が広がった」と言えないわけではないかもしれません。

では、一体どのような人たちが「年収200万円以下」という所得層を構成しているのでしょうか。
現時点ではこれを示すデータは持ち合わせていませんが、「パート」や「アルバイト」でかまわない労働者も確かにいるはずなんです。

この総を構成する就労形態についてはぜひ調査してみたいですね。

次回記事では、さらに「年収300万円以上」の所得層について掲載していきたいと思います。



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