第19回 「流動性の罠」から脱却する方法など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<前回の記事 第18回 デフレを脱却する方法⑫

前回の記事では、「円キャリートレード」というテーマで、「流動性の罠」という状況に陥りながら、なぜ小泉内閣では経済成長をすることができたのか。その結果発生したのが「リーマンショック」だということをお伝えしました。

全世界を襲った経済危機「リーマンショック」。この経済危機から、全世界を立ち直らせ、同時に日本の経済をも立ち直らせた麻生太郎・中川昭一コンビの政策とは一体いかなるものであったのか。

では、抑々「流動性の罠」という経済状況から脱却し、本当の意味での経済回復を果たすためにはどのような方法を用いればよいのか。今回はそのようなテーマで記事を掲載いたします。


麻生太郎・中川昭一コンビの功績

冒頭にまず、こちらの動画をご覧いただきたいと思います。


リーマンショックにより、全世界に大不況の波が押し寄せる中、麻生・中川コンビが行った全世界に示した政策は以下の通りです。
動画より直接引用します。

早期の段階で実施すべきこと
1.不良債権の全貌を明らかにする
2.産業再生機構を作る
3.公的資金による資本注入を行う
4.「通貨」の流動性を各中央銀行が保障する。


中期展望として
再び危機が起こらないよう予防策を講じる必要がある。

重要な点として、この問題の根底にはグローバルなインバランス(経常収支不均衡)の問題があり、基軸通貨国アメリカへの世界中からの資本流入という形で、アメリカの赤字がファイナンスされるという根本があることを忘れてはなりません。

したがって、過剰消費国(アメリカ)において消費抑制策の実施と、同時にアメリカの巨大な消費需要に支えられて経済成長を遂げていた外需依存度の大きな国々において、自律的な内需主導型モデルへとシフトするときなのです。


少し難しいかもしれません。
ですが、前半部分はアジア通貨危機後、急落した日本経済を立ち直らせるために橋本龍太郎以降の内閣が取った経済政策です。

不良債権の中身を明らかにし、不良債権処理を行うために公的資本を注入し、また産業再生機構を設立することで、こちらにも公的資金を注入して経営状態は悪くないにも関わらず、債務が膨大であるために経営に不安を抱える企業を支援することで、産業界の信用を維持しました。

解りやすく言えば、銀行が抱える不良債権と企業が抱える借金を、日本国政府がお金を出して買い取った、という話です。
このことを行うことで金融市場の健全化を図り、倒産寸前の会社が倒産せずに済む状況を作り出したんですね。

そして、中央銀行である日銀が買いオペを行うことで市場の流動性を担保しました。

ですが、一方で「円キャリートレード」や「ドルペッグ」という手段で世界中のお金が米国へ一極集中していた。
ドルペッグとは、基本的に発展途上国の中央銀行が為替介入を行い、米ドルに対して疑似的に固定相場制度を取る手段のことを言います。

このことが、サブプライムローンが破たんし、リーマンブラザーズという一つの金融会社が破たんしただけで、米国だけでなく全世界を経済危機に陥れました。

麻生さんは、「そろそろ米国の(投資を含む)巨大な消費に頼らず、資本力のある国は自国の内需によって経済を維持する体制を作る時期に来たんじゃないですか」といっているわけです。

麻生・中川コンビは事前にイギリス、アメリカ、IMFを説得し、なおかつ「1兆ドル」という日本の外貨準備をちらつかせることで、これらの条件を欧州、中国、ロシア、米国を含むすべての国々に承服させたのです。

「外貨準備」とは、日本政府が資産を日本円ではなく、「ドル」。ドル建ての米国債として保有している資産のことです。

小泉内閣の末期、海外資本の金融会社が、強烈な円買い工作を仕掛けてきたとき、短期証券を多発し、日銀にドル買い介入をさせることで当時の日本を経済危機から守った、通称「日銀砲」と呼ばれる財政政策です。

ですが、この時に変われた大量のドル通貨は、これを売却すると急速な円高を誘発するために行うことができず、米国債という形で消費することもできず、ずっと保有し続けてきた資産です。

有効な利用方法のない資産を、全世界を金融危機から救うために提供しますよ。その代わり私たちのいうことをきいてくださいねと、このように持ち出したわけです。その代わりこのお金はアジア・アフリカの発展途上にある国のためにしか使いませんよ。

先進国は自力で回復してくださいねと。

麻生さんがこの時に全世界に提示した救済策によって全世界は経済危機から立ち直ることができたのです。

「流動性の罠」から脱却する方法

では、改めて、どのような方法を用いれば日本という国は「流動性の罠」という状況から立ち直ることができるのでしょうか。
「流動性の罠」とは、日銀が市場に投下した現金通貨が、流動性が高められているにも関わらず流動しない状況にあり、その結果デフレを悪化させていると、即ちこういうことです。

ということは、デフレから脱却するためには、この滞留した資金を流動させるには、金融市場、もっと言えば金融機関の口座に蓄積されたままになっている資金を、いったん誰かが引き上げて、金融市場ではない、実態経済に注入する方法を取ればよいわけです。

このような方法が取れるのは日本国政府だけです。

日本国政府が赤字国債を発行し銀行に買わせることで、金融市場に蓄積された現金通貨をいったん政府の手元に集めます。
集めたお金を、今度は政府が金融機関以外の民間企業に仕事を発注することで、強制的に金融市場の資金を民間企業の手元まで流すわけです。

世界恐慌という超デフレ経済の中で、ケインズという経済学者が提唱したデフレを脱却する方法とは以下の二つです。

中央銀行が利子率を引き下げ、市場の流動性を高めること。
政府が国債を発行し、公共投資を行うこと。

中央銀行が金融政策を行い、市場の流動性を高めることが大切だとしながらも、それだけではだめだと説いたのです。
中央銀行がまいた現金通貨を誰かが使い、消費しなければ経済は回復しない。
その役割を担うのは政府ですよ。

金融政策と財政政策を同時に行うこと。これが大事です、と説いたのです。

ここまでがいわゆる「ケインズ経済学」。
ですが、私は思うのです。「ケインズ政策」だけでは不十分だと。

これは、実は麻生現財務大臣も同じように考えています。

日銀が金融政策を実施し、政府が財政政策を行う。ですが、これでは短期的に経済を回復させるソリューションとはなるもの、中長期的に考えた場合、果たして家計や民間企業が自律的に経済成長をし続けるためのソリューションとなりえるのでしょうか。

次回記事では、このように、「ケインズ政策」だけではカバーしきれない部分。
短期的に経済を回復させるための仕組みが整った後、どのような方法を取れば国民や企業が、「自律的に経済を回復させるソリューション」となるのか。

一旦保留していた「日米構造協議」というテーマを紐解くことで、「ケインズ政策の限界」についてお示したいと思います。
このシリーズの過去の記事
>> 第20回 日米構造協議とは
このシリーズの新しい記事
>> 第18回 「流動性の罠」と「円キャリートレード」を問う

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