第162回 2016年9月版原油価格とガソリン価格の推移/為替相場との比較など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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先日からちょっとブームになっている「キーワードからの問い合わせ」シリーズ。
「シリーズ」といいながらカテゴリー化はしていませんが、私のブログを訪問してくださる方が検索している「キーワード」からピックアップして記事を作成しています。

というのも、私自身が建てた一つの命題について検証するためにシリーズ化して記事を作成しているのに、結局全体を総括できていなくて私自身が投げかけた「命題」に対する答えを記すことなくシリーズを終了させていたり、またせっかく私が過去に掲載した記事にヒットするキーワードから訪問してくれているのに、そのデータが少し古いデータだったり・・・

やはり「申し訳ないな」と感じるわけです。

今回テーマとした「原油価格」「ガソリン価格」と「為替相場の比較」もそんな検索キーワードの一つ。

【ガソリン価格/為替相場比較(2014年1月~2015年12月】
ガソリン価格・為替比較(2014~2015)

こちらは、第45回の記事 で掲載したグラフです。左側がガソリン価格、右側が為替相場です。

半年前なので、それほど「古い」資料ではないんですが、それでも検索キーワードの中に「2016年」という数字が入っていると、やはり検索者の要望には添えていないわけですね。

【今回のテーマ】
そこで今回の記事では、「ガソリン価格」、「原油価格」、そして「為替相場」の3つの項目の関連性について、2016年の最新のデータから検証してみたいと思います。


2016年9月版原油価格とガソリン価格、為替相場の推移

【為替相場とガソリン価格・原油価格の推移(2015年10月~2016年9月)】
原油・ガソリン・為替2015年10月~2016年9月

数字とすると左側が「為替(円ドル)とガソリン価格」、右側が「原油価格(ドル建て)」です。

ちなみに最新の2016年7月のデータで、「ガソリン」等原油由来の燃料が含まれる「鉱物性燃料」のシェア率は輸入品目全体の18.6%。2012年時点でのシェア率28%と比較すると随分割合は小さくなっていますが、それでも輸入品目全体では最も影響力の多い項目です。

第45回の記事 では「ガソリン価格」と「為替相場」を比較するグラフのみを掲載しましたが、今回はこれに「原油価格」も加えてみました。

ガソリン価格はe燃費 様サイトより、また原油価格に関しては米国のテキサスで産出される原油価格である「WTI」という指標を用いています。

原油価格については円建てに換算してお示しすることもできるのですが、そもそもの目的は「ガソリン価格」が「為替相場」に連動しているのか、それとも「原油価格」に連動しているのかということを示すために第45回の記事 を作成していますから、今回もこれが比較しやすいよう原油価格はドル建てで示しています。

このグラフを見ても、「ガソリン価格」は「為替」よりも「原油価格」の方に連動していることがよくわかります。

2016年6月~8月に関しては原油価格も比較的「為替相場」に近い動きをしていますので、結果的に「ガソリン価格」と「為替相場」の動きも似通ってはいますが、特にそれまでの動きを見ていると、ガソリン価格が上がったり下がったりする理由は「為替相場」ではなく「原油価格」の影響の方が大きいことが分かると思います。


「原油価格」と「円ドル相場」が真逆の動きをする理由

【ガソリン価格と為替相場(2011年~2015年)】
ガソリン価格・為替比較(全体)

こちらは相場の推移をもう少し長期で比較したものです。
左側がガソリン価格、右側が為替相場。

全体で見ると、民主党内閣下、一ドルが75円~85円の間で推移していた時代のガソリン価格と、安倍内閣2年目、2014年10月以降のガソリン価格を比較しますと。「為替相場」と「ガソリン価格」のレンジが見事に逆転していることが分かると思います。

勿論ガソリン価格が下落した理由には、例えば「シェールオイル」が米国で普及し始め、ガソリンよりニーズが大きくなったからだとか、産油国がガソリンの生産量を減らさなかったからだ、とかいろいろありはするのですが、私はそれよりも何よりも「安倍内閣がスタートしたから」という理由が一番大きいのではないかと考えています。

これは第45回の記事 でもお伝えした通りです。

改めて、再度今回掲載した

原油・ガソリン・為替2015年10月~2016年9月

こちらのグラフを見てみますと、為替相場が1ドル120円近辺で推移しているときは原油・ガソリン価格も原油価格も下落していますが、一転為替相場が1ドル当たり121円から106円にまで下落(1円当たりで考えると上昇)した3月~5月にかけて、今度は原油価格は上昇していますね?

その後の動きはやや一致性がみられるものの、原油価格が最安値まで下落した1~3月に比較すれば高い水準を「維持」していることもわかります。

こじつけに聞こえるかもしれませんが、「原油価格」と「ドル」は「円」から見れば「真逆の動き」をしているのではないかと考えられるのです。

即ち「原油価格」が「高く」なれば「ドル」は「安く」なり、「原油価格」が「安く」なれば「ドル」は「高く」なる・・・という関係に。
安倍内閣がスタートするまで、マスコミをはじめとする多くの人は逆の考え方をしていました。

つまり、「円」が高くなれば「原油価格(輸入物価)」は安くなり、逆に「円」が安くなれば「原油価格(輸入物価)」は高くなる・・・と。

つまり、マスコミに先導されたマジョリティ(世論)の考え方は、「原油価格は為替相場の変動によってのみ変動する」と考えていたのです。

ですが、結果は違っていましたね?
「原油価格」をコントロールしているのは「為替相場」ではなく「投機マネー」です。
また、「為替相場」をコントロールしているのも同様に「投機マネー」であり、もっと言えば「日本株」をコントロールしているのも投機マネーです。

「たかが日本の市場が」と考えるかもしれませんが、日本は曲がりなりにも中国に逆転されるまでは世界第2位の経済大国でした。現在でも中国に次ぐ第3位の経済大国です。

人口や国土を考慮の範囲に加えると、はっきりと計算したことはありませんが、当然「中国」も「アメリカ」もしのぐ経済規模になると思われます。

民主党内閣下では「円」が異常なほどに値を釣り上げていました。本来であればこれだけ莫大な資本ですから、「株」をはじめとする他の金融商品に向けられるのが普通なのですが、民主党内閣はその政権を担っていた時代に、何一つと言っていいほど経済を活性化させるための政策を行いませんでした。

このため、仮に円高で膨らんだ莫大な規模の資本を日本株に投じたとしても、失敗するリスクの方が大きかったため、投機マネーが日本株に投じられることはありませんでした。それほどに民主党内閣下での「日本株」は魅力がなかったということです。

代わりに、莫大な規模に膨らんだ日本円は再びドルに替えられ、「日本株」ではなく「原油」に向けて投資されていました。

ところが、安倍内閣がスタートし、にわかに日本の金融市場が活性化(期待インフレ率が高まった)ためこれまで「原油」に投じられていた「円」が、原油ではなく「日本株」に対して投じられるようになった、というのが本当のところだと私は考えています。

ですが、安倍内閣がスタートして早3年。いつまでも同じブームが続くわけがありません。
ある程度「円相場」が落ち着いて来ればこれまで日本株に向けられていた「円」が飽和状態に陥ることは十分に考えれることです。

この状況の中で一部マネタリストたちはいまだに「追加緩和を行い、日本の金融市場を活性化させろ」といい続けているわけです。
そういう人たちがいまだに安倍首相の周りにはわんさか存在します。

彼らは「日本経済」ではなく、「国際金融資本からの信頼」の方を優先しているのです。
だから円高になったり、株安が少し侵攻しただけで大騒ぎし、まるで日本の終わりの様に悲観論を煽る。

ですが、本当に日本政府が行うべき政策は、そんな「国際金融資本の御機嫌伺」ではありませんよね?
円高が進行し、一時的に株安が進行したとしてもびくともしない、日本国内の「内需」に準拠する強固な経済基盤を形成することにあると思います。

日本の「内需」活性化のため、引き続き安倍内閣には頑張ってもらいたいと思います。



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