第173回 ベーシックインカムの問題点/日本国債が「信認」される理由など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<継承する記事>第172回 2045年シンギュラリティ問題とベーシックインカムの考え方④
現代におけるベーシックインカムの捉え方

前回までの記事では、「ベーシックインカム」という問題について、人工知能が人間の頭脳を上回る「2045年シンギュラリティ」が訪れる、という背景で記事を作成しました。

ではこの「ベーシックインカム」の問題。現代において実現することは不可能なのでしょうか?
「ホリエモン」こと堀江貴文氏がその必要性に言及するシーンをよく見かけます。


ベーシックインカムとは、「最低限所得保障制度」のこと。

文字通り、国家がすべての国民の生活にとって必要な最低限の所得を保証する制度のことです。
「財源」がよく問題にされますが、財源など「赤字国債」によって賄うことをコミットしてしまえば簡単に賄えてしまいます。

現在の制度ではルール上日銀が赤字国債を直接買うことはできないため、例えば政府が「お金を刷って財源を賄う」ということができないルールになっています。これは何も日本だけに限られたことではなく、先進諸国をはじめとする諸外国に共通して採用されているルールです。

ですが、だからと言って採用できないルールではありません。
これを行ったのがあの高橋是清なのですから

国会に法案を提出し、「ベーシックインカムの財源は赤字国債で賄い、全額日銀に買い取らせるためのルール」を制定すればよいのです。


「ベーシックインカム」の本当の問題点

ベーシックインカムの本当の問題点は、実は「財源」にあるわけではないのです。
問題なのは、これを導入することによって、国民から「労働する意欲」を奪ってしまうことにあります。

「日本人は勤勉だからそんなことはない」という意見もあるかもしれません。
ですが・・・

【生活保護受給者数の推移】
生活保護受給者数の推移

こちらは第28回の記事 に掲載した厚労省が作成したグラフです。

平成26年ですから、少し古いデータになります。
第28回の記事 でもお伝えしましたが、リーマンショックや東日本大震災の影響で急増した生活保護受給者。

24年、25年、26年と「前年同月比」ベースではその伸び率は次第に横ばいとなっているのですが、同時に受給者数そのものも「横ばい」となっています。減ってないんです。

勿論制度そのものの特色や難しさもあるのですが、これはたとえ日本人であっても、働かずとも収入を得られる仕組みを知ってしまうと、中々そこから抜け出すことは難しい、ということを暗示しているデータです。

喩え日本人であったとしても、生活費を「分配政策」によって賄うことを法的に認めてしまえば、「労働する意欲」を失ってしまう可能性がここに示されているのです。

「労働する意欲」が失われるということはすなわち「生産活動」が行われなくなることを暗示しています。
日本国内で生産活動が行われなくなれば、当然日本国内は「供給不足」に陥ります。

結果的に物資を海外の生産に依存せざるを得なくなり、食品の安全性やその価格帯も含めてすべて海外の基準に依存することになるのです。

日本の物価は為替変動で決まる時代が到来するかもしれません。
「日本国債は破綻しない」ことを私は今ブログでも何度もお伝えしてきました。

ですが、日本から労働する意欲が奪われてしまえば確かに日本国債が破綻することこそありえない話ですが、日本国内の「物価」は完全に海外の物価水準に委ねられてしまいます。日本では生産活動が行われないわけですから、当然「輸出産業」も減退します。

そうなると日本の消費は一方的に「輸入」のみに頼ることとなり、海外のものを買うために円が売られ続けますから、当然外貨が高騰し、国内の物価は急騰するはずです。日本国債が破綻することはありえないのですが、逆に日本国民の生活は破たん状態に追い込まれかねません。

やはり日本国民の生活は「労働の対価」として支払われるべきであり、その財源にはきちんとした裏付けが必要なのです。
まあ、これが私が「消費税の必要性」を主張する根拠でもあります。

日本国債の信認は「日本国民の勤勉さ」によって担保されているのです。

【次回テーマ】
先日、日本国民の民間賃金のデータとして、「国税庁データ」が公表されました。
次回記事に於きましては、この国税庁データベースの「賃金速報」について記事にしたいと思います。


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