第192回 内閣府、GDP算出方法の改定/2016年第二四半期二次速報より①など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<継承する記事>第191回 内閣府 ビッグデータ活用の新たな経済指標開発へ②
こちらの記事 でもご紹介したのですが、タイトルにもございますように、内閣府はGDP(国内経済計算)の算出方法を見直し、その改定内容を今年度(2016年度)第二四半期(7月~9月)GDP二次速報より、反映させます。

今回の記事では、内閣府が改正する「国内経済計算」の計算方法について、その背景およびその改定内容が一体どのようなものなのか、その結果何がどう変化するのか、という内容についてご説明したいと考えています。

【ロイター記事より】
(※記事は関心がある方のみご覧ください)
GDP算出方法改定、名目19.8兆円増 「600兆円経済」に追い風か
[東京 15日 ロイター] - 内閣府は15日、国民経済計算の基準改定に伴い、基準年となる2011年の名目国内総生産(GDP)が19.8兆円、率にして4.2%押し上げられるとの試算を公表した。研究開発費や防衛装備品の購入費が新たに算入されることで、安倍政権が掲げる「600兆円経済」の実現に向けて追い風になる可能性もある。

今年12月に発表する16年7─9月期の2次速報から適用する。最新の「11年産業関連表」を取り込んだうえで、国連が09年に採択した国際基準を反映させた。試算は11年を基準年とし、名目GDPへの影響を分析した。

押し上げ分19.8兆円のうち、主な内訳は、1)研究開発の資本化16.6兆円、2)特許サービスの扱い変更1.4兆円、3)防衛装備品の資本化0.6兆円──など。11年の名目値は471.6兆円だったが、算出方法の改定で491.4兆円に増える見込みだ。

政府は20年ごろまでに名目GDPを600兆円に増やす目標を掲げている。内閣府の中長期試算によると、20年度の名目GDPは、高い成長率を維持したケースで582.7兆円。

11年と同様の押し上げ効果が見込まれれば目標は達成可能だが、実質2%・名目3%の成長確保が前提となる状況は変わらない。
内閣府

「GDP」は「国内総生産」という意味ですが、政府はこの確報データを「国民経済計算」という統計データの中に掲載しています。
こちらの記事 でもご紹介しました通り、「国内総生産」とは、「国民経済計算」の中の「国内総生産勘定」という項目に該当します。

内閣府は、この「国民経済計算」の計算方法を改定します、としています。

「GDP」が改定される理由

改定内容は、こちらのPDF で内閣府が紹介しています。

どのような内容に改正するのか、ということですが、PDFでは以下のように掲載されています。

【次回の基準改定に向けて】
• 平成28(2016)年を目途に実施を目指す

• 最新の「平成23年産業連関表」等を取り込む

• 新たな国際基準「2008SNA」への対応も併せて行う

一つ目。「最新の平成23年産業関連表」等を取り込むということですが、「産業関連表」につきましては、第159回の記事 で少しお伝えしましたね?

【産業関連表の構造】
産業関連表

簡単に言えば、企業側で生産された生産物が、どのような流通経路をたどって私たち消費者の手元に届くのか。
この経路を数値化した一覧表です。

例えば、

1.北海道の農場で生産された小麦が収穫され、小麦粉メーカ―に出荷され

2.小麦粉メーカーにて小麦は小麦粉として加工され、小麦粉はパン工場に出荷され

3.小麦粉はパン工場で加工されて食パンになり、食パンはスーパーマーケットまで出荷され、

3.食パンはスーパーマーケットで店頭に並べられ、これを手に取った消費者がレジで会計を済ませて

初めて私たち消費者の手元にまで届きます。

では、小麦が生産されて私たちの手元に届くまでの間に、同じ「小麦粉」にどれだけの付加価値が乗っているのでしょう。

例えば出荷するときには出荷業者も関わっているわけですし、加工する際には工場の部品メーカーも関わっています。
店頭に並べられる際にも販売員の手を通って店頭に並べられますし、レジを経由して私たちの手元に届きます。

この様に、商品が加工されて私たちの手元に届くまでの間に、どれだけの経路を経て付加価値が生れているのか、という指標のことを「中間消費」といいます。

産業連関表とは、この「中間消費」がいくらになるのかということを計算するために用いられる「分配率」の一覧表です。
産業連関表は5年ごとに更新され、最新の産業連関表は今年度(2016年度)6月に公表されました。

2016年度6月に公表されたのですが、そのデータは平成23年度(2011年度)のもの。
5年前かよ、というツッコミを入れたくなるところですが、これまではさらにその5年前。平成17年(2005年)のデータが用いられていたということになります。10年前のデータで現在の「名目GDP」は計算されているんですね。

これを5年前のデータに改定しましょう、というのが今回の改定内容の一つ。


次回記事ではもう一つ、『国際基準「2008SNA」』その他、今回の「改定内容」について記事にしたいと思います。


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