第194回 「財政投融資債」とは何か?/「一般会計」と「財政投融資会計」の違いなど、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<継承する記事>第192回 内閣府、GDP算出方法の改定/2016年第二四半期二次速報より②
前回の記事を引き続き掲載しようと思っていたのですが、内容を理解していただくために、先に「財政投融資債」というものをご理解いただく必要があるなと感じたので、今回は「内閣府、GDP算出方法の改定/2016年第二四半期二次速報より」というテーマを少しお休みして、「財政投融資債」についての解説記事を作成します。


「財政投融資債」とは何か?

過去の記事で、「赤字国債」と「建設国債」の違いについて記事にしていたように思い込んでいたのですが、どうもこの記事は作っていなかったようですね。

日本の、所謂「国債」には「建設国債」と「赤字国債」の2種類の国債と、加えて「財政投融資債」と言われる3種類の国債が存在します。

順番から言えば、先に「建設国債」と「赤字国債」の説明を行ってから財政投融資債について説明を行うべきなのですが、今回のテーマは「国債」についての説明ではなく、「2008SNA」に従った、内閣府によるGDP改定がそもそものテーマですので、この話題は後日記事に委ねます。

ということで、今回の記事では「財政投融資債」というものについて説明します。

【財政投融資の流れ】
財政投融資の流れ

こちらは内閣府のホームページ に掲載されている、「財政投融資」の流れを、「一般会計」の動きとの間で比較できるようにしたものです。

図はいくつかあったのですが、これが一番わかりやすいと思います。
といっても、ぱっと見に理解できるものでもありませんね。

図の左側、青い部分が「一般会計」におけるお金の流れ。黄色い部分が「財政投融資」におけるお金の流れです。
「一般会計」というのは基本的に日本国政府全体の会計帳簿のことで、基本的に「税金」によって運用されています。

「財政赤字」などという言葉が使われるのは、基本的にこの「一般会計帳簿」の赤字のことを指します。

一方で「財政投融資」というのは、一般会計の会計帳簿とは別に、「財政投融資特別会計(財政融資資金勘定)」という会計帳簿の中で運用されます。「特別会計」と呼ばれるものの一つです。


「特別会計」には「財政投融資」以外にも、私がよくお示ししているものとして、「年金特別会計」というものがありますね? 年金会計については会計の仕組み上、「一般会計より繰り入れ」られる部分はあるのですが、逆に「一般会計に繰り入れ」られる項目はありません。

一般会計より繰り入れられる以外は、「年金特別会計」「基礎年金勘定」「年金積立金」という3つの会計帳簿の中で横断的に運用されています。

ところが、「財政投融資債」はこの年金特別会計のような特別会計とは異なり、政府の「一般会計」との間で、横断的に資金の行き来を行いながら運用されています。

運用状況はこんな感じです。

【2016年度財政投融資運用状況】
平成28年度財政投融資特別会計

「財政投融資特別会計」とは、制度的には「一般会計帳簿」とは別枠で取り扱われ、扱いとしては「金融機関」としての扱いとなります。

また一方で、この表の中に登場している「国債整理基金特別会計」という項目もまた一般会計や財政投融資特別会計とは別の、所謂「国債発行残高」を取り扱うための会計帳簿なのですが、こちらは「財政投融資特別会計」とは異なり、「中央政府」としての扱いになります。

次回以降で話題とする「GDP改定」で重要となる内容なので覚えておいてください。
今回はさらっと流しておきます。


【「財政投融資」の流れ】
では改めて、もう一度こちらの図を。

財政投融資の流れ

「財政投融資」とは、基本的に政府が発行した「財政投融資債」と呼ばれる国債で運用されています。

政府が発行した「財政投融資債」は、所謂「国債」ですから、市中金融機関に対して入札にかけられ、落札した金融機関に販売されます。

金融機関より受け取った資金は「財政投融資金」という、これまた別の会計帳簿に移されます。
「財政投融資金」に移された資金は他の行政機関、管理団体へと出資され、ここから私たち民間人や企業・地域などに有償で貸し付けが行われます。

ただ、その金利は現在で13年未満であれば0.01%。これを超えると0.1%、39年までで0.5%、それ以上で0.6%ということですから、非常に破格な貸付金利ではないでしょうか

勿論破綻する可能性もあり、回収不能に陥る可能性も否定できませんが、「赤字国債」や「建設国債」の様に「発注」という形でばらまくやり方に比べれば、財政的にも安定した運用が可能だと思います。

後日掲載しますが、「建設国債」は建築建造物が代替資産として残りますので「国富」として考えればプラマイゼロです(災害等で崩壊した場合は別です)。ですが、「赤字国債」にはこのような代替資産が残りませんので文字通りプラスマイナスすれば「赤字」になります。

ところが、これを「財政投融資債」によって賄えば、これは「貸付」ですから、バランスシート的には新規発行債を販売した際の「負債」と貸し付けを行ったことによる「貸付額」によって、双方が相殺されますから、こちらも「プラマイゼロ」ということになります。

貸付先が破たんした場合にこれが「赤字化」しますから、リスクを云々いうのであれば、まずは赤字国債を破たんさせる方法を提示してからにしろ、といいたくなります。共産党さん。

参院予算委 安倍政権の無責任さ浮き彫り リニア新幹線・辰巳議員が批判

ちなみに同記事では、『辰巳氏は「JRは、市場金利より低い金利で多額の借金を借り続けられる。利益供与ではないのか」と追及しました』とありますが、じゃあ赤字国債を発行して得た資金を投じた分野の業者にも同じように「利益供与だ」というのかと、これも突っ込んでやりたくなります。

「助成金」や「補助金」などはその最たる事例ですね。

最も共産党さんは、「赤字国債」そのものに反対していますから、このような論調がまかり通るのだと思いますが。

次回記事では、少し今回の「GDP改定」についての記事はお休みして、蓮舫氏の「二重国籍問題」について思うところがございますので、こちらを記事にしたいと思います。


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