第183回 平成28年(2016年)8月分消費者物価指数速報/品目別CPI⑥など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

ランキングサイト

この記事のカテゴリー >>「物価」の見方


<継承する記事>第182回 平成28年(2016年)8月分消費者物価指数速報/品目別CPI⑤
それでは2016年8月度版消費者物価指数、「室内装備品」以降「家具・家庭用品」費目および「教育」費目について解析をしてみたいと思います。


【室内装備品】
室内

「室内装備品(ウェイト:25/前年同月比-4)」は以下の品目で構成されています。

「室内時計(ウェイト:2/前年同月比-1.8)」
「照明器具(ウェイト:7/前年同月比-16.8)」
「カーペット(ウェイト:9/前年同月比-1.2)」
「カーテン(ウェイト:7/前年同月比 1.2)」

影響として大きいのは、やはり「照明器具」と「カーペット」の二つになりますね。
「カーペット」がマイナスに推移し始めたのは2015年5月から継続してのことですね。

家電製品の様に詳細に調査することが難しい分野です。例えば原材料として原油由来のものが使われていることなども理由としては考えられますが、現時点での原因の推察は難しいですね。

もう一つ、「照明器具」の分野について。
こちらは、以下のグラフをご覧ください。

照明器具消費者物価指数推移

月別に集計しているのですが、細かくなりすぎるため、横系列は年数のみを表示しています。
カーペットの消費者物価が公表され始めたのが1990年の1月から。ご覧の通り、照明器具に関しては調査スタート以来、継続して消費者物価は下落し続けています。

ですので、現認として例えば安倍内閣の政策に原因があるとか、そのような評価はできませんね。
照明価格の下落は元々織り込み済みでインフレ目標を達成すべきだということでしょうね。

「家事用消耗品(ウェイト:86/前年同月比-1.6)」に関しても前年同月比でマイナスを記録しています。
「家庭用消耗品」は紙製品や洗剤、ラップ、消臭剤・防虫剤など、原材料として原油由来のものが含まれている分野ですので、この分野が下落している理由もやはり原油価格下落が関連しているのではないかと考えられます。


「教育」の消費者物価指数

最後、「教育(ウェイト:316/前年同月比1.6%)」」に関する消費者物価指数です。

教養・娯楽

この分野に関しては、逆に高いと困る方もいらっしゃる分野なのではないかと思います。所謂「授業料」に関連する分野ですね。

多く見られるのは、「公立」教育機関に関する物価指数の「高騰」です。
最も大きいのは「高校授業料(公立)」で前年同月比45.6%。つまり、前年度の消費者物価が100であったとすると、今年度の消費者物価が145.6になるということです。

ただこの分野、実際にここまで高騰しているわけではなく、例えば収入等が原因でこれまで授業料の免除を受けていた世帯が収入を得られるようになり、納められるようになっただとか、そういったような理由があるのではないかと考えられます。

例えば民主党内閣当時、高校授業料が無償化されていた時代の高校授業料は-98.5%。
自民党政権に変わった後、2014年4月が前年同月比524%となっています。これはそれまでゼロ負担だった授業料がゼロは亡くなったから。

2015年度は14年度比+84%、16年度は15年度比+45.6%となっています。
ただ、この分野、なぜか中学校や小学校の授業料に関しては(中学校私立以外)掲載されていませんね。これは謎です。

この他、公立幼稚園保育料が6.2%増、私立は0.2%減、私立高校は3.4%増などとなっています。


2016年8月度消費者物価指数に対する評価

ということで、総括します。

安倍内閣・日銀が目指している「物価上昇目標2%」という数字は、あくまでも「生鮮食料品を除く総合」である「コアCPI」です。
原油価格下落に関連したエネルギー価格の下落が、7%以上の下落率を示している中で、エネルギー価格を含めた「コアCPI」を物価上昇の目標として採用する現状には、私個人としては疑問に感じます。

また、特に家電製品の物価変動を消費者物価指数は正確に反映しきれていないのではないかという点。
恐らくは基準となる「ウェイト」が5年間連続、同じものが利用されており、この間の消費傾向の変動を正確に反映し切れていないのではないかということ。

そしてウェイト全体(10000)の内1400以上を占める「持ち家の帰属家賃」が消費者物価指数に含まれていることそのものにも疑問を感じます。海外との比較を行うために用いられている架空の数字で、実際にはこの金額を日本国民は「消費」していません。
この物価が下落していることも消費者物価に対しては誤った影響を与えているのではないでしょうか。

私がなぜこの「消費」にこだわるのか。
9月末の日銀総裁の会見 の結果、収束した様にも見える「投機マネー」の動き。

「追加金融緩和」を行わなければ円高株安が進み、日銀政策決定会合が行われるまでの間円安株高が過騰する。
安倍総裁を取り巻いている「マネタリスト」が、このような投機筋の動きを支援するかのように、過剰に「消費の低迷」を煽り、追加緩和が必要であるかのような雰囲気を「醸造」しているかのような動きに非常に疑問を覚えるからです。

「被服及び履物」の分野は、民主党内閣~安倍内閣当初、2013年3月までの間下落し続けていました。(2011年7月~3月にかけては横ばい~ややプラス成長しています)

ですが、その後4月が0%成長である以外は1%未満ではありますが、継続的に物価上昇を継続しています。
2014年度は消費増税が行われていますので単純比較はできませんが、明けた2015年4月が前年同月比プラス1.8%、2016年1月まで1.4%~1.8%の成長率を継続した後、2016年6月以降は2%を超える物価上昇率を継続しています。

なぜこの分野だけ安定した成長が継続しているのか。
ここには「原油由来製品」の影響であったり、「物価変動の影響を正確に把握できない」などといった「ノイズ」が少ない分野だからなのではないかと考えています。

正確な物価変動の影響が反映される仕組みづくりを行ったり、日本国内の経済状況とは別の自由で物価が変動している分野を計算式から除外する仕組みづくりを行えば、私はこの「被服及び履物」のような物価変動率本来ならば示すのではないかと考えているのです。

海外投機筋のご機嫌伺いをするような提言を安倍総理に行ったり、マスコミでそのような世論を醸造する人たちを、私は現在の「内閣」に関係する立場から外していくことが必要なのではないかと、私はそう思います。


このエントリーにお寄せ頂いたコメント

色んな資料見るにつけ、日本は経済的な分析が遅れていたんだなと、為替変動に影響する数値が日銀短観しかないのがその所為。恥ずかしながら私も今やっと勉強してますし、思い返せば10年前には実質GDPが成長すればいいと言う論調でした。国内での指標も物価しか無く、その物価も20年前に遅効性が高いと日銀で発表していて(価格への反映はほぼ新年度4月)未だにそのまま。企業景況とかも必要ですかね
で、
家電、家具ですが、転居に相関しますから、物価上昇の優良児、被服ですが、デフレ時にはpetと綿が主で装飾性が低くなります。petは石油系ですが、リサイクルされており原油の影響受けにくく、逆にインフレ時にはナイロン、アクリル等、ナフサからしか取れない物が好まれます。(被服のラメ等の蛍光装飾ははアクリル)景況感から、割高の物を選んでいるでしょうが、原油安からの高い服の割安感も手伝うかと。(●^o^●)
かっ at 2016/10/07(金) 22:10 | URL

かっさん、いつもありがとうございます^^
&お返事が遅くなりました。

実質GDPについては、どうも名目が成長すると下落し、名目が下落すると成長する「らしい」ということに気づいてから疑問に感じ始めていました。

消費者物価指数についても、既に政府自体が「おかしい」と感じ始めている様で、特に「リアルタイム性」を重視した指標に変更するようです。

家電、家具云々以下は、なるほど、ですね(^^)/
のんき at 2016/10/12(水) 22:24 | URL

URL:
コメント:
 

スポンサードリンク

Copyright © 真実を問う!データから見る日本 All Rights Reserved.
ほったらかしでも稼げるFC2ブログテンプレート [PR]