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先日からちょっとブームになっている「キーワードからの問い合わせ」シリーズ。
「シリーズ」といいながらカテゴリー化はしていませんが、私のブログを訪問してくださる方が検索している「キーワード」からピックアップして記事を作成しています。

というのも、私自身が建てた一つの命題について検証するためにシリーズ化して記事を作成しているのに、結局全体を総括できていなくて私自身が投げかけた「命題」に対する答えを記すことなくシリーズを終了させていたり、またせっかく私が過去に掲載した記事にヒットするキーワードから訪問してくれているのに、そのデータが少し古いデータだったり・・・

やはり「申し訳ないな」と感じるわけです。

今回テーマとした「原油価格」「ガソリン価格」と「為替相場の比較」もそんな検索キーワードの一つ。

【ガソリン価格/為替相場比較(2014年1月~2015年12月】
ガソリン価格・為替比較(2014~2015)

こちらは、第45回の記事 で掲載したグラフです。左側がガソリン価格、右側が為替相場です。

半年前なので、それほど「古い」資料ではないんですが、それでも検索キーワードの中に「2016年」という数字が入っていると、やはり検索者の要望には添えていないわけですね。

【今回のテーマ】
そこで今回の記事では、「ガソリン価格」、「原油価格」、そして「為替相場」の3つの項目の関連性について、2016年の最新のデータから検証してみたいと思います。

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<前回の記事 第44回 アベノミクスを問う18

アベノミクスを問う19

前回の記事では、実質賃金指数の決まり方に大きな影響を与える「消費者物価指数」に着目し、「消費増税」も「生鮮食料品」も「輸入物価」も含む消費者物価指数「CPI」が、なぜ実質賃金指数を決定する数字として用いられるのかということを解説いたしました。

ただし、今回のシリーズは「アベノミクスを問う」というシリーズ。
単純に用語解説をすることが目的ではありません。「消費増税」も「生鮮食料品」も「輸入物価」も含まれる消費者物価指数ですが、では「消費増税」は実質賃金にどのような影響を与えたのか。「輸入物価」はどうであったのか。

前回の記事では、今回の記事に対して、特に「輸入物価」に着目して解析を行うことを託しました。

「輸入物価」の見方

さて。まずはこちらの円グラフをご覧ください。
日本の輸入内訳(2015年10月)

こちらは、2015年10月の輸入項目の内訳です。
金額ベースで、総額は536億ドルになります。

一方でこちらをご覧ください。
日本の輸入内訳(2012年10月)

こちらは2012年10月。アベノミクスがスタートする前の輸入項目の内訳です。

二つのグラフを比較して、いくつかの違いがあることに気づくでしょうか。
最も大きな違いは「総額」の変化。

アベノミクススタート前、2012年10月の総額が728億ドルであったのに対し、
今年、2015年10月の総額は536億ドル。

実に200億ドル以上も輸入額が下落していることに気づきます。

では、それぞれの総額を円ベースに換算するとどうでしょう。

2012年10月で、ドルに対する円の価値が最も高かった時の為替相場が1ドル78円。
2015年10月で、ドルに対する円の価値が最も低かった時の為替相場が122円です。


これを、それぞれの輸入内訳総額にかけますと、

2012年10月は6.84兆円。
2015年10月は6.54兆円


となります。

安倍内閣がスタートした当時、マスコミ等でよく見かけなかったでしょうか。

安倍内閣に入って、円安が急速に進行し、『輸入物価が上昇』し、『国民の生活が苦しくなる』

と。

「輸入物価とは何か」という定義づけにもよるのですが、少なくともこの表で見る限り、「輸入物価」は下落しています。

こんなことを言うと、

「確かに輸入額の総額は下落しているかもしれないが、品目ごと、単品ごとの『輸入価格』は下落しているんじゃないか」

という方がいるかもしれません。

ですが、例えば「GDP」で見てみますと、

2012年7月~9月のGDPは実質で128兆円。名目で115兆円。
2015年7月~9月のGDPは実質で130兆円。名目で122兆円。

本来であれば10月のデータが含まれるものを利用するべきでしょうが、2015年10月を含むデータはまだ公表されていませんので、7~9月のデータを比較します。

消費増税が行われていますので、名目で単純比較はできませんが、1%あたりの消費税収が年間で2兆円。増税額は3%分ですから、年間で6兆円の増税であると考えると、単純計算で4半期の増税による影響は1.5兆円。

2015年の名目は122兆、2012年の名目は115兆ですから、7兆円の経済成長。消費増税分を考慮しても、5兆円は経済成長していることになります。

経済全体を構成するGDPが名実ともに成長する中で、円建ての輸入総額が下落しているということは、即ち日本国経済の「輸入依存度」が下落していることを意味しています。

例えば、仮に「輸入価格」が上昇していたとしても、国内に代替品があるのならば、わざわざ輸入せず、国内で生産されたものを利用すればよいだけの話です。「輸入総額」がドルベースで見て大幅に下落している理由の中の一つに、このような理由が考えられます。

ですが、この「輸入総額」の下落に関しては、単純にこのように国内生産品に需要が代替されているだけ・・・と考えることは、少し尚早であるように感じます。

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