第17回 TPP交渉大筋合意を問うなど、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<前回の記事 第16回 デフレを脱却する方法⑪

今回は、「デフレを脱却する方法」の記事については少しお休みして、先日大筋合意がなされた「TPP」の問題について取り上げたいと思います。

今朝、安倍総理が会見を行いまして、早速その動画が挙げられていましたので、その動画からお示ししたいと思います。



Youtubeにはまだ上がっていませんでしたので、ニコニコ動画から引用します。

有利? 不利? 日本のTPP問題

TPPの問題は、「保守」を主張する、安倍内閣に賛成の立場を主張する面々でもこのTPPには「反対」の立場をとる人が多い、特殊な分野です。消費増税と同じカテゴリーの問題になります。

原因を作ったのはこちらの本。



「TPP亡国論」。元京都大学教授で、現在経済産業省の室長を勤めている中野剛志氏の本です。
以下の動画に出演しています。


TPPについての解説は、こちらの動画←の方が詳しいのですが、Youtube側の設定で埋め込みができないようになっていますので、リンク先でご覧ください。


私は、批判すべき人物は批判しますし、尊敬できる人物は尊敬できる人物として受け入れ、そのように表現してきました。
中野氏は、その理屈でいうと後者。「尊敬できる人物」だと考えています。

彼は、リンク先の動画を最後にその後、「TPP」についてトークしている様子を見ることは見かけることがなくなりました。
(もしあればコメントにてご紹介ください)

当時、民主党政権下で、中野氏自身の力でTPPを調べ、彼なりの意見を表明し、一冊の本にした。これがその経緯だと思います。
当時の彼の意見を、私自身が過去に作成したブログから引用します。

その根拠として挙げられるのが『米韓FTA』のこと。

通称『毒素条項』と呼ばれる・・・

「ISD条項」
ある国の規制によって外国の企業や投資家が損した場合、国際機関に仲裁を申し立て、相手国に賠償を求めることができる取り決め。

米国が他国と結ぶ自由貿易協定(FTA)では、この条項を使って米企業が相手国に巨額の賠償を求める事例が多発。オーストラリアはこれを警戒し、2004年に結んだ米国とのFTAに盛り込むことを拒んだ。(コトバンク)

「ラチェット規定」
歯車が逆回転しないようにする仕組みである「ラチェット」。このラチェットのように、一度決めてしまうと、その後どのようなことがあっても条件を変更することが出来ないという規定。

など、韓国にとって不利益な条件を韓国が日韓FTAによって結ばされたから。

で、「一度交渉に参加すると抜け出すことが出来ない」とか、そもそも「日本がアメリカに逆らうことが出来ない」という、どこか陰謀論チックな理由がその根拠となっているように思います。

ですが、こういった情報を広めた第一人者である中野剛志さんは、前回の記事でもお伝えしたように、

『「日本国政府に交渉能力が無い」ことを問題にし、また「本来突っぱねるべきISD条項を『飲みたい』と言っている連中に交渉任せている」こと』

をそもそもの問題としているのです。本来突っぱねるべきISD条項を、「飲みたい」、飲みたいどころか、日本にとって必要な条項であるからTPPに参加する際、IISD条項が日本にとって必要だと言っているような連中とは、すなわち民主党のことです。


抽出しますと、

『「日本国政府に交渉能力が無い」ことを問題にし、また「本来突っぱねるべきISD条項を『飲みたい』と言っている連中に交渉任せている」こと』
↑ここが本来の問題であったはずなのです。

そして、「交渉参加を示した段階で、既に大枠は合意に至っており、既に日本政府が交渉に参加する余地などない」と。

ですが、どうでしょう。TPPに反対していた皆さんは、今でも同じように考えているのでしょうか。
中野氏は当時、彼なりの分析をきちんと行い、彼の意見として上記内容を示したはずです。

ですが、TPPに反対する理由として、彼の主張を模倣した人々は、どうなんでしょう。
誤った情報を拡散し続けたことに対して、責任をとれるのでしょうか。

「大枠で合意に至っていた」はずなのに、なぜ2015年10月現在で「大筋合意」が表明されたのでしょうか。
甘利大臣を始め、米国をはじめとする海外諸国と、本当に身を切るような交渉が続けられていたことは、もうすでに多くの国民が認めるところなのではないでしょうか。

「TPP」と「自由と繁栄の回廊」

TPPとは、元々2005年6月3日にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4か国間で調印し、2006年5月28日に発効した自由貿易協定の枠組みです。

米国が参加表明をしたのは2011年。東日本大震災後、民主党政権下での出来事です。

私は、第6回の記事 で、麻生元総理の示した、「自由と繁栄の回廊」という構想についてお示ししました。

改めてお伝えしますと、

「自由と繁栄の回廊」 とは、中国を除く、価値観を一にするアジア地域が、共に手を取り合い、「アメリカ」「ロシア」「中国」「欧州」という巨大な経済圏と対等な関係を築こう、という考え方です。

米国参入後のTPPとは、「米国が参入している」ことを除くと、明らかにこの「自由と繁栄の回廊」のやり方を模倣した経済構造です。
米国がどこまで考えていたのかはわかりませんが、アジアで「自由と繁栄の回廊」を築かれる前に、自由民主党が政権から外れている間に、その構想を米国主導で完成してしまおうとする、そのような思想ではなかったのかと考えています。

TPPというものが話題になり、その構想を見た瞬間に、私は「やられた」と感じました。

この時麻生さんは、民主党内閣下でTPP交渉への参加表明をすべきか否か、と話題になったとき、即「参加すべきだ」という考え方を示しています。



麻生さんは、「交渉ができないわけがない」と考えていました。
事実、TPP大筋合意が成立する過程において、「2012年には最終妥結を目指す」とされたTPP交渉が、その妥結にまで実に2年以上、3年近くもかかっているのです。つまり、「交渉が行われた」のです。

再度掲載します。


きちんと見ていただきたいのです。冒頭でこのような言葉が使われています。

「自由と繁栄の海」
「価値観を同じくする国」

これは、まぎれもなく「自由と繁栄の回廊」、「価値観外交」の考え方です。
つまり、安倍内閣の外交方針は間違いなく「自由と繁栄の回廊」の構想がベースとなっているということです。



TPPにしろ、消費増税にしろ、批判することは簡単です。
ですが、批判するなら批判するで、きちんと自分自身の頭を使って批判しているのか。そこが重要なのではないでしょうか。

内容についての精査はこれから、政府によって提示される情報を順次分析していくことが必要だとは思いますが、粘り強く交渉を3年近く続けてきたあまり大臣を初めとする官僚たちに敬意を払うべきであり、少なくとも「アメリカの言いなり」とか、「犬」だとか、そんな無責任な表現することはやめていただきたい思います。
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