第123回 フランスニースにおけるトラックテロを考える~改めて考えるフランス革命~など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<前回の記事 第122回 なぜ日本は大東亜戦争を起こしたのか~辛亥革命後の中国の近代史年表~

ニース事件、死者84人に フランス襲うテロの連鎖(CNN 2016.07.15)
フランスニーステロ

まず冒頭に、今回のフランス「トラックテロ」において大切な命を失われたすべての皆様に、哀悼の意をささげます。

さて。私がこのニュースで記事を作成しようと考えた理由には、2つの視点があります。

私は、以前にもう一つの「フランスにおけるテロ」について記事を掲載しました。
第40回 フランスの同時多発テロ事件について思うこと

パリで同時多発テロが起きたとき、日本だけでなく、世界のたくさんの国々で沢山の人々が「哀悼の意」を同様にささげたことを記憶しています。
また、今回はニースだけでなく、少し前にチュニジアで、日本人を含む人々がテロの犠牲者となりましたし、先日のトルコにおけるクーデターでは、既に128名の方が命を失っているのだそうです。

ですが、パリにおけるテロ時ほど、マスコミも、ネットも騒いでいないことにどうも違和感を覚えます。

起きた場所が1か所だったから?
犯人が直接ISにかかわりのある人ではなさそうだから?

それとも、「2回目だから」?

勿論、ISを増長させないことを考えると、この様な事件が起きるたびに大騒ぎすることは決して褒められたものでもないと思うのですが、では、あの「パリ同時多発テロ」の時、なぜ世界中の人々はあれほどに大騒ぎしたのか。

私は思います。あの時世界中の人々が大騒ぎした最大の理由は、『IS』というテロ組織に対する「恐怖心」だったのではないか、と。
パリという、先進国の市街地で発生したテロであった、ということ。

このことが世界をテロに対する「恐怖心」に晒させたということ。
チュニジアで起きたテロにしても、今回対象としているこのニースにおけるテロにしても、世界の国民の心の中に、「テロに対する警戒心」が大分備わりつつあるのではないか、と感じます。

不謹慎かもしれませんが、この「IS」という存在を通じて、全世界の人々の心が、それぞれの事情を抱えつつも『一体となる』ことができれば、本当に良いのにな、と感じざるを得ません。

改めまして、今回のニースにおけるテロ、またチュニジアのテロ、トルコのクーデター、そのほか世界各地で不意な事件に巻き込まれてその尊い命を失われたすべての皆様に、心より哀悼の意をささげたいと思います。

【本日のテーマ】

さて。改めて本日テーマとしたいのは、実は私がこのニュースを耳にしたときに感じた『違和感』。
それは、この事件が発生した日が、「フランス革命『記念日』」であったということです。

私が不勉強だっただけなのかもしれませんが、私はこの「記念日」という言葉にものすごい『違和感』を覚えたのです。

私が感じた『違和感』の正体はいったい何だったのか。
改めまして、私が過去に記したシリーズ「右翼」と「左翼」の記事を総括する形で掲載したいと思います。


改めて振り返る『フランス革命』

改めて、自分で過去の記事をさかのぼってみたのですが、構造上、ちょっと読みにくいと感じたので、シリーズ「右翼」と「左翼」を記事の古い順から見やすいように並べなおしてみます。

第50回 「右翼」と「左翼」
第51回 「左翼」の変遷
第52回 「左翼」の変遷②
第60回 第1インターナショナル
第61回 「共産主義」のルーツ
第62回 「共産主義」と「社会主義」
第63回 第二インターナショナルと第三インターナショナル
第64回 「コミンテルン」と「労働社会主義インターナショナル」
第66回 日本における「左翼」
第67回 日本における「左翼」②
第68回 「北一輝」という人物

よろしければ、第50回の記事から順に見ていただけると嬉しく思います。
さて、そもそもの本日のテーマである、私が「フランス革命『記念日』」という言葉に感じた違和感。
記事を順に見ていただけるとご理解いただけると思うのですが、バスティーユ襲撃がら始まる「フランス革命」は、いわば「虐殺の歴史」です。

史上初めてのテロリスト、「ロベスピエール」を生み出したのもフランス革命。

「フランス革命」とは、「左翼」の歴史の根源であると同時に、「テロ」の歴史の根源でもあるのです。
そして、「テロリスト」を生み出したのは、「右傾化した左翼」だったことも忘れてはなりません。

シリーズ「右翼」と「左翼」の総括

「フランス革命」とは、元々貴族による支配体制に対する不満を爆発させたフランスの民衆が引き起こしました。
この時不満を爆発させたフランスの民衆たちが所属したのがフランス議会における「左翼」でした。

このフランス革命に参加した「フランソワ=ノイエ=バブーフ」という人物が、「ジャン=ジャック=ルソー」の考え方の影響を受けて生み出した言葉が「共産主義」という言葉です。

共産主義社会とは、彼が理想とした『完全なる平等』が実現された社会。「支配者のいない社会」のことです。支配者が必要ありませんから、当然「国境」なるものも存在しません。
共産主義社会とは、すなわち「国境の必要のない社会」を意味します。

時代はフランス革命→ナポレオン戦争→ウィーン体制(絶対王政)へと移行するのですが、この絶対王政下で、先に革命を経験したフランスのフランスの皇帝である「ナポレオン三世」。

彼が中心となって設立した「第一インターナショナル(国際労働者協会)」。
この国際労働者協会の創立宣言を起草したのが「カール=マルクス」という人物でした。

彼は、人類の闘争を「階級闘争の歴史」であると考え、彼は自身の記した「共産党宣言」の中で、近代社会を「ブルジョワジー(資本家)とプロレタリアート(労働者)」との戦いである、と表現します。

彼が後に参加する「ドイツ社会主義労働者党」という政党。
この政党は、「全ドイツ労働者協会」と「ドイツ社会民主労働党」が合併して誕生するのですが、このうち「全ドイツ労働者協会」が中心となって作成した党綱領である「ゴーダ綱領」。

マルクスはこの綱領を批判し、その批判文書の中で

・(資本主義から共産主義に移行する)革命の過渡期において、労働者階級による権力の掌握が必要であること。
・これは、プロレタリアート(労働者階級)の独裁によってのみ実現が可能であること。
・プロレタリアには祖国はなく、プロレタリアの利害は一致していること。

という三つの内容を主張します。
革命は、「労働者による暴力にとってのみ実現が可能である」と主張しました。

マルクスとゴーダ綱領とで、目指す道筋は一緒だったのですが、マルクスとゴーダ綱領との間では、たどり着くためのその方法が異なっていました。

マルクスは「暴力によって実現すべきだ」としていたのに対し、ゴーダ綱領では「議会による話し合いによって実現すべきだ」としていたのです。

ここが、「共産主義」と「社会主義」の分かれ目となったんですね。
「社会主義」はのちに「社会民主主義」あるいは単に「民主主義」と名をかえ、私たちが住む現在の社会にもその考え方は多分に採用されています。

日本における「左翼」

考え方を変えれば、バブーフが目指した共産主義社会=「完全なる平等社会」とは、現在の「民主主義社会」を理想としていたのかもしれません。
ところが、現在の日本における「左翼思想」とは、このような「民主主義社会」が、「いまだに実現していない」といういわばフィクションに基づいて構成されています。

これは、共産党の「綱領」を見れば一目瞭然です。
第二次世界大戦以前の日本にも、欧州地域で広まった「社会主義」という考え方が入ってきました。
また、いびつな形での「共産主義」という考え方も同様に入ってきます。

そして、「現人神」である「天皇陛下」がいる日本では、このような「完全なる平等社会」を作ることは難しいと考えた軍人たちが、

「天皇陛下を労働者の代表とし、それ以外の(選挙によってえらばれた)権力者たちを皆殺しにすることで自分たちが理想とする社会を作ることができる」

と考え、2.26事件というクーデター未遂事件を起こしました。
その後の日本の議会は、同様な考え方を、暴力によらない方法で実現しようと考えた軍人たちによってコントロールされ、彼の第二次世界大戦へと突き進んでいくことになります。

戦後日本で、日本共産党が「右翼視」しているのは、このような2.26事件以降の日本社会にて日本の議会を支配し、コントロールした「国家社会主義者」たちです。

この様な考え方に基づいて、今の共産党や民進党、社民党などの主張を見てみてください。

彼らは、あたかも現在の安倍内閣が、まるで戦前の「国家社会主義者」であるかのようにして吹聴していることがよくわかります。
ですが、既に述べた通り、天皇陛下を労働者(共産主義者、社会主義者)の代表に据えるのか、据えないのかということが異なるだけで、現在の日本社会において、彼らが批判する「国家社会主義者」に最も近い思想を抱いているのが現在の日本共産党であり、社民党であり、民進党である・・・という事実に気づかされます。

改めて考える「フランス革命記念日」

さて。

冒頭の話題に立ち返って考えてみますと、「フランス革命」が起きなければ、確かに私たちは現在の民主主義社会のような社会を手に入れることはできなかったかもしれませんが、同時に「フランス革命」とはテロリストを生み出した革命であり、虐殺の歴史で会ったということもまた忘れてはならないと思います。

日本にとっての、「終戦の日」は、フランスにおける「フランス革命記念日」と同じような意味合いがあるのではないでしょうか。
同じ日、日本では戦没者たちに対して黙とうし、哀悼の意をささげる習慣があります。

ですが、同じ意味合いを持つ「フランス革命記念日」に、彼らは花火を上げ、盛大に祝っています。
このことに対する「違和感」。これを、今回のトラックテロは象徴しているのではないでしょうか。

このことが、現在の国際社会に内在する様々な問題を象徴しているように、私には感じられてなりません。

このシリーズの過去の記事
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