第181回 平成28年(2016年)8月分消費者物価指数速報/品目別CPI④など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<継承する記事>第180回 平成28年(2016年)8月分消費者物価指数速報/品目別CPI③
前回に引き続きまして、さらに2016年8月分消費者物価指数について記事を進めていきます。


「光熱・水道」の消費者物価指数

エネルギー

「光熱・水道(ウェイト:745/前年同月比-7.20%」は、以下の中分類項目で構成されています。

「電気代(ウェイト:356/前年同月比-7.6%」
「ガス代(ウェイト:181/前年同月比-9.4%」
「他の光熱(ウェイト:41/前年同月比-24.3%」
「上下水道料(ウェイト:167/前年同月比 0.4%」

この分野、構成する項目がほぼ「エネルギー代」で構成されていますので、この分野を上昇させることはまずもって不可能。
時を待つしかない分野です。

ガソリン代や電話料金に関しても思うのですが、これらの分野は上昇するよりもむしろ下落してくれた方が助かる分野です。
電話料金に関しては少し違うかもしれませんが、これらの分野は基本的に海外からの「輸入物価」によって物価がコントロールされています。

そもそも安倍内閣や日銀が「物価上昇」を目指す最大の理由は、何か小手先のテクニックの問題ではありません。

私はよく「インフレ期待率」を上昇(もしくは維持)するためだと記していますが、大本をただすと「物価」が「原価」と「利益」によって構成されているからであり、デフレによって物価が下落する社会において「原価」を下げることができなければ、利益を摩耗させることによってしか「物価」を下げることはできません。

下げなければ物が売れない社会ですから、売れなければ倒産していきます。
利益を載せることができなければ当然給与を支払ったり引き上げたりすることもできませんから、従業員を増やすこともできませんし、最悪「解雇」せざるを得なくなるのです。

仕事を失えば、当然私たちは生活費を手に入れることができませんから、買い物をすることができません。
そうすればますます物価は下落することになり、一時期話題となった「デフレスパイラル」へと突入するのです。

このため、安倍内閣ではきちんと製品に「利益」を載せられる社会を作るため、「物価上昇」を政策目標として掲げているのです。
ですが、これはあくまでも「原価を下げることができない」という前提条件に基づいた発想です。

原価を下げるということは、原材料を作成・開発している企業の利益を食いつぶすことになりますから、「原価を下げる」という発想はないのです。


ですが、今回記事にしている「光熱・水道」の消費者物価を構成している大部分は「原油」です。
水道こそ原油価格のお世話になることはありませんが、残る項目は全て、です。

電気を発電するにも油が必要になりますし、「ガス」も同様。
「その他光熱費」とは「灯油」のことですから、どれもすべて原材料として「原油」が用いられている品目です。
「ガソリン」も同様ですね。

「原油」は基本、日本では生産していません。海外での算出に頼っている分野です。
ですから、原油を購入するために必要な購入費は全て海外の原油を取り扱っている業者に対して支払っているのです。

中には「日本は日本人為だけのものではない」などという愚かな発言をする人もいるかもしれませんが、安く売ってくれるものをわざわざ高値で購入する必要性もないはずです。海外に対して支払われたお金で得をする日本人は、貿易商社くらいのものですから、日本にとっては何のメリットもないわけです。

少なければ少ないほど日本人にとっては特になります。
その分「利益」として価格に上乗せすることが可能になりますし、それでも価格そのものは下落しますから、消費者にとっても利益となります。

ですが日銀の目指す「物価上昇」とは「生鮮食品を除いた総合」である「コアCPI」。
エネルギー価格はきちんと含まれているのです。

灯油に至っては1か月で24.3%の物価下落、ガソリン代は12.3%、ガス代が9.4%、電気代が7%の下落です。
全部合わせてウェイトは784にもなります。

本当に健全な物価目標を目指すのなら、物価上昇の目標からこれらのエネルギー価格は除外するべきだと思うのですが、なんでエネルギー価格込の物価上昇を目指すんでしょうね、安倍内閣&日銀は。

このあたりは私にはまったく理解できません。


「諸雑費」の消費者物価指数

理美容

「諸雑費(ウェイト:574/前年同月比 0.6%」。要は「その他」ということです。

この項目は

「理美容サービス(ウェイト:118/前年同月比 0.3%」
「理美容用品(ウェイト:145/前年同月比-0.6%」
「身の回り用品(ウェイト:66/前年同月比 1.3%」
「たばこ(ウェイト:44/前年同月比 1.7%」
「他の諸雑費(ウェイト:201/前年同月比 1.2%」

となっています。ちなみに「理美容サービス」には「入浴料」や「エステ」なども含まれています。
「理美容用品」の中で価格を下げているのは「石鹸」や「ボディソープ」「シャンプー」などですね。

考えてみると、これらの原材料も「原油」ですから、当然と言えば当然ですね。

ちなみに「身の回り用品」にはかばんや腕時計、指輪、傘、ハンカチなどが、
その他諸雑費には損害保険や幼稚園の保育料、介護料、行政証明書手数料、パスポート取得料や警備量などが含まれています。


「保健医療」の消費者物価指数

「保健医療(ウェイト:430/前年同月比 0.9%)」。こちらは「高齢化」に伴って、これから必要とされる分野になりますね。

想像はつくと思いますが、お薬代や診療・治療費、健康補助食品などがこの項目に含まれます。
紙おむつや女性用ナプキン、マッサージ料や入浴剤などもここに含まれます。

前年同月比も0.9%と高いですし、病気は本来であればかからなければないほうが良い分野。
ですので、この分野も何か特筆すべき分野ではないと思います。

ただ、今後成長していく分野だと思います。


「被服及び履物」の消費者物価指数

被服及び履物
今回のトリは「被服及び履物(ウェイト:412/前年同月比 2.4%」。
7月度の記事を作成した時もお伝えしましたが、「被服及び履物」の分野は消費者物価指数の中のエースです。

「和服」をはじめとして一部マイナス要因がありはするものの、

「衣服 ウェイト:174/昨対2.7%」
「洋服 ウェイト:167/昨対2.8%」
(男性用洋服3.7%、背広服春夏中級6.9%、背広服秋冬中級3.2%、背広服秋冬普通5.8%、男性用上着2.4%、男性用ズボン春夏3.1%、男子用ズボン秋冬5.3%、男性用学校制服5.9%、婦人用洋服3.4%、婦人用スーツ春夏普通6.3%、婦人用スーツ秋冬中級4.3%、婦人用スーツ秋冬普通2.9%、ワンピース春夏12%、婦人用上着2.3%、スカート春夏7.4%、スカート秋冬3.4%、女性用スラックス3.4%、婦人用コート3.4%、婦人用学校制服6.4%、乳児服4.4%等々・・・)

と、「洋服」の分野では一部子供服を中心に下落しているものがありはするものの、2%を上回り、3%、6、7%、最大でワンピースの12%など、この分野に関しては完全にデフレから脱却していますね。

これは「被服」だけでなく「履物」も同様です。最低がスリッパの0%で、次が男子靴の1.7%、これ以外は全て3%を超え、最大が「運動靴」の7.6%となっています。

まさしく「消費者物価指数」のエースです。


さて。残る「10大費目」は「家具・家庭用品」と「教育」の2項目ですが、おそらく「家具・家庭用品」の項目が長文となることが想像されるため、記事は次回に委ねます。


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