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<継承する記事>第197回 内閣府、GDP算出方法の改定/2016年第二四半期二次速報より③
前回の記事で予告しましたように、今回の記事では「建設国債」と「赤字国債」の違いについて記事にしたいと思います。

最終的に、前回の記事 に関連して、「研究開発費」が「GDP」に組み入れられることと、「財政政策の可能性」について言及する形で締めくくりたいと思います。


「建設国債」と「赤字国債」の違い

これが何か問いかけられて、きちんと答えられる人は意外と少ないかもしれませんね。
第194回の記事 で、「財政投融資債」についてご説明した時、少しこの話題に触れました。

日本の「国債」には3種類あり、それが「建設国債」「赤字国債」「財政投融資債」の3つです。
民主党内閣で「年金特例国債」という名称の国債も発行されましたが、これも「赤字国債」の一種です。

「建設国債」と「赤字国債」の最大の違いは、それぞれの国債を発行した後で、その発行額に対する「対価」が存在するかどうかということになります。

アクアライン

「建設国債」というのは、その名の通り、「建築建造物」に対して発行される国債ですから、国債が発行された後、例えば「構想道路」を作るために建設国債を発行すれば、当然そこには「高速道路」という建築構造物が出来上がります。

考え方でいうと、「もし仮に建設国債が返済不能に陥っても、『高速道路』という対価が残っているから問題ない」という考え方です。もし建設国債が返済不能に陥れば、高速道路を売却して返済すればいいでしょ、という発想です。

勿論日本の国債が破綻することなど、政府機関に巨大隕石が激突して財政運営そのものが破綻するようなことにでもならない限り120%ありえませんから、そんな事態に陥ることはまずありえないのですが、それでもそうなったときには、という話です。


最近まで私のブログで最大の人気を誇っていた 第27回の記事 が取り扱っている「60年償還ルール」。

日本の国債の返済期限が60年に設定されている理由は、建設国債を発行して作った建築建造物の減価償却期間を「60年」と考えていることに由来します。建設国債を使って作った建築構造物が、一年に60分の1ずつその価値を減らしていき、60年経過すると0になる、という考え方です。

「減価償却」っていうのは、例えばトンネルを一つ作っても、その価値がたった1年で償却されるわけではない、という考え方になります。「トンネル」を「消費物」であると考えたとき、一体何年で消費仕切るのか。これが「減価償却期間」です。

国の建築構造物的には、「トンネル」であれば「トンネル」を、1年間に60分の1ずつ、60年間かけて消費する、という考え方をします。

余談ですが、私のブログで現在は第104回の記事 が人気記事トップの座を奪取しております。

内容は「本当の国債発行残高」という内容。上記した「建設国債」や「赤字国債」以外に、「借換債」発行残高の推移についても掲載しています。

そういう意味では「借換債」も「第4の国債」と言えなくはありませんが、元々は「建設国債」や「赤字国債」であったものが姿を変えているだけですので、私としては「建設国債」や「赤字国債」の一種である、と考えています。

一方の「赤字国債」。これは、建設国債の様に「対価」となる資産を生み出さない目的のために発行される「国債」のことです。

道行く人々

実は、「国債」を発行するための裏付けとなる法律は、「財政法第4条第1項但し書き」がその根拠となっています。

【財政法第4条第1項】
第四条  国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。

但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。

別の機会にも掲載した気はしますが、記されているとおり、「公共事業費・出資金・貸付金」の財源としてのみ国債は発行することが認められているのです。ちなみに「出資金」や「貸付金」に該当するのが「財政投融資債」です。

つまり、法制度上、「公共事業費」以外に「国債」を発行することは認められていないのです。この法律に基づいて発行される国債のことを「建設国債」といいます。財政法第4条に基づいて発行されますから、別名「4条国債」といいます。

ですが、例えば「リーマンショック」であったり、「東日本大震災」のような、政府が元々想定していない緊急事態が発生した時にまでこの法律を守っていたのでは日本国は大変なことになります。

「雇用」や「企業活動」を維持したり、「失業者対策」を施したりするため、「対価を発生させない資金の需要」が急速に高まってしまいます。この様な場合に、「特例として」発行されるのが「特例国債」。別名「赤字国債」です。

赤字国債を発行するため、赤字国債を発行するための「特例公債法」という法律を作成し、国会の承認を得た上で発行されるのが「特例国債(赤字国債)」です。

特例債は「対価」を発生させませんから、仮にこの国債がもし返済不能に陥れば、「貸主」はその分損害を被ることになります。
資産から発行額を差し引いた値がマイナスになりますから、「赤字国債」と呼ばれるのです。


赤字国債の発行額とその目的

ところがこの「赤字国債」。実はリーマンショックや東日本大震災のような「緊急事態」が発生した場合以外でも、ほぼ毎年発行され続けています。

戦後初めて発行されたのが昭和40年で1,972億円。
その後しばらくの間発行されていないのですが、昭和50年~平成2年にかけて毎年発行された後、3年間を開けて平成6年に再開され、それ以後は毎年発行されています。

ちなみに今年度、2016年度の赤字国債発行額は28兆円となっています。建設国債が6兆円となっています。
一体何のために発行されているのか。第27回の記事 をご覧いただければわかると思いますが、その大部分が「過去に発行した国債の利払いと60年償還ルールで定められている元本の返済」に充てられています。額にして23兆6121億円です。


この様に記すと、「借金を借金で返しているのか!!!」と激怒する人が出てきそうですが、これについては再度第27回の記事 をご覧いただければと思います。

数値で記しますと、2016年度に発行されている「借換債」の額が109兆1144円。この金額に、13兆7161億円を加えた総額、122兆8305億円が2016年度に返済しなければならない日本国政府の借金の総額です。ただ、「借換債」の部分は事実上2016年度には返済する必要のない借金ですから、「借換債」を発行して再度借り直します。

13兆7161億円は返済する必要のある金額ですから借換債は発行せず、日本国政府が一般会計の中から支払います。
一方で利息が9兆8961億円発生していますから、これは全額返済します。

一般会計から支出された分に関しては「赤字国債」を発行していますので、これが「国債発行残高」として積み上げられていくことになります。

60年償還ルールがスタートしてからまだ60年経過していませんから、国債発行がスタートした昭和40年より昭和が23年。平成が28年間。合わせて51年分の「国債」が現在も返済し続けられていることになります。

去年は50年分、今年は51年分、来年は52年分と蓄積されていきますが、これが60年経過しますと、国債発行初年度の国債から完済されていきますので、発行しなければならない借換債の額も、赤字国債の額も頭打ちとなります。後は新規発行国債の額がいくらか、というところに集約されることになります。

「グラフもないしわかりにくい!」という方は、どうぞ第27回の記事 、または第104回の記事 をご覧ください。


「研究開発費」が「GDP」に「資産計上」される意義

さてこの記事。ここからが本題です。

研究

というより、ここまで記すと、もうお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんね。

「研究開発費」は、これまで「経費」とみなされてきましたから、例えば政府が民間に政府のシステム開発等を委託したとしても、ここにかかる経費には「国債」を発行することはできませんでした。

もしするとすれば、これは「赤字国債」を発行して行わざるを得ず、国会の承認を得る必要がありますから、野党にあらぬ噂を立てられてしまえばこれでご破算になってしまいます。

勿論「建設国債」であったとしても、これには国会の承認は必要になりますから、赤字国債とどう違うんだ、と言われると明確な違いをお示しすることはできませんが、これまでと異なってくるのは、例えば第190回の記事 でご紹介した「地域経済分析システム『リーサス』」の様な統計システムが、「資産」として計上されるということ。

「対価」が発生するのです。
ということは、ひょっとしてこのような「研究開発費」についても「建設国債」を発行することが可能になるんじゃないの!? ってことです。

今後、「GDP」についても「ビッグデータ」を導入するための研究開発が行われていくわけですし、当然その「研究結果」が「資産」として計上されるはずです。ここに建設国債を発行することが可能になるのならば、当然予算に余裕が出てきますから、国債の返済のために発行しなければならない赤字国債の額を減らすこともできるようになるはずです。

「今減らしても将来は!」云々といいたい方は改めて第27回の記事 、または第104回の記事 をご覧ください。

特に「赤字国債の返済」という項目は、金融機関や民間から「国債」という資産を回収することになりますから、確かに金融機関や民間の「現金資産」は増えるかもしれませんが、プラスマイナスで考えればゼロか、むしろマイナスになります。
勿論現在は「マイナス金利」ですので少し事情が変わるかもしれませんが。

ですが、「研究開発費」という名目で建設国債を発行し、これを研究機関に投資すれば、これは研究機関の「所得」にも還元されますし、研究機関が発注する先であったり、人件費等々の「投資」へと変化し、新たな所得構造を生み出します。

勿論今回の改正では「公共」の研究開発費で、「公共資産」が生れる研究開発に限定されることにはなりますがそれでも財政政策の幅は広がります。これまで土建業者相手にしか発行できなかった「国債」が、知的研究機関にも発行できるようになることは、非常に可能性を感じさせる出来事だと、個人的には思っております。

いざとなれば、その研究成果を政府が民間に無償で提供すれば、その成果によって民間企業にもさらなる利益を生み出します。
(実際に政府はそのような研究とノウハウの提供を行っています)


勿論これは私の勝手な憶測ですから、政府が本当にそういうやり方をしてくるのかどうかはまだわかりません。

私の考え方としては、「分配」はあくまで「労働の対価」として行われるべきだということ。これが支柱にあります。
ですから、「社会保障費」として赤字国債を発行してまで分配するやり方には正直賛成できません。

これをやってしまうと、短期的には良い効果をもたらす可能性はありますが、やがて国民から「労働する意欲」を奪ってしまう可能性を否定できないからです。(第28回の記事 をご参照ください)

日本国民が、自力で経済を成長し続ける力を取り戻すためには、「乗数効果の高い分野」へ「投資」を行うこと。これが一番だと思います。

あくまでも統計データレベルでのお話ですが、この様な見方があるということを考え方の一つに考えていただけると嬉しく思います。


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<継承する記事>第192回 内閣府、GDP算出方法の改定/2016年第二四半期二次速報より②
前回の記事を引き続き掲載しようと思っていたのですが、内容を理解していただくために、先に「財政投融資債」というものをご理解いただく必要があるなと感じたので、今回は「内閣府、GDP算出方法の改定/2016年第二四半期二次速報より」というテーマを少しお休みして、「財政投融資債」についての解説記事を作成します。


「財政投融資債」とは何か?

過去の記事で、「赤字国債」と「建設国債」の違いについて記事にしていたように思い込んでいたのですが、どうもこの記事は作っていなかったようですね。

日本の、所謂「国債」には「建設国債」と「赤字国債」の2種類の国債と、加えて「財政投融資債」と言われる3種類の国債が存在します。

順番から言えば、先に「建設国債」と「赤字国債」の説明を行ってから財政投融資債について説明を行うべきなのですが、今回のテーマは「国債」についての説明ではなく、「2008SNA」に従った、内閣府によるGDP改定がそもそものテーマですので、この話題は後日記事に委ねます。

ということで、今回の記事では「財政投融資債」というものについて説明します。

【財政投融資の流れ】
財政投融資の流れ

こちらは内閣府のホームページ に掲載されている、「財政投融資」の流れを、「一般会計」の動きとの間で比較できるようにしたものです。

図はいくつかあったのですが、これが一番わかりやすいと思います。
といっても、ぱっと見に理解できるものでもありませんね。

図の左側、青い部分が「一般会計」におけるお金の流れ。黄色い部分が「財政投融資」におけるお金の流れです。
「一般会計」というのは基本的に日本国政府全体の会計帳簿のことで、基本的に「税金」によって運用されています。

「財政赤字」などという言葉が使われるのは、基本的にこの「一般会計帳簿」の赤字のことを指します。

一方で「財政投融資」というのは、一般会計の会計帳簿とは別に、「財政投融資特別会計(財政融資資金勘定)」という会計帳簿の中で運用されます。「特別会計」と呼ばれるものの一つです。


「特別会計」には「財政投融資」以外にも、私がよくお示ししているものとして、「年金特別会計」というものがありますね? 年金会計については会計の仕組み上、「一般会計より繰り入れ」られる部分はあるのですが、逆に「一般会計に繰り入れ」られる項目はありません。

一般会計より繰り入れられる以外は、「年金特別会計」「基礎年金勘定」「年金積立金」という3つの会計帳簿の中で横断的に運用されています。

ところが、「財政投融資債」はこの年金特別会計のような特別会計とは異なり、政府の「一般会計」との間で、横断的に資金の行き来を行いながら運用されています。

運用状況はこんな感じです。

【2016年度財政投融資運用状況】
平成28年度財政投融資特別会計

「財政投融資特別会計」とは、制度的には「一般会計帳簿」とは別枠で取り扱われ、扱いとしては「金融機関」としての扱いとなります。

また一方で、この表の中に登場している「国債整理基金特別会計」という項目もまた一般会計や財政投融資特別会計とは別の、所謂「国債発行残高」を取り扱うための会計帳簿なのですが、こちらは「財政投融資特別会計」とは異なり、「中央政府」としての扱いになります。

次回以降で話題とする「GDP改定」で重要となる内容なので覚えておいてください。
今回はさらっと流しておきます。


【「財政投融資」の流れ】
では改めて、もう一度こちらの図を。

財政投融資の流れ

「財政投融資」とは、基本的に政府が発行した「財政投融資債」と呼ばれる国債で運用されています。

政府が発行した「財政投融資債」は、所謂「国債」ですから、市中金融機関に対して入札にかけられ、落札した金融機関に販売されます。

金融機関より受け取った資金は「財政投融資金」という、これまた別の会計帳簿に移されます。
「財政投融資金」に移された資金は他の行政機関、管理団体へと出資され、ここから私たち民間人や企業・地域などに有償で貸し付けが行われます。

ただ、その金利は現在で13年未満であれば0.01%。これを超えると0.1%、39年までで0.5%、それ以上で0.6%ということですから、非常に破格な貸付金利ではないでしょうか

勿論破綻する可能性もあり、回収不能に陥る可能性も否定できませんが、「赤字国債」や「建設国債」の様に「発注」という形でばらまくやり方に比べれば、財政的にも安定した運用が可能だと思います。

後日掲載しますが、「建設国債」は建築建造物が代替資産として残りますので「国富」として考えればプラマイゼロです(災害等で崩壊した場合は別です)。ですが、「赤字国債」にはこのような代替資産が残りませんので文字通りプラスマイナスすれば「赤字」になります。

ところが、これを「財政投融資債」によって賄えば、これは「貸付」ですから、バランスシート的には新規発行債を販売した際の「負債」と貸し付けを行ったことによる「貸付額」によって、双方が相殺されますから、こちらも「プラマイゼロ」ということになります。

貸付先が破たんした場合にこれが「赤字化」しますから、リスクを云々いうのであれば、まずは赤字国債を破たんさせる方法を提示してからにしろ、といいたくなります。共産党さん。

参院予算委 安倍政権の無責任さ浮き彫り リニア新幹線・辰巳議員が批判

ちなみに同記事では、『辰巳氏は「JRは、市場金利より低い金利で多額の借金を借り続けられる。利益供与ではないのか」と追及しました』とありますが、じゃあ赤字国債を発行して得た資金を投じた分野の業者にも同じように「利益供与だ」というのかと、これも突っ込んでやりたくなります。

「助成金」や「補助金」などはその最たる事例ですね。

最も共産党さんは、「赤字国債」そのものに反対していますから、このような論調がまかり通るのだと思いますが。

次回記事では、少し今回の「GDP改定」についての記事はお休みして、蓮舫氏の「二重国籍問題」について思うところがございますので、こちらを記事にしたいと思います。


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私は、過去の記事の中で、何度か「日本国債の問題」についての記事を掲載しました。

コンセプトとしては、「日本国債はどの様なルールで発行されるのか」、「日本国債はどの様なルールで返済されるのか」、「限りなく破綻する可能性が0に近い日本国債を破たんさせる方法」、「日本国債の『直接引き受け』のメリットとデメリット」という、4つのコンセプトから記事にしました。

これまでの記事の中で、私が疑問に思いつつも調査を行っていなかった項目。
それが、今回のタイトルにある、「日銀が引き受けた国債は返済されるのか」という疑問に対する調査です。

「日銀が引き受けた国債」とは、現在のルールからすれば、日本国政府が発行した日本国債(既発債/発行済み国債)を、金融機関から日本銀行が買い上げた国債のことです。

「買いオペレーション」とか、最近では「量的緩和」という名前でもよく知られるようにもなりました。

【日本国債:日銀HPより】
国債

「日本国債を破綻させない方法」の一つとしてよくあげられるのが、この「日本国債の日銀による引き受け」にあります。
現在も「量的緩和」の名目で日銀は市場から国債を引き受け、代わりに日銀券を流通させています。

さて。ではこの日銀が引き受けた日本国債。この日本国債が仮に「償還期」を迎えたとき、日本国政府は日銀に対してきちんと「返済」を行っているのでしょうか。
そもそも、日本国政府は日銀が引き受けた国債を「返済」する義務があるのでしょうか?

長らく疑問に感じていた部分ではあるのですが、それほど重要な問題ではないと考え、調査は行わずにそのままにしていた問題でもあります。

【本日のテーマ】
そこで今回は、改めて日銀が引き受けた、あるいは市場から買い取った「日本国債」。
この様な方法で日銀が保有することとなった「日本国債」が償「償還期」、つまり「返済期限」を迎えたとき、果たして日本国政府はこれを返済しているのか。

返済しているとしたら、果たしてどのような方法で返済しているのか。今回の記事では、このような問題について記事にしたいと思います。

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<前回の記事>
第125回 なぜ日本は大東亜戦争を起こしたのか~中国共産党の結成~

本日の記事は、タイトルにもある「ヘリコプターマネー」という言葉に着目して作成したいと思います。

この数週間のうちに、にわかにこの言葉をよく耳にするようになりました。
焦点:政府・日銀、ヘリマネ「検討せず」 市場に「広義」の思惑
ヘリコプターマネー

[東京 15日 ロイター]
政府・日銀は、市場の関心が高まっているヘリコプターマネーの導入について、検討していないと明確に否定している。永久国債の発行や日銀の国債直接引き受けなど極端な政策に踏み出せば、かえって日本経済が混乱しかねないとみているためだ。ただ、市場の一部では、積極財政と金融緩和の組み合わせを長期間実施する「広義」のヘリマネはあり得るとの声もあり、政府・日銀の対応に注目が集まっている。

<ヘリマネに距離置く政府・日銀>

ヘリコプターマネーの導入に関し、複数の政府関係者は「検討していない」と否定した。また、複数の日銀関係者も、ヘリコプターマネーの導入を前提に金融政策を検討したことはないと全面的に否定する。

では、どうして市場にヘリマネ導入の思惑が浮上したのか。ある国内銀行の関係者は「ブルームバーグの記事の中に、本田悦朗駐スイス大使が今年4月、バーナンキ前米連邦準備理事会(FRB)議長と会った際、永久国債の話をしたとの記述があり、安倍晋三首相のブレーンである本田氏が政権にヘリマネを推奨するとの思惑が広がった」と話す。

だが、政府・日銀内には、ヘリマネと距離を置く見方が圧倒的に多い。ある政府関係者は「日銀が国債を市中から買って、半永久的に保有すると宣言し、その後、価格が急落した場合、日銀の資産劣化は激しくなり、債務超過の可能性も出てくる。通貨の信認維持の点からも、採用し得ない政策」と述べる。

その上で、極端な政策に踏み込んだ場合、むしろ日本経済が混乱するリスクの方が大きいと指摘する。

菅義偉官房長官は13日の会見で、ヘリマネについて「そのような政策を政府が検討している事実はない」と否定。

先の政府関係者は「官房長官が検討していないと言っている以上、議論の余地があるとは思われない」と述べている。

原因は、記事中にもある通り、今年の4月1日、内閣官房参与の本田悦郎氏が、元FRB(米国の中央銀行様なもの)理事長であったバーナンキ氏と会い、「永久国債」なるものについて議論を交わした・・・という話です。

この会談を受けて、本田氏が安倍首相をバーナンキ氏に会う様要請し、今月12日に安倍さんがバーナンキ氏と会談したことから、上記ニュースのような話題がにわかに巻き起こったのです。

【本日のテーマ】
本日のテーマは、突如話題となったこの「ヘリコプターマネー」とはそもそも何なのか。そのメリット、デメリットは?
この様な内容について、私の考え方を記事にしたいと思います。
 

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<前回の記事 第103回 麻生副総理の真意~麻生副大総理は本当に増税延期に反対だったのか~

私のブログの中で、最も人気がある記事は、実はこの記事。
第27回 国債を返済する仕組み~60年償還ルール~

「60年償還ルール」のキーワードから、Googleで検索しても、ほぼ第1位に表示されるようになりました。

本日の午前中に放送された日曜討論に於きまして、消費増税が先送りされたことにより、財源が失われたことで、不足する財源を赤字国債で賄わなければならなくなった、というようなことを言っていました。

おそらく、岡田氏が言っていたのは、2014年11月に消費増税の延期が行われたことで、不足する財源を赤字国債で賄われている、というような趣旨のことを言っているのではないかと思います。

これに対して安倍さんは、岡田氏の主張を否定し、

「私たちは10兆円減らしたんですよ。民主党政権の時は毎年増えていた。私たちは減らしたんですよ」
と、主張しました。

私は、過去にこんな記事を書いたことがあります。
日本国債を破たんさせる方法

内容はリンク先で見ていただければと思うのですが、私は国債を破たんさせる方法として、「日本人から労働する意欲を奪うこと」と記しているのですが、私が意図している内容は、

「社会保障の財源を、全て赤字国債で賄うとコミットしてしまうと、国民は労働する意欲を失い、生産活動を行わなくなってしまう」

という趣旨の内容です。具体的な内容はどうぞリンク先をご覧ください。
現在の日本の予算組のルールでは、国債を社会保障の財源として充てることはできません。

過去に一度だけ、民主党内閣において、元々年金の為の財源として自民党が確保していた旧国鉄の清算事業団の株式を売却し、これを東日本大震災の復興のための財源として充ててしまったため、年金の財源がなくなり、「年金特例公債」を発行して対応した、という例があります。

このくだりに関しては、私としてもいろいろとお伝えしたいことがあるのですが、それは本来今回の記事の趣旨とはそれますので割愛します。

【今回の記事のテーマ】
今回の記事では、第27回 国債を返済する仕組み~60年償還ルール~の記事の内容を踏まえたうえで、現時点での国債の発行状況について記事を作成したいと思います。

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<前回の記事 第27回 日本国債の問題③

国債の問題④

今回のシリーズは、私がなぜ消費増税が必要だと考えているのか、その理由を説明するための布石として作っているシリーズです。
当初からこの、「日本国債を破たんさせる方法」とのタイトルで進めようと思ったのですが、まずはその前に、日本国債がなぜ破綻することがないのか。それをご理解いただくため、「日本国債を発行する仕組み」と「日本国債が返済される仕組み」の双方から記事として作成しました。

日本国債を発行する仕組み
国債を返済する仕組み

さて、それでは今回の記事。双方の記事を踏まえた上で、改めてでは日本国債を返済するにはどのようにすればよいのか、ということを考えてみます。

日本国債を破たんさせる方法

改めて、「日本国債が破綻しない理由」を復習いたしますと、

1.国債とは、日本国の負債ではなく、日本国政府の負債である。
2.日本国債はその国債の96%を日本人、または日本国企業が保有している。(日本国政府にとっては負債だが、国民にとっては資産である)
3.日本国債は100%円建てで発行されており、最悪返済できなくなれば、日銀が市場から国債を買い取り、日本国政府に変わって返済することで債務不履行に陥ることはない。(日本国政府は日銀の大株主であり、最悪貸借対照表を連結させることができる)
4.日本国債の利息は発行された時点で確定しており、償還期を迎えるまでその利息が変動することはない。
5.日本国債には「60年償還ルール」が定められており、借換債を含めて日本国債の発行額には限界がある。(元本を増やさない限り、限界額以上に国債発行残高が増えることはない)


この他にも日本国政府には負債もあるが資産もある、だとか、日本国は世界一の債権国であるとか、いろいろ破綻しない理由はあるのですが、これらを踏まえた上で、日本国債をあえて破たんさせるためにはどのようにすればよいのか、というのが今回の記事の趣旨です。

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<前回の記事 第26回 日本国債の問題②

【日本国債の問題③】

前回の記事では、国債が発行されるルールを「長期金利」と「名目金利」という二つの言葉に着目して、国債の金利がいわゆる「預金金利」とは異なる動きをすることをお示ししました。

ですが、当然国債は「債務」ですから「償還期限」が訪れます。年間で40兆の国債を発行しているわけですから、仮にこれを全額10年物国債として発行していた場合、当然一気に返済期限が訪れます。
このことから、「本当に日本政府は国債の返済が可能なの?」という疑問を持っている人がいます。

また一方で、国債は「デフレ時の金利」は安く、「インフレ時の金利」は高いという傾向があります。
現在アベノミクスでは2%の物価上昇=インフレを目指しています。国債の金利が高くなるということは、「国債が売れない」ことを意味していますから、次に国債を発行したときは売れなくなるんじゃないの、という不安を抱く人がいます。

ですので、今回は「60年償還ルール」という国債発行のルールに着目して、これらの問題にお答えしていきたいと思います。

国債を返済する仕組み

「本当に日本政府は国債の返済が可能なの?」
前記した通り、日本国債は毎年40兆円発行されており、現在でも毎年その償還期が訪れています。

【平成26年度一般会計予算】
歳出

こちらは、財務省のHPで公開されている、平成26年度の歳出の内訳です。
歳出の中に、「国債費」という項目があり、ここに「23兆2702億円」という数字が示されています。

つまり、1年間の歳出の中で約23兆円が国債の償還に充てられていますよ、というお話です。
ですが、先述したように日本の国債は40兆円発行されており、その額が毎年償還期を迎えているわけです。

では、政府はよもやこの返済を一部だけ支払って、残りは踏み倒しているのでしょうか。
もちろんそんなことはありません。

【平成27年度歳入歳出予算の概要】
国債整理会計
こちらは、財務省HPに掲載されている、「国債整理基金特別会計」の収支予算計算書です。
名前の通り、この収支計算書は「特別会計」。政府の一般会計とは別会計帳簿で処理されています。

こちらに「国債整理支出」という項目がありますね。実はこちらが本当の国債償還額。政府は毎年40兆しか国債を発行していないはずなのに、なんと200兆もの国債償還額が必要とされているのです。

政府は、国民の知らないところでこんなにも国債を発行しているのか・・・と腹を立てたくなる方もいらっしゃるかもしれません。

では、200兆もの返済額。その返済資金はいったいどこから生まれてきているのでしょう。

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<前回の記事 第25回 アベノミクスを問う③
<継承する記事 日本国債の問題①

前回の記事では、麻生内閣と安倍内閣の財政政策を比較することで、安倍内閣のウィークポイントを提示し、「第4の矢」として、「国民の手元にまで情報を届ける為の政策」が必要だということをお伝えしました。

今回の以降の記事において、「消費増税」および「マイナンバー制度」の問題についてお伝えすることをお約束したのですが、その前に。
私は「消費増税は必要である」との考え方を持っています。
その理由をご理解いただくためには「日本国債の仕組み」というものをあらかじめ知っておいていただく必要があると考えています。

そこで、今回より数回の記事に分けて、「国債の仕組み」についてご説明したいと思います。

日本国債の仕組み

今回の記事は、次回以降の記事にて、「日本国債を破たんさせる方法」というタイトルの記事を作成しようと思っていまして、その記事で登場が予測される、様々な国債に関連する用語の意味をあらかじめご理解いただくことを目的としています。

第2回の記事におきまして、「日本国債は破綻しない」ということをお伝えし、その理由を掲載しました。

その理由としてお示ししたのが以下の二つです。

【日本国債が破綻しない理由】
・日本国債は政府にとっては債務(借金)だが、借り手は金融機関を中心とする日本企業・日本人であり、日本国債は日本人にとっては「債権」であるということ。(94%が日本人、残る6%が外国人)
・日本国債の6%を外国人が保有しているが、日本国債は『円建て』で発行されており、もし足りなくなれば、最終的に日本政府が円を発行して返せばいい。

(円を発行するのは日本銀行であり、政府ではない、という方は第2回の記事をご覧ください)

国債の破たんを主張するエコノミストの中には、「このまま国債を発行し続ければ、国債の利息が膨大になりすぎて、『ギリシャの様になる』」という人がいます。

【ギリシャ国債返済期限別 長期金利】
ギリシャ国債

此方は現在のギリシャ国債の金利。一番利率の高い2年物でも、今年のその利率は8.9%。
1年前は21.6%もあったんですね・・・。

ギリシャ危機の叫ばれていた2010年当時は、1年物国債で360%もの利率だったのだそうです。

では、現在の日本の国債の金利を見てみましょう。

【日本国債返済期限別 長期金利】
日本国債

こちらは日本の国債です。ギリシャと同じ2年物国債の金利を見てみると、現在の金利は0.011%。10年前でも0.029%。
なんと1%の1/10にも満たないのです。

ギリシャと日本の国債の利率の差。「破綻する」とのうわさの絶えない両国ですが、では一体なぜこれほどの利率の差が生まれるのでしょう。

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