第10回 デフレはなぜ起きるのかなど、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<前回の記事 第9回 デフレを脱却する方法④

前回の記事では、「実質GDP」と「名目GDP」の説明を行い、名目GDPから実質GDPを算出するための指標である、「GDPデフレーター」についてご理解いただくための記事を掲載いたしました。

また、「インフレとデフレ」というテーマで、改めて「物価」についての考え方をお示しし、本来のテーマである「デフレを脱却する方法」について差し戻す案内を行いました。


デフレ」はなぜ起きるのか。

では改めまして、本来のテーマである「デフレを脱却する方法」について検証いたします。

「デフレを脱却する方法」を検証する前に、「デフレ」という経済現象について、もう少し深く考えてみたいと思います。
既に何度かご説明しています通り、「デフレ」とは、「継続的に物価が下落し続ける現象」です。

「デフレはなぜ起きるのか」。このテーマについて考える場合は、つまり「なぜ継続的に物価は下落し続けるのだろう」ということを考えることになります。

前回までのテーマの中で、「物価」の集合体が「GDP」であることをご説明いたしました。
そして、GDPを表す計算式として、

GDP=家計の消費・投資・在庫の増減額+企業の消費・投資・在庫の増減額+政府の消費・投資・在庫の増減額

という数式をお示ししました。
つまり、「物価が継続的に下落し続ける」ということは、「家計」「企業」「政府」のどこかで、「消費」または「投資」額が減少し続けている、または在庫の価値が棄損し続けている、という現象が継続的に発生しているということになります。

「消費」「投資」「在庫」という考え方を混在させると、ものすごく複雑なイメージがありますが、「家計」で行われる経済活動は主に「消費」。企業や政府で行われる主な経済活動は「投資」です。「在庫」はそれぞれの経済活動に付随して増えたり減ったりします。

つまり、「家計」消費が行われなくなるか、または「企業」「政府」のどちらかで投資が行われなくなるから、「物価」が下落する、という経済現象が生まれるのです。

「家計」において「消費」が下落する理由は主に二つ考えられます。
一つは「所得が増えないから」。二つ目は、「魅力のある商品やサービスがないから」。この二つです。

「企業」において「投資」が下落し続ける理由も二つ考えられます。
一つは「商品やサービスが売れないから」。二つ目は「売れる商品やサービスがわからないから」。この二つです。
商品が売れなくなれば結果的に在庫を抱えることになります。「在庫」は新しく生産しない限り、基本的に劣化しますから、在庫を抱えているだけで在庫の価値は既存し続けます。

では、「政府」において「投資」が増えない理由は何でしょう。
第2回の記事で、「日本の国債は破綻しない」ということをご説明いたしました。

つまり、その理屈でいうと、日本国政府は、永遠に国債を発行し続け、日銀に国債を買わせることで、ほぼ無限に資金を獲得し続けることができます。
「政府」において「投資」が増えない理由とはただ一つ。予算組を行う際、「支出を増やすための予算を組まないから」。

ただこの理由のみです。
つまり、「政府による投資」を考える場合に大切になるのは、「なぜ政府における投資が増えないのか」ということを考えるのではなく、「なぜ政府は支出を増やすための予算を組まないのか」。このことを考えることが大切になります。

ただ、この政府支出に関連する項目を詳細に記そうとすると、それだけで記事が3つも4つもできてしまいそうなので、この場では割愛し、後日記事にその内容を委ねます。

上記の「物価が下落する理由」をまとめますと、

「家計」における「所得」が増えないため「消費」に回すことができず、「商品やサービス」が売れなくなる

「商品やサービス」が売れないため、「企業」の利益を増やすことができない

「企業」の利益が増えないため、「商品やサービス」または「人」に対して新たな投資を行うことができず、魅力ある製品やサービスを生み出すための「研究」や「実施」、「検証」が行えない。

「魅力のある製品やサービス」が生まれないため、ますます商品が売れなくなる

商品が売れない中、在庫は劣化していくため、損害を最小限に抑えるため、値段を下げて販売せざるを得なくなる

利益を確保できないため、人件費を初めとする維持費を確保することができなくなる

解雇者が増え、新規採用もできないため、世の中には失業者があふれ、消費に回せる資金の絶対量がますます減少する

このような流れでデフレは深刻になっていきます。
では、このような流れを断ち切るためにはどうすればよいのでしょうか。

答えはそう難しくありません。家計でもない、企業でもない、第三者が企業に対して「投資」を行う。
または給与所得とは別に、「家計」への資金の分配を行い、家計が消費に回せる資金を増やす。

つまり、「家計」や「企業」に変わって、「家計」でも「企業」でもない第三者がお金を出す

これでこの流れを断ち切ることができるのです。
その役割を持っているのが「政府」「金融機関」。そして「金融機関」の元締めである「日本銀行」なのです。


金融機関」の役割

「金融機関」の役割とは、即ち「企業」に対して「融資」を行うこと。そして、「家計(預金者)」から資金を預かり、「利息を支払うこと」。

家計から預かった資金に利息を上乗せして企業に資金を貸し出し、手に入れた利息の中から家計に対して利息を支払う。これが金融機関の役割です。

「デフレ」が起きるのは、実は金融機関が、こういった本来金融機関が果たすべき役割を果たせていないから。
だから「デフレ」が起きるのです。

では、なぜ金融機関はこういった本来果たすべき役割を果たせていないのでしょうか。
このテーマを解説しようとすると、少し話が長くなりますので、次回記事にその内容を委ね、第10回はここで終了いたします。

次回記事では、日本のデフレがなぜ収束しなかったのか。バブル崩壊以降、「失われた20年」といわれるまで続いた日本の「デフレ」を、少し歴史を交えてお伝えしたいと思います。
このシリーズの過去の記事
>> 第11回 『デフレ』と『バブル』
このシリーズの新しい記事
>> 第9回 GDPデフレーターとは何か

このシリーズの一覧をご覧になりたい方は >>デフレを脱却する方法 よりご確認ください


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