第172回 2045年シンギュラリティ問題とベーシックインカムの考え方④など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<継承する記事>第171回 2045年シンギュラリティ問題とベーシックインカムの考え方③
2045年シンギュラリティ問題が私たちに突きつける課題

さて、改めて、ですが。
こちらがこのテーマの本題です。

人間が作り出したはずの人工知能、AIが人間の能力を超える分岐点、「2045年問題」。
この問題は、実はいくつかの課題を私たちに指示しています。

人工知能が人間の能力を超えるということは、わざわざ人間が生産活動を行わずとも、これをロボットが人間に代わって行ってくれる、ということ。もちろん現在だってこれは同様です。

例えば所謂「産業革命」に伴う蒸気機関の出現やその後の「電気」の出現、インターネットの出現、私が現在利用しているこのパソコンだって同様です。技術革新に伴い、これまで人間が行ってきた「労働」の一部を「道具」や「機械」が肩代わりし、人間はその度に労働する立場から「管理」する立場へと切り替わってきました。

それ以前だって、例えば奴隷制度が一般的であった社会では支配者層が管理する立場となり、支配者に代わって奴隷たちが労働を行っていた時代もあったのです。

奴隷制度
(Wikiより)

2045年シンギュラリティ問題とは、また更に、この「管理」という部分まで含めてAIが自発的に効率化を判断し、他の専門的なAI・ロボットを複合的に統合し、管理する社会が到来することを暗示しています。

この様な社会が訪れると、ほとんどの人間が働かずともその「生産性」が担保されるようになるため、「労働」そのものの必要性が問われる社会が誕生することになる、と考えられているのです。



2045年シンギュラリティ問題とベーシックインカム
この様な社会が訪れた場合、一番の問題のとなるのは「生活していくための手段」の確保です。
いくら生産活動そのものをロボットが行うようになり、人間が労働する必要のない社会が訪れたとしても、ロボットが生産したものを手に入れるためには「資産」が必要になります。

「賃金」はあくまでも「労働の対価」として支払われるべきものです。
ですが、シンギュラリティ、すなわち「技術的特異点」た誕生した社会では、その「労働」そのものが否定されてしまうのです。

働くことができなければ賃金を手にすることができません。では、このような社会が訪れたとき、私たちはどのようにして「資産」を手にすることができるようになるのでしょう。

この様な社会において登場するのが「ベーシックインカム(最低限所得保障制度)」です。
政府がすべての国民に対し、国民が生きていくうえで最低限必要だと考えられてる額の現金を無条件で平等に分配する制度のことです。

私自身はこの「ベーシックインカム」という考え方が好きではないので、余りこれまでの記事で話題にすることはなかったのですが、確かにこの「2045年シンギュラリティ問題」が本当に起きるとするならば当然突きつけられる課題だと思うのです。

もっとうがった表現をすれば、「日本国民総生活保護社会」の到来です。
またさらにうがった表現をするのならば、マルクスたちが目指した本当の「共産主義社会」が到来するのです。


ベーシックインカムの問題点

さて。これまで「2045年シンギュラリティ社会」が到来することを前提とした社会についてお伝えしてきました。
本当にこのような社会が訪れるのかどうかという問題はさておき、では本当にこのような社会が実現したとして、前記した「ベーシックインカム」を導入した時、本当に何も問題が起きることはないのでしょうか。

統計データと共に示せるといいのですが、少し時間に余裕がないのでデータは割愛しますが、一つ問題として考えられるのは、「やる気」とか「生きがい」の問題です。

2012年、所謂「自殺問題」について社会全体が非常な関心を持った時期がありました。

所謂「アイフル裁判」などをきっかけに民放と商法との間にある「グレーゾーン金利」が撤廃され、金融会社による取り立て方法についても見直しが行われ、様々な法改正や支援体制が整えられた結果、「経済的事由」を原因として自殺する人の数が大幅に減少しました。

同年1年間で自殺する人の数が1997年以来、15年ぶりに3万人を下回り、安倍内閣に入ってからもその数は減少を続けています。(あくまで年間に期間を区切った場合のデータであり、亡くなった方が生き返るわけではありません。トータルでの自殺者の数は増え続けています)

この様な事例から見ても、「経済問題」は人が自殺したりうつ病になったりする要因として大きな部分を占めているわけですが、この様な経済問題が解決したとしても尚(トータルでは)増え続けている「自殺者」。

その半数が「無職者(生活保護受給者を含む)」であり、そのうちの7割近くが健康的な問題を理由として亡くなっています。
有職者には見られない傾向です。

何が言いたいかというと、積極的に社会参加ができるコミュニケーション形成能力を持った人は良いかもしれません。
ですが、そうではない人たちは2045年シンギュラリティの到来に伴って職を失い「無職者」となります。

その生活費がベーシックインカムによって保障されるわけですが、彼らが生きる意味やその目的を失ってしまう可能性は否定できません。また、最低限の生活が保障されてしまいますから、「それ以上の生活」を求めようとしなくなることも考えられます。

確かに人工知能が人間に代わって生産活動を行うようになれば、人として生きていくために最低限必要な生活手段は確保できるかもしれません。ですが、それ以上の発展を望むことができなくなってしまいますし、人間そのものが「考えること」を放棄することもあり得る話です。

「努力できるタイプの人間」とそうではない人間に二分されてしまい、結局は再びそこに「格差」が誕生し、現在以上に社会的な状況がひどくなることも想定できるのです。

下村元文科大臣がおっしゃっていたのは、このような社会が到来した時のために、到来することをあらかじめ想定し、最低な社会とさせないため、30年後の未来のために備えなければならない時代がすでに到来している、ということでした。

そのために必要なのが「教育」です。さすがだな、と思いました。
下村さんは決してベーシックインカムを肯定していたわけではなかったんですね。

【次回テーマ】
次回記事に於きましては、改めてもう少しこの「ベーシックインカム」について深堀りし、2045年シンギュラリティ問題とは別に、現代におけるベーシックインカムの問題点について考えてみたいと思います。


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