第104回 本当の国債発行額と国債発行残高の推移など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<前回の記事 第103回 麻生副総理の真意~麻生副大総理は本当に増税延期に反対だったのか~

私のブログの中で、最も人気がある記事は、実はこの記事。
第27回 国債を返済する仕組み~60年償還ルール~

「60年償還ルール」のキーワードから、Googleで検索しても、ほぼ第1位に表示されるようになりました。

本日の午前中に放送された日曜討論に於きまして、消費増税が先送りされたことにより、財源が失われたことで、不足する財源を赤字国債で賄わなければならなくなった、というようなことを言っていました。

おそらく、岡田氏が言っていたのは、2014年11月に消費増税の延期が行われたことで、不足する財源を赤字国債で賄われている、というような趣旨のことを言っているのではないかと思います。

これに対して安倍さんは、岡田氏の主張を否定し、

「私たちは10兆円減らしたんですよ。民主党政権の時は毎年増えていた。私たちは減らしたんですよ」
と、主張しました。

私は、過去にこんな記事を書いたことがあります。
日本国債を破たんさせる方法

内容はリンク先で見ていただければと思うのですが、私は国債を破たんさせる方法として、「日本人から労働する意欲を奪うこと」と記しているのですが、私が意図している内容は、

「社会保障の財源を、全て赤字国債で賄うとコミットしてしまうと、国民は労働する意欲を失い、生産活動を行わなくなってしまう」

という趣旨の内容です。具体的な内容はどうぞリンク先をご覧ください。
現在の日本の予算組のルールでは、国債を社会保障の財源として充てることはできません。

過去に一度だけ、民主党内閣において、元々年金の為の財源として自民党が確保していた旧国鉄の清算事業団の株式を売却し、これを東日本大震災の復興のための財源として充ててしまったため、年金の財源がなくなり、「年金特例公債」を発行して対応した、という例があります。

このくだりに関しては、私としてもいろいろとお伝えしたいことがあるのですが、それは本来今回の記事の趣旨とはそれますので割愛します。

【今回の記事のテーマ】
今回の記事では、第27回 国債を返済する仕組み~60年償還ルール~の記事の内容を踏まえたうえで、現時点での国債の発行状況について記事を作成したいと思います。


日曜討論の中で、安倍さんは

「私たちは10兆円減らしたんですよ。民主党政権の時は毎年増えていた。私たちは減らしたんですよ」

という趣旨の発言を行っていたわけですが、では、これを具体的な数字に基づいて考えてみましょう。

【一般会計における国債発行総額の推移】
国債

2008年の9月~2009年の9月までが麻生内閣で、そこから2012年までが民主党内閣です。
グラフを見ればわかりますね。リーマンショックの影響で2009年の国債発行額は急増していますが、2010年には一度減少しています。
ですが、そこから2年間、民主党内閣が終わるまで国債発行額は増え続けていますね。
ちなみに、ここには「復興債」は含めていません。2011年には東日本大震災が発生して・・・という人もいるかもしれませんが、その年には「復興債」が11兆2500億円別個に発行されています。

ですから、それは「言い訳にはならない」と思います。
2012年の国債発行額がピークで、47.5兆円。決算ベースで、2015年の国債発行額が36.4兆円ですから、安倍さんの言う「10兆円減らした」という主張はまさしくその通りであることが分かります。

さて。では、第27回の記事にて私がお伝えした、「借換債」の発行額について。

記事中では、満期が訪れた国債は、1/60×経過年数プラス利息分のみが返済され、残る返済分は全て借換債を発行して毎年返済されることをお伝えしました。

では、その「借換債」の毎年の発行額の推移はどのようになっているでしょう。

【借換債の発行総額の推移】
借換債

こちらは、10年前に発行された国債(4条債、特例債の合計)の返済を10年後に行っている、という考え方になりますので、安倍内閣がスタートしてから3年間減少し続けているように見えるのは、2004年~2006年の間に発行された国債の発行額の影響を受けていると推測されます。

とはいえ、その発行額は10年前、2006年と同程度の水準にまで減少していることが分かりますね?
一方、下記は「国債発行残高」の推移です。

【国債発行残高の推移】
国債発行残高

金額的に、毎年発行された国債(4条債、特例債)の発行額が、そのまま加算されている感じです。
借換債は15年度で114兆円発行されていますが、国債発行残高の増額は約30兆円のみ。毎年の国債発行残高を抑えれば、いずれ減少に転じることはご理解いただけると思います。

さて、それでは改めて、こちらのグラフを見ていただきましょう。

【一般会計税収・公債(国債)発行額の推移】
一般会計税収・公債発行額推移(平成28年)

財務省が発表している、政府の歳入歳出と、国債発行額の推移を示したグラフです。
2016年度はまだ予算ベースですので、決算は出ていませんが、2015年度の補正後の予算と、民主党内閣最終年(2012年)のデータを比較してみます。

2012年度民主党野田内閣 歳出:97.1兆円 国債発行額:47.5兆円
2015年度自民党安倍内閣 歳出:99.7兆円 国債発行額:36.4兆円

日曜討論において、岡田氏が主張した言葉。
「(増税延期により)財源が失われたことで、不足する財源を赤字国債で賄わなければならなくなった」

という言葉。上のデータを見て、どのように思いますか?
歳出は、2.6兆円ではありますが、安倍内閣のほうが多く財政支出を行っています。ですが、国債発行額は10.9兆円、安倍内閣のほうが少なくなっています。

再度お伝えしますが、社会保障の財源として、赤字国債を充てることはできませんから、2012年度であれば民主党内閣において、2.6兆円の年金特例公債が発行されていますが、上記の国債発行額に、「社会保障のための赤字国債」は含まれていません。

2012年度の社会保障関係費(歳出)は26.3兆円、2015年度の社会保障関係費(歳出)は31.5兆円と、5.2兆円増えています。
その上で歳出全体の伸び率は2012年度と比較して2.6兆円に抑え、国債発行額も減らした・・・。

言うまでもなく、その財源には「増えた税収分」が充てられています。
社会保障の財源として、「赤字国債」を発行したのは、安倍内閣ではなく、当時の野田内閣。

まるでブーメランのように自ら墓穴を掘る岡田民進党代表ですが、彼らはいったいなぜあそこまで平気ででたらめを吐き続けられるのでしょうか。私には理解できません。


このシリーズの過去の記事
>> 第126回 ヘリコプターマネーの是非~そのメリット・デメリットとは?
このシリーズの新しい記事
>> 第28回 日本国債を破たんさせる方法

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このエントリーにお寄せ頂いたコメント

データの出典を書くべきです
最後のグラフはあなたがつくったものではないでしょう
at 2016/12/08(木) 00:53 | URL

> データの出典を書くべきです
> 最後のグラフはあなたがつくったものではないでしょう

コメントありがとうございます。
最後のグラフについては、「財務省が発表している、政府の歳入歳出と、国債発行額の推移を示したグラフです」と、出典は掲載しています。文脈の中で記しているので少し見つけにくかったかもしれません。

他のデータも財務省データを利用して私が作成したものです。
私は基本、公式なデータを用いるようにし、それ以外のデータを用いた場合は、出典元だけでなく、なぜ私がその資料を用いたのかという理由まで含めて掲載するようにしています。

他の方が検証しても、同じデータが出なければこのようなグラフを掲載しても意味がありませんからね。

ただ、グラフ等は手入力で作成している部分も多々としてありますから、まれにタイプミス等で誤ったグラフを作成してしまう可能性はゼロとは言えません。

そういった資料を発見した場合は、改めてご指摘いただけるとありがたく思います。
nonkinonki at 2016/12/09(金) 14:38 | URL

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