中間層の見方など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

ランキングサイト

この記事のカテゴリー >>中間層の見方


<継承する記事>第203回 年収別給与所得者数/「中間層」の給与所得者数を把握④
第202回の記事、および第203回の記事 の記事と、続けて「中間層」の捉え方に関する記事を挟みましたが、第201回の記事 に引き続きまして、今回の記事では年収700万円以上の所得者数の推移について記事を作成していきたいと思います。


年間給与所得平均700万円~800万の給与所得者数の推移

給与所得者数推移(700万円~800万円)

比較しやすいように、一つ下の年収層である600万円~700万円の所得層、およびもう一つ下の500万円~600万円の所得層についてのグラフも掲載してみます。

【年収600万円~700万円の給与所得者数の推移】
給与所得者数推移(600万円~700万円)

【年収500万円~600万円の給与所得者数の推移】
給与所得者数推移(500万円~600万円)

第203回の記事に於いて行いました「定義づけ」に従いますと、「年収500万円以上」の世帯が所謂「高所得者」ということになります。

飽くまで「概算」となりますが、下25%を「低所得者」、上25%を「高所得者」と考え、中間の50%を「高所得者」と考えた場合の定義づけです。

厳密には2015年度ベースで考えますと、「低所得者層」が全体の23.6%、「中間層」が全体の47.9%、「高所得者層」が全体の28.5%を占めています。

グラフを見ていただければわかると思いますが、「年収500万円~600万円」「600万円~700万円」「700万円~800万円」と、全ての階層で安倍内閣以降、その人数が上昇しています。

勿論民主党内閣時代も上昇はしているのですが、特に2012年から2013年にかけて。安倍内閣初年度の上昇幅が大きいことがご理解いただけると思います。

これまでのデータを復習しますと、安倍内閣初年度では「年収100万円以下」の給与所得者の数がまずは上昇し、続いて翌2014年には年収「100万円~200万円」の層、および「200万円~300万円」、「300万円~400万円」、「400万円~500万円」とすべての層で給与所得者数が上昇しました。

2014年に唯一下落したのは「年収100万円以下」の給与所得者数のみです。

更に、2015年では、「年収100万円以下」「年収100万円~200万円」「200万円~300万円」の年収層の人数が減少し、年収300万円以上の年収層の数はこれまでに掲載したすべての項目で上昇しています。

ちなみに

【無職者数の推移】
無職者数

こちらは「無職者数」の推移。過去の記事で作成したグラフです。
ここについての「評価」はさておき、特に「現役世代」の無職者数は、民主党政権下、2012年から継続して減少し続けています。

勿論「高齢退職者」も増えていますので、「無職者数の減少」のみで経済全体を判断することは適切ではありませんが、既に掲載しています通り、

「無職者が減少する中で、1年目は年収100万円以下の低所得者が上昇し、2年目は年収100万円以上の給与所得者の数が上昇、3年目には年収300万円以上の給与所得者の数が上昇した」

というのが安倍内閣における「経済政策=アベノミクス」の結果です。
日本国経済を構成している給与所得者の層が上昇している、というのが「アベノミクス」の結果なんです。


年間給与所得平均800万円~900万の給与所得者数の推移

給与所得者数推移(800万円~900万円)

同じ「高所得者層」でも、「500万円~800万円」までの「高所得者層」は、安倍内閣だけでなく、民主党政権下でも上昇していました。ですが、この「800万円~900万円」の年収層は違いますね。

民主党政権下では減少していますが、安倍内閣に入ってから急上昇しています。最も、「急上昇」といっても、上昇している部分を拡大して掲載しているのでそう見えるだけで、実際に上昇した人数は8万人。
  
500万円~が19.7万人、600万円~が12.9万人、700万円~が6.8万人ですから、そこまで目立って急上昇した、というわけではありません。


年間給与所得平均900万円~1000万の給与所得者数の推移

給与所得者数推移(900万円~1000万円)

この辺りになってくると、所謂「中間層」からすれば現実離れしすぎていて、まるで別世界の出来事のように思えてきます。
この年収層の人数は、実は安倍内閣初年度では減少しています。逆に2011年~2012年にかけて、民主党内閣では上昇(4.6万人)しています。

ただ、2014年以降は他の「高所得者層」同様に上昇しています。


年収1000万超の給与所得者数の推移


ここからは、あえて分けて解説するのも何なんで、一気に掲載します。
階層の幅もこれまでの100万円刻みから500万円刻みに拡大しています。

【年収1000万円~1500万円の給与所得者数の推移】
給与所得者数推移(1000万円~1500万円)

【年収1500万円~2000万円の給与所得者数の推移】
給与所得者数推移(1500万円~2000万円)

【年収2000万円~2500万円の給与所得者数の推移】
給与所得者数推移(2000万円~2500万円)

【年収2500万円超の給与所得者数の推移】
給与所得者数推移(2500万円超)

個々のグラフについてあえてコメントはしません。
ただ、全体としてみると、安倍内閣に入ってから上昇している、という様子は見て取れるのではないでしょうか。

この層の人数が増えていると、あたかも「格差が拡大している」様に見えるかもしれません。
ですが、例えば2014年~2015年にかけての動向を見てみますと、

年収2500万円超の増加人数が6千人。
年収2000万円~2500万円が6万人。
年収1500万円~2000万円が2.9万人
年収1000万円~1500万円が5.6万人

増加しているのに対し、

年収100万円以下の減少人数が6.2万人
年収100万円~200万円 2.2万人
年収200万円~300万円 22.7万人

とそれぞれ減少しています。
何より、これまで年収が0であった「非労働力人口」が、高齢化社会であるにも関わらず17万人減少し、「完全失業者」の数も14万人減少しています。

合計すると、2014年まで年収300万円以下であった人の内、合計で62.1万人の人が、年収300万円以上稼ぐようになった、ということなのです。


【「重複しているんじゃないか」という人もいるかもしれません】

並べてみますと、

2014年
非労働力人口    4489万人
完全失業者数    236万人 222万人
年収100万円以下 417.8万人 411.6万人

と、2014年の低所得者はこのような構成になっています。
2015年は、「非労働力人口」が4473万人に減少しますから、その差人数17万人が「無職者」に加算されます。
2015年の「完全失業者数」は2014年の236万人に17万人を加えた253万人から222万人になります。

その差人数31万人は「年収100万円以下」の層へと移動します。
2015年の「年収100万円以下」の層は417.8万人に31万人を加えた448.8万人から411.6万人となります。
その差人数37.2万人は年収100万~200万円の層へと移ります。

同じ理屈で、差人数は加算され、2015年は合計62.1万人の人が300万円超の所得を新しく獲得するようになっていると、こういう考え方です。

勿論、2015年時点で、411万6千人の人の年収は100万円以下であり、719万2千人の人は年間に100万円~200万円しか稼げていません。合計で1130.8万人の人が年収200万円以下しか稼げておらず、共産党基準での「ワーキングプア」状態にあることは事実です。

ですが、この中には、例えば学生であったり、兼業主婦(主夫)で例えば103万円以上年収を取れば控除を受けられなくなるため、あえてこの年収を保っている人もいるはずです。

例えば、これまでは夫の収入だけに頼っていた家庭が、奥さんもパート労働ができるようになり、家計所得は上昇している家庭だってあるでしょうし、定年退職をして、年金収入だけでは不安だから、又は生きがいを手にするためにシルバー人材で働いているお年寄りもいるはずなんです。

これを一括して、共産党の様に「3年間連続で1年間働いていながら年収200万円以下しか稼げない労働者が1100万人を超えた。アベノミクスは失敗である」っていうのは、はっきり言って、あえて汚い言い回しを用いるとすれば、「バカじゃないか」と思います。

安倍内閣がスタートする前。2012年の時点で、「非労働力人口」「完全失業者」の数も合わせた「年収300万円以下人口」は6694.6万人でした。同じ情報を2015年ベースで計算すると、6606万人となり、実は合計で88万6千人減少しています。

この様な状況をどのように考えれば「格差が開いた」だの、「アベノミクスは失敗だった」だのという理論が成り立つのでしょうか。
私には不思議でなりません。

状況は全く逆ですね。「中間層」の水準も上昇していますし、「低所得者」の人口も減少しています。「格差」はむしろ縮まっている、と考えることができるのではないでしょうか。

「格差」って、その捉え方によるのですが、例えば日本という国で最もお金を稼ぐ人の所得が20兆円から21兆円に上昇したとすると、最低所得者は当然給与所得0円ですから、あたかも「格差が開いた」様に見えます。

ですが、それはごく一部の「特別な経済現象」であり、日本の経済全体を表している経済現象ではありませんね?
記事を5回に分けましたが、今回のシリーズを見ていただければ、そのような判断の仕方がいかに的を射ていない捉え方なのかということをご理解いただけると思います。

この様な側面から見ても、「アベノミクスの成果」は十分に上がっていると考えることができるのではないでしょうか。

この記事のカテゴリー >>中間層の見方


<継承する記事>第202回 年収別給与所得者数/「中間層」の給与所得者数を把握③
前回の記事では「中間層」の捉え方について、「給与所得者全体の中点」が一体どの年収層に位置するのか、という点に着目して、記事を作成してみました。

今回の記事では更に、所得層を「低所得者層」「中間層」「高所得者層」の3つに分割し、この3つの年収層の推移に着目して記事を作成していきたいと思います。


「中間層」のもう一つの視点

前回の記事で、私は意図的に「年収200万円~500万円の所得層」を「中間層」として掲載しました。
ピュー・リサーチ・センターの基準では、「中間層」が全体の50%以上になることを前提としていましたが、現在の日本のデータでこれをやってしまうと、年収100万円~200万円の層までもが「中間層」に含まれることになってしまいます。

そうすると、どうも情報を正確に分析することが難しくなってしまう様なので、私は「年収200万円~500万円の所得層」を「中間層」として考えてみました。以下に、各年収層ごとの給与所得者がそれぞれ全体の何%になるのか、年別に掲載してみます。
             平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年
100万円以下     8.6     8.6      9.1     8.8     8.6
100万円~200万円 14.8    15.3      15     15.2    15
200万円~300万円 17.4    17.1      16.8    16.9    16.3
300万円~400万円 18.4    18       17.4    17.3    17.5
400万円~500万円 14     13.9      13.8    13.9    14.1
500万円~600万円 9.2     9.4       9.6    9.5     9.7
600万円~700万円 5.6     5.7       5.9    5.9     5.9

単位は「%」です。

次に、私の考える「中間層」の全体に占める割合を見てみます。
やり方としては、「中点」の属する年収層が「300万円~400万円」ですから、まずはこの「300万円~400万円」の年収層を中心に考えます。

「中点」を基準に、「年収300万円~400万円層」の割合に、一つ下の「年収200万円~300万円層」の割合と、一つ上の「年収400万円~500万円層」の割合を加えます。

2011年 「年収300万円~400万円層」:18.4+「年収200万円~300万円層」:17.4+「年収400万円~500万円層」:14=49.8

2012年 「年収300万円~400万円層」:18+「年収200万円~300万円層」:17.1+「年収400万円~500万円層」:13.9=49

2013年 「年収300万円~400万円層」:17.4+「年収200万円~300万円層」:16.8+「年収400万円~500万円層」:13.8=48

2014年 「年収300万円~400万円層」:17.3+「年収200万円~300万円層」:16.9+「年収400万円~500万円層」:13.9=48.1

2015年 「年収300万円~400万円層」:17.5+「年収200万円~300万円層」:16.3+「年収400万円~500万円層」:14.1=47.9

そうすると、各年の「中間層」の全体に占める割合の推移が分かります。どの年もほぼ50%になりますので、この層を「中間層」ととらえてもよいのでないでしょうか。

 2011年 49.8%
 2012年 49%
 2013年 48%
 2014年 48.1%
 2015年 47.9%

まとめるとこんな感じです。2014年に一度増加しているもの、継続して減少していますね?
「中間層の割合が減っている」という風に記すと、またどこかのマルクス主義者が「格差が拡大していることが証明された!」などと喚き始めそうですが・・・。

【各所得層が全体に占める割合の推移】
所得者層の全体に占める割合

この様なグラフを使って情報を分析してみると、少し状況が違って見えてきます。

先ほど定義づけた「年収200万円~500万円」までの所得層を「中間層」と考え、200万円以下を「低所得者層」、500万円超を「高所得者層」と考えてグラフ化したものです。

推移の傾斜が分かりやすいように、「低所得者」と「高所得者」の値を左側、「中間層」の値を右側に取っています。
誤解を生まない様、傾斜の幅は同じ幅に設定していますので、単純に「中間層」のグラフを真下にずらした形になっています。

「中間層」が減少しているのは、むしろ民主党内閣時代から安倍内閣初年度(2013年)にかけて。
安倍内閣に入ってからはこの層の人数が「安定」しているように見えます。

また、「高所得者」が増えているのは何も安倍内閣に入ってからだけではなく、民主党内閣時代から継続して上昇しています。
寧ろ安倍内閣初年度~2014年にかけてはその人数は横ばいとなっています。

一方、「低所得者」は2013年まで増加していますが、2014年からは減少に転じています。

つまり、民主党内閣時代は「中間層が減少する中で、低所得者の数も高所得者も増えていた」ことになりますね?
普通の感覚の持ち主であれば、このような状況を「格差が拡大している」というのではないでしょうか。

一方、安倍内閣2年目以降は、確かに「高所得者」も増えていますが、一方で「低所得者」の数は減り、「中間層」の人数は横ばいとなっています。これは、実は「中間層」の水準が上昇していることを示しています。

前回の記事 でお示しした様に、私は「中間層」の定義として、「給与所得者の中点」が、どの年収層に位置するのか、というところで判断しています。

「中点」は「年収300万円~400万円」の所得層に位置していましたよね。
ですが、同じ300万円~400万円という所得層でも、中点が位置するのが301万円と399万円というのでは全くその生活水準は異なります。

先ほどの、「各所得層が全体に占める割合の推移」のグラフが示している結果は、この「中点」の位置が上昇していることを示しているのです。

もし仮に、この「中点」が399万9999円の位置にあったとするならば、このペースでいくと次年(2016年)の中点はさらに上昇し、ひょっとすると401万円になるかもしれません。

そうすると、今度は「中間層」の基準が「300万円~400万円」の層から「400万円~500万円」の層に移ることになるのです。
そうすると、「中間層」は「300万円~600万円」となり、年収300万円以下が「低所得者層」となるかもしれません。

この場合、共産党さんは「年収300万円以下がワーキングプアだ!」と大騒ぎでもする気なのでしょうか。

前回の記事と合わせて長くなりましたが、特に「給与所得者」に絞ってアベノミクスの効果を調査するとすれば、「格差」は縮小し、「中間層の平均給与所得者」の水準も上昇しつつある、とこういう評価になるわけです。

次回記事では、さらに「年収700万円以上の給与所得者」についてもデータを掲載していきたいと思います。


この記事のカテゴリー >>中間層の見方


<継承する記事>第201回 年収別給与所得者数/「中間層」の給与所得者数を把握②
前回の記事前々回の記事 では、現時点までで年収700万円未満の「年収別所得者数」についてグラフを添えてお示ししてきました。

勿論、700万円以上の「年収層」のデータもあるのですが、今回はその前に。
前回の記事 でもお伝えしました様に、「中間層」について、私なりの考え方をお示ししてみたいと思います。


「中間層」の定義

「中間層」と一言で言いますが、この言葉、明確な「定義」がどうもなされていないようです。

例えば、教科書的に、「デジタル大辞林」で語彙を調べてみますと、以下のように記されています。

『ちゅうかん‐そう【中間層】
社会成層の資本家階級と労働者階級との中間に位置する階層。農民・中小企業主などの旧中間層と技術者・管理職などの新中間層とがある。』

シリーズ、「共産主義と左翼」の中で若干ご説明しましたが、「資本家階級」とは「ブルジョワ層」のことであり、「労働者階級」とは「プロレタリアート層」になります。

で、定義的には「ブルジョワとプロレタリアートの中間に位置する人たち」と、ここでは説明されているわけです。

ただ、ここでいう「中間層」とは、このような階級闘争時代の「階級」について言及したものではありませんね。
定義的には、ウォールストリートジャーナルの記事で用いている「中間層」が近いのではないでしょうか。

衰退する米国の中間層、過半数割り込む
米国ではもはや、中間層が過半数ではない。

 米世論調査機関ピュー・リサーチ・センターが9日に公表したリポートで明らかになった。このリポートは、40年以上の間に米国で所得や財産がどう変化したかを詳しく説明している。

 2015年初めには、米国のいわゆる中間層に当たる成人数は1億2080万人だった。一方、低所得層(下位中間層と最低所得層)と高所得層(上位中間層と最高所得層)の成人数は合わせて1億2130万人だった。ピュー・リサーチは1970年ごろからこの統計を取り始めたが、高・低所得層の合計数が中間所得層の数を上回ったのは今年が初めて。

中間層(ウォールストリートジャーナルより)

これはアメリカのニュースですので、記事内容そのものは私が記したい内容とは関係性のないものですが、「定義」という意味では参考になります。所得層を「低所得層」と「高所得層」に分け、そのどちらにも属さない所得層を「中間層」と呼んでいますね。

この記事では、具体的に「中間層」を以下のように記しています。

『ピュー・リサーチは、典型的な中間層家庭を、3人家族の場合で2014年の年収が4万2000~12万6000ドル(約511万~1534万円)と定義した』

勿論、この定義がそのまま日本にも通用するとは思いません(年収1534万円がとても「中間層」とは思えませんし)が、一般的にイメージされる「中間層」とは、このようなイメージになるのではないでしょうか。

私の記事に於きましても、「中間層」は、上記記事で『ピュー・リサーチ・センター』が行っているようなイメージでの「中間層」について記事にしていきたいと思います。


「給与所得者数の推移」を積上げてみると・・・

今回の調査対象は「年収層別」の給与所得者数の推移なのですが、項目が多いため、確認しやすいよう、分けて掲載しています。

ですが、これをあえて「同じグラフ」の中で表現すると、以下のようになります。

給与所得者数推移積上げ(累積)

単位は「千人」です。
ピュー・リサーチ・センターのような形式で「中間層」を調べるためには、各年ごとの「給与所得者」の「中点」を調べる必要がります。

そこで、各年ごとの給与所得者数を総数を「100%」と考えて、「割合」で表示してみると、以下のようになります。

給与所得者数推移100積上げ

こうしてみるとわかりやすいですね。「50%」が「中点」になります。
中点が位置している所得層が所謂日本の「中間層」ですね。

黄色い帯は「300万円~400万円」ですから、この所得層が日本の「中間層」となります。

【年収300万円~400万円の所得者層の推移】
給与所得者数推移(300万円~400万円)

そう。こちらの所得層です。

安倍内閣(アベノミクス)初年度では、確かにこの所得層の人数が減少していますが、これは何も安倍内閣から始まったことではありません。民主党内閣当時から、継続して起きている現象ですね。

ところが、安倍内閣2年目、3年目になると、この「中間層」に属する所得者数がV字回復していることが分かりますね?

これを、「300万円~400万円」の一つ上の収入層と一つ下の収入層を合算してみてみます。

【年収200万円~500万円の給与所得者数の推移】
給与所得者数推移(200万円~500万円)

いかがでしょう。この数字で見ますと、確かに平成25(2013)年、つまり安倍内閣(アベノミクス)初年度の給与所得者数は前年を下回っていますが、2014年はこの層の給与所得者が一気に上昇していますね? たった一年で東日本大震災の時の水準を上回る値にまで回復しています。ただ、ここは2010年の数字も見てみたいところです。

再度200万円~300万円の給与所得者を見てみますと、
給与所得者数推移(200万円~300万円)

この通り、2014年の人数は一気に増加していますが、逆に2015年の給与所得者の数は急落しています。

その上で先ほどご覧いただきましたように、年収300万円~400万円の給与所得者数は2015年も継続して上昇し、

【年収400万円~500万円の給与所得者数の推移】
給与所得者数推移(400万円~500万円)

その上で年収400万円~500万円の給与所得者の数も上昇しています。

一方、年収200万円以下、つまり共産党基準での「ワーキングプア」の人数は以下のように推移しています。

【年収200万円以下の給与所得者数の推移】
給与所得者数推移(200万円以下)

民主党内閣当時から継続して上昇し、2015年にようやく減少に転じるのです。

ただ、

【年収100万円以下の給与所得者数の推移】
給与所得者数推移(100万円以下)

年収100万円以下の「ワーキングプア」の数は既に2014年には減少に転じており、

【年収100万円~200万円の給与所得者数の推移】
給与所得者数推移(100万円~200万円)

代わりに100万円~200万円の「ワーキングプア」の数が上昇しています。

つまり、「200万円以下のワーキングプア」のが2014年まで上昇し続けている原因は、2013年は「100万円以下のワーキングプア」が増えたことにあり、2014年は「100万円~200万円のワーキングプア」が上昇したことに原因があるのです。

2013年はまだ年収100万円~200万円の給与所得者はわずかしか上昇していませんし、2014年には年収100万円以下のっ給与所得者は減少し始めているのです。

共産党や民進党は、このようなデータをキチンと把握してわめいているのでしょうか。

次回記事では、この「中間層」の捉え方について、もう一つ別の視点から記事にしたいと思います。

この記事のカテゴリー >>中間層の見方


<継承する記事>第200回 年収別給与所得者数/「中間層」の給与所得者数を把握
前回の記事より、「給与所得者数」を「年収別」に分けて作成した資料を掲載しています。

前回の復習として、

【給与所得者総数の推移】
給与所得者総数

【年収100万円以下給与所得者数の推移】
給与所得者数推移(100万円以下)

【年収100万~200万給与所得者数の推移】
給与所得者数推移(100万円~200万円)

【年収200万~300万給与所得者数の推移】
給与所得者数推移(200万円~300万円)

と、ここまでの掲載しました。
年収200万~300万の層の推移を見ていると、グラフで掲載している平成23年(2011年)以前の推移も見てみたくはなりますが、それはまた後日に委ねるとしまして、更に年収300万円超の所得層についても見ていきたいと思います。


年間給与所得平均300万円~400万の給与所得者数の推移

給与所得者数推移(300万円~400万円)

ふ~む。やはりこれ以前の推移を見てみたいですね。勿論取れるんですが、時間の都合上後日に回します。
問題なのは平成23年(2011年)が東日本大震災の年であるということ。2012年、2013年とこの層の給与所得者数が減少していることと、東日本大震災との間に因果関係があるのかどうかは調べてみたいですね。

ただ、このグラフで見る限り、民主党政権下~安倍内閣初年度にかけてこの層の給与所得者数が2011年~2012年で19.3万人、2012年~2013年で9.2万人(合計28.5万人)減少した後、2014年、2015年とV字回復していることが分かります。(2014年14.7万人、2015年13.8万人)


年間給与所得平均400万円~500万の給与所得者数の推移

給与所得者数推移(400万円~500万円)

こちらはまた少し違った様子が見えてきます。
民主党政権下、2012年の数字と安倍内閣における2015年の数字を見ると明らかですね。

2015年の給与所得者数から2012年の給与所得者数をマイナスした値は、

年収100万円円以下 +18.1万人
年収100万円~ +22.7万人
年収200万円~ +0.6万人
年収300万円~ +19.3万人
年収400万円~ +44.2万人

と、ここまでの値ですと最も増えている年収層は年収400万円~年収500万円までの年収層です。
年収300万円~400万円までの層は安倍内閣がスタートした2013年も減少していたのですが、年収400万円~の層は2013年度も増えています。

特にこの層は民主党政権下では下落している年収層だけに、「アベノミクス」の効果をより顕著に表している年収層といえるのではないでしょうか。


年間給与所得平均500万円~600万の給与所得者数の推移

給与所得者数推移(500万円~600万円)

この年収層は、確かに民主党政権下でも増えていますが、その増加人数は6.6万人。
安倍内閣がスタートした2013年は12年と比較して19.7万人増。2015年と2012年を比較すると35.3万人増えています。

まあ、このあたりは東日本大震災の影響がどうであったのか、リーマン後の回復状況等を見てみる必要はありますね。


年間給与所得平均600万円~700万の給与所得者数の推移

給与所得者数推移(600万円~700万円)

こちらは、500万~600万の所得層とほぼ同じ軌跡を描いていますね。
民主党政権下での増加数が2.7万人、安倍内閣初年と2012年とを比較すると12.9万人増。15年と12年を比較すると23.2万人増。

第177回の記事 でご紹介した様に、このような状況を見てか見ずか、共産党は

「1年を通して働いても年収が200万円以下のワーキングプア(働く貧困層)は1130万人と3年連続で1100万人を超えました」

という表現を行っていますが、これがいかに的外れな表現なのかということが、こうしてみるととてもよく見えてきますね。

確かに安倍内閣初年度、

「年収100万円以下」の給与所得者が一気に28万人

増えていますが、この年は同時に

「年収500万円~600万円」の給与所得者が19.7万人、
「年収600万円~700万円」の給与所得者が12.9万人、

増えています。「年収100万円以下の給与所得者」はその後減少していますが、年収500万円~、600万円~の所得層はその後も増え続けています。

安倍内閣2年目は

「年収100万円~200万円」の給与所得者が一気に23万人

増えていますが、同時にこの年は、

「年収200万円~300万円」の給与所得者が20.9万人
「年収300万円~400万円」の給与所得者が14.7万人

増えています。翌年、「年収100万円~200万円」の給与所得者及び「年収200万円~300万円」の給与所得者は減少し、代わりに「年収300万円~400万円」の給与所得者は増加しています。

2014年と2015年を比較しますと、年収300万円以下の給与所得者は合計で31.1万人減少し、代わりに年収300万円~700万円の給与所得者は合計で44.2万人増えています。これはあくまでも「年収700万円以下」に限定してのことです。

恐らく「中間層」と呼ばれる所得者層はこのあたりに該当するのではないでしょうか。

少し記事が長くなりました。次回記事では、「中間層」の考え方について記事にしてみたいと思います。


この記事のカテゴリー >>中間層の見方


今回の記事では、私が記した第38回の記事 に対するコメントとして、

賃金の動きは平均値では実体が判らない。
賃金は高所得から低所得者層で構成されており、現在のように中間層が減少し開きが 拡大している場合は「中間所得層」等の動きも見ないと実体が判らない。その場合、例えばドットプロット等の比較で動きを見るべきでは?

というコメントをいただきまして、これは確かになるほどな、と感じましたので、タイトルにもあります通り、「所得層別」に給与所得者数を追いかけてみたいと思います。

賃金

コメントへの返信にも記しました通り、第177回の記事 に於きまして、特に「200万円以下のワーキングプア」に焦点を当てて記事を作成はしたのですが、これでは私たちの生活の実感に近い「中間層」の所得を把握することはできません。

「平均値」っていうのは「シンプソンのパラドックス」といいまして、例えば極端に多くの所得を稼ぐ世帯の給与所得金額が大幅に増えれば、仮に低所得者ばかりが増えていたとしても急激に平均所得を引き上げてしまいますし、逆に「中間層」の数も多く増えているのに、低所得者の賃金が平均を大幅に下回っていれば、「平均給与所得」を引き下げてしまいます。

コメントを下さった方が「賃金の動きは平均値では実体が判らない」とおっしゃっているのはつまりはそういうことです。
とはいえ、何を以て「中間層」というのかというと、これを明確に定義づけるのは難しいと思います。

今回の記事で利用するデータは、企業の規模ではなく、雇用者の所得をベースに分類している「国税庁」のデータから、同資料で分類しています「所得層」別のデータから引っ張ってこようと思います。


国税庁データの分類

勿論この国税庁データもまた「サンプル指数」であり、これが「正しい」というわけではありません。
ですが、「厚生労働省データ」がおもに「常用労働者5名以上」の企業のみを対象にしており、個人事業所を初めとする、超小規模事業所のデータを補足しきれていないことから考えると、厚労省データに比べれb実態に近いデータであると考えています。

国税庁データでは、給与所得者層を、以下のような所得水準で分類しています。

"100万円以下"
"100万円~200万円"
"200万円~300万円"
"300万円~400万円"
"400万円~500万円"
"500万円~600万円"
"600万円~700万円"
"700万円~800万円"
"800万円~900万円"
"900万円~1,000万円"
"1,000万円~1,500万円"
"1,500万円~2,000万円"
"2,000万円~2,500万円"
"2,500万円超"

合計14所得層です。

ちなみに全体はこちら。

【給与所得者数の推移(国税庁ベース)】
給与所得者総数

単位は「千人」です。最新の2015年の給与所得者数は4794万人です。
西暦で掲載すればよかったのですが、平成で集計してしまいました。平成23年が西暦2011年。平成27年が西暦2015年ですので、グラフは2011年~2015年までのデータとなっています。

今回は、これを前記した14の所得層に分けて記事として掲載します。
データが多いので、記事を分割して掲載します。


年間給与所得平均100万円以下の給与所得者数の推移

給与所得者数推移(100万円以下)

こちらが「年間給与所得平均100万円以下の給与所得者数の推移」を示したグラフです。

見ての通り、安倍内閣がスタートした直後、2013年に一気に「年間100万円以下の給与所得者数」が上昇した後、2014年、2015年と減少しています。2013年は393.5万人から421.5万人に増加しています。(28万人増)

金額から考えると、アルバイトやパートなどの、短時間労働者がここに該当するものと思われます。


年間100万円~200万円の給与所得者数の推移

給与所得者数推移(100万円~200万円)

ここまでが、第177回の記事 でご紹介した、共産党が盛んに主張している「ワーキングプア」に該当する「労働者数」の推移です。

見ていただくとわかると思うのですが、この層の給与所得者は、安倍内閣がスタートした時点では、ほぼ横ばい。ほとんど増加していません。増えるのは2014年。安倍内閣がスタートした翌年からで、698.4万人から721.4万人に増加しています。(23万人増)

つまり、安倍内閣初年度に増加したのは主に年収100万円以下の所得者層で、翌年は年収100万円以上200万円以下の所得者層が増えたということですね。同じ「ワーキングプア」でも、こうしてみると少し違った状況が見えてきますね。

年収100万円~200万円の所得者層も、翌2015年には減少に転じています。


年間200万円~300万円の給与所得者数の推移

給与所得者数推移(200万円~300万円)

こちらも100万~200万の所得層同様、安倍内閣がスタート直後は横ばい。その翌年、2014年に一気に増加しています。
782万人から802.9万人に増加。(20.9万人増)

ですが、この層は翌2015年になると一気に人数を減らしています。(780.2万人に減少。22.7万人減)
100万円以下の所得者層が6.2万人減、100万~200万の所得者層が2.2万人減。合わせて31.1万人の減少数です。

ところが、改めて「給与所得者総数」を見てみますと、2014年から2015年にかけて、合計で37.7万人給与所得者数は増加しています。年収300万円以下の給与所得者数が2014年~2015年にかけて31.1万人減少しているにも関わらず、合計で37.7万人の給与所得者が増えているのです。

ということはすなわち2014年から2015年にかけて、年収300万円異常稼ぐ所得者層が合わせて68.8万人増えたということ。
300万円以下が31万人減少する中で、です。

これを見て、「格差が広がった」という人はいるでしょうか?
勿論合計で年収300万円以下の人は1910.4万人存在します。

一番減少しているのは年収200万円~300万円の世帯で、年収200万円未満の減少数を通算したものを上回っているわけですから、「格差が広がった」と言えないわけではないかもしれません。

では、一体どのような人たちが「年収200万円以下」という所得層を構成しているのでしょうか。
現時点ではこれを示すデータは持ち合わせていませんが、「パート」や「アルバイト」でかまわない労働者も確かにいるはずなんです。

この総を構成する就労形態についてはぜひ調査してみたいですね。

次回記事では、さらに「年収300万円以上」の所得層について掲載していきたいと思います。



スポンサードリンク

Copyright © 真実を問う!データから見る日本 All Rights Reserved.
ほったらかしでも稼げるFC2ブログテンプレート [PR]