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今回の記事は、中々熱い記事が出てきましたので、この記事をテーマに作成したいと思います。

先ずは引用元のニュースから。

【日本経済新聞記事より(2017/4/20)】(※まずは読み飛ばしてください)
麻生副総理、米抜きTPP「APECで5月協議」

 【ニューヨーク=大塚節雄】麻生太郎副総理・財務相は19日、ニューヨークで講演し、米国が離脱した環太平洋経済連携協定(TPP)に関し、米国を除く11カ国での発効に向けて「5月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)で話が出る」と語った。ベトナムでのAPEC貿易相会合にあわせて開くTPP参加国の閣僚会合で、議論に本格的に着手することを明らかにした。

 米国を除くTPP参加国11カ国は、5月下旬にベトナムで関係閣僚会合を開く。日本政府は、米抜きTPPの発効方法の検討を事務方に指示する共同声明の採択を目指している。麻生氏は「相手がある話だからわからない」としながら、「12カ国という数があったからあれだけのことができた」と述べ、多国間協定の利点を強調した。

 そのうえでTPPでは「たとえば日米間(の交渉)で日本が失うものがあったとしても、他国から(利益を)とる、という調整ができた。2国間ではそこまではいかない」と話し、日米自由貿易協定(FTA)などの2国間協定には慎重な姿勢を示した。

 一方、ペンス米副大統領との間で18日に初会合を開いた日米経済対話に関しては「日米でつくりあげたルールをアジア太平洋地域に広げるようなつもりでやっている」と改めて語った。米抜きTPPの協議と並行し、日米で多国間が参加できる貿易・投資ルールづくりを主導したい意向も示した。

 政府は米抜きTPPの検討を本格化させている。TPPに合意した12カ国から米国を除いた11カ国による協定発効をめざす考え。政府はこれまで慎重姿勢を崩さなかったが、米国の動きをにらみ転換した。

 菅義偉官房長官も20日午前の記者会見で、米国を抜いた形でのTPP協定の発効について「あらゆる可能性を排除しない」と意欲を示した。

 5月にベトナムで開かれるTPP閣僚会合で「TPPで合意した高レベルの貿易ルールを実現するためにどのようなことができるか議論したい」と語った。離脱を決めた米国には「粘り強く説明することは変わらない」と再加入を呼びかける考えを示した。

 米抜きTPPの実現には、米国を外す協定改正が必要となる。日本やオーストラリアは前向きな一方、ベトナムなど米国との交渉で大幅譲歩した国からは協定内容の変更を求める声があるもようで、11カ国内の温度差は残る。

 講演はコロンビア大学で開催。冒頭部分は英語で話し、質疑応答では日本語を中心に時折、英語を交えてやり取りした。麻生氏はワシントンで20日開幕する20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に参加するため、米国を訪れた。

今回引用したい記事はもう一つあります。

【ロイター記事より】(※こちらもまずは読み飛ばしてください)
財務相:2カ国間貿易、TPPで見込まれるほどの成果は期待できない

麻生太郎2

日米経済対話、麻生財務相「FTAの話にはまずならない」


[東京 18日 ロイター] - 麻生太郎財務相は18日の閣議後会見で、同日午後に行われる日米経済対話では「個別の話に入ることはない」とした上で、「自由貿易協定(FTA)の話にはまずならない」との認識を示した。米側の事務方の陣営が整っていないことから「細かい話ができるはずがない」とも述べた。

過去の日米協議の枠組みは、通商面などの摩擦解消を目的に、米側から提案された経緯がある。

麻生財務相は、今回の経済対話が日本側から持ちかけて発足したものであることに触れ、「摩擦ではなく、協力という前提で話をする」と強調。日米間で協議する枠組みが、アジア太平洋諸国にとっての「モデルケース」になれば、と語った。

写真は、もうちょいかっこいい写真を・・・とも思ったのですが、引用元が掲載している画像がこれだけでしたので、この写真を使います。


TPPを米国抜きで行うという意味(意義)

この政策を予測する記事を私は 第215回の記事 に記しました。

引用します。

【第215回の記事より】
米国は一国で2013年における国内総生産の65%を占めていますから、米国が抜けただけで発行は事実上不可能になる・・・という考え方も一理あるかもしれません。

ですが、既に述べています通り、元々「TPP協定のガン」となるのはアメリカだったはずです。

私もまた、「民主党政権下におけるTPP交渉への参加」には反対していた人間の一人です。
ですが、TPP参加そのものへの反対をしていたわけではありません。

「日本が主導して、日本中心にルール作りを行うこと」を日本のTPP参加への条件としていました。

甘利さんを中心として、米国との間でTPP交渉が行われるようになって以降のTPPのルール作りはほぼ日米が交渉の中心となって行ったといっても過言ではありません。

そして、その中から「アメリカが離脱」するわけです。
これこそ「渡りに船」であると私は思います。

そして更に、
現行のルールで発行が無理なのならば、アメリカ抜きで発効できるようルール改正すればよいだけの話です。

とも記しました。

この時私が予測した政策がついにスタートした、ということです。
サブタイトルにある「TPPを米国抜きで行うという意味(意義)」についてですが、先ほどの 第215回の記事 や 第214回の記事 をご覧いただくと、私が何を主張したいのかということは、凡そ予測していただけると思います。

もともと、この「TPP」という考え方は、麻生さんの 自由と繁栄の回廊 という考え方に従って、アジアで米国抜きで進められている日本の外交方針に危機感を覚えた米国が、麻生さんのお株を奪う形で築いた「経済連携協定=EPA」のことです。
 (EPAについては第213回の記事 をご参照ください)

元々「アメリカ」は参加していなかったじゃないか、という意見もあるかもしれませんが、米国がTPPに参加した理由こそまさしく上記に記したような理由だと推察されるわけです。

麻生さんは、そもそも民主党内閣当時からこの「TPP」については賛成の意志を明らかにしていました。
当然と言えば当然です。「アメリカ」が入っていること以外、TPP構想はまさしく麻生さんの考える「自由と繁栄の回廊」を体現したものであったわけですから。

そして、この当時話題になっていたのは中野 剛志 氏の記した「TPP亡国論」という書籍でした。

基本的に、TPP批判を行う人たちの考え方のベースになっていたのが彼が書籍に記した内容です。
即ち民主党がTPP交渉への参加を決めた段階で、日本を除く残り11カ国の間では既にTPPの概要に対する交渉は終結しており、あとから参加した日本が交渉に参加できる余地はない、とする主張でした。

ですが、麻生さんはこれに対し、「そんなことはない」という主張を行っていました。
私も基本的に麻生さんの考え方に賛成でしたし、それ故「民主党政権下での交渉参加に反対である」という主張をこのブログでも、過去に私が作成していたブログでも掲載していました。

中野さんも同じ意見だと考えていたのですが、どうもその後配信されていた動画等を見ていると、「民主党政権であろうがなかろうが、交渉そのものに参加することはできない。日本は終わった」と考えていた様ですね。これは余談です。

実際には甘利さんの活躍もあり、交渉は米国ではなく日本にとって有利なものとなり、米国にとってうまみのないものとなってしまったので、トランプは結局「TPPからの離脱」を表明するに至ったわけです。


そして今回、ついに安倍内閣はTPP交渉について、米国抜きで行われることと相成ったわけです。
そして、更にその交渉の旗振り役を日本が行うわけですから、完全に、「米国抜き、日本主導」で行われるTPPの実現が見えてきましたね。

恐らくこういった経済交渉の中身は安倍さんではなく、麻生さん主導で進められているものと考えられます。


米国との二国間交渉の価値

さて。この度の記事で、もう一つ引用したロイターからの記事。
タイトルを

・財務相:2カ国間貿易、TPPで見込まれるほどの成果は期待できない(4月20日)
・日米経済対話、麻生財務相「FTAの話にはまずならない」(4月18日)

という二つ掲載していますが、言っている内容はほぼ同じものです。
先ほどお示しした「TPP亡国論」に於いて中野 剛志氏は、日本がTPPに参加すると大失敗する、とした理由として、韓国が米国との間で結んだ「米韓FTA」の事例があります。

もう一度 第213回の記事 をご覧いただきたいのですが、韓国が米国との間で「二国間」で締結した協定は「FTA」、つまり「自由貿易協定」です。

一方、日本をはじめとする12カ国が、米国も含めて締結した「TPP協定」は、「EPA」、つまり「経済連携協定」です。

引用先の記事に掲載していますが、「FTA」とは、ただ単に関税を撤廃し、協定を結んだ国家間で自由に貿易を行う事を取り決めるための協定です。

ですが、「EPA」とは、その貿易を行うための「ルール作り」を行う為の協定です。

韓国では、この時ほぼ米国のいいなりになって、米国にとって有利な内容の「FTA協定」を締結しました。
ですが、TPPの場合は米国にとって有利に仕上がっていた内容のTPP協定を、米国に肉薄する経済規模を持つ日本が参加することで、米国だけでなく、参加するすべての国にとってメリットのある内容に作り替えられたわけです。

この差は大きいと思います。結果、米国はこのTPP協定から離脱することを表明したわけですから。

さて。今回その「TPP協定」からの離脱を表明した米国ペンス副大統領ですが、今度は日本に対して、「二国間でのFTA協定」を結ぶことを提案してきています。

これに麻生さんは「No」と言っているわけです。理由は分かると思います。

さて。これに関して、とある人物が中々痛い発言をしていました。



上記の動画は、元財務官僚である自称経済学者「高橋洋一」氏が、自民党で幹事長代行及び東京都連代表を務める元文科大臣下村博文さんとラジオで対談をしている様子を収録したものです。

下村さんは前半で退場されるのですが、丁度後半の差し掛かりで今回テーマとなった米国抜きのTPP交渉参加が話題になります。38分10秒当りからです。

ここで、高橋洋一ですが、二か国間交渉について、私が今回の記事に記したついて、まったく逆の主張を行っています。
一応、内容として「TPPと同じ内容で」と表現こそしてはいますが、彼は日本と米国とでの二国間交渉を「行うべきだ」と言っているわけです。

勿論、結果として二国間で取り決めを行う事になるのかもしれませんが、あくまでも日本は米国に対して「TPPの枠内」で交渉を行うべきだと主張するべきだと、私はそう思います。

そうしないのであれば包括的連携協定は行わない、という姿勢を露骨に見せてもよいかもしれません。
出なければ、もし仮に最初は二国間でのFTA協定が「TPPと同じ内容」で決まったとしても、これは二国間での話ですから、将来的に「見直し」に迫られる可能性を否定することができません。

「TPP協定」も勿論同じ考え方が出来るのですが、これが「複数の国の間」で取り決めが行われている以上、どこか一つの国の利益のみを優先したような改正内容とはなりません。

仮にTPP協定が非常に魅力のあるものとなった時、再び米国が参加しようとしたときに、日本は完全に米国に対してイニシアティブを発揮することができる様になるわけです。

今後RCEP、FTAAPへと発展した時も、日本主導で進められ、「既に」運用されているモデルケースとしてTPPが参考にされることになれば、中国や韓国を含めた世界経済に対して日本が主導権を発揮することができる様になるのです。

今回の決定で本当に意味があるのはこの部分であり、米国との二国間協定など二の次、三の次。
高橋洋一は完全にその「重要度」をはき違えているわけです。

案の定・・・ではありましたが。
第128回の記事 でもお伝えしましたが、私にはなぜ彼をマスコミがここまで重用するのかということが、まったく理解できません。


少しネガティブな締めくくりをしてしまいましたが、「米国抜きで発進するTPP交渉」の意義を今一度皆さんにも考えるきっかけにしていただけると幸いです。


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<継承する記事>
第215回 TPP問題とRCEP・FTAAP/「自由と繁栄の弧」の真価①

前回の記事に引き続き、今回の記事では、「RCEP」・「FTAAP」についての記事を掲載します。


「RCEP」とは

RCEPの正式名称は「東アジア地域包括的経済連携」といいます。

しかし・・・ややこしい。
色々調べているのですが、まだ「真相」がよく見えてきません。

全体像としては、1997年に起こった「アジア通貨危機」をきっかけに、東アジア内での連携が必要とされるようになり、ASEANの議会に日中韓が招待される形で「ASEAN+3」がスタート。

2002年11月に開催されたASEAN+3首脳会合で、同地域の経済大臣会合に対し、「東アジアFTA」の検討を指示されます。
東アジアFTAは「EAFTA」と呼称されます。

2004年11月に開催されたASEAN+3首脳会合では、中国提案によりEAFTAの共同専門家グループが設置されます。

この経緯を、ネット上の記載によっては「中国が2005年4月から提唱してきた」とするものもあれば、「韓国が提案し、中韓が推す」との記載もあります。どちらが真実なのかがよくわかりません。要調査、ですね。

実は「東アジアFTA」のこの考え方、「中国を中心とした経済圏=東アジア共同体」を作り上げることが目的とされている様で、日本とするとあまり好ましい情報ではありませんね。

中韓が推しているという時点で既に・・・。ちなみに日本で東アジア共同体にめっちゃ乗り気だったのは民主党内閣において総理大臣を務めた鳩山由紀夫なのですが・・・まあこの情報は蛇足ですね。

この考え方には日本だけでなくASEAN諸国も懸念を表明していました。

そこで、2006年8月に日本から提案されたのが「東アジアEPA」。これまで中国が主導してきた「東アジアFTA」に「インド」「オーストラリア」「ニュージーランド」を加えた「ASEAN+6」を経済圏とした「東アジア経済連携協定(CEPEA)」を形成することが当時の日本の経済産業省によって提唱されたのです。

分かりやすいですね。
中韓が形成しようとしていたのは「自由貿易圏(FTA)」であり、つまりこのエリアから関税を撤廃・又は削減することで域内の物品やサービス、投資の自由化を行おうとしていたわけです。

ところが、これに対して日本は単に関税の撤廃・削減を行うだけでなく、経済協力や投資、知的財産権に関しても「ルール作りを行いましょう」と提案したわけです。

しかも、ここに「オーストラリア」「ニュージーランド」「インド」という新たなフィクサーを加え、中国のわがままを通りにくくしたという・・・。これを提唱したのが中国シンパとの呼び声が高い二階俊博当時経済産業大臣ということですから、これは非常に意外ですね。

2011年8月には日中共同で「EAFTAおよびCEPEA構築を加速させるためのイニシアチブ」という提案が行われ、東アジアFTAが東アジアEPAに吸収される形で設立に向けての交渉がスタートしたのが「RCEP(東アジア地域包括的経済連携)」です。

TPPにおけるガンはアメリカでしたが、RCEPにおけるガンは中国です。「自由貿易圏」を形成しようとする米中に対し、これを「経済連携協定」へと進化させるのが日本の役割であることがよくわかります。

RCEPへ向けての交渉でもまた「自由と繁栄の弧」構想が功を奏していることが分かりますね?


「FTAAP(エフタープ)」とは?

先ほどお伝えしたアジアにおける経済協定とはまた別に、これらの地域を含めた「アジア太平洋地域」における経済協定、「APEC(エイペック)」というものが存在します。

APEC.png


APECの歴史はCEPEAやEAFTAの歴史よりも古く、その設立は1989年。
日本に後押しされる形でオーストラリアのホーク首相の提唱でスタートしました。

発足時の参加国は

「オーストラリア」、「ブルネイ」、「カナダ」、「インドネシア」、「日本」、「アメリカ」、「マレーシア」、「ニュージーランド」、「フィリピン」、「シンガポール」、「タイ」、「韓国」

の合計12カ国。現在ではここに台湾、中国、香港、メキシコ、パプアニューギニア、チリ、ペルー、ロシア、ベトナムの合計9カ国と地域が加わり、現在では21の国と地域で構成されています。

FTAAP(エフタープ)とは、このAPEC地域における自由貿易圏形成を目指したものです。
「FTA」「AP」ですから、想像は簡単につきますよね。

アジア、パシフィック、自由貿易圏です。

TPPともよく似ていますが、TPPとFTAAPの違いは、「中国(および台湾・香港)」と「ロシア」が含まれているかいないかの違いです。一方でRCEPには「ロシア」と「アメリカ」が含まれていません。

TPPにもRCEPにも共に含まれている国は、実は日本とACEAN、オセアニア諸国だけなんですね。

こうやって考えると、「TPP」の持つ意味も少し見えてくるのではないでしょうか。
安倍内閣がなぜTPP参加を急ぐのか。「TPP」にしても、「RCEP」にしても、ゆくゆくは「FTAAP」に向けたルール作り。その基盤づくりであることは明白なんです。

勿論「米中露」という利害関係が対立する3つの経済圏が同時に含まれる「FTAAP」が本当に成立するのかというと、これは非常に怪しい話です。ですが、今後の世界関係において日本がイニシアチブを発揮していくためには、日本が中心となって国際社会のルール作りを行っていくべきなんです。


さて。米国では「政治の素人」ともいえるトランプが総理大臣になりましたね?
前総理大臣であるバラク=オバマが総理大臣になったのはいつだったか、覚えていますか?

彼が総理大臣になったのは2009年1月。リーマンショックの影響がピンポイントで世界を急襲しているその真っ只中にありました。
リーマンショックからの脱却に向けてどう舵を取ればよいかわからなったオバマは、とある人物に電話をかけて教えを請います。

その人物こそ麻生太郎さん。当時の日本の内閣総理大臣でした。

トランプが米国経済に対してどのようにかじ取りを行っていくのか。現在ではまだ明確ではありません。
ですが、意外とオバマさんがそうであったように、トランプもまた日本の総理大臣に教えを請い、安倍さんと連携しながら経済政策を推し進めていくのではないか・・・と私は考えていたりします。

ともあれ、今後の動向を静かに見守っていきたいですね。


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第214回 TPPと自由と繁栄の弧(回廊)構想/麻生太郎副総理の外交理念

このところ、どうも「GDPデフレーター」の内容を調べることを目的とした検索ワードがよく見られます。
また、本日は2016年度第2四半期(7月~9月)の四半期GDPも公表されていますので、後程別記事にてこれらの内容についても掲載できればと思います。

今回の記事は、前回に引き続き「TPP」に関連した記事作成を作成したいと思います。

前回の記事では、現副総理であり、第一次安倍内閣時代の外務大臣、そして第92代内閣総理大臣を務めた麻生太郎さんが外務大臣時代に提唱した「自由と繁栄の弧(回廊)」構想について記事にしました。

麻生太郎

既に掲載した通り、「TPP」をはじめとする自由貿易協定とは元々自国内に大きな市場を持たない国々にとっては、アメリカ、EU、中国、ロシアなどの巨大な「市場」の獲得を目的とした交渉となるわけですが、同時にこれらの巨大経済圏に対して、自国市場をも差し出すこととなるわけです。

「小国」は元々自国に大きな市場を有していませんから、例えばTPPであればアメリカに対して、対等な経済関係を築こうとすれば、より大きなリスクを取る必要が出てきます。つまり、交渉の内容として、アメリカに対してより有利となるような条件をのまざるを得なくなるのです。

ところが、ここに「日本」というもう一つ大きな経済国が参入することによって、今度はアメリカの交渉相手がASEANやオセアニア、南米といった経済規模の小さな国から、「日本」という米国に対しても経済的に大きな影響力を持つ「大国」に代わりますから、これまで以上にアメリカが譲歩しなければならない要素が増えることになります。

そして、アメリカが日本に対して行った「譲歩」内容は当然日本だけでなく他の「小国」からも要求されることとなりますから、ASEAN、オセアニア、南米諸国もアメリカに対してより有利な交渉が進められるようになるのです。

「自由と繁栄の弧」とは、このような大きな交渉事がスタートする前から日本が朝鮮半島やASEAN、南・西・中央アジア、そして「北欧」「オセアニア」「環太平洋地域」との間で「技術の伝達」や「経済支援」、「教育」などといった方法を通じて国だけでなく、民間団体まで含めて協力関係を築き、これらの国々から日本に対する「信頼」を高めることを目的としています。

例えば「中国」という国は、日本と同じようなことをしている様に見えますが、基本的に現地に自国企業を送り込んで、地域経済を完全に中国が支配してしまうような方法を取ります。

ところが、日本の場合はこれらの地域に確かに「自国企業」を派遣しますが、現地法人や民間人に対して「経済支援」「技術伝達」そして「教育」を行い、やがて日本人が現地を引き払っても現地企業および現地人だけで技術の運用が行えるレベルにまで育成します。

ODAって一言にいいますが、日本はお金を出すだけでなく、「技術」と「人」も含めて支援を行っているのです。

この様なことを行いますから、これらの国々は日本のことを信頼するようになります。
特に宗教観から言っても、日本はキリスト教でもユダヤ教でもイスラム教でも、「共産主義」でもありませんから、敵を作りにくいのです。

日本が、日本人にしかできないことを、着実に実行していく。「自由と繁栄の弧」とはすなわちそのような考え方です。


「TPP後」の国際社会


バラク=オバマ現米国大統領が任期中のTPP米国議会承認を断念し、トランプが米国のTPP離脱を公言している現在において、米国のTPP離脱は決定的だ・・・とする論調も各ニュース記事では翌見かけるようになりました。

実際、「TPPの発行条件」としてTPP協定文の中には以下のように掲載されており、

【TPP協定分より抜粋(TPP発行条件)】
この協定は、この協定の署名の日から二年の期間内に全ての原署名国がそれぞれの関係する国内法上の手続を完了した旨を書面により寄託者に通報しなかった場合において、少なくとも六の原署名国であって、これらの二千十三年における国内総生産の合計が原署名国の二千十三年における国内総生産の合計八十五パーセント以上を占めるものが当該期間内にそれぞれの関係する国内法上の手続を完了した旨を書面により寄託者に通報したときは、当該機関の満了の後六十日で効力を生ずる。

米国は一国で2013年における国内総生産の65%を占めていますから、米国が抜けただけで発行は事実上不可能になる・・・という考え方も一理あるかもしれません。

ですが、既に述べています通り、元々「TPP協定のガン」となるのはアメリカだったはずです。

私もまた、「民主党政権下におけるTPP交渉への参加」には反対していた人間の一人です。
ですが、TPP参加そのものへの反対をしていたわけではありません。

「日本が主導して、日本中心にルール作りを行うこと」を日本のTPP参加への条件としていました。

甘利さんを中心として、米国との間でTPP交渉が行われるようになって以降のTPPのルール作りはほぼ日米が交渉の中心となって行ったといっても過言ではありません。

そして、その中から「アメリカが離脱」するわけです。
これこそ「渡りに船」であると私は思います。。

【TPP、米国抜きの発効検討も=メキシコ経済相(2016年 11月 11日 13:11)】
[メキシコシティ 10日 ロイター] - メキシコのグアハルド経済相は10日、ロイターとのインタビューに応じ、米議会が環太平洋経済連携協定(TPP)を批准しない場合、米国抜きの発効を検討する可能性があるとの認識を示した。

ドナルド・トランプ次期米大統領が北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を公約していることについては、交渉に応じる姿勢を示した。

同相は、米議会がTPPを批准しない場合、残りの参加国で発効できないか検討する必要があると発言。「米国の承認手続きが完了するまで待たなければならないという規定を変更することについて、他の参加国との協議が必要になる」と述べた。

TPP交渉

現行のルールで発行が無理なのならば、アメリカ抜きで発効できるようルール改正すればよいだけの話です。

また、このTPPというフレームは現在アジアに於いて交渉が進められています、「RCEP」そして「FTAAP」への基盤ともなりえます。

元々RCEPやFTAAPの為の記事を書こうと思っていたのですが、文章が長くなりましたので、記事を分けて掲載します。

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<継承する記事>
第213回 TPPって何?/今更聞けないTPP協定批准までの経緯

TPPについて調べていて思ったのは、TPP交渉は単に関税を撤廃するためだけに行われているのではなく、関税を撤廃・もしくは削減した上で、さらに国家間で公正な貿易を行うための「ルール作り」を行っていたんだな、ということです。

特に日本が交渉参加を表明するまでは、どちらかというとFTA的な、「関税を撤廃した自由貿易圏を作る」というイメージが強く、あたかもアメリカが自国企業の利益のみを優先し、TPPに参加する他の国々を食い物にしているかのような印象が強くありました、その部分がピンポイントでクローズアップされていたのも事実です。

私はその内容までは把握しきれていませんが、少なくとも「甘利交渉」以降のアメリカの反応を見ていますと、日本が交渉に参加したことで、TPPがアメリカの思う通りにはならなくなった・・・という側面が強くなったのではないかと思われます。

日本は交渉参加することで、「国際取引のルール作り」を行ったんでしょうね。

内容をきちん咀嚼しきれていない以上、「推測」にすぎませんから、このことについての言及はここまでにしておきます。


TPPと「自由と繁栄の弧(回廊)」構想

今回の記事は、外務大臣時代の麻生さんが提唱した、「自由と繁栄の弧」構想について記事にしてみたいと思います。


とはいえ、「自由と繁栄の弧」構想については、既に 第6回の記事 である程度具体的に記していますので、どちらかというとその掘り起こしと「TPP」問題と関連する部分についてピックアップして記事にすることが目的になります。

「自由と繁栄の弧(回廊)」は別に「価値観外交」の名称でも知られています。
「価値観外交」について、外務省は、

『普遍的価値(自由、民主主義、基本的人権、法の支配、市場経済)に基づく「価値の外交」』

と説明しています。

自由と繁栄の弧

もう少しイメージしやすい画像もネットにはあるのですが、余りたのブログから拝借してくるのも何なので、外務省から画像をいただきました。

「自由と繁栄の弧」というのは、「アメリカ」「EU」「ロシア」「中国」という4つの地域を巨大な「経済圏」としてとらえ、アジアを中心とするそれ以外の国がお互いに連携することで、この4つの経済圏と対等に渡り合える関係性を築こうと、そういう考え方です。

「中国」に関しては「経済」という面も確かにあるのですが、あくまでも「自由と繁栄の弧」とは、「価値観外交」を目指すものであり、「価値観を一にする地域」との連携を図ることを目的としていますので、上記書籍上で麻生さんは共産主義を貫く中国は「価値観を一にする」とは考えていません。

ただ、実は「北朝鮮」はこの考え方に含まれています。

「北朝鮮」「韓国」「台湾」「ASEAN」「南アジア」「中東」「中央アジア」などのアジア諸国をはじめ、EUやロシアとの交渉をうまく進めるために「北欧」、拡大してオセアニア、環太平洋に至るまでこの考え方を拡大させています。

このイメージがちょうど「中国を取り巻くように」見えるため安倍内閣の「地球儀を俯瞰する外交」が「中国包囲網」などと揶揄されるわけです。「自由と繁栄の弧」のイズムはきちんと安倍内閣にも継承されているんですね。

ただ、すでにご理解いただいていますように、別に安倍内閣もまた、「中国」を包囲しているわけではなく、中国をはじめ、「EU」「ロシア」そして「アメリカ」を4つのブロックとしてとらえ、これらと対等に渡り合える経済圏を作ろうと考えているわけです。

ちなみに麻生さんは、「発展途上」にある国は、まだ成熟していないため、日本が積極的にかかわっていくことで「日本流の民主主義」を普及させることが可能だと考えています。

イスラム国を含む中東や北朝鮮が含まれているのはこの考え方が理由です。


「TPP」に加盟することを表明しているのは

「シンガポール」、「ブルネイ」、「チリ」、「ニュージーランド」、「アメリカ」、「オーストラリア」、「ベトナム」、「ペルー」、「マレーシア」

に日本を加えた10か国。

TPP.jpg
一般社団法事日本貿易会より

ベトナム・マレーシア・シンガポール、ブルネイは所謂ASEANに所属する地域。

オーストラリアとニュージーランドがオセアニア、カナダ・アメリカ・メキシコが北米、ペルー・チリが南米。
米国を除けば、全て「自由と繁栄の弧」構想に含まれる地域です。

勿論、この「自由と繁栄の弧」構想は前記した4つの経済圏、すなわちアメリカ、EU、ロシア、中国という4つの巨大な経済圏と対立しようというわけではありません。

元々十分な経済力も、国力も持っていない発展途上にある国々が、これら4つの経済圏と対等に交渉が行える力を持つということ。東南アジア諸国がベトナムやシンガポールなど一国一国ではなく、「ASEAN」という一つの経済ブロックを形成して日中韓やアメリカ、EUなどと交渉を行っているのと同じ発想です。

その旗振り役に日本がなろうということです。


「自由貿易協定」って、結局「輸出する側」がどのようなメリット受けるのか、ということだと思います。
米韓FTAで考えた場合、経済規模や人口の面から考えると、経済面で約70倍、人口面で約6000倍の開きがあるわけですから、韓国とすると当然「輸出先」としての魅力は非常に大きいものがあります。

ですが、一方でアメリカが韓国から受け入れるものと同等のものを韓国もアメリカから受け入れろと言われた場合、韓国にはアメリカほどの市場規模はありませんから、当然国内の産業としては壊滅的な打撃を受けてしまうことになります。

ですから、韓国の交渉方法としては、韓国が受ける被害をいかに最小限に抑えて、韓国が受ける利益を最大にするのかというスタンスでの交渉になります。

カナダ・アメリカ・メキシコの3国間で結ばれたNAFTAにしても同様で、カナダとアメリカはNAFTAを築く以前から同等の経済圏を築いていましたから、問題はメキシコが受ける被害をいかに最小限に抑えて、メキシコが受ける利益を最大化するのか、という交渉になるわけです。

アメリカとすれば、その規模から考えれば譲歩するための選択肢はたくさんあるわけですが、メキシコや韓国からすればその選択肢がもともと少ない。ですから、当然そのデメリット感はアメリカ以上に大きくなります。

ただ、メキシコは元々輸出入ともにその依存度がGDP比で約4割、韓国も米韓FTAを結んだ2010年の実績で同じく輸出入ともに約4割でしたから、その影響がそこまで大きかったのかというと、そこには疑問が残ります。


ところが、日本の場合、経済の規模がドルベースでアメリカの約1/4になりますから、TPPを交渉のテーブルに載せた場合、他のTPP交渉参加国に比べれば交渉する選択肢も多岐にわたることとなります。

日本とアメリカの間で行われた交渉に基づく選択肢は、そのままとまでは言わないまでも、各国の事情に合わせて他の参加国とアメリカとの間の交渉のテーブルにも挙げられることとなりますから、日本が参加する前と後とでは、当然米国にとっては日本だけでなく、他の参加国に対しても譲歩しなければならない内容が増えてくるわけです。

つまり、経済的に弱い国々が、ASEANの様にたとえ一つのグループにまとまって巨大な経済圏と交渉しようとしたとしても、とても「対等」といえるような内容にはなりません。

ですが、ここに「日本」という大国が一国入るだけでまるで事情は変わってくるのです。


次回記事では、「自由と繁栄の弧」構想の真の意味を、今度は今後交渉のテーブルとして浮上してくると想定される「RCEP」及び「FTAAP」に着目して記事にしたいと思います。


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<継承する記事>
第211回 有利?不利?日本にとってのTPPの考え方/「強行採決」の意義

ついに決まりましたね、新しい米国大統領、ドナルド・トランプ氏。

ドナルド=トランプ

前回より始めたこのTPPに関する記事ですが、元々はこの米国大統領決定にタイミングが合うように製作する予定だったのですが、残念ながら少し時期を外してしまいました。

そんな中、日本ではTPP協定承認の決議があっさりと衆議院を通過してしまいました。

【NHKニュース 11月10日 19時14分】
(※内容は読み飛ばしてください)
TPP承認議案 衆院本会議で可決

TPP=環太平洋パートナーシップ協定の国会承認を求める議案と関連法案は、衆議院本会議で民進党などが退席するなか、採決が行われ、自民・公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決されました。
TPP=環太平洋パートナーシップ協定の国会承認を求める議案と関連法案は、先週、民進党と共産党が抗議するなか、衆議院の特別委員会で可決されました。そして、10日午後開かれた衆議院本会議で採決が行われました。

それに先立つ討論で、自民党は「自由で公正な、開かれた経済の枠組みを作ることはわが国の大きな使命であり、核となるのがTPP協定だ。TPPの重要性をトランプ氏含め、アメリカに伝え、共有することが重要だ」と述べました。

一方、民進党は「アメリカ大統領選挙で当選したトランプ氏が、明確に反対しているにもかかわらず、採決を行うのは、世界の笑い者になるだけだ。アメリカの動向を見極めながら、TPPに対応するのが常識だ」と述べました。

このあと、民進党、自由党、社民党は、先週の特別委員会での採決は、不正常な状況で行われたものであり、無効だなどとして、採決には加わらず、退席しました。そして、採決の結果、自民・公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決され、参議院に送られました。共産党は、採決で反対しました。

TPP協定には、日本が輸入する農林水産品や工業製品などの95%の品目で関税を撤廃することや、知的財産の保護、投資に関する紛争を解決するための制度など、幅広い分野の貿易や投資などに関するルールが定められています。また、関連法案には、協定発効後、牛肉と豚肉の生産者が、全体で赤字経営になった場合に、赤字額を補填(ほてん)する制度の拡充などが盛り込まれています。

議案などの衆議院通過を受けて、論戦の舞台は参議院に移り与党側が、今の国会で成立させたい考えなのに対し、民進党などは、徹底した審議を引き続き求め、廃案に追い込むことを目指すことにしています。


本日の内容としては、そもそも「TPP」とは何ぞやと、そのような基本的な疑問について記したいと思っています。
「TPPって何?」と改めて問われても、はっきりこれがTPPだって答えられる人、案外少ないのではないかと思うんですよね。

実は私もその一人。そこで今回の記事では、TPPがそもそもなぜスタートしたのか。
交渉スタートから妥結に至るまでの経緯を記事にしてみたいと思います。


TPPの前身、「TPSEP」

TPPは元々、「シンガポール」、「ブルネイ」、「チリ」、「ニュージーランド」の間で交渉がスタートし、締結された「TPSEP」というものがベースになっています。

TPSEPとは、「環太平洋戦略的経済連携協定(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)」の略称。
TPPが「Trans-Pacific Partnership Agreement 」。「戦略的経済」が抜けた、「環太平洋連携協定」の略称です。

TPSEPとは、4か国間で締結された、経済連携協定(EPA)のことです。
では、「経済連携協定(EPA)」とは何ぞやと申しますと、外務省ホームページには以下のように記されております。

【経済連携協定(EPA)】
FTAの要素を含みつつ、締約国間で経済取引の円滑化、経済制度の調和、協力の促進等市場制度や経済活動の一体化のための取組も含む対象分野の幅広い協定。

FTAとは何ぞやと申しますと、

【自由貿易協定(FTA)】
物品の関税及びその他の制限的通商規則やサービス貿易の障壁等の撤廃を内容とするGATT第24条及びGATS(サービス貿易に関する一般協定)第5条にて定義される協定。

とされています。

経済産業省はもう少しわかりやすい説明をしてくれていて、「FTA」と「EPA」について、

「FTA」とは「関税の撤廃・削減を定める協定」であり、「EPA」とは「関税だけでなく知的財産の保護や投資ルールの整備なども含めた協定」であると記されています。

つまり、貿易を行う際の「障害」となる要素を撤廃・削減することのみに焦点を当てたものが「FTA」、障害を取り除いたうえで、改めてルール作りを行うことを目的としたのが「EPA」であると、そう考えることができるのではないでしょうか。

TPSEPは元々シンガポールとニュージーランドの二国間で行われていた交渉に、チリとブルネイが加わった、「EPA交渉」であり、発効したのが2006年5月。2010年3月にはここに「アメリカ」、「オーストラリア」、「ベトナム」、「ペルー」の4カ国との間でも交渉が行われるようになり、その規模は「戦略的経済連携協定」から「パートナーシップ(連携)協定」へと拡大しました。

2011年には更に「マレーシア」が交渉に参加し、

「シンガポール」、「ブルネイ」、「チリ」、「ニュージーランド」、「アメリカ」、「オーストラリア」、「ベトナム」、「ペルー」、「マレーシア」

の9カ国で2011年11月12日に大枠合意。日本が交渉参加を表明したのはこのタイミングで、この時すでにTPPそのものは2012年内の最終妥結を目指す段階に至っていました。

TPP参加国


なぜ日本の「TPP交渉参加」はあれほど批判されたのか?

TPP交渉は、日本が交渉参加を表明した時点で、TPP交渉そのものが「大筋合意」に至っていたため、

「日本は交渉そのものには参加することができず、既に参加している国々の間で決められたルールに従うしかない」

という意見が日本国内では盛んに主張されました。

また、日本同様交渉参加への意欲を示していたものの、実際には交渉参加を行わず、米国との二国間交渉「米韓FTA(米韓自由貿易協定)」に切り替えた韓国が米国から突きつけられたISDS条項等の不平等条項や、TPSEP交渉がスタートする以前に北米で結ばれていた「NAFTA(北米自由貿易協定)」。

これらを論拠として、日本市場が米国企業の食い物にされる、といった主張が広く繰り広げられました。

現在でもTPPに反対する人たちはこのような主張を行い続けています。

ですが、見ればわかる通り、どちらも「FTA(自由貿易協定)」であり、つまり「関税を撤廃・削減すること」のみを目的とした協定ですね?

また交渉そのものも甘利さんが奮闘し、日本にとって不利な状況を克服していった様子は記憶に新しいと思います。
ニュース等を見ても、トランプやヒラリーがTPPに反対していた理由として、「日本の一人勝ちになるからだ」といった趣旨の報道が目立つようになりました。

随分と交渉参加当初の報道とは内容が変わってきました。


次回記事では、改めまして私の「TPP評」について、麻生さんの「自由と繁栄の弧(回廊)構想」とともにお伝えしたいと思います。



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私の記事で、「TPP」について言及している記事はそう多くはなく、TPP問題を記事の目的とした記事は第17回の記事 のみです。

第17回・・・。随分と初期の記事ですね。
私自身は「強行採決」とも何とも思っていませんが、あえてタイトルには「強行採決」の文言を入れてみました。

改めて記事に採用しようと考えたのは、こちらのニュース。

TPP強行採決に抗議 小池氏会見 差し戻し徹底審議を

記事としては、あえて赤旗から持ってきてみました。
上記記事で述べている「強行採決」の様子がこちら。



私自身としては、TPPそのものにそれほど詳しくありませんし、その内容について云々述べることができる程理解しているとも思いませんから、内容に関してはここできちんと記事にできる状況になってから記事にしたいと思います。

まあしかし、採決の様子は・・・酷いですね。
子供のケンカかといいたくなります。

ただ、私が記事にしたい内容はここではありません。
第17回の記事 や過去に作成していたもう一つのブログ で私が述べている「TPP論」について、改めて検証することが目的です。

第17回の記事 をリライトするような形になってしまいますが、この「TPP問題」は、例えば自民党支持層の中でも意見が分かれますし、「消費増税」問題と共に、このTPP問題を関連付けて「安倍支持」を撤回した人も多くいます。

ただ、勘違いをしてほしくないのは、自民党は別に「TPP」に対する考え方を安倍内閣に入ってから撤回した、というのは正しくはない、ということ。

野党時代の自民党TPPについての考え方

こちらは自民党が野党であった時代。2012年3月9日に公表している「TPP」に関しての自民党の考え方です。

【野党時代(谷垣総裁時代)の自民党のTPPについての考え方】
The Fax NEWS H24.3.9 No.153

TPP についての考え方
自民党は TPP 交渉参加の判断基準を明確にしています。


 TPPについては、国民の理解を得る為の情報が決定的に不足しており、政府の改善努力も全く
見られません。従って、国益を踏まえて、何を取り、何を守るかの国民的議論が未だ深まってい
ない状況です。

 昨年11月のAPEC前に、野田総理は「(交渉参加の為の)関係各国との協議を開始する」と
表明しましたが、これは国内的事情によって、敢えて曖昧な表現にしたものであり、外交の常識
では、事前協議の段階から事実上の交渉は始まっていると言わざるを得ません。

 アジア太平洋地域における経済連携については、様々なオプション・進め方(例えば、ASEAN
+3/+6など)が考えられ、わが党もその構築の必要性については、関係各国、国内各層と共
有してきたところです。更に、日・EUや日・中・韓の経済連携も着実に進めていくことが重要
です。

 また、アジアが今後も世界の成長センターとしての地位を維持していく為に、米国との経済的な
繋がりを一層強くしていく必要があることは言うまでもありません。わが国は、米国も含めたア
ジア太平洋全体の経済発展に主体的に取り組んでいくべきです。

 こうしたことを踏まえ、わが党は、TPP 交渉参加の判断基準を明確に示します。

TPP 交渉参加の判断基準

① 政府が、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する。

② 自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。

③ 国民皆保険制度を守る。

④ 食の安全安心の基準を守る。

⑤ 国の主権を損なうようなISD条項(注)は合意しない。

⑥ 政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。

(注)ISD 条項…外国政府の差別的な政策により何らかの不利益が生じた場合、投資家(Investor)である当該企業
が相手国政府(State)に対し、差別によって受けた損害について賠償を求める(Dispute)権利を与えるための条
項。これが濫用されて、政府・地方自治体が定める社会保障・食品安全・環境保護などの法令に対し、訴訟が起こさ
れる懸念があります。

わが党は、政府が 11 月と同様に二枚舌を使いながら、国民の知らないところで、交渉参加の
条件に関する安易な妥協を繰り返さないよう、政府に対して、上記の判断基準に沿うことを強
く求めていきます。

Copyright© 2010
The Liberal Democratic Party of Japan
All rights reserved
発 行:自由民主党広報本部
編集責任:広報本部長 甘利 明
問合せ先:自由民主党本部(代)03-3581-6211

上記PDF全文です。

麻生さんなどは最初からTPPに関して、「参加すべきだ」と言っていましたし、安倍さんも同じスタンスを取っていたように記憶しています。

PDFそのものを読んでいただければわかると思いますが、当時の野田内閣がTPP交渉参加表明を行う以前から自民党はTPPに参加することを前提条件として当時民主党内閣下での「TPP交渉参加」に反対していたのです。

2012年総選挙時の自民党ポスター

ですが、2012年、総選挙時はこのポスターを掲げていたこともあり、実際に当時自民党議員の中にも同様の主張を行っていた人もいましたから、結局このポスターが独り歩きしてしまっている部分があります。

ただ、同じ時期に出されていたもう一つのポスター。

2012年総選挙時の自民党ポスター2

こちらを見ると少し事情が違うことが分かりますね?
はっきりと「聖域なき関税撤廃を前提とする限り」TPP交渉参加に反対すると書かれています。

確かに一部自民党議員に、この考え方を前提とせず「TPP交渉参加反対」を掲げていた議員もいるでしょう。
ですが、当時の自民党は、既に「TPP交渉参加を前提として」「民主党政権下でのTPP交渉参加」に反対していましたから、別に嘘をついていたわけでもなんでもありません。

次の記事では、改めて「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)」という言葉そのものについて検証した後、改めて現時点での私のTPP評について記事にしたいと思います。



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<前回の記事 第16回 デフレを脱却する方法⑪

今回は、「デフレを脱却する方法」の記事については少しお休みして、先日大筋合意がなされた「TPP」の問題について取り上げたいと思います。

今朝、安倍総理が会見を行いまして、早速その動画が挙げられていましたので、その動画からお示ししたいと思います。



Youtubeにはまだ上がっていませんでしたので、ニコニコ動画から引用します。

有利? 不利? 日本のTPP問題

TPPの問題は、「保守」を主張する、安倍内閣に賛成の立場を主張する面々でもこのTPPには「反対」の立場をとる人が多い、特殊な分野です。消費増税と同じカテゴリーの問題になります。

原因を作ったのはこちらの本。



「TPP亡国論」。元京都大学教授で、現在経済産業省の室長を勤めている中野剛志氏の本です。
以下の動画に出演しています。


TPPについての解説は、こちらの動画←の方が詳しいのですが、Youtube側の設定で埋め込みができないようになっていますので、リンク先でご覧ください。

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