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この記事のカテゴリー >>「物価」の見方


本日は2017年9月5日で、公表されたのは先月末ですので、少し期間が経過していますが、ほんの少しだけですが、状況が変化していますので、記事にしてみたいと思います。

おなじみになったかと思いますが、私が「消費者物価指数」を見る際のルールを改めて掲載しておきます。
・海外需要の影響を受けやすい「エネルギー」の物価は除外する必要がある

・天候によって、「需要」とは関係のない指標が出る「生鮮食品」の物価は除外する必要がある

・海外の水準と比較するために設定された、実際には存在しない数字である「持家の帰属家賃」は除外する必要がある。

不明な文言等ございましたら、同シリーズの過去の記事 をご参照ください。

それでは、改めまして2017年7月度の消費者物価指数を掲載したいと思います。

平成29年(2017年)度7月の消費者物価指数

【消費者物価指数(総合)の前年同月比】※( )内は2017年6月の前年同月比です。
総合(ウェイト:10000)
0.4(0.4)

生鮮食品を除く総合(ウェイト:9586)
0.5 (0.4)

持家の帰属家賃を除く総合(ウェイト:8501)
0.6(0.5)

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合(ウェイト:8087)
0.6(0.5)

生鮮食品及びエネルギーを除く総合(ウェイト:8802)
0.1 (0.0)

この中で、私が最重要視すべきだと考えている情報は「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」です。
これと同様に、「持家の帰属家賃を除く総合」もまた重要視しています。

「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」と「生鮮食品を除く総合」を比較した時、前年同月比で0.4%の差が生まれていますが、この0.4%の違いがエネルギー物価の変動を意味しています。

私、6月度の記事は作成しませんでしたが、その先月も含めて、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が3月に初めて-0.1%を付けて以来、前年同月比がずっと横ばい(0.0%)を続けていましたので、ここがわずかでもプラスに転じていることは、 久しぶりに安心できる材料が登場したということだと思います。

【消費者物価指数(10大費目別)の前年同月比】※( )内は2017年6月の前年同月比です。

食料 ウェイト:2623
0.6(0.8)

 生鮮食品 ウェイト:414
 -1.1(0.5)
 生鮮食品を除く食料 ウェイト:2209
  0.9(0.9)

住居 ウェイト:2087
-0.2(-0.2)

 持家の帰属家賃を除く住居 ウェイト:589
  -0.1(0.0)

光熱・水道 ウェイト:745
4.3 (3.5)

家具・家事用品 ウェイト:348
-0.4(-0.8)

被服及び履物 ウェイト:412
0.0(0.2)

保健医療 ウェイト:430
0.1(0.0)

交通・通信 ウェイト:1476
0.1(-0.1)

教育 ウェイト:316
0.4(0.4)

教養娯楽 ウェイト:989
0.0(-0.1)

諸雑費 ウェイト:574
0.1(-0.1)

このうち、「エネルギー物価」を含むのが「光熱・水道」、「交通・通信」の2費目ですので、ここを分解してみます。
光熱・水道 ウェイト:745
4.3 (3.5)

 電気代 ウェイト:356
 6.1(4.9)
 ガス代 ウェイト:181
 1.4(0.1)
 他の光熱 ウェイト:41
 21.2(23.0)
 上下水道料 ウェイト:167
 0.6(0.4)

交通・通信 ウェイト:1476
0.1(-0.1)

 交通 ウェイト:224
 0.0(-0.3)
 自動車等関係費 ウェイト:836
 1.5(1.4)
 通信 ウェイト:416
 -2.8(-3.1)

「その他光熱費」は「灯油」の事ですので、灯油の物価が特に大きく上昇していることが分かります。

また「電気代」に関してましても「電力自由化」や「原油価格の下落」の関係で3月まで22カ月間連続で前年を割り続けていたのですが、4月より上昇に転じ、7月は前年同期比6.1%にまで上昇していますね。

「交通・通信」の中ではやはり「通信」の分野が下落を続けており、うぃとも小さくはありませんので、物価全体の足を引っ張っている様子がうかがえます。

一方で「交通・通信」分野の中でエネルギー価格が含まれているのは「自動車等関係費」ですから、ここをもう少し砕いてみます。
自動車等関係費 ウェイト:836
1.5(1.4)

 自動車 ウェイト:199
 0.3(0.3)

  軽乗用車 ウェイト:40
  -0.9(-0.1)
  小型乗用車A ウェイト:55
  0.7(0.4)
  小型乗用車B ウェイト:5
  0.7(0.7)
  普通乗用車A ウェイト:80
  0.5(0.5)
  普通乗用車B ウェイト:20
  1.3(-0.2)

 自転車 ウェイト:9
 2.0(2.3)
 自動車等維持 ウェイト:628
 1.9(1.8)

  ガソリン ウェイト:206
  6.3(6.1)

ガソリンの物価上昇幅はさすがに大きくなっていますが、これ以外にも「自動車」が全体で0.3%上昇。
特に「軽乗用車」のみ物価が下落する中で、他の費目(Aは国産、Bは外国産)は全て上昇しています。

「自動車等維持費」は費目数が多いのでガソリン以外は割愛しましたが、「自賠責保険料(▲6.5%)」や「レンタカー代(▲2.1%)」が大きく前年割れしている以外は目立って物価が下落している費目はありません。

家具・家事用品に起きた変化

私のブログではおなじみかもしれませんが、この「家具・家事用品」の分野。長らく物価の足を引っ張り続けてきた分野なのですが、実は少し変が起きています。

【消費者物価指数(家具・家庭用品)の前年同月比】※( )内は2017年6月の前年同月比です。
エアコン

家具・家事用品 ウェイト:348
-0.4(-0.8)

 家庭用耐久財(ウェイト:111)
 0.0(-1.0)

  家事用耐久財(ウェイト:57)
  -3.0(-5.1)

   電子レンジ(ウェイト:4)
   -14.9(-13.7)

   電気炊飯器(ウェイト:11)
   2.6(-1.6)

   ガステーブル(ウェイト:3)
   6.3(6.5)

   電気冷蔵庫(ウェイト:16)
   -10.5(-10.9)

   電気掃除機(ウェイト:9)
   3.8(10.3)

   電気洗濯機(全自動洗濯機)(ウェイト:7)
   1.5(-14.8)

   電気洗濯機(洗濯乾燥機)(ウェイト:7)
   -2.5(-2.7)

   冷暖房用器具(ウェイト:37)
   2.9(3.3)

    ルームエアコン(ウェイト:30)
    3.3(3.8)

    温風ヒーター(4)
    -1.1(-1.1)

    空気清浄機(3)
    4.5(5.1)

  一般家具(18)
  2.8(1.8)

   整理だんす(5)
   1.7(2.3)

   食堂セット(9)
   3.2(1.9)

   食器戸棚(4)
   1.0(-0.1)

足を引っ張っていたのは「家庭用耐久財」の内「家事用耐久財」です。もちろん7月度も▲3.0%ですから、決して「改善した」わけではありません。ですが、「家庭用耐久財」全体で見るとついに前年同月比が0%まで回復したわけです。

2月に一度0.6%を付けていますから、それ以来ということになります。

特にその影響が大きかったのは「全自動洗濯機」の1.5%、そして「ルームエアコン」の3.8%だったのではないでしょうか。
ルームエアコンに関しては6月も3.8%と大きく改善しており、継続的に物価が下落し続ける状況から回復しつつある状況が伺えます。

またそれ以上に大きいのは「一般家具」の2.8%かもしれません。一般家具の物価上昇率は比較的優秀で、これで9カ月連続の物価上昇となります。

第348回の記事 で2017年度4-6月期のGDPについて記事を記しましたが、私たち一般国民の景気状況を見る上で最も大切なのが「家計最終消費支出」という項目です。

この項目を構成しているのが今回のきじで取り上げた「消費者物価指数」。
4-6期GDPは巷の予想を大きく上回り、大幅な上昇幅を記録したわけですが、ニュース等の解説を見ていると、季節ものの動きが鈍く、第二四半期(7-9月期)は第1四半期程の上昇を期待することは出来ないのではないか、とする報道を見かけましたが、「ルームエアコン」は季節ものの中でも代表的なアイテムです。

この様な動きを見ていると、やはり第二四半期のGDPにも大いに注目したいですね。


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毎度おなじみとなりました、月末の消費者物価指数に関する記事です。

原油価格が消費者物価指数を引き下げる起因となる時代は終わり、物価を見る際の不必要な「勘違い」もされなくなりましたので、記事の重要度としてはランクが下がったとは思っているのですが、それでも私たち日本国民の生活水準を正確に理解する上では必要な一つの「指標」である消費者物価指数。

2017年度5月の統計データが発表されましたので、改めて記事にしたいと思います。

私が消費者物価指数を見る際に大切にしている基本情報を冒頭に記しておきます。

・海外需要の影響を受けやすい「エネルギー」の物価は除外する必要がある

・天候によって、「需要」とは関係のない指標が出る「生鮮食品」の物価は除外する必要がある

・海外の水準と比較するために設定された、実際には存在しない数字である「持家の帰属家賃」は除外する必要がある。

これが私の大切にしている物価水準の基本情報です。

同じカテゴリー 「物価」の見方 の中で何度も記していますように、2017年(2016年度)1月の消費者物価指数 より、これまで「食料及びエネルギーを除く総合」として掲載されていた「コアコアCPI」が、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」に変わりました。

これによってこれまでのコアコアCPIよりもより私たちの経済状況を反映した結果を「消費者物価」としてみることができる様になりました。ただ、それでも「持家の帰属家賃」というノイズが入っていますから、注意してみる必要があります。


平成29年(2017年)度5月の消費者物価指数

【消費者物価指数(総合)の前年同月比】※( )内は2017年4月の前年同月比です。
総合(ウェイト:10000)
0.2(0.3)

生鮮食品を除く総合(ウェイト:9586)
0.4 (0.3)

持家の帰属家賃を除く総合(ウェイト:8501)
0.5(0.5)

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合(ウェイト:8087)
0.6(0.4)

生鮮食品及びエネルギーを除く総合(ウェイト:8802)
0.0 (0.0)

5月度の課題は4月度と一緒ですね。「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が横ばいです。
横ばいというのは4月と比較してもそうなのですが、「前年同月比」で0.0%ですから、前年度と比較しても横ばい。つまり、「消費者物価指数」で見る限り、「物価」が成長できていないということです。

4月度の消費者物価指数 の記事でも同様な内容を述べたとは思うのですが、この「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」。

今年の2月までは辛うじてプラス成長を続けていたのですが、3月に至ってついに前年度割れ。4月、5月とマイナス成長こそ避けられているものの、0.0%の横ばい。

実は「物価」ベースで見る限り、アベノミクスは「深刻」とまでもは言わないまでも、「次の一手」を打ちつ必要がある状況にまでは来ているのです。「金融緩和」による期待インフレ率の維持にも限界がありますからね。

ちょっと愚痴みたいになりますが、ほんとに今は森友だ加計だとお騒ぎしている暇など本当はないんです。このままアベノミクスによる経済成長を失速させてしまわない様、本当に国会予算委員会で話し合わなければならない課題はここにあります。

念のために申し上げておきますと、3月のマイナス成長は「持家の帰属家賃」を除けばプラス成長しています。

4月はエネルギー価格と持家に帰属する家賃、生鮮食品のノイズを全て除くとおそらくマイナス成長していますが、その理由は「衣類」の内の季節もの、そして家電の内「エアコン」などの季節ものの影響が大きかったですから、物価が下落しているにはしているなりのきちんとした理由があります。

ただ、それでもかつてのような勢いがなくなっていることは確かです。だからこそ「次の一手」が必要なんですけどね。


【消費者物価指数(10大費目別)の前年同月比】※( )内は2017年4月の前年同月比です。
食料 ウェイト:2623
0.8(0.9)

 生鮮食品 ウェイト:414
 0.4(1.8)
 生鮮食品を除く食料 ウェイト:2209
  0.8(0.8)

住居 ウェイト:2087
-0.2(-0.2)

 持家の帰属家賃を除く住居 ウェイト:589
  0.1(0.1)

光熱・水道 ウェイト:745
2.2 (0.9)

家具・家事用品 ウェイト:348
-1.1(-0.9)

被服及び履物 ウェイト:412
0.1(-0.1)

保健医療 ウェイト:430
0.3(0.2)

交通・通信 ウェイト:
0.3(0.3)

教育 ウェイト:316
0.6(0.7)

教養娯楽 ウェイト:989
0.6(0.6)

諸雑費 ウェイト:574
0.1(0.2)

4月度に昨対マイナスを付けた「被服及び履物」ですが、今月は無事プラスに回復。とはいえ未だ前年同月比0.1%と勢いに陰りが見えることは事実です。

【消費者物価指数(被服及び履物)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。

ファッション

被服及び履物(ウェイト:412)
0.1(-0.1)

 衣料(ウェイト:174)
 0.2(-0.2)

  和服(ウェイト:6)
  0.2(0.2)
  洋服(ウェイト:167)
  0.2(-0.2)

 シャツ・セーター・下着類(ウェイト:123)
 -0.6(-0.7)

  シャツ・セーター類(ウェイト:87)
  -1.1(-1.2) 
  下着類(ウェイト:36)
  0.6(0.5)

 履物類(ウェイト:58)
 0.8(1.3)

 他の被服(ウェイト:34)
 -0.3(-0.2)

 被服関連サービス(ウェイト:24)
 0.8(0.8)

被服及び履物全体で見ますと、「衣料」の内、主力である「洋服」が-0.2から0.2に回復しており、これが被服及び履物全体をひきあげる主要因となっています。

一方、「シャツ・セーター類」が衣類物価を下落させる要因となっていますが、ここには季節ものである「セーター」が含まれていますので、大きく気に掛ける必要はないように思います。

「洋服」の回復が待たれるところですね。

【消費者物価指数(家事用耐久財)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。
エアコン

家庭用耐久財(ウェイト:111)
-2.2(-2.2)

 家事用耐久財(ウェイト:57)
 -4.0(-3.7)

  電子レンジ(ウェイト:4)
  -10.3(-14.9)

  電気炊飯器(ウェイト:11)
  2.2(4.7)

  ガステーブル(ウェイト:3)
  5.0(4.2)

  電気冷蔵庫(ウェイト:16)
  -7.7(-8.4)

  電気掃除機(ウェイト:9)
  6.6(12.0)

  電気洗濯機(全自動洗濯機)(ウェイト:7)
  -18.6(-19.7)

  電気洗濯機(洗濯乾燥機)(ウェイト:7)
  -3.3(-5.1)

  冷暖房用器具(ウェイト:37)
  -1.7(-2.3)

   ルームエアコン(ウェイト:30)
   -2.6(-3.1)

   温風ヒーター(4)
   -1.1(-1.1)

   空気清浄機(3)
   7.7(4.7)

  一般家具(18)
  2.0(2.7)

   整理だんす(5)
   1.7(2.3)

   食堂セット(9)
   2.9(3.5)

   食器戸棚(4)
   0.2(1.6)

物価の足を引っ張る主要因となっている「家具・家事用品」の内、「家事用耐久財」。
ですが、4月度に物価マイナス成長を記録していた家電製品も、5月は軒並みそのマイナス幅を縮小させています。

「家事用耐久財」が0.3%悪化した理由としては、物価が下落する品目よりも、物価が上昇している品目の上昇幅が縮小しているところに原因があるようです。ただ、それでも殆どの品目が1%を超える物価上昇を記録していますから、物価が上昇している品目の事を気にする必要はないかと思います。

やはりネックとなるのは「家電製品」たちですね。


この他、「住居」がマイナスを記録していますが、「持家に帰属する家賃」を除けば0.1%のプラス成長を記録しており、今回の「10大費目」に於いてマイナスを記録したのは「家具・家事用品」のみ。

ただ、それでも全体として「伸び悩んでいる」のは明らかで、安倍内閣らしい「新たなる一手」を本当に心待ちにしています。

国民の生活の基盤は、「森友」や「加計」の「忖度」を問題視するのではなく、その「忖度」こそがまさに「地方創生」としての役割をになっており、私たち日本国民の生活水準を引き上げる為の大きな役割を果たしていることを認めることにこそあります。

「野党」の役割は国会をひっちゃかめっちゃかにかき乱すことにあるのではなく、政府の政策を私たち一般国民が理解できるように質疑を行い、本当に問題なのは何なのかということをわかりやすくするためにあります。

「党利党略」しか頭にない三流野党には、さっさと「国会」という舞台から消え去ってほしいですね。


この記事のカテゴリー >>「物価」の見方


<継承する記事>
第326回 2017年度(平成29年度)4月分消費者物価指数が発表されました。

第326回の記事では、2017年度(平成29年度)4月分CPI(消費者物価指数)を全体から俯瞰(ふかん)した上で、「消費者物価指数(総合)」の内、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が横ばいであること、そしてここから更に「持ち家の帰属家賃」の影響を除外して尚上昇していないことを理由に、今が「アベノミクスの正念場」であることをお伝えしました。

ただ、一般紙のニュースでは生鮮食品を除く総合(コアCPI)が前年比で上昇していることを理由に、

 「4月の全国消費者物価、0.3%上昇 4カ月連続プラス 」

というタイトルでの記事がほぼすべてでした。ですが、ここには「エネルギー物価の上昇」が含まれており、エネルギー物価の上昇は日本国経済に対してデメリットしか与えませんから、本来「エネルギー物価」を取り除いた数字で比較することが大切です。

その数字こそが「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」なのですが、このことをタイトルに上げ、記事の中心にしている一般紙はありません。取り上げていない、というわけではないのですが、余り着目されていない、ということです。

もし私が新聞記者であり、安倍内閣を叩きたいのであれば、今がまさにそのポイントで、タイトルとして全面的に取り上げていると思うのですが、そこは所詮マスコミ、というところでしょうか。


ただ、その理由として前回の記事では全体が伸び悩んではいるものの、特に「家具・家事用品」と「被服及び履物」が前年度割れしており、影響が大きいこと、そしてこれまで「物価の優等生」であった「被服及び履物」の物価下落はこれまで見られない状況であったため、特にこの「被服及び履物」の消費者物価について大きく取り上げました。

今回の記事では、もう一つ物価を伸び悩ませている理由、「家具・家事用品」について記事として取り上げてみたいと思います。


「家具・家庭用品」の消費者物価指数

【消費者物価指数(家具・家庭用品)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。
家具・家事用品(ウェイト:348)
-0.9(-0.8)

 家庭用耐久財(ウェイト:111)
 -2.2(-1.6)▲0.6

 室内装備品(ウェイト:25)
 -3.8(-3.4)▲0.4

 寝具類(ウェイト:27)
 1.3(2.2)

 家事雑貨(ウェイト:72)
 1.4(1.4)

 家事用消耗品(ウェイト:86)
 -1.4(-2.3)

 家事サービス(27)
 0.1(0.1)

今回のタイトルにある、「2017年度(平成29年度)4月分CPIが伸び悩む理由」としては、前回記事にした「被服及び履物」の大幅な下落が最大の理由で、それ以外の項目に関しては今回記事にする「家具・家事用品」の物価下落よりも、その他の項目の「上昇幅の縮小」の方が理由としては大きいのですが、それでもこの「家具・家事用品」が下げ止まりさえすれば物価が持ち為す事も事実です。

今月の「家具・家事用品」の傾向としては、全体で-0.9から-0.8に前年同月比マイナス幅が縮小している形にはなります。
「家具・家事用品」を構成する6つの中分類品目の内、前年度割れを記録しているのは「家庭用耐久財」・「室内装備品」・「家事用消耗品」の3つ。

この内「室内装備品」に関しましては、消費増税が行われた増税年度を省き、平成6年以来継続して前年度割れを記録していますので、これは今月に起きている特色ではない、と考えますので、今回の対象からは省きます。ちなみに「室内装備品」の物価を大きく下落させている最大の理由は「照明器具」の-15.9%、カーペットの-0.5%です。

「家事用消耗品」に関してはトイレットペーパーやティッシュペーパー、洗剤類など、石油精製品の影響が大きく見られます。

ということで、毎度おなじみの様になりましたが、「家事用耐久財」の消費者物価指数です。

エアコン

【消費者物価指数(家事用耐久財)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。
家庭用耐久財(ウェイト:111)
-2.2(-1.6)▲0.6

 家事用耐久財(ウェイト:57)
 -3.7(-3.8)

  電子レンジ(ウェイト:4)
  -14.9(-26.0)

  電気炊飯器(ウェイト:11)
  4.7(2.0)

  ガステーブル(ウェイト:3)
  4.2(3.0)

  電気冷蔵庫(ウェイト:16)
  -8.4(-5.5)▲2.9

  電気掃除機(ウェイト:9)
  12.6(12.0)

  電気洗濯機(全自動洗濯機)(ウェイト:7)
  -19.7(-18.4)▲1.3

  電気洗濯機(洗濯乾燥機)(ウェイト:7)
  -5.1(-2.1)▲3.0

  冷暖房用器具(ウェイト:37)
  -2.3(-0.4)▲1.9

   ルームエアコン(ウェイト:30)
   -3.1(-0.7)▲2.4

   温風ヒーター(4)
   -1.1(1.0)▲1.9

   空気清浄機(3)
   4.7(0.1)

  一般家具(18)
  2.7(2.9)

   整理だんす(5)
   2.3(3.2)

   食堂セット(9)
   3.5(3.3)

   食器戸棚(4)
   1.6(1.6)


全体を見てマイナス幅を拡大させているのは電気冷蔵庫、電気洗濯機(全自動洗濯機)、電気洗濯機(洗濯乾燥機)、冷暖房用器具の4項目。「ウェイト(=重要度)」を見ますと、冷蔵庫が16、全自動洗濯機が7、洗濯乾燥機が7、そして冷暖房用器具が37となっています。

特に「冷暖房用器具」の内、「ルームエアコン」は30。

こうしてみますと、2017年度4月の消費者物価指数を下落させたのは「ルームエアコン」そして「衣類」だということが分かりますね。

「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」から更に「持ち家の帰属家賃」の影響を除外して考えますと、3月の「生鮮食品及びエネルギー及び持ち家の帰属家賃を除く総合」が0.1%から4月は0.0%に、0.1%成長から横ばいへと縮小しているのではないか、と私は考えています。

で、その0.1%の伸び率を縮小させた最大の理由が「衣類」と「ルームエアコン」。共に「季節もの」を代表するような品目です。

勿論4月度の「家事用耐久財」全体の前年同月比が「-2.2」と大幅に下落しており、消費者物価全体に対してネガティブな要素となっていますから、ここが改善することで初めてアベノミクスの求める「物価上昇」は漸く現実味を帯びてくることとなります。

ただ、4月度の伸び悩みは、どうやら「季節もの品目」の買い渋り、もしくはクリアランスセール等の影響ではないかと推測されます。

それにしても「加計問題」で大騒ぎしていますがあれ、本当日本国にとってデメリットしかないと思います。
もっと大切な問題はたくさんあります。CPIを上昇させるためにもう一段階アクセルをふかすような「財政政策」もそろそろ必要になるのではないでしょうか。

エネルギー物価が上昇に転じている今、まさに絶好のタイミングだと思います。

そういった前向きな議論がまったくできない。もしくは「させない」ためにわざとやっているのかどうかは知りませんが、それにしても民進党の面々はいい加減にしてほしいですね。


この記事のカテゴリー >>「物価」の見方


さて、いよいよ統計データも2016年度から2017年度へと年度替わりをいたしました。
本日は2017年6月5日なのですが、消費者物価指数が公表されたのは5月31日。5日遅れの記事になります。

消費者物価指数をみる際のおさらいですが、

1.消費者物価指数「総合」を見る際は、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」を見ること。
2.消費者物価指数「総合」を見る際は、「持家の帰属家賃及びエネルギーを除く総合」を合わせて参照すること。
3.「食料」は「生鮮食品を除く食料」の動向を見ること。
4.「住居」を見る際は「持家の帰属家を除く住居」を見ること。
5.「エネルギー価格」が含まれる項目(特に交通・通信)はエネルギー価格以外の物価にも着目すること。

この5原則を守ってデータを見る事が大切です。理由は 「物価」の見方 の過去記事をご参照ください。

それでは先ず「2017年度(平成29年度)4月分消費者物価指数」を「総合」と「十代費目別」でそれぞれ見てみます。


2017年度(平成29年度)4月分消費者物価指数
【消費者物価指数(総合)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。
総合(ウェイト:10000)
0.2(0.3)

生鮮食品を除く総合(ウェイト:9586)
0.4 (0.2)

持家の帰属家賃を除く総合(ウェイト:8501)
0.5(0.3)

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合(ウェイト:8087)
0.4(0.4)

生鮮食品及びエネルギーを除く総合(ウェイト:8802)
0.0 (-0.1)

こちらは、「総合」を構成する項目です。既にお伝えした様に、この中で私が一番大切にしたい指数は「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」です。

残念ながら前年同月比 0% と横ばいになっています。ただ、原則の2番目にありますように、この数字には「持家の帰属家賃」が含まれていますから、この「持家の帰属家賃」が含まれていない指数、即ち「持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合」も参考にします。

そうしますと、その数値は0.4%とプラス成長していることが分かります。ただ、ここには今度は「エネルギー」が含まれていますので、できればエネルギーを除いたものも見てみたい・・・と私は常に思っています。

ちなみに、このイレギュラー項目である「持家の帰属家賃」と「エネルギー」は以下の通りです。

持ち家の帰属家賃(ウェイト:1499)
-0.3(-0.4)

エネルギー(ウェイト:784)
4.5(3.9)

改めてご説明いたしますと、「ウェイト」とは各項目の「重要度」の事。最大が「総合」の10000で、各項目がこの10000の内一体どの程度の重要度を占めているのか、という数字です。

持ち家の帰属家賃とエネルギーを比較しますと、エネルギーの方がウェイトは低いのですが、前年同月比で1.6%も増加しています。

一方持家の帰属家賃は4月も3月も前年度比でマイナスを記録していますが、4月は3月より0.1ポイント改善しています。

「総合」で見ますと、「生鮮食品を除く総合」が0.2%から0.4%と0.2ポイント改善していますが、ここからエネルギーを除いた値は-0.1から0.0%と、0.1ポイントの改善となっています。同じく「持家の帰属家賃」を除いた値は0.4%から0.4%と横ばい。

「生鮮食品を除く総合」の3月の前年同月比が0.2%、更にエネルギーを除いた値が-0.1ですから、3月の「総合」の内約0.3%がエネルギーによって占められていることになります。

一方4月を見てみますと、「生鮮食品を除く総合」の4月の前年同月比が0.4%、更にエネルギーを除いた値が0.0ですから、4月の「総合」の内約0.4%がエネルギーによって占められていることになります。

「生鮮食品を除く総合」から更に「持家に帰属する家賃」を除いた前年同月比が3月、4月とも0.4%ですから、ここからエネルギーによって占められていると考えられる割合を差し引くと「生鮮食品、エネルギー、及び持家に帰属する家賃を除く総合」は前年同月比0.1%から0.0%に下落しているのではないか・・・と推測することができます。

あくまでも非常にざっくりとした概算ですが。

安倍内閣、及び日銀が取り組んできた「アベノミクス」ですが、いよいよ正念場を迎えたのではないか、というのが私がこの月の消費者物価指数を見た現時点での印象です。

【消費者物価指数(10大費目別)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。
食料 ウェイト:2623
0.9(0.5)

 生鮮食品 ウェイト:414
 1.8(-0.4)
 生鮮食品を除く食料 ウェイト:2209
  0.8(0.7)

住居 ウェイト:2087
-0.2(-0.2)

 持家の帰属家賃を除く住居 ウェイト:589
  0.1(0.2)

光熱・水道 ウェイト:745
0.9 (-0.8)

家具・家事用品 ウェイト:348
-0.9(-0.8)

被服及び履物 ウェイト:412
-0.1(0.6)

保健医療 ウェイト:430
0.2(0.5)

交通・通信 ウェイト:
0.3(0.2)

教育 ウェイト:316
0.7(1.0)

教養娯楽 ウェイト:989
0.6(0.7)

諸雑費 ウェイト:574
0.2(0.4)

軒並み、先月の前年同月比を下回っていますね。
勿論、実際に前年の実績を下回っているのは「家具・家庭用品」及び「被服及び履物」の2項目だけですから、実績として悪化している、とは言えないと思います。

これまで「物価の優等生」であり続けた「被服及び履物」がマイナスへと転じていることは一番大きな部分かもしれませんね。
では、この「被服及び履物」の項目を少し深堀してみます。

ファッション


被服及び履物の消費者物価指数

【消費者物価指数(被服及び履物)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。
被服及び履物(ウェイト:412)
-0.1(0.6)

 衣料(ウェイト:174)
 -0.2(0.2)▲0.4

  和服(ウェイト:6)
  0.2(0.0)
  洋服(ウェイト:167)
  -0.2(0.2)▲0.4

 シャツ・セーター・下着類(ウェイト:123)
 -0.7(1.0)▲1.7

  シャツ・セーター類(ウェイト:87)
  -1.2(0.9)▲2.1 
  下着類(ウェイト:36)
  0.5(1.1)

 履物類(ウェイト:58)
 0.5(1.1)

 他の被服(ウェイト:34)
 -0.2(-0.1)

 被服関連サービス(ウェイト:24)
 0.8(0.9)

見てみますと、被服及び履物の物価を大きく引き下げているのが「洋服」そして「シャツ・セーター類」の2項目であることが解ります。では、この項目をもう少し深堀してみましょう。

【消費者物価指数(洋服)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。
洋服(ウェイト:167)
-0.2(0.2)▲0.4

 男子用洋服(ウェイト:51)
 0.3(0.1)

  背広服(春夏物,中級品)(ウェイト:6)
  1.2(2.4)
  背広服(春夏物,普通品)(ウェイト:4)
  2.3(0.5)
  背広服(秋冬物,中級品)(ウェイト:6)
  -3.8(-3.8)
  背広服(秋冬物,普通品)(ウェイト:4)
  1.0(1.0)

  男子用上着(ウェイト:7)
  1.0(1.0)

  男子用ズボン(春夏物)(ウェイト:7)
  0.4(-1.6)
  男子用ズボン(秋冬物)(ウェイト:6)
  1.4(1.4)
  男子用ズボン(ジーンズ)(ウェイト:2)
  1.2(1.4) 

  男子用コート(ウェイト:5)
  -1.6(-1.6)
  男子用学校制服(ウェイト:5)
  1.0(1.2)

 婦人用洋服(ウェイト:95)
 0.6(1.2)

  婦人用スーツ(春夏物,中級品)(ウェイト:6)
  -3.2(-3.6)
  婦人用スーツ(春夏物,普通品)(ウェイト:3)
  -0.2(0.4)
  婦人用スーツ(秋冬物,中級品)(ウェイト:4)
  0.9(0.9)
  婦人用スーツ(秋冬物,普通品)(ウェイト:3)
  4.0(4.0)

  ワンピース(春夏物)(ウェイト:7)
  -3.8(-0.4)▲3.4 
  ワンピース(秋冬物)(ウェイト:6)
  -0.6(-0.6)

  婦人用上着(ウェイト:11)
  6.7(10.1) 

  スカート(春夏物)(ウェイト:4)
  0.4(-1.5)
  スカート(秋冬物)(ウェイト:4)
  2.4(2.4)

  婦人用スラックス(秋冬物)(ウェイト:12)
  6.6(6.6)
  婦人用スラックス(ジーンズ)(ウェイト:16)
  -4.4(-4.6)

  婦人用コート(ウェイト:14)
  -0.3(0.3)

  女子用学校制服(ウェイト:5)
  2.1(2.3)

 子供用洋服(ウェイト:21)
 -5.4(-4.2)▲1.2 

 男児用ズボン(ウェイト:7)
 -5.5(-6.1)

 女児用スカート(ウェイト:11)
 -6.6(-4.3)▲2.3

 乳児服(ウェイト:3)
 -0.1(1.0)▲0.9

マイナス幅の大きな品目もありますが、3月のマイナス幅と比較する上で傾向として大きいのは、子ども向け洋服の物価が全体的に大きく値を下げているイメージがありますね。

私自身は子供服を買う機会がありませんので実感がありませんが、全体的に値段が下がる傾向があるのでしょうか?
別途調査が必要な分野なのかもしれません。この傾向は2年近く続いている様です。

「被服及び履物は物価の優等生」という印象が強かったですから、私のチェックしていなかった分野ですね。

【消費者物価指数(シャツ・セーター・下着類)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。
シャツ・セーター・下着類(ウェイト:123)
 -0.7(1.0)▲1.7

 シャツ・セーター類(ウェイト:87)
 -1.2(0.9)▲1.3

  男子用シャツ・セーター類(ウェイト:26)
  0.7(1.9)

  婦人用シャツ・セーター類(ウェイト:54)
  -2.1(0.6)▲1.5

  ブラウス(長袖)(ウェイト:4)
  0.5(-0.5)▲1.5
  ブラウス(半袖)(ウェイト:7)
  -2.2(0.7)▲1.5
  婦人用Tシャツ(長袖)(ウェイト:10)
  -2.3(-0.8)▲1.5
  婦人用Tシャツ(半袖)(ウェイト:14)
  -2.2(0.6)▲2.8
  婦人用セーター(長袖)(ウェイト:15)
  -2.1(1.2)▲3.3
  婦人用セーター(半袖)(ウェイト:4)
  -3.5(2.7)▲6.2

 子供用シャツ・セーター類(ウェイト:7)
 -1.5(-0.1)▲-1.4

  子供用Tシャツ(長袖)(ウェイト:3)
  -1.8(-3.2)
  子供用Tシャツ(半袖)(ウェイト:3)
  -1.2(2.9)▲4.1

 下着類(ウェイト:123)(ウェイト:36)
 0.5(1.1)

  男子用下着類(ウェイト:123)
  1.3(2.2)
  婦人用下着類(ウェイト:123)
  -0.2(0.2)▲-0.4
  子供用下着類(ウェイト:123)
  1.8(2.2)

この項目を見ますと、特に女性用のシャツ・セーター類のマイナス幅が大きいですね。
季節の変わり目で、買い控えが起きている様にも見えますね。

季節特有の現象である可能性もありますので、5月、6月と引き続き動向を追いかけてみる必要はありそうです。
10大費目別の物価で、エネルギー関連を除けば軒並み上昇幅が減少している中ではありますが、特に4月の特徴としてこの「被服及び履物」の分野がもたらしている影響は大きいですから。

次回記事では、もう一つ物価を下落させているポイントである、「家具・家事用品」について調査してみたいと思います。
何となく結果は見えてますけどね。


この記事のカテゴリー >>「物価」の見方


<継承する記事>
第315回 生鮮食品及びエネルギーを除く総合が前年同月割れした理由(H28年度3月)

いつもであれば、前回の記事の後「教養娯楽」の費目に記事を記事を進め、更に「テレビ」や「PC」等を分析するわけですが、同じ調査を毎月行っていますし、今回も異なった結果が出ることはそれほど想像しにくいことから、今回は「教養娯楽」を深めることはせず、もう一つの調査項目、「エネルギー物価の動向」へと記事を進めてみたいと思います。


消費者物価指数「総合」の内、私が重視ししているのは新コアコアCPIともいえる新たなる指標、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」であることから、態々「エネルギー」を調査する必用はないのではないか、という方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、それでも政府日銀が「2%の物価上昇」の目標としているのはあくまでも「生鮮食品を除く総合(コアCPI)」であり、ここにはエネルギーが含まれているため、無視するわけにもいきません。

また、私がずっと調査し続けている「10大費目」の中には、「エネルギー」に該当する物価とそうではない物価が混在している部分もあり、このあたりをきちんと分けて調べることでより私たち日本国民の生活に寄り添った「消費者物価」が見えてくるのではないか、とも考えていますので、引き続きこの「エネルギー」も分野として抽出して記事にしたいと思います。

エネルギー


「交通・通信」の消費者物価指数の前年同月比

【「交通・通信」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年2月の前年同月比です。
交通・通信 ウェイト:1476
0.2(0.3)

 交通 ウェイト:224
 -0.3(0.0)
 自動車等関係費 ウェイト:836
 4.4(3.4)
 通信 ウェイト:416
 (-7.4)-5.4

エネルギーをみる上で、まず外すことができないのは「ガソリン」の物価です。
ガソリンが含まれるのがこちらの「交通・通信」であり、「自動車等関係費」にガソリンの物価が含まれています。

「交通・通信」の費目を見てみますと、「自動車等関係費」はプラス幅を増大させていますが、「交通」が前年同月比0.0%から-0.3%へ悪化。「通信」も前年同月比-5.4%から-7.4%へとマイナス幅を拡大させており、「交通・通信」全体の消費者物価としては0.3%から0.2%に上昇幅を縮小させていることが分かります。

この費目で「交通」に含まれるのはバス、電車、鉄道、飛行機などの公共交通機関の運賃です。
JR在来線が-0.4%から0.0%に改善、高速のバス代が0.0%から0.1%に改善した以外はほぼすべて横ばい。

にも関わらずなぜ「交通」の消費者物価が上昇幅を縮小させているのかというと、実は唯一「航空運賃」のみが前年同月比-2.3%から-5.6%へとマイナス幅を拡大させています。

これが「交通」の消費者物価の上昇幅を縮小させた原因です。
ただし、他の費目にはなりますが、「教養娯楽」中「宿泊料(国内旅行費)」及び「パック旅行費(海外旅行費)」を見てみますと、

宿泊料 ウェイト:113
前年同月比
3月 1.8%
2月 0.0%

パック旅行費 ウェイト:42
前年同月比
3月 4.3%
2月 4.8%

と、パック旅行費は「4.8」から「4.3」に「上昇幅を縮小」させているとはいえ、それでも4.3%の上昇ですし、国内旅行も前年比0%から1.8%に大幅に改善していますので、航空運賃(ウェイト:22)の下落は、消費者物価全体には良い影響を及ぼしているのではないでしょうか。


「自動車等関係費」の消費者物価指数

こちらは全体を一覧表示する形を取らず、ポイントとなる部分をピックアップしてみたいと思います。

「自動車関係費」の前年同月比の上昇幅を拡大させている最大の原因は皆さんご想像の通り、「ガソリン」の物価上昇です。
ガソリンの消費者物価は2月の15.8%から更に20.4%も上昇しており、このことが「自動車関係費」の消費者物価を引き上げる要因となっています。

では、「ガソリン」以外の「自動車関係費」の消費者物価はどのようになっているのでしょう。

【「自動車」の消費者物価指数前年同月比】※( )内は2月の前年同月比です。
自動車 ウェイト:199
-0.3(-0.3)

 軽乗用車 ウェイト:40
 -0.3(-0.3)

 小型乗用車(国産車) ウェイト:55
 0.1(0.1)

 小型乗用車(外車) ウェイト:5
 -9.7(-9.7)

 普通乗用車(国産車) ウェイト:01
 0.1(0.1)

 普通乗用車(外車) ウェイト:-9.7
 -0.6(-0.6)

ガソリンのウェイトが206ですから、「自動車」全体のウェイトは消費者物価指数全体に対して、ガソリンとほぼ同等の影響力を持っていることになります。

「自動車」の消費者物価の前年同月比はほぼ横ばいです。
全体の傾向として外車の物価が「小型」「普通」共大幅に下落しており、また「軽自動車」の物価も下落しています。

「自動車」全体の傾向として、外車を選択する人が減り、国産車も「軽」ではなく「普通車」を選択する人が増えているのではないか、との推測が成り立ちますね。燃費の問題等もあるのでしょうが、これは日本国内で考える上ではとてもよい傾向にあるのではないでしょうか。

「ガソリン」と同じ考え方で、「輸入車」もまたその利益の大部分は海外に吸収されますから、消費者物価全体で考える上では、例え一時的に自動車全体の消費者物価を引き下げることになったとしても国産車が選択される状況の方が好ましいと考えられます。

その他、「ガソリン」が含まれる「自動車等維持費」では、バッテリーやカーナビゲーションの消費者物価が前年度割れしていますが、たの項目は0~プラス成長で、上昇幅にも大きな変動は見られません。


【「通信」の消費者物価】

通信の消費者物価に関しては、第314回の記事 に掲載した日経ニュースにも掲載されていました様に、携帯電話機の物価が-15.9%から-26.6%にマイナス幅を大幅に拡大させており、これが最大の原因となっています。

ただ、日経ニュースでは

「春先の値引きキャンペーンが広がった携帯電話機は26.6%下落した」

と掲載されていましたが、であれば同じ現象が起きると考えられる2016年3月にも同じ様な物価の下落が起きていなければおかしなことになります。ですが、2016年3月の消費者物価前年同月比は8.8%と大幅に上昇しています。

だとすれば、「春先の値引きキャンペーン」以外にも別の理由がある、と考えるべきではないでしょうか。
記事としては非常に安易すぎる内容だと思います。


「光熱:水道」の消費者物価

【「光熱・水道」の消費者物価指数前年同月比】※( )内は2月の前年同月比です。
光熱・水道 ウェイト:745
-0.8(-2.1)

 電気代 ウェイト:356
 -2.0(-4.0)

 ガス代 ウェイト:181
 -5.2(-6.5)

 他の光熱 ウェイト:41
 29.9(29.8)

 上下水道料 ウェイト:167
 0.5(0.5)

「他の光熱」とは「灯油」のことです。
ガソリンの前年同月比が20%増、灯油の前年同月比が30%増とあり、原油から直接精製される「エネルギー」に関してはこれまでの消費者物価の足を引っ張り続ける状況から大きく改善されていることが解りますが、それ以外の「電気代」や「ガス代」については未だに下落し続けていることが分かります。

最大の理由は電力の自由化が行われ、ガス代も価格競争に巻き込まれている状況が考えられるわけですが(ガス代と電気代が前年度割れし始めるのはほぼ同時期です)、ただここで一つ考えると、原発事故が発生するまで政府や電力会社が訴え続けてきた「原発を停止すると電力不足に陥り、電気代が上昇する」として主張は誤りであったのではないか、とも考えられます。

安倍内閣を支持する私たちとしては眼をそむけたくなる一つの事例にはなりますけどね。
勿論原発以外の方法を用いて発電を行うということは、一部の再生可能エネルギーを除いて火力を用いることになりますから、海外の原油価格の動向によって左右される部分も大きくなると思います。

ただ、それでも電気代が政府や電力会社によって「搾取」されていた部分もあったとする一つの「証拠」にもなりますから、個人的にはこのあたりの説明は政府や電力会社がきちんと行う必要のある分野だと思います。

そしてその上で原発を利用し続ける必要があるのであれば、その理由をきちんと国民が納得できるようにするべきなのではないでしょうか?

勿論私は安倍内閣を支持していますし、街中でドラを叩きながら大騒ぎして反原発を叫ぶような「反原発派」や「脱原発派」ではありません。

大切なのはこういった事情を「政府を批判するための材料」にしてしまうのではなく、本当のところはどうなのか。
正しいことは正しい、誤っていることは誤っていると指摘しあえる環境をつくることなのではないかと思います。

勿論、それでも原発を利用し続けなければならない理由はあります。
仮に日本が原発を利用しなくなったとしても、海外では原発は利用し続けられますし、もし日本が原発の利用を止めれば、日本は海外に対して「核を監理する技術」という側面で大きな「後進国」となってしまいます。

こじつけの様に思われるかもしれませんが、国際関係を考える上で、これは一つの大きな理由です。

少し話が大きくなってしまいましたが、電気代やガス代の変化についても今後とも着目していきたいと思います。


さて。税収に関するカテゴリー に於きまして、長らく放置していました「2016年度の税収」の調査結果ですが、「消費者物価指数」でも2016年度年間の指標が公表されたように、「税収」に関してもこれをうかがえるデータが出てき始めました。

法人に関する「税収」は基本的に2か月間猶予期間があり、3月の納税額が出そろうのはこれから2カ月後、5月の納税額が公表された後になるのですが、それでも2016年度3月の納税額が公表されたことで、昨年度通年の予測を行う事が可能になったのではないかな、と思っていますので、次回記事ではこの「2016年度税収」についての記事を作成したいと思います。

確定しているわけではないので、記事にするのはドキドキです・・・。


この記事のカテゴリー >>「物価」の見方


<継承する記事>
第314回 平成28年度(通年)及び3月度消費者物価指数が発表されました

ということで、平成28年度(2016年度)3月消費者物価指数の内、「生鮮食品エネルギーを除く総合」が前年同月割れした理由を記事にしたいと思います。

理由のうち一つは 前回の記事 でお伝えした通り、「持ち家の帰属家賃」がマイナス成長したから。これは毎月記事にしている通りです。

実際これがなければ2016年度3月の生鮮食品及びエネルギーを除く総合はプラス成長していますから、最大の理由と言っても過言ではありません。

ですが、とはいうものの、それでもその伸び率は2月度の伸び率より縮小していますから、「持家に帰属する家賃」以外にも「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」の消費者物価が伸び悩んでいる理由、というのは存在することになります。

それではいつも通り、まずは「10大費目別消費者物価指数」から検証してみます。


2016年度3月10大費目別消費者物価指数

【10大費目別消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年2月の前年同月比です。
食料 ウェイト:2623
0.5(0.8)

 生鮮食品 ウェイト:414
 -0.4(1.4)
 生鮮食品を除く食料 ウェイト:2209
 0.7 (0.7)

住居 ウェイト:2087
-0.2( -0.2)

 持家の帰属家賃を除く住居 ウェイト:589
 0.2 (0.1)

光熱・水道 ウェイト:745
-0.8 (-2.1)

家具・家事用品 ウェイト:348
-0.8(0.6)

被服及び履物 ウェイト:412
0.6(1.3)

保健医療 ウェイト:430
0.5(0.6)

交通・通信 ウェイト:
0.2(0.3)

教育 ウェイト:316
1.0(1.0)

教養娯楽 ウェイト:989
0.7(0.4)

諸雑費 ウェイト:574
0.4(0.3)

今回見ようとしているのは「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」ですから、「食料」は「生鮮食品を除く総合」で見ます。
また前回の記事で記した通り、「持家に帰属する家賃」は架空の数字ですから、「住居」も「持家に帰属する家賃を除く住居」で見ます。

さて、こうしてみますと、
〇「食料(生鮮食品を除く食料)」は0.7→0.7と横ばい。

◎「住居(持家に帰属する家賃を除く住居)」は0.1→0.2と改善。

▲「光熱・水道」は-2.1→-0.8へと下落幅を縮小

×「家具・家庭用品」は0.6→-0.8と悪化。

△「被服及び履物」は1.3→0.6と上昇幅が縮小。

△「保険・医療」は0.6→0.5と上昇幅が縮小

△「交通・通信」は0.3→0.2と上昇幅が縮小

〇「教育」は0.1→0.1と横ばい

◎「教養・娯楽」は0.4→0.7と改善

◎「諸雑費」は0.3→0.4と改善。

と、こんな感じです。

改善しているのが 「住居」「教養娯楽」「諸雑費」 の4費目。
横ばいが 「食料」「教育」 の2費目。下落幅を縮小させているのが「光熱・水道」の1費目。

上昇幅が縮小しているのが 「被服及び履物」「保険医療」「交通・通信」の3費目。
悪化しているのが「家具・家庭用品」の1費目。

上が2016年度3月の物価上昇幅を拡大させる要因となっているのは 「住居」「教養娯楽」「諸雑費」 の3費目であり、逆に縮小させる要因となっているのは 「被服及び履物」「保険医療」「交通・通信」 の3費目、及び 「家具・家庭用品」だということになります。

「光熱・水道」に関しては「下落幅が縮小した」というだけで、物価そのものの足を引っ張っている要因であることに変わりありません。ただ、「エネルギー」の占める割合が多いですから、一旦調査対象から外します。ちなみにこの費目で唯一「エネルギー」ではない「水道」は0.5%の上昇で2月と比較して横ばいです。


ということは、やはり3月の消費者物価指数が伸び悩んでいる一番の原因はあいつ・・・ですよね、おそらく。そう。「家電製品」です。

これは、前回の記事 で掲載した日経ニュースでも

「春先の値引きキャンペーンが広がった携帯電話機は26.6%下落したほか、ノートパソコンも11.0%下がるなど耐久財が物価を押し下げた格好だ。」

と記されており、「耐久財が物価を押し下げた」ことが記されています。
ただ、「ノートパソコン」は「教養娯楽」分野であり、「家具・家庭用品」ではありませんけどね。

ということで、まずは「家具・家庭用品」を砕いてみます。


「家具・家庭用品」の消費者物価指数前年同月比


洗濯機

【「家具・家庭用品」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年2月の前年同月比です。
家具・家事用品 ウェイト:348
-0.8(0.6)

 家庭用耐久財 ウェイト:111
 -1.6(0.6)

 室内装備品 ウェイト:25
 -3.4(-3.1)

 寝具類 ウェイト:27
 2.2(1.1)

 家事雑貨 ウェイト:72
 1.4(3.7)

 家事用消耗品 ウェイト:86
 -2.3(-0.9)

 家事サービス ウェイト:27
 0.1(-0.1)

ということで、「家具・家庭用品」の中で、最も「ウェイト」の大きい「家庭用耐久財=家電」がやはり「消費者物価」の足を引っ張る要素となっていることが分かりました。

「室内装備品(カーテンやカーペット、電気など)」がマイナス幅を拡大していますが、この分野は平成26年4月~平成27年5月にかけて一時的に物価が上昇していた時期もありますが、それ以外では平成5年以降1カ月の途切れもなく前年同月割れをしている分野ですので、今回の対象からは外します。

この他、「家事雑貨」が上昇幅を縮小させており、「家事用消耗品」もまた下落幅を拡大させていますので、この2分類も調査してみます。


【「家庭用耐久財」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年2月の前年同月比です。
家庭用耐久財 ウェイト:111
-1.6(0.6)

  家事用耐久財
  -3.8(-2.7)

   電子レンジ
   -26.0(-19.5)

   電気炊飯器
   2.0(2.6)

   ガステーブル
   3.0(3.7)

   電気冷蔵庫
   -5.5 (-6.5)

   電気掃除機
   12.6(16.2)

   電気洗濯機(全自動洗濯機)
   -18.4(-20.2)

   電気洗濯機(洗濯乾燥機)
   -2.1(3.9)

  冷暖房用器具
  -0.4(5.1)

   ルームエアコン
   -0.7(5.9)

   温風ヒーター
   1.0(2.2)

   空気清浄機
   0.1(1.8)

さて。今回も一般社団法人日本電機工業会 より、メーカーベースでの「出荷台数」及び「合計出荷額」について調べてみます。

【2017年3月出荷状況(前年同月比)】
電子レンジ
出荷台数 117.2% 
出荷総額 112.7%

電気炊飯器
出荷台数 112.2%
出荷総額 106.7% 

電気冷蔵庫
出荷台数 107.5%
出荷総額 99.3% 

電気掃除機
出荷台数 109.7%
出荷総額 106.4%

電気洗濯機
出荷台数 121.5%
出荷総額 114.4% 

ルームエアコン
出荷台数 106.1%
出荷総額 104.6% 

と、こんな感じでしょうか。

見ての通り、唯一「電気冷蔵庫」の出荷総額が前年度割れしているものの、他は全て前年度オーバー。
ただ、どの項目も「出荷総額」を「出荷台数」が上回っていますので、「単価は下がったけれども、販売数量が増加した為、結果的に出荷総額が増えた」という状況も想定することは出来ます。

とはいえ、メーカーベースではきちんと「消費」は増えていることが分かります。
後はやはり販売店側の問題でしょうね。


この他、「一般家具」に関しては前年同月比2.9%。2月が2.7%ですから、「物価上昇率」としては非常に優秀な結果となっています。


「室内装備品」に関しては「照明器具」が-14.8%と大きく前年割れしていますが、「照明器具」に関してはデータが集計され始めて以来、ほぼすべての期間において前年度割れしており、どこか特定の内閣に於いて敢えてその影響を問題視する必要はないものと思われます。


「家事雑貨」に関しては、確かに前年同月比3.7→1.4と大きく上昇幅を縮小させてこそいますが、それでも1.4%という物価上昇率はそれほど悪い数字ではありません。

また、今回の「家事雑貨」という項目の中で、その最も大きな影響がみられるのは「台所用密閉容器」。つまり「タッパー製品」のことです。

理由はよくわかりませんが、この「台所用密閉容器」。2016年3月より2017年2月にかけての丸1年間、前年同月比70%超という物価上昇率を記録していました。これは、何かメーカー側の事情があったものとしか考えられません。

これが3月に入って前年同月比2.6%と落ち着いたため、このことが「家事雑貨」の消費者物価指数の上昇幅を大きく縮小させる結果となりました。ただこれは先月までが異常すぎたのであり、今月は「正常に戻った」と表現する方が正確だと思われます。


「家事用消耗品」は2月の下落幅0.9%から更に大きく物価が下落し、-2.3%となっています。

家事用消耗費の中で下落幅が広がっているのは「ティッシュペーパー」の-1.8%→-3.3%、台所用洗剤の1.4%→-3.6%の二つ。
共に石油精製品です。

正確な理由は分かりませんが、実際に原油が前年度を上回り始めたのは2016年11月以降の話であり、まだその影響が反映されきっていない、ということなのでしょうか。まあ、このあたりは特に付加価値が重要視されない分野ですから、それほど深く考える必要はないのかもしれません。


総括ですが、日経記事にもあった通り、「新生活応援」の影響もあったのかもしれませんが、やはり「家具・家庭用品」分野の内、「家電製品」の物価下落が「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」の伸び悩みに一つの大きな影響を与えているものと考えられます。

もう一つの家電分野、「テレビ、パソコン」に関しても同じ現象が起きているものと推察されますが、今回はこの分野に関しては深入りをせず、次回記事ではもう一つの気になる分野、「エネルギー」に関して調査を進めてみたいと思います。


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タイトルにございます通り、本日(4月28日)、平成28年(2016年)度通年の消費者物価指数が発表されました。

これは、勿論同時に平成28年(2016)度3月度の消費者物価も発表されたという事。
日経ニュースですと、こんな感じで報道されています。

【日経ニュースより】
消費者物価3月0.2%上昇 エネルギー除くとマイナス
2017/4/28 12:12

 総務省が28日発表した3月の全国消費者物価指数(CPI、2015年=100)は、値動きの激しい生鮮食品を除く総合指数が99.8となり、前年同月比0.2%上昇した。3.9%上昇したエネルギーが物価全体を押し上げた。エネルギーを除くベースでは0.1%下落し、13年7月以来3年8カ月ぶりにマイナスに転じた。

日経ニュースより(前年同月比)

 生鮮食品を除く総合指数は3カ月連続の上昇。ガソリンが20.4%と大きく伸びたほか、電気代や都市ガス代も前年比のマイナス幅を縮小した。国内外の旅行需要を反映し、宿泊料や外国パック旅行費も物価を押し上げた。

 ただ消費が力強さを欠くなか、エネルギー以外の物価は伸び悩んでいる。春先の値引きキャンペーンが広がった携帯電話機は26.6%下落したほか、ノートパソコンも11.0%下がるなど耐久財が物価を押し下げた格好だ。

 先行指標となる東京都区部の4月のCPIは、生鮮食品を除く総合指数で0.1%下落した。被服及び履物が0.1%下がった。昨年に比べて春夏物を値上げする動きが鈍かったという。4月中旬から小売り大手が日用品などの値下げに動いており、総務省は「ある程度は物価に反映されている」との見方を示した。

通年のニュースではなく、3月度の記事になります。

記事内容がだいぶん私が毎回掲載している記事に近くなってきたかな、とも感じます。
記事内容として、携帯電話や耐久消費財に焦点を当てているあたりがまさしく・・・といった感じですね。

記事で「消費者物価指数」と書いているのは、「生鮮食品を除く総合」であり、政府・日銀が「物価上昇」の目標としている数字で、「コアCPI」と呼ばれるものの事。

記事では、「3.9%上昇したエネルギーが物価全体を押し上げた。」と記されています。
消費者物価が下落している当時では、「エネルギー価格が全体を押し下げている」等とは書いていなかった様に記憶していますが、随分都合の良い話です。

で、記事中にある「エネルギーを除くベース」とは、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」の事。
第280回の記事 でご紹介した様に、平成28年度1月より新たに消費者物価指数に加えられた数字です。

12月までは「コアコアCPI」として、「食料およびエネルギーを除く総合」という指標がこの位置に割り当てられていましたが、これが「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」へと変更された形です。理由はリンク先 でご覧ください。
 
28年度通年のニュースも報道されているんですが、ネット上ではまだ検索にかかりませんので、今回は報道を確認できる平成28年(2016年)度3月の消費者物価指数から記事にいたします。


平成28年(2016年)度3月度消費者物価指数の見方

先ずは大枠で、「消費者物価指数総合」に関連した項目から記事にします。

【消費者物価指数総合の前年同月比】※( )内は2017年2月の前年同月比です。
総合
0.2(0.3)

生鮮食品を除く総合
0.2 (0.2)

持家の帰属家賃を除く総合
0.3(0.4)

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合
0.4(0.3)

生鮮食品及びエネルギーを除く総合
-0.1 (0.1)

こちらは2017年3月の消費者物価指数(前年同月比)です。

私は、長い間「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」を見ることが大切だ、と言い続けてきたわけですが、その「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が、遂に前年度割れしてしまいました。

ここが大切だ、と言ってきた私としては、この「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が下落した理由を追求することが今回この「消費者物価指数」に関連した記事を作成する最大の目的となります。


「持家に帰属する家賃」の見方

住居

私の記事を読んでいる方であれば、既にご承知のことと思いますが、「消費者物価指数」をみる上で、一番気を付けなければならないのはこの「持家に帰属する家賃」の存在です。

【持家に帰属する家賃」の前年同月比】※( )内は2017年2月の前年同月比です。
持家の帰属家賃を除く総合
0.3(0.4)  ウェイト:8501

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合
0.4(0.3)  ウェイト:8087

持家の帰属家賃
-0.4( -0.4) ウェイト:1499

第281回の記事 でお伝えしていますように、「持家に帰属する家賃」とは、

 「現在居住する持家が、もし持家ではなく借家であったとすると、その家賃はいったいいくらになるのか?」

という数字であり、本来そんなものに対する「消費」は全く発生していません。
そんな数字は現実には存在しない、フィクションの数字なのです。ですから、私個人の考えではありますが、この数字は本来「消費者物価指数」そのものに加えるべきではない数字です。

ちなみに上表の「ウェイト」とは、日本国で起きる全ての「消費量」を「10000」と考えたとき、持家に帰属する家賃であれば、その消費量は一体どのくらいの数字になるのか、という数字です。

日本国内で起きるすべての「消費」には共通の単位が存在しませんから、これを「加重平均」という方法を用いて平均化したもの。
私はこれを「重要度」と表現しています。

つまり、ウェイトとは、「消費者物価」を考えるとき、そのアイテムの「重要度の割合」を示したものです。
持家に帰属する家賃のウェイトは「1499」。本来日本ではそんなものの消費は全く起きていないにも拘わらず、なぜか存在する「持家に帰属する家賃」のウェイトが、なんと消費者物価指数全体の約15%も占めているのです。これははっきり言って異常です。

「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」には、そんなフィクションの数字が含まれており、その数字を差し引いた結果、前年同月比が前年度割れした、ということになります。

ですが、例えば「持家の帰属家賃を除く総合」では「持家の帰属家賃が含まれた総合」の前年同月比が0.2であることと比較して0.1ポイント増しの0.3%。この差は大きいと思います。

また、ここから「生鮮食品」を除いた「持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合」は0.4%と更に上昇幅を拡大させていることから、消費者物価指数「総合」の物価を引き下げている原因として、「生鮮食品」が影響を与えていることが分かります。

逆に上昇させている理由は「エネルギー」にあるわけですが、「持家に帰属する家賃」そのものは2月も3月も-0.4%と変化しておらず、持家に帰属する家賃を除かない「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は0.1%から-0.1%と、その下落幅は0.2%にすぎませんから、持家に帰属する家賃を除く「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は恐らく0.2%。

未だ前年同月比でプラス圏内にとどまっているものと考えられます。
私は思います。もし本当に正確に「消費者物価指数」を活用したいのであれば、「生鮮食品及びエネルギー」から、更に「持ち家の帰属家賃」を除いた「総合」も指標として加えるべきだと。


然し、それでも「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が、2月から3月にかけて下落していることには変わりありませんから、次回記事ではこの「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が下落した理由について検証してみたいと思います。


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<継続する記事>
第298回 消費者物価指数(CPI)の見方/2107年(平成29年)2月度版

さて。ついに今回は第300回。記念すべき記事となりましたね。

そんな記念すべき記事のテーマは「エネルギーの物価動向」について。
2017年2月の消費者物価指数から考えてみます。

第259回の記事 でお伝えしました様に、2016年12月より、ついに「ガソリン価格」が上昇へと転じ、次いで1月には「他の光熱費」=「灯油」の物価も上昇に転じました。

第282回の記事 では、然し確かに「原油精製品」の物価は上昇に転じたけれども、他のエネルギー価格は未だに下落したままである事をお伝えしました。


エネルギー物価の動向

エネルギー


実は、「エネルギー」というカテゴリーでの物価は10大費目とはまた別表でまとめられていて、エネルギー全体で見ることができます。

【エネルギーの消費者物価指数の前年同月比】
11月 -6.7%

12月 -4.4%

1月 -0.8%

2月 1.6%

さて。ついに「エネルギー価格」はエネルギー価格全体で物価を引き下げる要因としては機能しなくなってしまいました。

「エネルギー価格」が含まれるのは、「水道・光熱」及び「交通・通信」の2費目です。

【水道・光熱の消費者物価指数前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
光熱・水道 ウェイト:745

 電気代 -2.1 (-3.4) ウェイト:356

 ガス代 -6.5(-7.4) ウェイト:181

 他の光熱 29.8(19.7) ウェイト:41

 上下水道料 0.5(0.5) ウェイト:167

既にお伝えしていますように、「水道・光熱」全体ではマイナス幅が縮小した、とはいうものの、未だに物価上昇率はマイナスなのですが、「他の光熱(つまり灯油)」の物価上昇率は1月の19.7%から更に上昇幅を拡大し、29.8%の物価上昇率を記録しています。

「電気代」「ガス代」のマイナス幅は大きいですが、それでも共にそのマイナス幅を縮小させています。

【交通・通信の消費者物価指数前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
交通・通信 0.3(0.3) ウェイト:1476

 交通 0.0(-0.2) ウェイト:224

 自動車等関係費 3.4(2.5) ウェイト:836

 通信 -5.4(-3.8) ウェイト:416

このうち、「エネルギー価格」が含まれるのは「自動車等関係費」ですので、ここを深堀してみます。

【自動車等関係費の消費者物価指数前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
自動車等関係費 3.4(2.5) ウェイト:836

 自動車 -0.3(-0.2) ウェイト:199

 自転車 3.4(4.4) ウェイト:9

 自動車等維持 4.7(3.4) ウェイト:628
  ガソリン 15.8(11.2) ウェイト:206

自動車は残念ながら物価が減少していますね。
ただ、大切なのはそこではありません。ピックアップしましたが、「自動車等維持費」の内、「ガソリン代」。

改めて「エネルギー」に相当する項目をピックアップしますと、

【エネルギーの消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
ガソリン 15.8(11.2) ウェイト:206

電気代 -2.1 (-3.4) ウェイト:356

ガス代 -6.5(-7.4) ウェイト:181

他の光熱 29.8(19.7) ウェイト:41

下落している品目が「電気代」と「ガス代」、上昇している品目が「ガソリン」と「他の光熱(灯油)」でとなります。

下落している品目のウェイトを合算すると「537」、上昇している品目のウェイトを合算すると「247」で、下落している品目のウェイトは上昇している品目のウェイトを2倍以上上回っているのですが、それを完全に打ち消すほどの伸び率を「ガソリン」及び「灯油」が示していますので、結果的にエネルギーの消費者物価指数は全体でプラスの前年同月比を示しています。


エネルギーの消費者物価指数が上昇に転じた意味

「エネルギーの消費者物価が上昇に転じた」と言っても、実際に上昇しているのは「灯油」と「ガソリン」の2項目のみで、残る「電気代」と「ガス代」は未だに前年同月比でマイナスを維持しています。

ですが、先日の報道では新年度(2017年度)より、再生可能エネルギー費用を電気代に上乗せする、と言った報道も流れています。

【日経新聞ニュース】
再生エネの電気代上乗せ、17年度は月686円 100円増に
2017/3/14 20:46

 経済産業省は14日、再生可能エネルギーの導入による電気代への上乗せが、2017年度は標準家庭で月額686円といまより約100円増えると発表した。太陽光や風力発電の導入が増え、電力大手の買い取りコストが膨らむためだ。5月の検針分から適用する。

 再生エネは電力大手が事業者から電気を買い取り、費用を電気代に上乗せして回収する。17年度は家庭で使う電気1キロワット時あたり2.64円が上乗せされ、16年度より0.39円多くなる。毎月の使用量が260キロワット時の標準家庭の場合、年間8232円の負担になる。再生エネの電気の買い取り制度が始まった12年度と比べると10倍以上の水準だ。

 太陽光や風力などの電気は高値での買い取りが保証されてきたため、導入が急速に広がった。17年度の買い取り費用の総額は2兆7045億円と16年度に比べて4千億円ほど増える見通しだ。

 経産省は12年度に1キロワット時あたり40円だった太陽光の電気の価格を16年度は24円まで下げた。17年度からは入札制を取り入れ、さらに安い電気を優先して買う。風力も17年度に初めて値下げし、上乗せの膨張を抑える。

問題になるのは、「エネルギー価格」とは、基本的に「原価」に相当する部分で、このことで収入の増える日本人が誰もいない、ということです。

勿論、引用したニュースの様に、買取を前提とした再生可能エネルギーであれば、電力を販売した事業者は儲かりますから、その分GDP上昇にも貢献はするでしょう。

今後、物価をみる上で大切になってくるのは、仮にエネルギー価格が継続的に上昇した場合、「エネルギー価格の上昇」に伴う物価上昇を根拠として物価が上昇したかどうかを判断するのではなく、エネルギーの物価を除外して、それでも他の物価がきちんと上昇しているのかどうか。これを見る姿勢がとても大切になってきます。

改めて、私流「10大費目別消費者物価指数」を見てみましょう。

【10大費目別消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
生鮮食品を除く食料 0.7(0.6)

持ち家の帰属家賃をを除く住居 0.1(0.3)

光熱・水道 -2.1(-3.4)

家具・家庭用品 0.6(-0.1)

被服及び履物 1.3(1.1)

保健医療 0.6(0.5)

交通・通信 0.3(0.3)

教育 1.0(1.5)

教養娯楽 0.4(0.9)

諸雑費 0.3(0.4)

このうち、「エネルギー物価」が含まれるのは「光熱・水道」「交通・通信」の二つですから、この2項目を除外して考えても、他の項目は全てプラス成長していますね?

「持ち家の帰属家賃をを除く住居」の伸び率が0.1%と低迷してこそいますが、私の中で、物価上昇率の基準は「名目3%、実質2%の1%の物価上昇率」です。


これについては、日銀黒田総裁も私と同じ考え方をしていて、日銀が物価上昇率としてコア2%を目指しているのは、「消費者物価指数は下方バイアスがかかりやすいため」であり、2%上昇を果たせばバイアスを取り除いたとしても1%の物価上昇は果たせている、と考えられるから。

黒田さんが本当に目指している物価上昇率は、実は2%ではなく1%なんですね。
これは私が敬愛する麻生さんも一緒。

麻生内閣時代の物価上昇率こそ、私が表現した「名目3%、実質2%の1%の物価上昇率」でした。

これを3年連続で達成して初めて消費増税の議論に入る・・・としていたわけですが、消費増税に関してはこれを達成しないまま、引き上げてしまいましたね。

まあ、事後的ではありますが、これを達成することができれば、国民の消費増税に対する負担が軽減される、と考えられています。

私の中の消費増税の基準年は、麻生内閣がスタートした2008年をベースで考えていますが、2008年の家計最終消費支出(持家に帰属する家賃を除く)は232兆円です。端数まで含めて、これが3%上昇すると考えると、家計最終消費支出は6.96兆円増えることになります。

そうすると、増額した翌年の家計最終消費支出は239兆円。その3%は7.17兆円。
その翌年の家計最終消費支出は246.兆円。その3%は7.39兆円。

これを6.96兆円、7.17兆円、7.39兆円を合算すると約21.5兆円となります。

一方、2008年の消費税収が10.25兆円で、仮にこの時の消費税率が10%、国庫負担分が現在政府が想定している8.2%であったとすると、10%時の消費税収は19.9兆円となります。

消費税収=家計の税収負担は約10兆円増えるわけですが、家計の収入は3年間で税収の約2倍増える計算になります。

まあ、これほど単純な計算結果にはならないでしょうが、この様な結果をめざすのであれば、実際に2%もの物価上昇は必要ないのではないか、と個人的に思うわけです。


改めて、「私式10大費目別消費者物価指数」を見ていただいて、いかがでしょう。
そんなに悪くないんじゃない、って思いません?

小分類品目別に絞っていくと、まだまだ改善が必要な品目があることは事実ですが、ひょっとしてアベノミクスってうまく行ってるんじゃない、って思いません?

その最終成果がみられるのは、実は来月よりその影響が見え始める「2016年度の所得・法人・消費税収」の結果です。
実は2月までの数字は出ているのですが、前年同月比ベースで見て、正直、あまり結果は芳しくありません。

ただ、一つからくりがございまして、「法人の申告分所得税」、「法人税」「消費税」については「事業年度末」(12月が事業年度末であれば12月末、3月が事業年度末であれば3月)から2か月以内が「申告期限」とされています。

勿論3月を決算期としている企業が多いですから、3月末~5月末に最も多く納税されますので、実はまだ本当に納税額が多いのか少ないのかはわからない・・・という事実があります。

3月末が決算であったとすると、その申告はどんなに早くても4月になるでしょうから、2017年度の本当の納税額が分かるのは4月以降、ということになりますね。

残る3か月の数字を楽しみにしています。


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<継続する記事>
第298回 消費者物価指数(CPI)の見方/2107年(平成29年)2月度版

さて。前回の記事に引き続き、2017年度消費者物価指数について記事にしてみたいと思います。

前回の記事で予告しました通り、今回の記事のテーマは「家電製品の消費者物価指数」です。

家電製品に関しては、1月度の記事 でも「それでも上昇しない消費者物価指数」とのタイトルで、他の消費者物価指数が軒並み改善する中で、唯一「家電製品」だけが未だに伸び悩んでいることをピックアップして取り上げました。

改めて、2017年消費者物価指数10大費目についておさらいしておきます。

【10大費目別消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
生鮮食品を除く食料 0.7(0.6)

持ち家の帰属家賃をを除く住居 0.1(0.3)

光熱・水道 -2.1(-3.4)

家具・家庭用品 0.6(-0.1)

被服及び履物 1.3(1.1)

保健医療 0.6(0.5)

交通・通信 0.3(0.3)

教育 1.0(1.5)

教養娯楽 0.4(0.9)

諸雑費 0.3(0.4)

「食料」及び「住居」については、より実体経済に近い部分を抽出して、「生鮮食品を除く食料」「持ち家の帰属家賃を除く家賃」を掲載しています。

前回の記事 でもお伝えしました通り、長らく低迷を続けてきましたこの「消費者物価指数」も、ついに「水道・光熱」を除くすべての費目について前年同月比プラス成長を達成しました。

「水道・光熱」がマイナスを記録している理由は、ここに「エネルギー価格」が含まれているからなんですが、ここも含めてエネルギー価格に関連した記事は次回作成いたします。

今回テーマとする「家電製品」が含まれるのは、「家具・家庭用品」及び「教養娯楽」の二つの費目です。

10大費目別では、「家具・家庭用品」「教養娯楽」とも前年比でプラス成長を果たしています。
特に「家具・家庭用品」は1月まで前年比マイナス成長を続けていましたから、漸く・・・といった感じです。

ただ、その内訳を見てみますと、この項目の根本的な課題が解決された・・・というわけではないようです。


家具・家庭用品の消費者物価指数

洗濯機

【「家具・家庭用品」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。

家具・家事用品 0.6(-0.1) ウェイト:348

 家庭用耐久財 0.6(-1.3) ウェイト:111

 室内装備品 -3.1(-4.0) ウェイト:25

 寝具類 1.1(1.1) ウェイト:27

 家事雑貨 3.7(3.7) ウェイト:72

 家事用消耗品 -0.9(-1.1) ウェイト:86

 家事サービス -0.1(0.0) ウェイト:27

比較しやすいように、ウェイト(重要度)も併記しました。

ご覧いただきますとわかりますように、「ウェイト」つまり「重要度」の最も大きな「家庭用耐久財」の消費者物価指数が前年同月比で最も伸びており、これが「家具・家事用品」の物価上昇に大きく貢献していることが分かります。

そして、今回テーマとしている「家電製品」もこの中分類品目の中に含まれています。

【「家庭用耐久財」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
家庭用耐久財 0.6(-1.3) ウェイト:111

 家事用耐久財 -2.7(-4.8) ウェイト:57

 冷暖房用器具 5.1(2.7) ウェイト:37

 一般家具 2.7(2.6) ウェイト:18

「家庭用耐久財」は「家事用耐久財」と「冷暖房器具」及び「一般家具」の3つの小分類で構成されています。

そう。ご覧の通り、今回「家具・家庭用品」の消費者物価指数を大きく引き上げた最大の理由は、「冷暖房器具」の前年同月比が大幅に上昇したことにあります。

品目はこんな感じ。
  ルームエアコン 5.9(3.0)

  温風ヒーター 2.2(0.0)

  空気清浄機 1.8(4.1)

「ルームエアコン」が大きく牽引していることがわかります。
一方、もう一つの「家電製品」である「家事用耐久財」はこんな感じ。
  電子レンジ -19.5(-28.7) ウェイト:4

  電気炊飯器 2.6(0.3) ウェイト:11

  ガステーブル 3.7(4.8) ウェイト:3

  電気冷蔵庫 -6.5(-7.8) ウェイト:16

  電気掃除機 16.2(14.7) ウェイト:9

  電気洗濯機(全自動洗濯機) -20.2(-20.3) ウェイト:7

  電気洗濯機(洗濯乾燥機) 3.9(0.7) ウェイト:7

「ガステーブル」は家電ではありませんが、それ以外は全て「家電」品目です。
「電気炊飯器」「電気掃除機」「電気洗濯機(洗濯乾燥機)」の3つが上昇する中で、「電子レンジ」「電気冷蔵庫」「電気洗濯機(全自動洗濯機)」の3つが物価を引き下げています。

「電子レンジ」「電気洗濯機(全自動洗濯機)」の2項目は二桁のマイナス幅を記録しています。
また、「電気冷蔵庫」は6%を超えるマイナス幅を記録している上に、「ウェイト(重要度)」も「家事用耐久財」全体57の内11となっていますので、その影響を無視することは出来ません。

但し、メーカー側の出荷状況(日本電機工業会データ)を見ますと、

【2017年2月出荷状況(前年同月比)】
電子レンジ
 数量:115.9%
 金額:110.8%

電気洗濯機(全体)
 数量:112.3%
 金額:112.2%

電気冷蔵庫
 数量:101.2%
 金額:101.0%

となっていますので、消費者物価指数側の数字の算出方法を100%信頼するのだとすれば、これは物価そのものの問題ではなく、販売店側の販売手法の問題である、ということもわかります。


教養娯楽の消費者物価指数

テレビ

【「教養娯楽」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
教養娯楽 0.4(0.9) ウェイト:989

 教養娯楽用耐久財 -4.2(-3.6) ウェイト:59

 教養娯楽用品 0.1(0.6) ウェイト:210

 書籍・他の印刷物 0.5(0.2) ウェイト:128

 教養娯楽サービス 0.9(1.6) ウェイト:592

「教養娯楽」は全体のウェイトも989と大きくなっています。

1月の前年同月比0.9から上昇幅が0.4と縮小しているわけですが、その最大の理由は「教養娯楽用耐久財」のマイナス幅が拡大している事。

その他、「教養娯楽用品」「教養娯楽サービス」も上昇幅を縮小させており、それぞれウェイトが大きくなっていますので、「教養娯楽用耐久財」を深堀した後で、この2項目についても軽く見てみたいと思います。

【「教養娯楽用耐久財」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
教養娯楽用耐久財 -4.2(-3.6) ウェイト:59

 テレビ -6.1(-3.4) ウェイト:15

 携帯型オーディオプレーヤー 0.6(-0.4) ウェイト:1

 電子辞書 17.3(-2.0) ウェイト:1

 ビデオレコーダー 3.2(0.6) ウェイト:4

 パソコン(デスクトップ型) -8.4(-7.0) ウェイト:8

 パソコン(ノート型) -10.6(-10.7) ウェイト:14

 プリンタ 9.6(7.5) ウェイト:2

 カメラ 8.6(4.7) ウェイト:4

 ビデオカメラ -17.1(2.0) ウェイト:2

 ピアノ 0.0(0.0) ウェイト:5

 学習用机 2.0(1.6) ウェイト:3

はい。ここでもやはり物価上昇率を伸び悩ませている最大の原因は「テレビ」及び「パソコン」の家電製品。

こちらもメーカー側の出荷状況(電子情報技術産業協会データテレビパソコン)を見てみます。

【2017年2月出荷状況(前年同月比)】
映像機器全体の出荷額:96.1%
 内薄型テレビの出荷台数:95.2%

パソコン
 出荷台数:114.7%
 出荷金額:114.5%

となっています。
テレビに関しては大分消費者物価指数の示す数字と現実の数字が近づいてきている様ですね。
つまり、出荷ベースで見ても販売ベースで見ても、「伸び悩んでいる」と。

PCは出荷ベースと販売ベースでの数字に大きな開きが見られます。
こちらも「販売側の問題」ということでしょうか。

日銀・安倍内閣の目指す「物価上昇率」を達成する上で、残るネックとなってくるのは「家電製品」のみ。
ピンポイントで何が問題であるのか、ということがようやく顕在化してきましたね。


「教養娯楽用品」と「教養娯楽サービス」

ここは、物価上昇率としてはプラスの数字を示していますから、軽く触れる程度にしておきます。

「教養娯楽用品」の中でマイナス幅が大きく、同時に「ウェイト」も大きな品目として、「運動用具類」と「玩具」。この二つの項目が挙げられます。

教養娯楽用品全体のウェイト210に対し、運動用具類が52、玩具が21となっています。

運動用具類は1月の-1.2%から-0.7%にマイナス幅を縮小させているのですが、玩具は-1.4%から-1.6%にマイナス幅を拡大させています。

玩具全体の中でウェイトが大きいのは「組み立て玩具」の8。
前年同月比は-0.5%から-1.3%に拡大しています。

下落幅が大きいのは、ウェイトとしては「1」と非常に少ないのですが、下落幅が-14.2を記録している家庭用ゲーム機据え置き型。
一方で携帯型は0.1%とプラス成長していますから、時代の流れを感じますね。


次回記事では、冒頭でお伝えした通り、「エネルギー価格」の変動に着目して記事を作成してみたいと思います。


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先月末(2017年3月末)、2017年2月の消費者物価指数が公表されましたので、今回はこの内容について記事にしたいと思います。
振り返りで、1月の消費者物価指数 の特徴として、何よりも大きいのは、政府の公表する「消費者物価指数(総合)」の項目が変化した、という事。

これまでは、「コアCPI」として、「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」という名称が割り当てられていたのですが、1月よりこの名称が「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」に変わりました。

勿論、項目として「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」という項目そのものがなくなったわけではないのですが、政府が重要視して公表していました、「消費者物価指数(総合)」「コアCPI(生鮮食品を除く総合)」「コアコアCPI(食品(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合)」という項目の「コアコアCPI」の内容が「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」に置き換えられたということです。

項目の重要性に就いては1月の消費者物価指数 にてごらんいただきたいのですが、これまで政府ではなく日銀が公表していたデータを政府も採用し、こちらの方が重要だ、と考えるようになったということです。

その他、2016年度までの消費者物価指数の中でずっと足を引っ張り続けてきていたのが「エネルギー価格」と「家電製品」の2つだったのですが、2016年12月、「エネルギー価格」の内「原油価格」に由来する品目の消費者物価指数がついに上昇へと転じ、これが1月も継続したという事。

この2点が大きな特徴だったかと思います。

2017年2月の分析はは先ず消費者物価指数の全体像から行っていきます。


消費者物価指数(総合)

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【消費者物価指数総合の前年同月比】
※( )内は2017年1月の前年同月比です。
消費者物価指数(総合) 0.3(0.4)

生鮮食品を除く総合(コアCPI) 0.2(0.1)

持家の帰属家賃を除く総合 0.4(0.6)

生鮮食品及びエネルギーを除く総合(コアコアCPI) 0.1(0.2)

「生鮮食品を除く総合(コアCPI)」以外は軒並み伸び率が鈍化していますね。
ちなみにもう一つ、「持ち家の帰属家賃を除く総合」を加えていますが、この理由については第281回の記事 をご参照ください。

このうち、私が重要視している新コアコアCPI=「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は0.1%と伸び悩んでいます。
なぜこの「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が伸び悩んでいる様に見えるのか。

このことを検証するため、今度は「10大費目別消費者物価指数」を見てみましょう。


10大費目別消費者物価指数

【10大費目別消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
食料 0.8(1.8)
生鮮食品 1.4(8.0)
生鮮食品を除く食料 0.7(0.6)

住居 -0.2(-0.2)
持ち家の帰属家賃をを除く住居 0.1(0.3)

光熱・水道 -2.1(-3.4)

家具・家庭用品 0.6(-0.1)

被服及び履物 1.3(1.1)

保健医療 0.6(0.5)

交通・通信 0.3(0.3)

教育 1.0(1.5)

教養娯楽 0.4(0.9)

諸雑費 0.3(0.4)

解りますでしょうか?
「住居」に関しては、「持ち家の帰属家賃」は統計上実際には存在しない架空の数字であり、まったく重要性のない数字であることは散々お伝えしている通りで、「食料」に関しても「生鮮食品」は「利益」ではなく「原価」の増減によって物価が左右されますので、「生鮮食品を除く食料」の方が数字としては大切になる、ということも既にお伝えしているとおりです。

ですので、
生鮮食品を除く食料 0.7(0.6)

持ち家の帰属家賃をを除く住居 0.1(0.3)

光熱・水道 -2.1(-3.4)

家具・家庭用品 0.6(-0.1)

被服及び履物 1.3(1.1)

保健医療 0.6(0.5)

交通・通信 0.3(0.3)

教育 1.0(1.5)

教養娯楽 0.4(0.9)

諸雑費 0.3(0.4)

の10項目で見ることで、政府が目指す「物価上昇率」により近い状況を見ることができることができます。

さて、いかがでしょう。
遂に、「光熱・水道」を除くすべての10大費目で前年同月比プラスを達成することができました。

では、私が重要視している「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」ですが、一つ言えるのは、

 「住居」費目で、「住居」全体の前年同月比が -0.2%、
 持ち家の帰属家賃をを除く住居の前年同月比が0.1%

となっていますが、前述しました通り持ち家の帰属家賃はフィクションの数字ですから、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」から更に「持ち家の帰属家賃」を除くと新コアコアCPIももう少し数字は大きくなります。必要なデータだと思うんですけどね、この項目。

ただ、それ以上に、「持ち家の帰属家賃をを除く住居」が1月より伸び悩んでいますので、「持ち家の帰属家賃をを除く住居」そのものも新コアコアCPIが1月より伸び悩んでいる理由の一つとなっています。

理由は、「設備修繕・維持」の中分類品目が1.0%から0.6%に鈍化したから。
ただ、それ以上に「家賃」が-0.4%の下落幅を維持していますので、「住居」費目をみる上ではこの「家賃」の下落が継続していることがウィークポイントとなっています。

この他、「教育」「教養・娯楽」「諸雑費」の3つの費目で上昇幅が鈍化しています。

「教育」では、「補習教育」が0.9%から-0.6%に下落したことが、「諸雑費」では「理美容サービス・理美容用品」の物価が下落したことがその要因となっています。

「教育娯楽」は後日記事にて触れる予定ですので、今回の記事では割愛します。

上昇幅が鈍化している項目をウェイト(重要度)別に見てみますと、
持ち家の帰属家賃をを除く住居 0.1(0.3) ウェイト:589

教育 1.0(1.5) ウェイト:316

教養娯楽 0.4(0.9) ウェイト:989

諸雑費 0.3(0.4) ウェイト:574

となります。「割愛する」と言いましたが、「教養娯楽」のウェイトが最も大きく、鈍化した幅も0.5%と、「教育」と並んで最も大きな鈍化幅となっていますね。

実はこの費目、「教養娯楽用耐久財」、「教養娯楽用品」、「書籍・他の印刷物」、「教養娯楽サービス」の4つの中分類品目で構成されています。

このうち、プラス幅が上昇しているのは「書籍・他の印刷物」だけで、他は全て上昇幅が縮小しており、「教養娯楽用耐久財」に至ってはマイナス幅が-3.6から-4.2に拡大しています。

「教養娯楽用耐久財」、つまり「テレビ」のことですね。
勿論テレビだけではありませんが、これまで足を引っ張り続けてきた「家電」の分野です。

ところが、実は今回の調査データの中で、もう一つの家電分野が含まれる、「家具・家庭用品」費目はマイナス成長からついにプラス転換しています。「家庭用耐久財」もまたプラス成長しているんですよね。


ということで、次回記事では、この「家電製品」ともう一つ、「教養娯楽用品」の中で物価の上昇幅を鈍らせた原因となっている「教養娯楽サービス」についても記事にしてみたいと思います。


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<継続する記事>
第282回 マスコミが3年4か月間付き続けてきた嘘/2017年(H29)1月CPIより

さて。2017年1月消費者物価指数記事の続きです。

賢明な方はもうお気づきですね。
「それでも上昇しない消費者物価指数」。つまり「家電製品」のことです。

「住居」を「持家に帰属する家賃を除く住居」に置き換えると、「10大費目別消費者物価指数」の内、前年度割れを記録しているのは既に「水道・光熱」及び「家具・家事用品」の2つだけ。

「水道・光熱」に関しては既に情報を掲載していますので、残る「家具・家庭用品」及び「教養・娯楽」中「教養娯楽用耐久財」について記事にしたいと思います。


「家具・家庭用品」の消費者物価指数

洗濯機
【「家具・家事用品」の前年同月比】※〔 〕内はウェイト、( )内は12月の前年同月比です。
家具・家事用品〔348〕
 -0.1(-1.0)

 家庭用耐久財〔111〕
 -1.3(-3.8)

 室内装備品〔25〕
 -4.0(-3.7)

 寝具類〔27〕
 1.1(0.1)

 家事雑貨〔72〕
 3.7(4.0)

 家事用消耗品〔86〕
 -1.1(-1.7)

 家事サービス〔27〕
 0.0(0.6)

今回対象としたいのは、この内「家庭用耐久財」についてですが、他の項目に関しても概要だけ記載しておきます。

下落している項目は「室内装備品」及び「家事用消耗品」の二つ。
「室内装備品」は「室内時計」「照明器具」「カーペット」「カーテン」の4つ。

この内、「前年同月比」でマイナス幅が大きいのは「照明器具(-14.9%)」なんですが、この項目は平成10年4月より、永続的に前年度割れを継続していますので、安倍政策とは関連性のない理由によるものと考えられます。

其の他「室内時計」「カーペット」も前年度割れを記録していますが、ウェイトが共に一桁で、全体への影響は小さいと考えられますから、この場では割愛いたします。

また、「家事用消耗品」はそのほぼ全てが紙類や洗剤、防虫剤関係でその原料として「原油」が用いられています。
ガソリンや灯油で見れば物価は前年度を上回りましたが、原油から生成される加工品ではまだその影響が残っている、ということでしょうか。

それでは本命の「家庭用耐久財」へと話題を進めます。


「家庭用耐久財」の消費者物価指数

【「家庭用耐久財」の前年同月比】※〔 〕内はウェイト、( )内は12月の前年同月比です。
家庭用耐久財〔111〕
 -1.3(-3.8)

 家事用耐久財〔57〕
 -4.8(-8.3)

 一般家具〔18〕
 2.6(0.6)

「一般家具」に関しては、2016年7月~10月にかけて前年度割れを記録していましたが、11月より回復し、1月にはついに2%越え(政府目標物価上昇率の達成)を果たしていますね。

さて。ではもう一つ、「家事用耐久財」について。

【「家庭用耐久財」の前年同月比】※〔 〕内はウェイト、( )内は12月の前年同月比です。
家事用耐久財〔57〕
 -4.8(-8.3)

 電子レンジ〔4〕
 -28.7(-28.5) 

 電気炊飯器〔11〕
 0.3(-1.0)

 ガステーブル〔3〕
 4.8(3.2)

 電気冷蔵庫〔16〕
 -7.8(-12.1)

 電気掃除機〔9〕
 14.7(4.7)

 電気洗濯機(全自動洗濯機)〔7〕
 -20.3(-20.0)

 電気洗濯機(洗濯乾燥機)〔7〕
 0.7(-2.9)

 冷暖房用器具〔37〕
 2.7(1.8)

  ルームエアコン〔30〕
  3.0(2.7)

  温風ヒーター〔4〕
  0.0(-8.7)

  空気清浄機〔3〕
  4.1(10.6)

さて、いかがでしょうか。「エネルギー価格」に続く消費者物価下落の犯人の一つであったこの「家事用耐久財」。
ですが、少し変化が見られるようになって来ましたね。

「家電」ではありませんが、「ガステーブル」は5月より10月にかけての前年度割れから回復し、12月が3.2%、1月が4.8%と、政府目標を大幅に上回っています。

また、「電気掃除機」に至っては、2015年7月の-1.2%から、翌8月の-10.1%。依頼二けたを超えるマイナス幅を継続し、20%のマイナス幅を頻繁に刻み続ける中、ついに12月に4.7%と前年度をクリア。そして更に1月はなんと14.7%のプラス幅を達成しています。

「電気洗濯機(洗濯乾燥機)」も長らく前年度割れを継続し、9月には最大26.7%の前年度割れを記録していたのですが、2017年1月、ついに前年度をクリアし、0.7%のプラス成長を達成しました。

「ルームエアコン」~「空気洗浄機」までは全て「冷暖房用器具」に含まれますが、冷暖房器具全体では1月~7月まで前年度割れを記録していましたが、8月にプラスに転じ、9月に0%を記録するものの、それ以降は毎月プラス成長。1月は2.7%と、こちらも政府目標を達成してます。

残る品目は

 「電子レンジ」の-28.7%、「電気冷蔵庫」の-7.8%、「電気洗濯機(全自動洗濯機)」の-20.3%

この3つです。何れもマイナス幅が大きく、消費者物価指数全体に対しても重しとなっていますが、多くの品目で2%を超える物価上昇率を達成していることは明るいニュースだと思います。

この分野は生産者側の出荷額・出荷量と消費者側の支出額との間に乖離が大きく、ジャ〇ネットタ〇タさんを筆頭に、家電業界が安売り競争を繰り広げている事がそもそも「物価下落」の最大の原因だと考えられます。


「教育娯楽用耐久財」の消費者物価指数

テレビ

【「教育娯楽用耐久財」の前年同月比】※〔 〕内はウェイト、( )内は12月の前年同月比です。
教養娯楽用耐久財〔59〕
 -3.6(-4.9)

 テレビ〔15〕
 -3.4(-11.4)

 携帯型オーディオプレーヤー〔1〕
 -0.4(0.1)

 電子辞書〔1〕
 -2.0(0.8)

 ビデオレコーダー〔4〕
 0.6(-2.9)

 パソコン(デスクトップ型)〔8〕
 -7.0(-6.7)

 パソコン(ノート型)〔14〕
 -10.7(6.1)

 プリンタ〔2〕
 7.5(6.4)

 カメラ〔4〕
 4.7(5.1)

 ビデオカメラ〔2〕
 2.0(1.1)

 ピアノ〔5〕
 0.0(0.0)

 学習用机〔3〕
 1.6(0.8)

ここでネックとなるのはやはり「テレビ」と「パソコン」ですね。
パソコンに関しては昨年の8月以降にWindows10への無料アップデートが行われたことなども影響しているのでしょうか。

タイミング的に、パソコンが前年割れを始めたのが2016年9月以降ですから、丁度符号がマッチします。

テレビに関しては、確かにマイナス幅は前年比3.4%と決して小さくはありませんが、2016年7月以降、二けたを超える下落幅を継続していたことから考えると、漸く落ち着いてきたかな、という感じを受けます。

店頭での大安売りからテレビショッピング、ネット通販と移行してきた家電の値下げ合戦ですが、何時までも値段を下げ続けられるわけがありません。きちんと利益を確保しなければ企業の営業活動にも限界がありますからね。

値下げしたとしても、そのことで企業がきちんと利益を確保できていれば問題はないのですが、果たしてその辺り、どうなのでしょうね。

来月以降の消費者物価の動向にも着目していきたいと思います。


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<継続する記事>
第282回 マスコミが3年4か月間付き続けてきた嘘/2017年(H29)1月CPIより

前回の記事の続きです。

前回の記事では、2017年の消費者物価指数が上昇した理由として、「原油価格」が「前年同月比」で上昇に転じたことで、「原油由来製品」の「エネルギー価格」が上昇に転じたことは、確かに物価を押し上げていると言えないことはありませんが、「エネルギー価格全体」ではいまだに「前年度割れ」が続いている状態であり、「物価を引き下げる要因」として働いている事をお伝えしました。

つまり、2017年の消費者物価全体で見る場合、エネルギー価格が全体で0.8%押し下げている「物価」を補てんして尚、消費者物価全体を押し上げている「品目」があるということ。

今回の記事は、2017年の消費者物価全体の中で、エネルギー価格のマイナス幅を受けて尚消費者物価全体を押し上げている「品目」を探り出すことを目的としています。


改めて、「10大費目別消費者物価指数」を検証します

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【10大費目別消費者物価指数】※( )内は12月の前年同月比です。
総合
 0.4(0.3)
 生鮮食品を除く総合
 0.1(-0.2)
 生鮮食品及びエネルギーを除く総合
 0.2(0.1)

食料
 1.8(2.5)
 生鮮食品を除く食料
 0.6(0.5)

住居
 -0.2(-0.2)
 持家の帰属家賃を除く住居
 0.3(0.2)

光熱・水道
 -3.4(-4.8)

家具・家事用品
 -0.1(-1.0)

被服及び履物
 1.1(0.6)

保健医療
 0.5(0.8)

交通・通信
 0.3(-0.7)

教育
 1.5(1.5)

教養娯楽
 0.9(0.5)

諸雑費
 0.4(0.3)

「生鮮食品を除く総合」と「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」で比較してみますと、前年同月比で0.1%の違いがありますから、エネルギーだけで消費者物価指数全体を0.1%分引き下げる原因として働いていることが分かりますね。

ちなみに、「持家の帰属家賃を除く総合」で消費者物価指数総合が前年度比0.6%。除かない総合が0.4%ですから、「持家に帰属する家賃」だけで消費者物価指数全体を0.2%も引き下げる要因として働いていることもわかります。

この様にしてみますと、「10大費目」の中で、消費者物価指数を引き下げる要因として働いているのは「水道・光熱」及び「家具・家事用品」のみ。「家具・家事用品」が下落している理由は、私のブログをずっと読んでいただいている方にはもう想像がついていますね?

このことに関してはまた後日記事にします。

整理しますと、
生鮮食品を除く食料〔2209〕
 0.6(0.5)

持家の帰属家賃を除く住居〔589〕
 0.3(0.2)

被服及び履物〔412〕
 1.1(0.6)

保健医療〔430〕
 0.5(0.8)

交通・通信〔1476〕
 0.3(-0.7)

教育〔316〕
 1.5(1.5)

教養娯楽〔989〕
 0.9(0.5)

諸雑費〔574〕
 0.4(0.3)

これらの項目が2017年1月の消費者物価を引き上げる要因として働いています。
ウェイト(重要度)として大きいのは、「生鮮食品を除く食料」及び「交通通信」、あと、「教養娯楽」の3項目ですね。
「持家に帰属する家賃を除く住居」も決して低くはありませんね。

「交通・通信」に関しては、前回の記事 にも掲載しましたね。

中分類で「交通」「自動車等関係費」「通信」の2つに分類されており、「交通」と「通信」は未だにマイナス。
唯一「自動車等関係費」のみがプラス成長していて、「交通・通信」全体を0.3%成長と押し上げていることをお示ししました。

更に、「自動車等関係費」の中分類を更に絞って、小分類で掲載し、「自動車等関係費」の中でも、「自転車」と「自動車等維持」という二つの品目がプラス成長していることをお示ししました。

ただ、「自動車等維持費」の品目を全品目掲載できていなかったようですので、改めて「自動車等維持」の品目別のみ再掲載します。

【自動車等維持消費者物価指数】※〔 〕内はウェイト、( )内は12月の前年同月比です。
自動車等維持〔628〕
 3.4(0.4)

 ガソリン〔206〕
 11.2 (1.6)

 自動車タイヤ〔30〕
 0.7(1.1)

 自動車バッテリー〔8〕
 -0.8(0.1)

 カーナビゲーション〔21〕
 -3.0(-6.4)

 自動車整備費(定期点検)〔28〕
 0.6(0.7)

 自動車整備費(パンク修理)〔22〕
 0.3(0.3)

 自動車オイル交換料〔12〕
 0.8(0.8)

 車庫借料〔51〕
 0.0(0.1)

 駐車料金〔9〕
 1.3(1.3)

 自動車免許手数料〔2〕
 0.0(0.0)

 レンタカー料金〔5〕
 0.5(0.3)

 洗車代〔2〕
 0.4(0.5)

 ロードサービス料〔3〕
 0.0(0.0)

 自動車保険料(自賠責)〔41〕
 0.0(0.0)

 自動車保険料(任意)〔189〕
 0.3

ウェイト(重要度)が最も大きいのは「ガソリン」であり、ここの前年同月比での伸び率が最も大きいことから、自動車維持費3.4%の伸び率に対して影響が一番大きいのが「ガソリン」であることは間違いありません。

ただ、「自動車等維持」の項目の中でマイナスを記録しているのは「自動車バッテリー」及び「カーナビゲーション」の二品目のみで、他は全てプラス成長、もしくは横ばいであることが分かります。

この他、「交通」の中分類品目の中でも、小分類「鉄道運賃」「一般バス代」「タクシー代」「航空運賃」「有料道路料」の中で、前年度割れを記録しているのは「航空運賃」のみ。他は全て横ばい、もしくはプラス成長です。

また同じく中分類品目「自動車等関係」中、小分類で前年度を割っているのは「自動車」のみですが・・・

【自動車消費者物価指数】※〔 〕内はウェイト、( )内は12月の前年同月比です。
自動車〔199〕
-0.2(0.1)

 軽乗用車〔40〕
 -0.3(0.3)

 小型乗用車A(国産車)〔55〕
 0.1(0.3)
 
 小型乗用車B(輸入車)〔5〕
 -9.7(-9.7)

 普通乗用車A(国産車)〔80〕
 0.1(0.3)

 普通乗用車B(輸入車)
 0.8(0.8)

と、こんな感じ。
小型輸入車が-9.7%と下げ幅が大きくなっていますが、これは12月も同様で、12月自動車全体としてはプラス成長していますので、1月特有の状況として、やはり軽自動車のマイナスが自動車の消費者物価に大きく影響しています。

ですが、それでも軽自動車と小型輸入車以外の消費者物価は上昇しています。
こうしてみると、なんとなく見えてきますね。どうも、2017年1月の消費者物価が上昇している理由は、「ガソリン価格」だけが理由ではないらしい・・・ということが。


「生鮮食品を含まない食料」に関しても同じような形で記事を作りたいのですが、何しろアイテム数が多く、「原価」と「利益」の分けて考えることがどうしても難しい分野ですので、詳細を記事にすることは差し控えたいと思います。

ただ、全ての項目の中で最もウェイト(重要度)が大きく、前年同月比も0.6%となっていますから、「生鮮食品を含まない食料」の物価上昇に対する貢献度は決して小さくはありません。

原料として生鮮食品を用いている加工食品もありますから、ここはもう少し生鮮食品の物価が落ち着くまで待って見てもよいかもしれませんね。


「教育・娯楽」の消費者物価

さて。もう一つ「ウェイト」の大きな分野で、且つ前年同月比をが大きな費目として、「教養・娯楽」が挙げられます。

【「教養・娯楽」消費者物価指数】※〔 〕内はウェイト、( )内は12月の前年同月比です。
教養娯楽〔577〕
 0.9(0.5)

 教養娯楽用耐久財〔59〕
 -3.6(-4.9)

 教養娯楽用品〔210〕
 0.6(0.9)
 
 書籍・他の印刷物〔128〕
 0.2(0.1)

 教養娯楽サービス〔592〕
 1.6(1.1)

さて、いかがでしょう。
この分野でも、実際にマイナス要因となっているのは「教養娯楽用耐久財」の1項目のみ。
ここは、「テレビ」や「パソコン」などが含まれています。

というと、なぜ下落しているのか、私の記事をよく読んでいらっしゃる方には何となく想像がつきますね?
ここも後日改めて記事にします。

教養娯楽用品のウェイト210、書籍・他の印刷物の128と、どちらもその重要度としては決して小さくはありませんが、中でも特に大きなウェイトを示しているのが「教養娯楽サービス」の592というウェイト(重要度)。物価上昇率も1.6と中々の好成績です。

では、この「教養娯楽サービス」の中身を見てみますと・・・
【「教養娯楽サービス」消費者物価指数】※〔 〕内はウェイト、( )内は12月の前年同月比です。
教養娯楽サービス〔592〕
 1.6(1.1)

 宿泊料〔113〕
 2.7(1.5)

 パック旅行費〔42〕
 6.7(6.7)

 月謝類〔103〕
 0.5(0.5)

 他の教養娯楽サービス〔334〕
 1.0(0.7)

一目瞭然ですね。「宿泊料(国内旅行)」と「パック旅行費(海外旅行)」の2項目が完全に「教養娯楽サービス」全体を引き上げる役割を果たしています。

「引き上げている」と表記しましたが、他の「月謝類」や「他の教養娯楽サービス」もきちんとプラス成長しています。
特に「他の教養娯楽サービス」は334とウェイトも大きく、物価上昇率も1.0%と大きくなっていますから、この小分類項目も消費者物価指数全体を引き上げる上で大きく貢献しています。

この項目の中で貢献度が大きいのは「入場・観覧・ゲーム代(ウェイト128、成長率2.6%)」です。
映画鑑賞、演劇観覧、サッカー・プロ野球観覧、ゴルフ練習・プレー料金、ボーリング、プール使用料、テーマパーク、カラオケなど、まさしく「娯楽」を象徴するものばかり。

不景気時にはいち早く切り捨てられる分野です。
この分野で「マイナス」を記録している品目は「ビデオソフトレンタル代」及び「獣医代」の2品目のみ。

つまり、「教養娯楽サービス」費目の内、「他の教養娯楽サービス」はそのほぼすべての品目に亘って「物価を上昇」させるために貢献している、ということになります。

教養娯楽用品に於いて「運動具類」と「玩具」がマイナスをつけてはいるものの、教養娯楽用品全体としては0.6%のプラス成長。
ここから見ても、ロイター報道に於ける「原油などエネルギー価格が前年との比較で急騰しており、指数を押し上げた」という表現が如何に的外れなものであるのか、ということが見えてきますね?

NHKでは、

『原油価格の上昇の影響でガソリンや灯油の価格が上がったことや、牛肉や米などの価格が上がったことなどによるものです』

とも報道していますが、そもそも牛肉は「生鮮食品」ですし、ここまで軒並み消費者物価が上昇している以上、これを「牛肉と米」だけの理由にすることもまた非常に偏った報道の在り方です。

消費者物価指数の優等生である「被服及び履物」も412というウェイトを誇る中で1.1%消費者物価が上昇していますし、ウェイト430の保健医療が0.5%の上昇、316の「教育」が1.5%、574の「諸雑費」が0.4の上昇。

マスコミが必死に取り上げている「生鮮食品を除く総合(コアCPI)」の上昇率はたかが0.1%の上昇率にすぎません。

「生鮮食品を除く食料」も「持家の帰属家賃を除く住居」も「被服及び履物」も「保健医療」も「交通・通信」も「教育」も「教養娯楽」も「諸雑費」も、10大費目別消費者物価指数の内実に8項目に亘って「生鮮食品を除く総合(コアCPI)」の物価上昇率を上回っているのです。

いい加減「消費者物価が下落している」かの様に情報を歪曲して報道する姿勢から卒業したらどうかと思うんですが、マスコミの皆さん。


次回記事では、それでもまだ下落している「消費者物価」についての記事を掲載したいと思います。


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<継承する記事>
第281回 持家に帰属する家賃と2017年(平成29年)1月消費者物価指数

前回までの記事で、今回の消費者物価指数のポイントとして、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」という項目が追加されたこと、その上で未だに「持家に帰属する家賃」が消費者物価指数に加えられたままであり、本当の意味で正確に「アベノミクスの影響」を測定できる状態には未だに至っていないということを掲載しました。

ただ、これらのポイントは飽くまでデータの掲載方法として私の意見や考え方を述べたもの。
では、実際に「2017年1月の消費者物価指数」はよかったのか悪かったのか。ポイントとしてどこを抑えておくべきなのかということを記事にしたいと思います。


2017年1月消費者物価指数総合及び10大費目別指数

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【2017年1月度消費者物価指数(総合)前年同月比】※( )内は12月の数字です
総合
0.4(0.3)

 生鮮食品を除く総合
 0.1(-0.2)

 持家の帰属家賃を除く総合
 0.6(0.4)

 持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合
 0.2(-0.2)

 生鮮食品及びエネルギーを除く総合
 0.2(0.1)

 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合
 0.1(0.0)

ニュース記事のタイトルは

「全国消費者物価指数、1月は前年比0.1%上昇、1年1ヵ月ぶりプラス」

というタイトルでほとんどの報道局が今回の消費者物価指数について報道しています。
ですが、実際の「消費者物価指数」総合は見ていただければわかる通り前年同月比0.4で、これは10月より3か月連続のプラス成長となっています。

ですが、報道局は軒並み、「1月は前年比0.1%上昇、1年1ヵ月ぶりプラス」との報道内容。
これは、実は「消費者物価指数(総合)」ではなく、日銀が物価上昇率の目標として設定している「コアCPI」、つまり「生鮮食品を除く総合」の成長率の事を意味しています。

ですが、私の記事を読んでいただいている方には、この報道がまったく意味のない報道であることは簡単にご理解いただけると思います。その理由は、「コアCPI」には「エネルギー価格」が含まれているから。

日銀が「2%の物価上昇率」を目指しているのは、「物価に含まれる『原価』に相当する部分のみ」が上昇することなど目指してはいません。目指しているのは「原価」と共に「利益」に相当する部分が上昇することを目指しているのです。

「エネルギー価格」の内、特に「原油価格」は完全に海外の投機市場の影響を受けたものですから、この影響を受けて物価が上昇することなど望んではいないのです。

大切なのは、「生鮮食品『及びエネルギー』を除く」総合の消費者物価指数の動向。
これが前年同月比0.2%プラスで、実に3年4か月連続でプラス成長を果たしている、という事こそ本当に報道側が報じなければならない内容で、本来タイトルとすべき内容です。

総務省はそのために「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」を新しく項目に加えたのですから。本当にいけてません。まあ、今更こんな報道をすると、日本全国に大激震が走りますからね。今までマスコミがでデタラメを報道し続けていたということが明るみに出るわけですから。

では、続いて「10大費目別消費者物価指数」を見てみます。


【10大費目別消費者物価指数】※( )内は12月の前年同月比です。
総合
 0.4(0.3)
 生鮮食品及びエネルギーを除く総合
 0.2(0.1)

食料
 1.8(2.5)
 生鮮食品を除く食料
 0.6(0.5)

住居
 -0.2(-0.2)
 持家の帰属家賃を除く住居
 0.3(0.2)

光熱・水道
 -3.4(-4.8)

家具・家事用品
 -0.1(-1.0)

被服及び履物
 1.1(0.6)

保健医療
 0.5(0.8)

交通・通信
 0.3(-0.7)

教育
 1.5(1.5)

教養娯楽
 0.9(0.5)

諸雑費
 0.4(0.3)

「食料」に関しては、生鮮食品が前年度費8.0%増と高騰を続けていますので、「食料」全体から生鮮食品をマイナスしますと、生鮮食品を含まない食料の前年同月比は半減しています。

ですが、それでも「0.6%」の上昇率を記録していますね。

「住居」に関しては、前回の記事 でもお伝えしました通り、「持家に帰属する家賃」という架空の消費者物価が「住居」全体の消費者物価のマイナス要因として働いていますので、これを除くと全体の0.2%ダウンから一気に0.3%のプラスへと転じます。

ここまでは前回までの記事で掲載しました通りです。


「光熱・水道」の見方

この項目に関しては、ロイター記事にて以下の様に記されています。

東京 3日 ロイター
総務省が3日発表した1月の全国消費者物価指数は、政府・日銀が指標として重視する生鮮食品を除いた指数(コアCPI)が前年比0.1%上昇し、1年1カ月ぶりのプラスとなった。原油などエネルギー価格が前年との比較で急騰しており、指数を押し上げた。

1月の原油価格が前年比でほぼ2倍の水準となったのを反映し、ガソリンが前年比11.2%上昇(12月は1.6%上昇)、灯油も19.7%上昇(12月は0.0%)したほか、電気代や都市ガス代のマイナス幅が縮小したことも寄与した。

ガソリン代は「光熱・水道」には含まれていませんが、他の項目に関しましては、以下の通りです。

【水道・光熱消費者物価指数】※〔 〕内はウェイト、( )内は12月の前年同月比です。
光熱・水道〔745〕
 -3.4(-4.8)

 電気代〔356〕
 -5.6(-6.5)

 ガス代〔181 〕
 -7.4(-7.7)

 他の光熱(つまり「灯油」のこと)〔41〕
 19.7(0.0)

 上下水道料〔167〕
 0.5(0.5)

さて。いかがでしょう。
ロイター記事では、「生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)が0.1ポイント上昇した理由として、「原油価格上昇によりガソリンや灯油が上昇」し、「電気代や都市ガス代のマイナス幅が縮小したこと」を挙げています。

ですが、少なくともこの「水道・光熱費目」で見る限り、確かにマイナス幅は縮小こそしていますが、「水道・光熱」全体ではマイナス。コアCPIを引き下げる要因として働いていますね?

「水道代」がプラス上昇する中で「水道・光熱」全体がマイナス成長しているということは、少なくともこの「水道・光熱」で見る限り、コアCPIが0.1%プラス成長している理由は「エネルギー価格」以外にあるということです。

では、もう一つのエネルギー価格、「ガソリン」について検証してみましょう。


「交通・通信」の見方

【交通・通信消費者物価指数】※〔 〕内はウェイト、( )内は12月の前年同月比です。
交通・通信〔1476〕
 0.3(-0.7)

 交通〔224〕
 -0.2(-0.3)

 自動車等関係費〔836〕
 2.5(0.4)

 通信〔416〕
 -3.8(-2.9)

こちらは、先ほどの「水道・光熱」とは少し違った様子が見えますね。

交通・通信全体の「ウェイト」は1476と大きな重要度を占める中で、この分野を構成する項目の内、「交通」と「通信」はマイナス成長。

その中で、唯一「自動車等関係費」が前年度比2.5%とプラス政党を果たしています。ウェイトも836と、中部類項目としては大きな重要度を占めています。

では、この「自動車等関係費」を深堀してみましょう。

【自動車等関係費消費者物価指数】※〔 〕内はウェイト、( )内は12月の前年同月比です。
自動車等関係費〔836〕
 2.5(0.4)

 自動車〔199〕
 -0.2(0.1)

 自転車〔9〕
 4.4(4.7)

 自動車等維持〔628〕
 3.4(0.4)

「ガソリン」が含まれるのはこの内「自動車等維持」の項目です。
【自動車等維持消費者物価指数】※〔 〕内はウェイト、( )内は12月の前年同月比です。
自動車等維持〔628〕
 3.4(0.4)

 ガソリン〔206〕
 11.2 (1.6)

 自動車タイヤ〔30〕
 0.7(1.1)

 自動車バッテリー〔8〕
 -0.8(0.1)

 カーナビゲーション〔21〕
 -3.0(-6.4)

 自動車整備費(定期点検)〔28〕
 0.6(0.7)

 自動車整備費(パンク修理)〔22〕
 0.3(0.3)

 自動車オイル交換料〔12〕
 0.8(0.8)

いかがでしょう。
「ガソリン」の消費者物価指数は、前年度比で見ますと、11.2%と確かに大幅に上昇しています。

この他、「灯油」とも合わせて、例えば記事内容が、

「原油などエネルギー価格が前年との比較で急騰しており、指数を押し上げた」

としているのなら、これは確かに適正かもしれません。ですが、ガソリン価格が前年度比で11.2%増を記録しているとはいえ、そのウェイトは206。これがウェイト365の電気代前年度比5.6%のマイナス、及びウェイト181のガス代前年度比7.4%のマイナスまで含めて吸収し、更に0.1%押し上げるまでの効果があったのかというと、実はそんなことはありません。

2017年1月の「エネルギー価格」は全体で前年度比-0.8%。
実は原油由来のエネルギー価格こそ前年度比で大幅に上昇したものの、エネルギー価格全体で見ると、その消費者物価指数は前年度比で0.8%のマイナス。消費者物価指数全体を引き下げる要因として働いているのです。

私が何を言いたいのか。

つまり、

『2017年1月の「生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)」は、エネルギー価格が全体で0.8%のマイナスを記録したにも関わららず、0.1%の物価上昇を記録した』

とするのが正しい記事の書き方なんです。つまりロイター記事は、ここに至ってまだ大嘘の記事を書いているという事。
この点に関して言えば、ロイター以外の記事は比較的正しい内容を掲載ています。

つまり、「原油精製品がコアCPIを押し上げた」と。

ただ、それでもきちんと考えるべきなのは、原油精製品がコアCPIを押し上げたのは事実としても、それ以上にエネルギー価格が全体でマイナス要因として働く中、「コアCPI」、もっと言えば「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は上昇している、ということなのです。

そしてそこには「持家に帰属する家賃」というマイナス要因が更に含まれているにも拘わらず。

次回記事に於いては、ではどうして2017年1月消費者物価指数は「上昇」に転じたのか。
このファクターを詳細に探っていきたいと思います。


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第280回 CPI公表の改定/平成29年(2017年)1月分消費者物価指数の見方

前回の記事に於きまして、2017年1月分消費者物価指数より、「コアコアCPI」が「食品及びエネルギーを除く総合」ではなく、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」に変わったことをお伝えしました。

このことにより、所謂「消費者物価」がより私たちの経済活動の実態に近いものに変化したわけですが、それでもまだ「消費者物価指数」を歪めている存在があります。それが、タイトルにも掲載した「持家に帰属する家賃」です。


持家に帰属する家賃とは?


持家に帰属する家賃

それではこの「持家に帰属する家賃」とはいったい何ぞや、と申しますと、過去の記事でも何度かご説明したことはあるのですが、

 「現在居住する持家が、もし持家ではなく借家であったとすると、その家賃はいったいいくらになるのか?」

という数字です。意味が分かりませんよね?
ではそもそもなんでこんな意味の解らない数字があるのかというと、これは

「日本の住居費を国際的に比較するときに、海外では借家に暮らしている人が多いから、同じ水準で比較することができないため」

という、これまた意味の解らない理由です。
日本人が豊かになっているのかどうかということを測るためではなく、海外の生活水準と国際的に比較するために用いられている、実際には存在しない、架空の数字なのです。

私には、この数字が一体何のために存在するのかということがまったく理解できません。
では私が一体なぜこの数字にここまでこだわるのか、という事。

それでは先ず、2017年の消費者物価指数を全体から見てみましょう。


2017年1月度消費者物価指数(総合)

【2017年1月度消費者物価指数(総合)前年同月比】※( )内は12月の数字です
総合
0.4(0.3)

 生鮮食品を除く総合
 0.1(-0.2)

 持家の帰属家賃を除く総合
 0.6(0.4)

 持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合
 0.2(-0.2)

 生鮮食品及びエネルギーを除く総合
 0.2(0.1)

 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合
 0.1(0.0)

「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が増えたことで、「総合」に帰属する項目数が5つに増えました。

この項目の中に、「持家の帰属家賃を除く総合」という項目がありますね?

「総合」の前年同月比が0.4%増であることと比較して、この「持家の帰属家賃を除く総合」は0.6%増と、「総合」の値を0.2%も上回っています。

何度も言っています通り、この「持家に帰属する家賃」とは実際に存在しないデータであり、国際的な比較を行う為に作られた、いわば「架空の数字」です。

この架空の数字を消費者物価指数に入れてしまうことで、なんと消費者物価指数全体を0.2%も押し下げているということです。
架空の数字が、です。

また、「持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合」というものもあります。この項目の前年同月比と、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」の前値同月比が同じ割合になっています。

これが何を意味しているのかというと、「持家に帰属する家賃」が物価全体に及ぼす影響力が、「エネルギー」全体の消費者物価が物価全体に及ぼす影響力に匹敵することを示しています。

ちなみに「エネルギー」に相当する項目は、品目別で

「電気代」「ガス代」「その他光熱(灯油)」「ガソリン代」の4項目存在するわけですが、少なくとも2017年1月の前年同月比に於いて、本来架空の数字であるはずの「持家に帰属する家賃」が単独でこの4項目を合計した「消費者物価」に相当する影響力を持っているということです。

私が何を言いたいのか、わかるでしょうか。
せっかく、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」という項目を加えたのであれば、なぜそこから「持家に帰属する家賃」を除かなかったのか。このことも私にはまったく理解できないのです。


「持家に帰属する家賃」のウェイト

「ウェイト」というのも何度かご説明しましたね。

「消費者物価」は、この「ウェイト」を用いて「加重平均」を行う事で求められます。
「加重平均」については第53回の記事 をご参照ください。

で、その「ウェイト」もまた、「価格指数」というものを「加重平均」することによって求められるわけですが、この「価格指数」についてはまだはっきりと把握しきれていません。

価格指数を加重平均した合計値を10000に置き換え、各項目の割合事に換算したものが「ウェイト」です。
ですので、消費者物価を構成する品目のウェイトをすべて合計すると10000になります。

「ウェイト」とは即ち「消費者物価」を算出する際の「重要度」のことをいいます。

【「住居」を構成する項目の「ウェイト」】
住居(2087)
 家賃(1782)
 設備修繕・維持(305)

今更ですが、こうしてみると「住居」の中に、所謂「不動産取得費」は含まれていないんですね。
確かにGDPの項目でも「民間住居」は項目が分けられていますね。

「住居」は「家賃」と「維持費」の2項目で構成されています。
こうしてみると、「家賃」の重要度の大きさがよくわかります。

では。さて、です。「家賃」を構成する品目の「ウェイト」はどのようになっているでしょう。

【「家賃」を構成する項目の「ウェイト」】
家賃
 民営家賃(282)
 公営・都市再生機構・公社家賃(22)
 持家の帰属家賃(1499)

如何でしょうか。既に過去何度も同様の内容を記事にしていますから、既に「聞きあきた」という方もいらっしゃるかもしれませんが、「家賃」の中で、最もウェイトの大きいのが「持家に帰属する家賃」です。

前述のとおり、「ウェイト」は消費者物価指数全体で10000です。
架空の数字であるはずの「持家に帰属する家賃」が消費者物価指数全体の15%も占めているのです。

これははっきり言って「異常」でしかありません。完全に日本国内の「消費」動向を見る上で情報をかく乱するファクターとなっていますね。

ちなみに消費者物価指数でみてみますと、
【「住居」の消費者物価指数】
住居 -0.2(-0.2)
  持家の帰属家賃を除く住居 0.3(0.2)
 家賃 -0.4(-0.4)
  持家の帰属家賃 -0.4(-0.4)
 設備修繕・維持 1.0(0.1)

と、こんな感じです。

持家に帰属する家賃を除くと「住居」全体の物価は上昇しているのに、「持家に帰属する家賃」が含まれたせいで、「住居」の消費者物価はなんと0.5%も引き下げられているのです。

消費者物価指数に「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が加えらえ、「食品及びエネルギーを除く総合」と入れ替えたということは、この項目が持つ重要性を政府としても実感しているということだと思います。

であれば、なおさら私は提案したいですね。
せっかく「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」という項目を作ったんですから、ここから更に「持家に帰属する家賃」も除外した、「生鮮食品及び持家に帰属する家賃及びエネルギーを除く総合」という項目を作り、これを安倍内閣及び日銀の「物価上昇目標」として設定するべきなのではないでしょうか。

そうすることで「アベノミクス」の影響を初めて適正に検証することが出来るようになるのだと、私はそう思います。


次回記事では、その他品目別指数に着目して記事を作成したいと思います。


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本日、2017年1月分消費者物価指数が公表されましたので、今回はこの事を記事にしたいと思います。

今回より、実は消費者物価指数の公表内容に新たなる項目が加えられています。それが

 「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」

です。これまで「食品及びエネルギーを除く総合」として掲載されていた項目が変更され、名称が「「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」へと変更されています。

もちろん「食品及びエネルギーを除く総合」という項目がなくなったわけではないのですが、例えばHPで見るとこんな感じ。

消費者物価指数ページ

拡大してみます。

生鮮食品及びエネルギーを除く総合

赤枠で囲っている部分です。
ここに、先月までは「食品及びエネルギーを除く総合」という項目名が記されていたのですが、ついに総務省も変えてきましたね。

如何に「食品及びエネルギーを除く総合」という項目が無意味な項目であったのか、ということに気づいたという事。
日銀のウェブサイトでは既に掲載されていて、「日銀版コアCPI」と呼ばれていたものです。

私のブログでも散々訴えていた通り。
消費者物価指数の中で、他の項目と異なり、日本の国内の景気状況とまったく関連性のない動きをするのがこの「生鮮食品」と「エネルギー」の2項目です。

物価は基本的に

「原価」+「利益」

で構成されているわけですが、安倍内閣が目指している物価上昇とは、「原価」の部分ではなく「利益」の部分の物価上昇を目指しているのです。

ですが、例えば生鮮食品は天候の影響を受けやすいですから、天候不順により不作に陥れば、農家も生活費を確保しなければなりませんから、当然出荷額が高くなります。

「出荷額」とは即ち「原価」に相当する部分。たとえ原価が上昇したことで物価全体が増加したとしても、「利益」が圧迫されていたのでは、販売する側の収益は増えません。却って減益になります。

同じ理由で「海外からの輸入単価」の影響を受け、原油価格が上昇したとすると、国内で販売されるガソリンや灯油等のエネルギー価格が上昇します。

「輸入単価」はそのまま「原価」に相当する部分ですから、このことが原因で物価全体が増加したとしても、企業の利益が圧迫されていたのでは意味がないわけです。

ですが、これを「食品」全体で考えるとどうでしょう?
天候の影響を受けるのは生鮮食品のみですし、お菓子やレトルト食品、調味料や飲料なども天候の影響を受けるかというと、そんなことはありませんね。

「生鮮食品」と「その他の食品」を分けて物価が計上されていることにはきちんとした意味があるわけです。

「その他の食品」の中には当然外食も含まれています。明らかに国内の「景気」の影響で物価が上下する分野です。
寧ろ国内の景気動向をかんがえれば、最も早く景気の影響を受けて変動するのがこの「食品」の分野であると考えてもよいのではないでしょうか。

ところが、先月までの総務省データでは、なぜか「生鮮食品」と「その他食品」がまぜこぜにされ、その上で「エネルギー価格」と共に消費者物価指数全体から差し引かれたデータが「コアコアCPI」として掲載されていたのです。

はっきりってこれではデータとして使い物になりません。
そして今月より、漸く、ついに「生鮮食品およびエネルギーを除く総合」が「コアコアCPI」のポジションに掲載される様になったのです。

【生鮮食品及びエネルギーを除く総合(前年同月比推移)】
生鮮食品及びエネルギーを除く総合グラフ

小さくて見にくいですが、画像をクリックしていただければ拡大できますので、拡大して確認してみてください。
2013年1月からのデータを掲載しています。

2012年のものから掲載したかったのですが、さすがに小さくなりすぎますので、こんな感じにしています。
2014年のデータは、消費増税が行われていますので、全体から1.7%ずつ引いて消費増税の影響が出にくい様にしています。

日銀CPIから取ってくれば消費増税の影響を取り除いたものがもう少し正確に出せるんですが、今回は総務省データで掲載しています。赤線が前年同月比0%のラインです。

2016年に入って上昇幅が縮小こそしていますが、それでも1月たりともマイナスになることなく、プラス成長し続けていることが分かりますね?

勿論データの算出方法に課題がないわけではありませんが、それでもエネルギー価格の下落に伴う物価のマイナス成長や生鮮食品の高騰に伴う物価上昇などのいわゆる「ノイズ」が排除されていますので、中々見やすい資料になっています。

改めまして次回記事では、ここからもう一つ「ノイズ」となる指標をお示しして、2017年1月度消費者物価指数本体に入っていきたいと思います。


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<継承する記事>
第260回 平成28年(2016年)12月消費者物価指数速報/品目別指数②

2016年12月の消費者物価指数について、第259回の記事 では、主に「エネルギー価格」に着目し、「灯油」と「ガソリン」の物価が上昇に転じたこと、と同時に「エネルギー価格」を構成しているのは原油に由来するものだけでなく、「電気代」や「ガス代」など、それ以外の要素も影響を与えていたことについて記事にしました。

前回の記事 ではまた更に「エネルギー価格」以外で物価を引き下げる主要因となっていた「家電製品」にフォーカスを当て、出荷ベースの数字と比較することで、「物価が下落すること」=「経済の規模が縮小したこと」を意味するわけではない、ということを記事にしました。

今回の記事では、前回の記事 に関連して、「もう一つの家電製品」の分野である「教養・娯楽」費目に着目して記事を作成してみたいと思います。


「教養・娯楽」の消費者物価指数

テレビ

【「教養・娯楽」の前年同月比( )内:ウェイト】
教養娯楽(989)
10月 1.0
11月 0.8
12月 0.5

教養娯楽用耐久財(59)
10月 -5.5
11月 -5.4
12月 -4.9

教養娯楽用品(210)
10月 2.0
11月 2.6
12月 0.9

書籍・他の印刷物(128)
10月 0.2
11月 0.1
12月 0.1

教養娯楽サービス(592)
10月 1.5
11月 0.9
12月 1.1

ご覧の通り、「教養・娯楽」全体としてはプラス方向に推移しており、プラス幅が月ごとに縮小してこそいるものの、この分野は2013年10月以降、ほぼ継続的にプラス成長を続けています。

尤も、2014年4月には消費増税が行われていますので2014年度の前年比は参考程度にしかできませんが、それでも翌2015年4月に唯一前年比を下回って以降、毎月継続的に前年比プラス成長を果たしています。

ただ、この中で唯一「教養娯楽用耐久財」のみが前年比で物価下落を継続していることもわかります。

【「教養娯楽用耐久財」の前年同月比( )内:ウェイト】
教養娯楽用耐久財(59)
10月 -5.5
11月 -5.4
12月 -4.9

テレビ(15)
10月 -17.9
11月 -15.2
12月 -11.4

携帯型オーディオプレーヤー(1)
10月 0.0
11月 0.2
12月 0.1

電子辞書(1)
10月 0.1
11月 -2.1
12月 0.8

ビデオレコーダー(4)
10月 2.7
11月 -1.5
12月 -2.9

パソコン(デスクトップ型)(8)
10月 -3.5
11月 -5.3
12月 -6.7

パソコン(ノート型)(14)
10月 -5.1
11月 -6.2
12月 -6.1

プリンタ(2)
10月 6.5
11月 9.9
12月 6.4

カメラ(4)
10月 4.8
11月 4.8
12月 5.1

ビデオカメラ(2)
10月 0.0
11月 0.0
12月 0.0

ピアノ(5)
10月 2.9
11月 3.3
12月 1.1

学習用机(3)
10月 3.3
11月 3.3
12月 0.8

品目内訳はこんな感じです。下げている項目を見てみますと、「テレビ」、「ビデオレコーダー」、「パソコン」の3つ。
どれも所謂「家電」と呼ばれる分野です。

まあ、パソコンは「家電」とは少し違うのかもしれませんが、基本的に「電気店」で販売されている品目である、ということは変わりませんね。

【薄型テレビの出荷台数(前年比)】
薄型テレビ(合計)
10月 94.9
11月 87.3
12月 95.8

29型以下
10月 84.1
11月 68.7
12月 87.2

30~36型
10月 95.6
11月 74.2
12月 70.7

37~49型
10月 108.3
11月 108.6
12月 119.6

50型以上
10月 87.4
11月 106.1
12月 115.9

 (内)4K(対応)
 10月 166.9
 11月 173
 12月 190.4

 (内)ハイブリッドキャスト対応
 10月 97.5
 11月 105
 12月 117.5


出荷台数全体で見ると、少し陰りが見えますが、内訳をみると36型以下のテレビの出荷台数が減少し、逆に37型以上のテレビの販売台数が伸びています。

12月に限ってみれば10%を超える伸び率で、4K対応などはなんと90%の伸び率。
つまり、「単価が高いもの程売り上げを伸ばし、単価の低いものが売り上げを減少させている」ということですから、この様な状況であれば普通、「消費者物価」は上昇するんじゃないでしょうかね?

各項目別の販売額は掲載されていませんでしたが、「映像機器」合計の販売額の推移は以下のようになっています。

【映像機器の出荷額(前年比)】
10月 94.8
11月 100.1
12月 107.2


実績としての出荷額が増加し、販売台数は大型、高機能になればなるほど増加している・・・という現状と、品目別消費者物価指数「テレビ」が示している数値はどうも矛盾している様に思えますね。

これもやはり考えられるのは、「販売店」サイドの問題です。
そしてこれもまた、この様な販売方法で販売店が利益を取れているのであれば、それはそれで全く問題のないことではないか、と私は思います。

【「パソコン」の出荷情況(前年比)】
出荷台数(総合)
10月 113.60%
11月 100.10%
12月 95.50%

デスクトップ(台数)
10月 104.80%
11月 101.10%
12月 98.60%

 オールインワン(台数)
 10月 74.70%
 11月 90.00%
 12月 103.00%

 単体(台数)
 10月 133.30%
 11月 107.80%
 12月 96.90%

ノート型(台数)
10月 116.90%
11月 99.80%
12月 94.60%

 モバイルノート(台数)
 10月 103.50%
 11月 92.70%
 12月 110.50%

 A4型・その他(台数)
 10月 121.20%
 11月 101.80%
 12月 91.60%


出荷金額(総合)(出荷額)
10月 106.00%
11月 97.60%
12月 100.60%

デスクトップ(出荷額)
10月 96.10%
11月 95.30%
12月 96.80%

 オールインワン(出荷額)
 10月 71.60%
 11月 86.50%
 12月 96.90%

 単体(出荷額)
 10月 139.30%
 11月 105.00%
 12月 96.70%

ノート型(出荷額)
10月 109.90%
11月 98.40%
12月 101.70%

 モバイルノート(出荷額)
 10月 112.10%
 11月 91.20%
 12月 115.50%

 A4型・その他(出荷額)
 10月 109.10%
 11月 101.00%
 12月 98.50%

「パソコン」の消費者物価の計算方法は、他の家電製品とは異なり、最終端末であるPOSデータ等を参考にして算出されています。このことから、パソコン(及びカメラ)の消費者物価は、比較的「物価」の実感と近い数字となってます。

業界団体側の出荷ベースと消費者物価との間の乖離がテレビをはじめとする他の家電製品に比較すると小さくなっているのはおそらくその関係です。

ただ、それでも12月の消費者物価指数はデスクトップ、ノート型共に6%を超える物価下落となっており、出荷ベースの数字とはやや開きがあります。やはり「販売店側」の問題が大きいのでしょうか。


家電製品に関しては、やはり「出荷ベース」と「販売ベース」での数字に開きがあることがとても気にかかりますね。
もし本当に販売店側で価格を下げて販売し、前年を下回る価格で販売しても前年を上回る利益が確保できているのだとすれば、やはり「消費者物価指数」という数字そのものの考え方を修正する必要もあるのではないでしょうか。

トータルで見ても、現在の「物価」を下落させる要因として働いているのは「電気代」「ガス代」「航空運賃」「小型輸入車」「携帯電話料金」「携帯電話機」、そして「家電製品」。

「ガソリン」と「灯油」の物価下落はついに終結しました。
となると、特に「消費者物価指数」をみる上で考えなければならないのは、これらの項目が下落する状況をどうとらえるのか。

勿論細かく見ていけば、これ以外にも物価を下落させる要因はあるのでしょうが、この7つの項目を改善させるか、それともそもそもの考え方を変えるのか、どちらかの方法を取ることで本当の意味で現在の「経済状況」を把握する上での大きな手掛かりとなるのではないでしょうか。

少なくとも「個人消費が減り続けている!アベノミクスは失敗だ!」という間の抜けた主張が日本の「期待インフレ率」を引き下げる要因として働くことはなくなるように思います。

今後の黒田日銀総裁、麻生財務大臣、そして安倍首相の発言に期待したいと思います。


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第259回 平成28年(2016年)12月消費者物価指数速報/品目別指数①

前回の記事に引き続き、今回も2016年12月消費者物価指数 品目別指数について記事にしたいと思います。

前回の記事を作成した目的は、「原油価格の下落」がついに物価を下落させる要素ではなくなった、ということを明らかにするため、特に「灯油」と「ガソリン」という項目に着目して記事を作成しました。

作成してみて改めて見えて来たこととして、「エネルギー価格」に含まれるのが「原油価格」由来のものだけではなかったということ。「光熱・水道」費目に含まれる「電気代」「ガス代」は今後も物価を下落させる要因として存在し続けることはよくわかりました。

この他「交通・通信」費目に於ける「航空運賃」、「輸入小型車」、「携帯通信料」、「携帯電話機」も物価を下落させる要因となっています。

今回の記事では、今年度に入って物価を下落させるもう一つの要因として君臨し続ける「家電」に着目して記事を作成してみます。


「家具・家庭用品」の消費者物価指数


洗濯機

家具・家事用品(348)
10月 -1.0
11月 -0.7
12月 -1.0

家庭用耐久財(111)
10月 -4.2
11月 -3.7
12月 -3.8

室内装備品(25)
10月 -4.7
11月 -4.0
12月 -3.7

寝具類(27)
10月 1.0
11月 0.5
12月 0.1

家事雑貨(72)
10月 4.5
11月 4.5
12月 4.0

家事用消耗品(86)
10月 -1.2
11月 -0.9
12月 -1.7

家事サービス(27)
10月 0.1
11月 0.1
12月 0.1

「家具・家庭用品」以外の項目は「家具・家庭用品」費目の中分類指数です。

見ていただくと、「家庭用耐久財」「室内装備品」「家事用消耗品」の3つの項目が「家具・家庭用品」全体の前年同月比を引き下げる要因となっていることが分かります。

所謂「家電製品」が含まれているのは、このうち「家庭用耐久財」の中分類品目。
そこで、先ずはこの「家庭用耐久財」から検証してみます。

家庭用耐久財(111)
10月 -4.2
11月 -3.7
12月 -3.8

家事用耐久財(57)
10月 -9.2
11月 -9.4
12月 -8.3

冷暖房用器具(37)
10月 1.8
11月 3.8
12月 1.8

一般家具(18)
10月 -0.7
11月 0.3
12月 0.6

「一般家具」は「家電」ではありませんが、10月にマイナスを付けた後、11月、12月とプラス方向に変化しています。
「一般家具」は7、8、9月と下落していた分野ですので、漸く下げ止まった・・・というところでしょうか。

また、同じ「家電製品」の中でも「冷暖房用器具」に関しては10月以降高い物価上昇率を維持しています。
冷暖房器具も8月が+0.1%、9月が0%と、辛うじて物価下落こそしていませんでしたが、1月~7月にかけて、連続でマイナスを記録していましたので、この分野もようやく持ち直した、という所でしょうか。

ただ、季節ものですので、処分に入る1月以降は再び下落し始めるかもしれません。

ということで、「家庭用耐久財」の中で、「家庭用耐久財」全体の物価を引き下げる主犯となっているのは残る「家事用耐久財」だということが分かります。

家事用耐久財(57)
10月 -9.2
11月 -9.4
12月 -8.3

電子レンジ(4)
10月 -23.0
11月 -18.9
12月 -28.5

電気炊飯器(11)
10月 -3.1
11月 0.2
12月 -1.0

ガステーブル(3)
10月 -3.0
11月 0.5
12月 3.2

電気冷蔵庫(16)
10月 -2.4
11月 -11.0
12月 -12.1

電気掃除機(9)
10月 -17.8
11月 -15.5
12月 4.7

電気洗濯機(全自動洗濯機)(7)
10月 -16.5
11月 -14.9
12月 -20.0

電気洗濯機(洗濯乾燥機)(7)
10月 -7.9
11月 -6.0
12月 -2.9

値は全て「前年同月比」、( )内は「ウェイト」。言うなれば「重要度」または「影響度」みたいなものです。
「ウェイト」全体を「10000」として計算し直していますから、「家事用耐久財」の影響力は 57/10000 だということになります。

非常にわずかな影響力しかない様にみえますが、それでもこの値が「家具・家庭用品」全体の物価を引き下げる要因となっており、その「家具・家庭用品」がまた消費者物価指数全体を引き下げる要因として働いているわけです。

このうち「ガステーブル」は家電製品ではありませんが、2016年5月~10月までは、家電製品ほではないにしろ1%を上回る、最大で4.7%の物価下落率を示しており、物価を上昇させる側ではなく、物価を下落させる側に影響していました。

この「ガステーブル」もまた11月以降はプラスに転じており、12月は3%を上回る物価上昇率を記録しています。

となれば、いよいよこの分野の「物価下落」に影響を与えているのはピンポイントで「家電製品」だということになります。
そして、「家電製品」の中でも「電気掃除機」は15%を超える物価下落率から今度は4.7%の上昇へと転じています。

そこで、私が毎回お示ししているのが「出荷ベース」の物価動向です。

参考にしているのは、「日本電機工業会」様データです。

【2016年12月分 国内出荷実績 前年同月比】
電気冷蔵庫
 数量 108.7 金額 99.4

 うち401L以上
  数量 93.0 金額 93.7

電気洗濯機
 数量 118.3 金額 115.9

 うち洗濯乾燥機
  数量 116.2 金額 121.2

電気掃除機
 数量 100.7 金額 99.8

電子レンジ
 数量 113.5 金額 112.8

ジャー炊飯器
 数量 104.9 金額 100.3

  民生用電気機器計
   金額 103.0

これが、「出荷ベース」の「販売数量」と「販売総額」の前年度比を示したものです。

毎回お示ししているとおりですが、「家事用耐久財」全体の物価が8%も下落しているとは考えられないような数字になっていますね?
「消費者物価指数」とは「消費する側」の数字であり、日本電機工業会様データは「出荷ベース」での数字です。

この二つの数字の間になぜこれほどのギャップが生まれるのか。
可能性は二つしかありません。

どちらかの数字が現実を大幅に乖離した算出方法となっているか、もしくは「出荷側」と「消費者」の間にいる「販売店」が、意図的に金額を引き下げて大安売りしているかのどちらかです。

例えば、ジャパネット○カタの様に。

勿論、安売りをすることが悪い、と言っているわけではありません。
販売店側が、そのことできちんと利益を取れているのであれば全く問題はないのです。

安売りしてもらったことで浮いたお金で、消費者は別のものを購入するか、または貯蓄に回すことができるのですから。
そのどちらも行えなかったとしても、このことが消費者にとってマイナス要因となることはありません。

私が言いたいのは、即ちこのような経済現象もって「物価が下落した」と大騒ぎし、「アベノミクスは失敗だ~~!」と大騒ぎするのは間違っているのではないか、ということです。

「賃金」のケースも後日再度記事にしようと思いますが、今回の記事では、この部分をご理解いただければと思っております。



次回記事では、もう一つの「家電分野」が含まれる「教養・娯楽」分野も検証したいと思います。


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第258回 平成28年(2016年)12月消費者物価指数速報

さて。今回の記事では、前回お約束いたしました通り、2016年12月の消費者物価指数、10大費目別の内、消費者物価指数全体を引き下げる要因となっている3つの項目、「光熱・水道」、「家具・家庭用品」、「交通・通信」の3費目について記事にしたいと思います。


「光熱・水道」の消費者物価指数

エネルギー

【「光熱・水道」の前年同月比( )内:ウェイト】
光熱・水道(745 )
10月 -6.0
11月 -5.8
12月 -4.8

電気代(356 )
10月 -6.8
11月 -6.9
12月 -6.5

ガス代(181 )
10月 -7.8
11月 -7.9
12月 -7.7

他の光熱(41 )
10月 -19.0
11月 -13.7
12月 0.0

上下水道料(167 )
10月 0.4
11月 0.5
12月 0.5

「光熱・水道」以下掲載しているのは「光熱・水道」費目の中分類項目です。

「電気代」が下落している理由を、私、過去の記事の中で「発電に用いるエネルギー価格の動向」を理由として掲載していたのですが、この分野は「電力の自由化」に伴う影響もありますね。

で、見ていただくとわかると思いますが、「他の光熱」が先月の-13.7%から一気に0%に持ち直していますね。

では、「他の光熱」とは何のことを差しているのかというと、「灯油」のことです。
この中分類を構成している品目は「灯油」だけですから、中分類「他の光熱」=「灯油」のことだと言って間違いはありません。

「ガス」や「電気代」は確かに「エネルギー価格」ではあるのですが、共に「原油価格」がダイレクトに影響を与える分野ではありません。(電気代に関する考え方は先ほど訂正させていただいた通りです)

ですが、「灯油」は原油から直接精製されるものです。このようにしてみると、「原油価格の下落」がいかにして日本国の物価に影響を与える存在なのか、ということがよくわかります。

「電気代」「ガス代」は10月、11月と比較しても大きな変化はありませんから、「光熱・水道」費目全体のマイナス幅が1%減少している最大の要因は「灯油代の減少」だということになります。

しかしこうしてみると、「原油価格の下落」さえ収まれば物価下落にセーブをかけることはできると考えていましたが、「電気代」「ガス代」の下落幅も注意してみる必要があるようですね。


「交通・通信」の消費者物価指数

自動車

【「交通・通信」の前年同月比( )内:ウェイト】
交通・通信(1476 )
10月 -1.7
11月 -1.5
12月 -0.7

交通(224 )
10月 0.0
11月 -0.1
12月 -0.3

自動車等関係費(836 )
10月 -1.7
11月  -1.1
12月 0.4

通信(416 )
10月 -2.5
11月 -3.0
12月 -2.9

こちらは「交通・通信」費目の中分類前年同月比。「交通」を構成している品目は主に「運賃」です。
運賃は全体的にほぼ横ばいなんですが、JR在来線及びタクシー代、航空運賃が下落しており、この影響を受けて「交通」中分類全体も下落しています。

特に影響が大きいのは航空運賃で、

10月 -2.4
11月 -3.8
12月 -5.2

と連続して下落しており、その下げ幅も大きくなっています。


さて。「交通・運賃」費目そのものは下落しているのですが、この中でも唯一「自動車等関係費」だけは12月、プラスに転じていますね。

自動車等関係費
10月 -1.7
11月 -1.1
12月 0.4

自動車
10月 0.1
11月 0.1
12月 0.1

自転車
10月 4.8
11月 4.8
12月 4.7

自動車等維持
10月 -2.4
11月 -1.5
12月 0.4


「自転車」は相変わらず高い伸び率を継続していますね。
また、このうち「自動車」は6月~7月にかけてマイナスで推移していたのですが、9月に前年同月0%を記録して以降、順調に0.1%
の伸び率を記録しています。

0.1%という伸び率は消して高い伸び率ではない様に見えるのですが、


自動車(199)
10月 0.1
11月 0.1
12月 0.1

軽乗用車(40)
10月 0.5
11月 0.2
12月 0.3

小型乗用車A(55)
10月 0.2
11月 0.3
12月 0.3

小型乗用車B(5)
10月 -9.7
11月 -9.7
12月 -9.7

普通乗用車A(80)
10月 0.3
11月 0.3
12月 0.3

普通乗用車B(20)
10月 0.8
11月 0.8
12月 0.8

「自動車」の品目は更に細かく分類されています。
で、見ていただくとわかると思いますが、「小型自動車B」だけが-9.7という伸び率を毎月記録している以外は、どの項目もプラスで推移しています。

「軽自動車」が唯一10月と比較して上昇幅が小さくはなっていますが、それでもプラス上昇。11月よりもその上昇幅は大きくなっています。

で、ちなみに「小型自動車B」が何を表すのかというと、それは「小型自動車(輸入車)」のこと。
という事は、「普通自動車B」は「普通自動車(輸入車)」となるわけですが、実はこの「普通自動車B」の物価も、今年度4月~9月まで、継続してマイナス成長していました。

これが10月より上昇に転じ、且つ0.8%と国産車普通車を上回る物価上昇幅を記録しているわけです。
国会質問において、民進党のどなたかが国内の消費者物価について、「自動車の物価も下がっている」と言っていましたが、この様な数字をまったく見ていないことがよくわかります。


さて、この「自動車等関係費」に於いて本丸となるのは、実は残されたもう一品目。「自動車等維持」という項目の消費者物価です。全体として11月は-1.5%であり、長い間マイナスで推移し、国内の消費者物価の足を引っ張り続けていた品目でもあります。

詳細品目としては

ガソリン
自動車タイヤ
自動車バッテリー
カーナビゲーション
自動車整備費(定期点検)
自動車整備費(パンク修理)
自動車オイル交換料
車庫借料
駐車料金
自動車免許手数料
レンタカー料金
洗車代
ロードサービス料
自動車保険料(自賠責)
自動車保険料(任意)

と非常にたくさんの品目があるのですが、この全ての品目を抽出していては脳が沸きそうになりますから、これらの項目の内、全体への影響が大きいと思われる二つの項目について掲載したいと思います。

ガソリン(206 )
10月 -7.7
11月 -4.1
12月 1.6

カーナビゲーション(21 )
10月 -4.8
11月 -10.3
12月 -6.4

皆さまご想像の通り・・・と思います。
「ガソリン」の動きです。この2項目以外は以前からプラス成長を続けていたり、自賠責保険の様に市場動向の影響を受けないものも多くありますので、検証することそのものに大きな意味は持たないと思うのですが、この2つだけは動きが大きい。

「ガソリン」は「灯油」と同じくピンポイントで原油価格動向の影響を受けるものです。
これまで原油価格の下落に伴ってこれらの項目が物価を下げ、消費者物価全体を引き下げる主犯でもあったこれらの項目の前年同月比が下落幅を縮小させ、ついに上昇に転じたことで消費者物価指数全体としてはプラス成長するようになりました。

ただ、「生鮮食品を除く総合」=コアCPIで見ますと数字としてはマイナスを記録しており、CPI全体のプラス幅が「生鮮食品の物価」によって支えられているということも見えてきます。

今回調査した項目の中で見ると、未だに物価を下落させる方向に働いている「電気代・ガス代」、そして「航空運賃」「輸入小型自動車」。調査結果は公表していませんが、「通信」の物価。

「通信」の項目を下落させているのはピンポイントで「携帯通信料」と「携帯電話機」の2つです。
通信料が2%、電話機が9%の下落。特に通信料はウェイトが230とそれなりに大きいことも影響しています。

これはやはり「格安スマホ」や携帯電話会社の料金プランの見直し等も影響していると考えられます。

次回記事では、今回記事にできなかったもう一つの分野、「家具・家庭用品」の動向についても探ってみたいと思います。


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今回は少し話題を変えまして、「経済」に関連した記事を掲載したいと思います。

タイトルにある通り、「消費者物価指数」に関連した記事です。
先月末、2016年11月分の消費者物価指数も公表されてはいたのですが、10月までの記事内容と大きく変わり映えがしないこともあり、11月分の内容にしては記事にしていません。

で、改めて今回記事にしようと思った理由としては、勿論単純にこれまで消費者物価指数の動向を記事にしてきたから、という理由も勿論あるのですが、最大の理由としては、これまで日本の「消費者物価指数」の推移について足を引っ張り続けていた「エネルギー価格」の動向が変化したからです。

今年度に入って改善傾向にはあったのですが、それでも「前年同月比」で見るとやはり「マイナス成長」という傾向に変化はありませんでした。

勿論「エネルギー価格」とは、その大部分が輸入物価の動向であり、仮にこの部分が増加したとして、日本国内ではどの企業にもメリットはありませんし、利益も生まれません。

ですから、本来であれば低ければ低いほど良いわけですが、それでも「消費者物価」全体を引き下げるほどの影響を発揮し続けられると、「安倍内閣も日銀も、物価上昇を目指すと言ってばかりいるが、一向に改善されないじゃないか!」などという誤った評価に餌を与えることになってしまい、このことが「期待インフレ率」の下落につながってしまいます。

「景気」っていうのはやはりみんなが「ひょっとして自分たちの生活はよくなっているんじゃないか」と思ってくれた方が、やっぱりよくなるんです。ですから、せめて適正な評価が行えるようにするためにも、分析屋の私としては、非常に待ち焦がれていた状況ではあります。

と言うことで、まずは「12月消費者物価指数(総合)」前年同月比を見てみましょう。

総合
10月 0.1
11月 0.5
12月 0.3

生鮮食品を除く総合
10月 -0.4
11月 -0.4
12月 -0.2

持家の帰属家賃を除く総合
10月 0.2
11月 0.6
12月 0.4

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合
10月 -0.4
11月 -0.4
12月 -0.2

食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合
10月 0.2
11月 0.1
12月 0.0

「物価」

10月、11月の「総合」がプラスで推移している理由はこちら。

食料
10月 2.3
11月 3.6
12月 2.5

生鮮食品
10月 11.4
11月 21.6
12月 13.8

生鮮食品を除く食料
10月 0.6
11月 0.5
12月 0.5

生鮮食品の高騰によるものです。

12月も同様と言えば同様なのですが、詳細は後の「品目別」の項目で解説していきたいと思います。

上の数字の中で、「持家の帰属家賃を除く総合」という項目について。
「持家の帰属家賃」とは、「もし自分が持っている家が持家ではなく賃貸住居であった仮定したら家賃はいくらか」という架空の数字に基づいた「物価」であり、本来はカウントする必要のない数字です。

この数字を除くか除かないかで「総合」の数字が前年比で0.1%も変化していることがわかると思います。
ちなみに「持家に帰属する家賃」とはこのような推移になります。

住居
10月 -0.2
11月 -0.2
12月 -0.2

持家の帰属家賃を除く住居
10月 0.2
11月 0.2
12月 0.2

家賃
10月 -0.4
11月 -0.4
12月 -0.4

持家の帰属家賃を除く家賃
10月 -0.4
11月 -0.4
12月 -0.4

「持ち家の帰属家賃」という数字は私が現在見ている統計表には掲載されていませんが、おそらく前年同月比で-0.4%。
「家賃」も含めた全体の「住居」の数字をこの「持家に帰属する家賃」が大きく引き下げていることもご覧いただけると思います。

また一方、「物価」全体の数字が1万であった場合のシェア率のことを「ウェイト」というのですが、この「ウェイト」の内、もっとも大きな割合を占めるのが「食料」。

同じ食料でも「生鮮食品」のウェイトが414(414/10000のシェア率)であるのに対し、「生鮮食品を含まない食品」のウェイトは2209であり、「物価」全体に最も大きな影響を与えています。

物価「総合」の中には、前記している様に、

「総合」
「生鮮食品を除く総合」
「持家に帰属する家賃を除く総合」
「持家に帰属する家賃及び生鮮食品を除く総合」
「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」

という5つの項目があり、このうち

「総合」のことを「CPI」、
「生鮮食品を除く総合」のことを「コアCPI」、
「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」のことを「コアコアCPI」

と呼称し、政府データとしてはこの3つの数字が重要視されています。

そしてこの3つの指標、その他2つを合わせて5つの指標の内、今年度中足を引っ張り続けた「エネルギー価格」が除外されている指標は「コアコアCPI」だけなのですが、この指標からは「物価」に対して最も大きな影響を与えるはずの「生鮮食品を除く食料」の項目までもが除外されています。

前記しています通り、天候の変動を受けやすい「生鮮食品」を除外した、「生鮮食品を除く食料」は

10月 0.6 %
11月 0.5 %
12月 0.5 %

と、特に10月と12月に関してはCPI全体の昨対を上回る上昇幅を示していますから、これを除外して「物価」を見るのもおかしな話です。

ということで、この様な総務省データのウィークポイントを完全克服した「生鮮食品及びエネルギー価格を除く総合」という指標を日銀が公表しているのですが、残念ながらこの「日銀版コアCPI」は総務省データよりも遅れて公表されます。

私たち日本国民が、本当の日本国経済の状況を知るために、とても大切なデータだと思うのですが、何とかなりませんかね、このいびつな状況・・・。

ということで、政府が発表している「消費者物価指数」の見方を少しおさらいしてみました。


平成28年(2016年)12月10大費目別消費者物価指数

さて。私が重要視している「物価指標」はこちら。「10大費目別消費者物価指数」です。

食料(2623)
10月 2.3
11月 3.6
12月 2.5

住居(2087)
10月 -0.2
11月 -0.2
12月 -0.2

光熱・水道(745)
10月 -6.0
11月 -5.8
12月 -4.8

家具・家庭用品(348)
10月 -1.0
11月 -0.7
12月 -1.0

被服及び履物(412)
10月 1.2
11月 1.0
12月 0.6

保健医療(430)
10月 1.0
11月 0.9
12月 0.8

交通・通信(1476)
10月 -1.7
11月 -1.5
12月 -0.7

教育(316)
10月 1.5
11月 1.5
12月 1.5

教養娯楽(989)
10月 1.0
11月 0.8
12月 0.5

諸雑費(574)
10月 0.7
11月 0.4
12月 0.3

ちなみにこのうち、「エネルギー価格」の動向は以下のようになっています。

エネルギー(784)
10月 -7.9
11月 -6.7
12月 -4.4


全体的に、上昇幅に鈍さが見えはするものの、基本的にプラス幅を示していることが分かります。
10月までの昨対と全体的な傾向としては変わっていませんね。

ですが、「住居」に関して言えば、前述していますように「持家に帰属する家賃」を除けば

10月 0.2
11月 0.2
12月 0.2

と、順調にプラスで推移していますし、「ウェイト」で考えますと、「住居」が全体で「2087」という数字であるのに対して、「持家に帰属する家賃」のウェイトは「589」。

つまり、その差額1498分は「持家に帰属する家賃」のウェイトだということになります。
ですが、既に前述した通り、「持家に帰属する家賃」とは、本来存在しないフィクションの数字です。

この統計指標はっきり言って異常だと、私は思います。

そういえば、日銀CPIからはこの「持家に帰属する家賃」は除外されているんでしょか。本来この数字も除外すべきものだと思います。

つまり、実数として昨対でマイナスを記録しているのは「光熱・水道」、「家具・家庭用品」、「交通・通信」の3つ。
これ以外の費目は全てプラス成長している。これが我が日本国の「物価動向」ですね。

さて、この中でも特に「光熱・水道」及び「交通・通信」は「エネルギー価格」の動向が絡んでくる要素です。
次回記事では、この二つの項目、及び「家具・家庭用品」の動向について検証してみたいと思います。


この記事のカテゴリー >>「物価」の見方


<継承する記事>
第224回 平成28年(2016年)10月消費者物価指数速報③/品目別指数②

一覧として見やすいように、2016年度10月の消費者物価指数関連の記事をまとめて掲載しておきます。

第222回 平成28年(2016年)10月消費者物価指数速報①/歪なマスコミ報道
第223回 平成28年(2016年)10月消費者物価指数速報②/品目別指数①
第224回 平成28年(2016年)10月消費者物価指数速報③/品目別指数②

ここ数年の「消費者物価指数」の見方は以下のようになります。

・増税年度である2014年後半頃より、「原油価格」が世界的に急落しはじめ、このことが影響して日本国内でも「消費者物価指数(総合)」や「消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)」が継続的に下落していました。

・今年度に入って、今度は「家電製品」に関連した消費者物価指数が急落し始めました。ですが、政府データとしては急落しているものの、業界団体の出荷ベースの情報を見ると、政府データとは真逆の状況が見えてきます。

・先月(2016年度9月)より、ようやく原油価格が下落幅を縮小し始めました。

・今月(2016年度10月)は「生鮮食品」が急騰したことと、原油価格の下落幅が縮小したことにより、ようやく「消費者物価指数(総合)」がプラスに転じました。

今月の記事シリーズでも、上記内容に着目し、第223回、第224回と家電・テレビの動向に特に着目した記事を作成しました。

業界の出荷状況を見れば、決してこの二つの分野の「物価」が下落しているとは考えられない状況にあることもまたお示ししました。一つ考えられることがあるとすれば、出荷される段階では正規の販売方法がとられているが、店頭で販売される段階で昨年以上の値下げが行われているのではないか、ということ。

まあ、これは店頭で販売される段階での問題ですから、販売業者が問屋に対して抑圧的に値下げを強要しているような状況さえなければ、許容範囲といえるのかもしれません。


エネルギーに関連した消費者物価指数

大洋の恵

ただ、私として個人的に関心があるのはやはり「エネルギー価格」の動向です。
今「消費者物価指数」を低迷させ、あたかも継続的に物価が下落し続けている様に見せかけているその主犯こそ「エネルギー価格」だからです。

勿論、エネルギー価格は私たちの生活に対してランニングコストとして継続的にかかわってくる分野ですから、安ければ安いほうがいい。何度もお伝えしていますように、エネルギー価格はその大部分が「輸入」によって賄われていますから、これが下落することで損をする人は日本国内にはほとんどいません。

ただ、「消費者物価指数」に関してきちんと理解することができていない人たちにとっては、「消費者物価指数(総合:CPI)」にせよ、「消費者物価指数(生鮮食品を除く総合:コアCPI)」にせよ、これが「下落している」と報道されただけで、あたかも消費が減退しているかのように錯覚してしまう人が多くいるのもまた事実なのです。

例えば2016年10月の「CPI」は前年同月比でプラス0.1%。「コアCPI」はマイナス0.4%、「コアコアCPI」はプラス0.2%となっています。

CPIとコアCPIを比較した時に、CPIはプラスなのにコアCPIはマイナスです。
違いは「生鮮食品」を除いているかどうかですから、この数字だけ見れば、「生鮮食品が高騰したため、消費者物価指数総合が上昇した」という風に判断することができます。

ですが、「コアコアCPI」、つまり「食料およびエネルギーを除く総合」に着目すると、「物価を大幅に押し上げていた生鮮食品が除かれているにも拘らず、『コアコア』はさらに輪をかけて上昇している』ことが分かります。

物価を大幅に押し上げていたはずの生鮮食品が除かれるのですから、普通コアコアは下落しなければおかしいのですが、逆に総合よりも上昇しています。それだけ「エネルギー価格」が上から物価を押さえつける効果は大きいのです。


「エネルギー価格」が関連する分野は主に10大費目の内、「光熱・水道」および「交通・通信」の二つです。
この他にも「家具・家事用品」の内「家事用消耗品」などもその影響を受けます。家事用消耗品に関しては第223回の記事 で既にふれていますので、他の2つの項目について掲載します。


「水道・光熱」の消費者物価指数

「水道・光熱」を構成している中分類項目は以下の通りです。数字は「前年同月比」になります

 光熱・水道 -6.0(9月:-6.2)

  電気代 -6.8(9月:-6.5)
  ガス代 -7.8(9月:-8.2)
  他の光熱 -19.0(9月:-21.6)
  上下水道料 0.4(9月:0.4)

「他の光熱」はそのまま「灯油」のことです。エネルギー価格に含まれない「上下水道料」は継続して0.4%の物価上昇率となっていますが、他の「エネルギー価格」に相当する品目は全てわずかではありますが、マイナス幅を縮小させています。


「交通・通信」の消費者物価指数

「交通・通信」を構成している消費者物価指数は以下の通りです。

 交通・通信 -1.7(9月:-2.1)

  交通 0.0(9月:-0.2)
  自動車等関係費 -1.7(9月:-2.3)
  通信 -2.5(-2.7)

「交通」および「自動車等関係費」が主にエネルギー価格が関連する項目です。


【「交通」のフィルタリング】

「交通」は項目数が多いですので、「小分類」別に比較します。

交通 0.0(9月:-0.2)

 鉄道運賃(JR) 0.0(9月:0.0)
 鉄道運賃(JR以外) 0.5(9月:0.1)
 一般路線バス代 0.2(9月:0.1)
 高速バス代 0.0(9月:0.0)
 タクシー代 0.3(9月:0.3)
 航空運賃 -2.4(9月:-3.8)
 有料道路料 0.5

特に大きな影響を受けているのは「航空運賃」になりますが、個々も下落幅が縮小しています。

【「自動車等関係費」のフィルタリング】
自動車

「自動車関係費」も項目数が多いですので、まずは「小分類」別に掲載します。

 自動車等関係費 -1.7 (9月:-2.3)

  自動車 0.1(9月:0.0)
  自転車 4.8(9月:4.4)
  自動車等維持 -2.4 (9月:-3.2)

特に影響が大きいのは「自動車等維持費」。この項目の中に「ガソリン代」が入っています。

  自動車等維持 -2.4 (9月:-3.2)
   ガソリン -7.7(9月:-9.2)
   自動車タイヤ 1.4(9月:0.7)
   自動車バッテリー -0.4(9月:-0.2)
   カーナビゲーション -4.8(9月:-7.3)
   自動車整備費(定期点検) 1.0(9月:0.5)
   自動車整備費(パンク修理) 1.5(9月:1.4)
   自動車オイル交換料 0.8(9月:0.7)
   車庫借料 0.1(9月:0.1)
   駐車料金 0.9(9月:0.9)
   自動車免許手数料 0.0(9月:0.0)
   レンタカー料金 0.0(9月:0.0)
   洗車代 0.2(9月:0.3)
   ロードサービス料 0.0(9月:0.0)
   自動車保険料(自賠責) 0.0(9月0.0)
   自動車保険料(任意) 0.0 (9月:-0.3)

項目数も多いですね。「ガソリン」は前年同月比で-9.2から-7.7に下落幅を縮小させています。
この他に、「自動車タイヤ」や「自動車バッテリー」も原油価格の動向の影響を受けると考えられます。原材料に原油が含まれますからね。

「カーナビゲーション」の消費者物価も下落幅を縮小させています。
この品目の下落幅が大きい理由としては、家電やテレビと同様に正確なデータが反映できていない可能性が疑われる他、スマートフォンの普及により、スマホがカーナビの代用品としての機能を果たすようになってきている理由も大きいのではないでしょうか。

補足にはなりますが、「自動車」の項目も見てみます。

  自動車 0.1(9月:0.0)
   軽乗用車 0.5(9月:0.5)
   小型乗用車A 0.2(9月:-0.1 )
   小型乗用車B -9.7(9月:-9.7)
   普通乗用車A 0.3(9月:0.5)
   普通乗用車B 0.8(9月:-0.1)

自動車の物価に大きく影響を当てているのは「小型乗用車B」、つまり輸入小型車の消費者物価です。
代わりに普通乗用車B(輸入車)は物価を下落から上昇へと改善させており、小型乗用車A(国産車)も同様に改善させていることから、ようやく「自動車」の分野に関しては物価が上昇へ向かう兆しが見えてきているのではないでしょうか。


もう一つ補足ですが、「通信」に関しては、-2.7から-2.5へとここも下落幅を縮小させています。
最も影響が大きいのは「携帯電話」の通信料と本体の物価です。

携帯電話通話料は-2.8から-2.2へと下落幅を縮小させ、本体代は-8.3から-7.2となっています。
携帯電話に関してはやはり格安スマホなどの影響が大きくなっていると考えられます。


エネルギー指数については、その影響が大きいことを日銀の黒田さんも言及しており、エネルギー指数はマイナスからゼロになるだけで物価に好材料を与えることを認めています。

【為替(円ドル)/ガソリン/原油価格比較 平成28年(2016年)11月】
為替・ガソリン・原油比較(2016年11月)

こちらは2016年11月の原油価格、ガソリン実売価格を為替相場と共に比較したものです。
為替・原油は月初、ガソリン実売価格はe燃費様データを利用させていただいています。ガソリン価格のみは平均値となっています。

ですので、特に為替相場に関しては現在の価格より大幅な円高となっています。
原油価格がほぼ横並び、ガソリン価格に関しては前年同月より3円安くなっていますから、どうでしょう。11月データ辺りではそろそろ原油価格の影響はほぼなくなるような状況になるのではないでしょうか。


この他、衣類・履物も消費者物価指数が前年同月比で1.4%から1.2%に下落するなど、やや気にかかる動きはしているのですが、ここは季節ものの動向が影響を与えているのではないかと考えられます。

秋冬物はそろそろ動きが出てきている様なのですが、ジーンズや子供用洋服など、季節を選ばずに着用することができる品目にやや下落する動きが見えます。この当たりは本格的に寒くなる季節の到来を待ちたいと思います。

原油価格に対してはそろそろ解消の兆しが見えていますから、あとは家電関係のみ、というところですね。
それにしてもなんで家電関係はこんなに物価が下落しているのでしょう・・・。

明確な理由を知りたいものです。


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