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この記事のカテゴリー >>ロシア革命とソビエト連邦誕生に至る経緯


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第319回 レーニンの四月テーゼと十月革命

前回の記事、タイトルは「レーニンの四月テーゼと十月革命」としていましたが、内容としてはほぼ四月テーゼに関する記事で、十月革命については全く触れていませんでしたね。

今回の記事では、改めまして四月テーゼより、十月革命が勃発するまでの経緯を追いかけてみたいと思います。


前回までの復習ですが、第一次世界大戦の影響下、肝心の生産活動を行うべき人材を兵士ととして戦争に駆り出されたロシア帝国では、食料不足を原因として、首都、ペトログラードを中心にデモが発生。

これを鎮圧するために警官隊がデモ隊に発砲。このことを受けてデモは武装蜂起へと発展。デモの鎮圧にあたるべき兵士が次々と反乱軍側につき、皇帝ニコライ二世は半ば強制的に退陣させられ、遂に帝政ロシアは崩壊。

「残された議会(ドゥーマ)」と「政党であるメンシェビキを中心に作られたペトログラード・ソヴィエト」が帝政後ロシアの主導権を握ることとなりました。

ペトログラード・ソヴィエトを中心となって結成したメンシェヴィキは、後の十月革命で中心的な役割を果たすボリシェヴィキとはまた別の政党で、ボリシェヴィキの中心的なメンバーであるレーニンやスターリンらは流刑地送りにされていたり亡命していたりしていましたので、革命政府の旗振り役とはなれなかったんですね。

ところが、2月革命と帝政ロシアの崩壊を受け、流刑地よりボリシェヴィキの中央委員であるカーネフとスターリンがペトログラードに帰還(1917年4月3日)。

ですが、カーネフやスターリンを含むペトログラード・ソヴィエトは「暴力」による革命を容認しており、この姿勢を亡命先のスイスから帰還していたレーニンは批判し、「四月テーゼ」というものを公表します。

レーニン

【四月テーゼの骨子】
 
・「臨時政府」を「ブルジョワ政府」とみなし、一切支持しないこと
・「祖国防衛」を拒否すること
・「全権力のソヴィエトへの移行」

帝政ロシアの後を引き継いだ臨時政府は、ロシア国民向けにはペトログラード・ソヴィエトの意向を反映した声明を発表するわけですが、第一次世界大戦真っ只中であった当時、同盟関係にあった連合各国にはこれと逆行する声明を送りました。

で、これに反発した労働者や兵士が再びデモを起こし(四月危機)、ペトログラード・ソヴィエトが臨時政府へと入党することになりました。


7月事件

レーニンの打ち出した「四月テーゼ」は、まさにこの臨時政府の意向を先読みしていたかののような内容となっていたわけです。

四月危機は臨時政府の外相と陸海相が辞任することで収束し、5月5日に発足した臨時政府とペトログラード・ソヴィエトの第一次連立政府では4名、ペトログラード・ソヴィエト側の人物が入党するわけですが、だから臨時政府の方針が大幅に変わった、というわけでもなかった様です。

臨時政府では同盟諸国からの要請を受け、ペトログラード・ソヴィエト側の議員であるケレンスキー陸海省は、対独前線に於いて大攻勢を仕掛けます(6月18日)。然し革命をうけ、当然兵士たちの士気は低下しており、ドイツからの反撃を受けることになります。

このことで更に兵士たちの政府に対する不満は募り、「7月3日、ペトログラードの第一機関銃連隊は、ソヴィエトの中央執行委員会に全権力を掌握するよう求めるための武装デモを行うことを決定(Wikiより)」します。

第一機関銃連隊以外の部隊や工場労働者たちも参加し、デモが行われる(7月事件)わけですが、ソヴィエトの中央執行委員会はこれを拒否。デモは拡大するものの、前線より臨時政府やソヴィエト中央の姿勢を指示する部隊が到着し、デモは鎮圧され、失敗に終わります。

ボリシェヴィキはデモ隊の姿勢を支持したことから、デモが起きたことそのものがボリシェヴィキのせいにされ、メンバーであったトロツキーやカーメネフは逮捕され、レーニンは一時的にフィンランドへと逃亡します。


レーニンの変化
レーニンは元々暴力を否定し、反戦を訴えていた 第二インターナショナル の面々がいざ祖国が戦争に巻き込まれるとその姿勢を翻し、祖国防衛へと立場を簡単に変えてしまったことを批判し、このことが「四月テーゼ」の内容にも反映されていました。

つまり、この時点では「反暴力」を訴え、第二インターナショナルが取っていた暴力に依らない、平和的な手段による共産(社会)主義革命を訴えていました。

四月テーゼにある「全権力をソヴィエトへ」という考え方はボリシェヴィキ自身のスローガンとしても採用され、ボリシェヴィキは平和的な手段により権力を臨時政府(ブルジョワ)から奪取しようと考えていました。

ですが、7月事件でボリシェヴィキが壊滅的な状況へと追い込まれたことから、レーニンはこの「全権力をソヴィエトへ」というスローガンを放棄することを呼びかけるようになります。つまり、これまでの様に平和的な手段によって権力を奪取するのではなく、「武装蜂起」、つまり「暴力」によって臨時政府から政権を奪取することを訴えるようになるのです。

マルクスは、共産主義革命は暴力によってしか実現できないと訴えたわけですが、レーニンも結果的にはこのマルクスの考え方を継承することとなるんですね。


コルニーロフの反乱
一方、第一次連立政権では、首相であったリヴォフが7月事件の責任を取って辞任(7月8日)。

代わりに二月革命後よりドゥーマの一員であった社会革命党のケレンスキーが首相となり、内閣を完全に社会主義者陣営で固めてしまいます(第二次連立内閣:7月24日)。ただしここにボリシェヴィキは含まれません。

この様にして政権の座に就いたケレンスキーですが、実際におこなった政治の内容は第一次連立内閣とそう変わりはなかったらしく、対独戦の失敗や7月事件後のボリシェヴィキ陣営への弾圧を通して旧体制派や革命派からも支持を失い、弱い支持基盤を晒すこととなります。

そして、そんな中旧体制の復活を求めるラーヴル・コルニーロフが軍の最高総司令官の座へと就任し、首相であるケレンスキーとの間で対立が生れます。ケレンスキーも旧体制派の支持を得たいとは考えていましたが、コルニーロフの要求のすべてを受け入れることは出来ませんでした。

そして、コルニーロフはついに反乱を起こし、部下に武力を用いてソヴィエトを解散させることを命じます。
そして政府に対しては全権を再び旧体制派へと委譲することを求めます。

この時政府側に付いたがボリシェビキの面々。
コルニーロフの命を受けてペトログラードに攻め込んだ兵士たちはソヴィエトを指示する人々に説得されて武装解除し、弾の一発も撃つことなくこの反乱は収束したのだそうです。


軍事革命委員会の結成

コルニーロフの反乱を受け、メンシェヴィキはペトログラード・ソヴィエトに対し、「軍事革命委員会」の設置を提案します。

この時点でボリシェヴィキは「全権をソヴィエトへ」というスローガンを放棄し、武装蜂起による権力奪取を行う方針を第六回党大会(7月末~8月当初)に於いて決議しており、またコルニーロフの反乱後、10月10日(ユリウス暦)にボリシェヴィキ中央委員会に於いて賛成多数により「武装蜂起はもはや避けられず、その期は十分に熟した」という宣言を採択しています。

ボリシェヴィキは武装蜂起を行うための戦力を欲しており、メンシェヴィキ側からの「軍事革命委員会設置の提案」は渡りに船でした。

10月12日、メンシェヴィキが提案し、ボリシェヴィキが賛成した軍事革命員会は設置されることとなります。
この軍事革命委員会は、ケレンスキー政権を打倒し、ソヴィエトによる政権を設立するため、武力蜂起を行う為の組織であったわけです。

この時中心的な役割を演じたのがレフ・トロツキーという人物で、彼は「われわれは、権力奪取のための司令部を準備している、と言われている。われわれはこのことを隠しはしない」との演説を行い、ボリシェヴィキには公然と武装蜂起を行う意思があることを認めてしまいます。

トロツキー

この様な状況に在りましたから、メンシェヴィキは軍事革命委員会には参加せず、軍事革命委員会は大部分をボリシェヴィキが、そのほか社会革命党左派(エスエル左派)、そして無派閥によって構成されることになりました。

ボリシェヴィキはついにペトログラード・ソビエトに於ける「多数派」へと返り咲いたんですね。
トロツキーは武装蜂起を第二回全国ソビエト大会が開催される10月25日に実行することを主張し、軍の各部隊もケレンスキー率いる臨時政府ではなく、ペトログラード・ソヴィエトの指示に従うことを決めます。

さて。この後10月24日、2月革命以降に設立されたエストニア自治政府に於いて「10月革命」の口火は切られます。
次回記事においては、10月革命の経緯と10月革命後のロシアについて記事にしたいと思います。


この記事のカテゴリー >>GDPの見方


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第321回 2016年度(平成28年度)名目/実質GDPが公表(速報)前編

2016年度GDPに関しまして、前回の記事では高橋洋一氏の見解をただす形で記事を作成しましたが、今回は改めまして私自身の視点から「2016年度GDP」公表結果についてポイントを整理してみたいと思います。

既にお伝えしています通り、私が大切にしているGDPは

・名目
・原系列
・前年同月比

という3つの要素を持ち合わせた指標です。
一方マスコミ等が重宝したがる

・実質
・季節調整系列
・年率換算
・前期比

という指標は、実際の経済現象では起きていない、経済予測に基づいて人為的に算出された数字が多く用いられていますので、私は全くあてにしていません。「実質値」に関しては参考にはしていますが、それ以外の数値は信頼に値しない数字だと考えています。

ですので、四半期別GDPを考えるときは「名目原系列前年同月比」を中心に記事を作成しているわけですが、一年で唯一、「1-3月期」、つまり2016年度であれば「2016年度第4四半期」の統計データが出て来た時だけは、「前年同月比」ではなく、「前年度比」という1年間を通じて、季節の変化まですべて反映された統計データを比較することができます。

「四半期別GDP」ではなく、「年度別GDP」で最大のマクロ指標、「GDP」を見ることができます。

内閣府


2016年度GDPの統計結果

【2016年度GDP(前年度比)】
名目GDP
全体 537.986 兆円(1.2%)

 民間最終消費支出 299.8 兆円(1.2%)
 家計最終消費支出 293.0 兆円(0.3%)
  除く持家の帰属家賃 243.1 兆円(0.3%)

 民間住宅 16.9 兆円(6.2%)
 民間企業設備 82.4 兆円(1.6%)

実質GDP
全体 523.4 兆円(1.3%)

 民間最終消費支出 297.0 兆円(0.6%)
 家計最終消費支出 289.3 兆円(0.6%)
  除く持家の帰属家賃 236.5 兆円(0.4%)

 民間住宅 16.0 兆円(6.5%)
 民間企業設備 81.3 兆円(2.3%)

こちらが「2016年度」のGDP統計結果です。


2016年度GDP評

政府が様々な経済政策に取り組んでいる理由は、こちらに掲載された「民間」の消費を伸ばすことにあります。
言い換えれば、これらの項目さえ伸びているのであれば、「政府最終支出」や「公的固定資本形成」などを気にする必要はありません。

上記指標の中で大切なのは「名目GDP」が伸びているのか、それとも下落しているのかということなのですが、見ての通りきれいにすべての項目でプラス成長を遂げています。そしてそれは名目だけでなく実質も同様です。

民間最終支出、家計最終消費支出の伸び率が0.3%とやや勢いを欠くように見えますが、カテゴリー 「物価」の見方 で散々追求してきた様に、これらの消費支出には「エネルギー価格」の大幅な下落、及び家電製品の下落が反映されており、逆に言えばそれにも関わらず消費支出全体としてはプラス成長を遂げたのだ、ということです。

物価サイドから見ると、エネルギーの消費者物価前年同月比がマイナスからプラスに転じるのは2017年2月から。
家計最終消費支出を四半期別に見ると、第3四半期(10-12月度)も第4四半期同様プラス成長していますが、この時はまだエネルギー価格は全体でマイナス。代わりに生鮮食品が高騰しました。

第4四半期に至ってようやくエネルギー物価が前年同月比プラスに転じますが、それでも実際にプラス成長しているのは1月~3月の3か月の内、2月、3月の2か月間。

2016年度1年間の名目GDPを見ますと、4月~6月の第一四半期、7月~9月の第二四半期の民間・家計最終消費支出は前年度割れしており、残る10月~12月の第3四半期、1月~3月の6か月間で年度全体をプラスに押し上げていることになります。

この時、年度後半の二四半期がプラス成長した理由が本当に経済成長したからなのか、それとも私が説明した様に、「エネルギー価格」の前年度比が第4四半期においてようやくプラスに転じ、かつ第3四半期に於いて生鮮食品の価格が高騰したことに伴う一時的な現象なのか。

これを判断するときに役に立つのが「実質GDP」なのです。


2016年度実質GDPの動向から見える2016年度の経済状況

既実質GDPは名目GDPを持家に帰属する家賃を除く消費者物価指数で割ったものであり、名目も消費者物価指数も、元々人為的な計算方法を用いて算出されたものですから、人為的に算出された数字を人為的に算出された数字で割った「実質GDP」は、更に信憑性の薄いものとなります。

ですが、季節調整系列や年率換算に比べればまだ参考にはなる数字です。
実質GDPの捉え方は飽くまでその程度である、と念頭に置いた上で今後の文章は読んでいただければと思います。


前回の記事でも、第218回の記事 でもご説明しました様に、「実質GDP」とは消費された「数量」の事。名目GDPは消費された「合計金額」の事。

名目成長率と実質成長率は以下の様な数式で表すことができます。

 名目成長率-実質成長率=物価上昇率

この等式を頭に入れて2016年度名目GDPと実質GDPを見てみますと、とある特徴があることに気づかされます。
それは、全ての項目にわたって「実質成長率」が「名目成長率」を上回っているということです。

これは、言い換えると物価が下落しているということで、高橋洋一流に言えば「GDPデフレーターが下落している」ということで、「失われた20年や25年に戻った」ことになるのかもしれません。

ですが、そんな高橋洋一の説など詭弁にすぎません。
バブル崩壊以降の日本国経済は、「名目値が下落する中で物価が下落していた」のです。

ですが、2016年度に起きた経済現象は「物価が下落する中で、名目値は上昇していた」ということ。安倍内閣以前の経済とは全く事情が異なります。

言い方を変えれば、「物価は下落したが、販売総数は大幅に上昇し、結果として売上総額もプラス成長した」というのが2016年度のGDP評です。

一方で第3四半期に於いて生鮮食品の価格が高騰し、第4四半期に於いてエネルギー価格が前年度比でプラス成長したことが2016年度の家計最終消費支出を押し上げた最大の原因とは考えられるわけですが、2016年度第4四半期前年同月比に限定して数字を見てみますと、

【2016年度第4四半期GDP統計結果】
名目GDP
全体 0.8%

 民間最終消費支出 1.0%
 家計最終消費支出 1.0%
  除く持家の帰属家賃 1.2%

 民間住宅 8.0%
 民間企業設備 3.0%

実質GDP
全体 1.6%

 民間最終消費支出 1.0%
 家計最終消費支出 0.9%
  除く持家の帰属家賃 0.9%

 民間住宅 6.9%
 民間企業設備 3.0%

確かにGDP全体で見ると名目0.8%、実質1.6%、物価上昇率 -0.8% ですから、高橋洋一流に言えば「悪い状況」なのかもしれません。

ですが、よく見てみましょう。
民間最終消費支出は 名目1.0、実質1.0 の物価上昇率0%、
家計最終消費支出は 名目1.0、実質0.9 で +0.1% の物価上昇率。
除く持家の帰属家賃は 名目1.2、実質0.9 で +0.3% の物価上昇率。

民間住宅は 名目8.0、実質6.9%で1.1%の物価上昇率。
民間企業設備は 名目3.0、実質3.0で 0%の物価上昇率。

企業消費支出こそ0%と横ばいですが、家計、特に私が重視している「持家に帰属する家賃を除く家計」は0.3%のプラス成長、民間住宅は1.1%の物価上昇を果たしているわけです。

これ、本当に「悪い状況」なんですかね、高橋洋一さん。
確かに第4四半期は「エネルギー物価」がプラスに転じており、ひょっとするとそれが原因だったのかもしれません。

ですが、伸びているのは「名目」だけでなく「実質」も伸びています。エネルギー物価が上昇し、物価全体が上昇したにも関わらず、「名目」と同時に「実質」も上昇しているんですよ。

ではなぜ「GDP全体」では物価が下落したことになっているのか。
確かに「政府支出」が前年度割れしていることにも原因はあるのかも知れません。ですが、政府が経済政策を行う最大の理由は「GDPデフレーターをプラス成長させること」にあるのでしょうか?

違いますね。GDP統計で云うのなら、「家計最終消費支出(持家に帰属する家賃を除く)」ことにこそ政府が経済政策を行う理由はあります。

そして統計データとして、「輸出入デフレーター」に於いて、実質と名目で輸出入の前年同月比が逆転していることも忘れてはいけません

マネタリストたちの中では完全に「目的」と「手段」が入れ替わってしまっているのです。
GDP評で言うのなら、2016年度GDPは

「GDP、及び民間消費、設備投資に於いて名目成長率を実質成長率が上回る状態となったが、全ての項目に於いて名実ともにプラス成長することができた。

最新の2016年度第4四半期に於いては民間企業の物価成長率こそ横ばいだが家計においては名実、物価成長率すべてでプラス成長を果たしており、漸くアベノミクスの成果を家計に於いても実感できる状況が生れた」

とするのが正しいのではないでしょうか?

今後もGDP、賃金、物価、税収。これらの項目を中心に、引き続き詳細な政府統計の分析を行っていきたいと思いjます。


この記事のカテゴリー >>GDPの見方


年間に一度しか訪れないこの決定的瞬間。
私にとっては非常に楽しみな日でもあります。本日は2016年5月21日ですが、18日、2016年度GDPが発表されました。

あくまでも速報ベースではありますが、これは私が四半期ごとに追いかけてきたカテゴリー GDPの見方 の記事や、ほぼ毎月追いかけて来たカテゴリー 物価の見方 の記事の正当性が評価される瞬間でもあります。

分析屋としての私の情報が正しかったのか、それとも誤りだったのか。これが今回行われた年度別GDPの結果によって判断されます。


先ずは、ロイターによる報道から記事にしてみます。

【ロイター記事より】
1─3月期実質GDPは年率+2.2%、5四半期連続プラス成長=内閣府

[東京 18日 ロイター] - 内閣府が18日発表した2017年1─3月期国民所得統計1次速報によると、 実質国内総生産(GDP)は前期比プラス0.5%、年率換算でプラス2.2%となった。5四半期連続のプラス成長となった。

ロイターがまとめた民間調査機関の事前予測では1─3月期GDPの予測中央値は前期比プラス0.4%、 年率プラス1.7%だったが、これを上回った。   プラス成長に寄与したのは主に民間最終消費支出、外需だった。

GDPデフレーターは前年同期比マイナス0.8%だった。

この結果、2016年度の成長率は実質前年度比プラス1.3%、名目同1.2%となった。

私とすると、一番肝心なのは最後の文章一文なんですけどね。

私のブログを継続的にお読みいただいている皆さんには既にご存知のことかもしれませんが、GDP統計を見る中で私が一番重要だと思っているのは、「極力人為的な計算が行われていないこと」です。

もちろんこれを完全にやれ、何てのはまず不可能ですし、どうしても人為的な計算方法に頼らなければ算出できないのもGDPに代表されるマクロ指標の特徴です。

ですが、だからこそそんなマクロ指標の中でもより人為的な計算が加えられていない指標。即ち「名目値」が一番信頼に足る情報だと考えています。

で、今回引用しているロイター記事ですが、まあツッコミどころ満載、と。おそらく政府が発表した情報を何も考えることなくそのまま掲載したのでしょうが、

「1-3月期実質GDPは年率+2.2%」

と記されていますね?
一件、「めちゃめちゃいいじょうほうじゃん!」と大喜びしてしまいそうな情報ですが、

1.この数字はあくまでも「実質GDP」であり、名目値ではない。
2.「年率」とは年率換算の事であり、そもそも1-3月期と同じ成長率が1年間続くことなどありえないこと。
(年率換算に関しては、第140回の記事 をご参照ください)
3.年率換算が行われているということは同時に「季節調整」が行われており、その季節特有の状況を計算式で算出することなどそもそも不可能である

という3つの点から、まずこの数値そのものを私は相手にして居ません。
そもそも、ロイター記事文末に掲載されているとおり、「2016年度一年間を通じてのGDP」が既に出ているのに、なぜ一番大切な年間のGDPではなくわざわざ1-3月期の実質値を年率換算したものをタイトルとして選択するのか、私にはまったく理解できません。

ちなみにロイターだけでなく、他のほとんどの報道局が同様のタイトルを選択しています。


高橋洋一のデタラメなGDP解説

このことに関して、以下の動画内で、高橋洋一氏も同様の見解を述べているのですが、



私ははっきり言ってこの人が大っ嫌いです。
例えば動画内に於いて高橋洋一氏は、私と同じように「1-3月期実質GDPは年率+2.2%」という数字が名目値ではなく実質値であることを指摘し、「本当は名目値の方が生活実感に近く大切だ」と言っています。

彼のセリフを文章化してみます。
※読む価値ないんで、枠内はとりあえず読み飛ばしてください。後程ポイントとなる部分を解説します。
今のお話があったのは、実は実質っていうやつですね。

で、あの、実は経済っていうのは名目っていうのもあって、より実感に近いのは名目だと思いますよ。
で、名目の数字を見ますと、実は前期比の、年率換算っていうのを見ると、マイナス0.1%。ですね。えっと、前期比でやるとマイナス0%っていうことなんですけど、この値を4倍しまして0.1%っていうことになってますね。

で、こういう数字見るときにまあ、GDP速報ってたくさん数字があるんですけどね。私がいつも着目しているのは、実はGDPデフレータなんです。このGDPデフレーターっていうのは、消費者物価と卸売り物価を合わせたまあ、全部の物価みたいなイメージでいいです。

でそれが、1994年以降はず~っとマイナスだったんですよ。で、安倍政権になって1年くらいしてようやくプラスになりはじめて、プラスの2~3ぐらいまでうまく行ったときもあったんですね。それなんですけど今回この数字がまたマイナスになってしまったっていうのが私がすごく懸念しているところではあります。

このGDPデフレーターで今期の1-3月期を前の年と比べるとどうかっていうと、マイナス0.6%。っていう数字ですね。これよくないですね。ちょっとこの数字だけ見ますとデフレに戻っちゃったのかなと。そんなイメージっていうか、そういう事すらありますね。

安倍政権になってからこのデフレーターはずっとプラスになってたからよかったんじゃないかと思ってたんですけど、逆にこの、前の失われた20年か25年くらいに近い数字がちょっと出てきちゃった。

アナ
「実質でこの0.5%増っていうのは、ある意味で、物価が下がった分だけ上がった様に見えてるだけ」

そうそう。だから名目の方は実際は殆ど変わっていないってことは、実際実感はよくないと思いますね。

で、そのデフレーターの数字をまたあげますとね、2014年度はね、このデフレーターが2.5%だったわけなんですよ。
これは良い数字ですよ。

次がね、2015年度。これが、1.5%になっちゃった。

今度、2016年度、またマイナスになって、これすごく嫌な数字でマイナス0.2なんですよ。
で今もうちょっと、それより大きい数字でしょ?更にマイナスな数字でしょ?

これはね、悪い状況だと思うんですね。

アナ
「ここ3年見るとだから1%ずつデフレーターが下がってきちゃった」

これはね、そこの上のどんな変数がそこに関係しているかって見ると、その上の方に公的需要ってね、公的需要っていうと政府の消費と投資合わせた数字なんですけどね。その公的需要の数字を見ると2014年度、これが2.1。

それが2015年度、1.0。それで2016年度、マイナス0.6。なんか似てるじゃないですか、これ。

アナ
「これほど・・・」

動き同じでしょ。だからこういうの分析すると、これが悪いんじゃないのと、実は思えちゃう。同じような動きでしょ?
他の見ると同じような動きってないんですよ。だからこれがしぶちんになってて、緊縮財政なんですよ。

2014年度それすぐに税金巻き上げちゃったっていうのがあってその後。消費増税して、そして消費を崩して、その後段々消費は持ち返していくんですけど、その後の財政支出、2015年、16年度、この2年度で財政支出をしない。だから全然持ち上がらない。そんな感じ。

アナ
「決算見ると、確か2013年度がポンと上がったんですけどその後ってちょっとずつ減ってるんですよね。でそれが社会保障はどんどん増えてるから、実際使ってる真水がどんどん減っているような」

ですからね、財政の方がちょっと悪さしてて、オペレーションがちょっと間違ってるんじゃないかなっていう風にこの数字からは見えるんですね。ですから財政の方もうちょっと出してもいいと思うんですよね。

で今国債で私教育国債の話なんかしてますけどね。財政再建ができてなくて今でも財政危機だっていう人いるんですよ。それ、嘘ですよ。要するにマーケットに国債がない状態なんですよ。マーケットに1000兆あるんですけど、日銀が400兆円以上持ってるとか、ほんでほかの所にも手放せないなんて言ってもう、国債不足なんですよね。

こういう時に国債を出して、国債を出しつつ政府支出を出すっていうのがまあ常道なんですよね。王道なんでまあそれをやるべきってのがこの数字から見えてくるんじゃないかなって私は思ってるんですね。

アナ
「むしろ今千載一遇の好機っていうか」

ですよ。低金利っていうか、ゼロ金利でしょ?
こんな時に投資しない人いませんっていう話ですよ。こういう時にはどんどん投資しましょうと、

アナ
「これ、民間はこの金利に敏感だなっていうのが、民間住宅ってものすごく伸びてますよね。」

住宅金利があの、金利が安いから住宅ローンが安いからってからほとんどゼロとか0.何%ととか1%切ってるの多いじゃないですか。それはそれで出るんですよ。

でもね、民間はちょっと出にくいんですよ。住宅投資以外の設備投資だと先が不安なんですね。
今ちょっといいけど、この2~3年度どうなんですかっていうと不安なんですね。そういう時には先に出るのは実は政府です。

政府はそういうこと気にすることなくて、先に行って民間を呼び水の様にしたくなる。だから民間の呼び水になる、政府が出ていくって言うのがセオリーなんですけどね。それをちょっとしない、やらないっていうと、日本経済ちょっと、先行き不安ですね。

きりがないのでこのあたりで。

彼、「名目が大切だ」と言及した後で「私がいつも着目しているのは、実はGDPデフレータなんです」と発言しています。

私もGDPデフレータを見ることはは確かに大切だと思います。このことは、第218回の記事 でもご説明した通りです。

ですが彼、まずGDPデフレーターについて、以下の様に言及しています。

 「GDPデフレーターっていうのは、消費者物価と卸売り物価を合わせたまあ、全部の物価みたいなイメージでいいです」

いやいやいや・・・おたく、曲りなりににも経済学者を名乗ってるんでしょ? 全然違うんですけど。


高橋洋一のでたらめな実質GDP解説

「GDPデフレーター」っていうのは、そもそも「名目GDP」を「実質GDP」で割ったもの。
物価が下落すれば分母である実質GDPが上昇しますのでGDPデフレーターも下落しますし、逆に上昇すれば分母である実質GDPは下落しますので、GDPデフレーターは上昇します。

ではその「実質GDP」とは何ぞやと申しますと、「名目GDP」を「消費者物価指数(持家に帰属する家賃を除く)」で割ったものです。GDPに於いて下落するとされる物価はこの「持家に帰属する家賃を除く消費者物価指数」のことです。

実質GDPの分母に来るものが消費者物価指数ですから、物価である消費者物価指数が下落すれば実質GDPの値は大きくなり、消費者物価指数が上昇すれば実質GDPは小さくなります。

ですので、肝心なのはこの「消費者物価指数」が一体どのような理由で下落し、どのような理由で上昇したのか、という事。

例えばエネルギー以外の物価は上昇しているのに、エネルギーが大幅に下落したため消費者物価全体を引き下げてしまったとか、10-12期は生鮮食料品が高騰したけれども1-3月期は正常に戻っただとか、こういう特殊な事情がGDP統計では捕捉し切れていないんですね。

これは、私がカテゴリー 物価の見方 に於いてしつこいほど消費者物価指数の詳細を追いかけている理由の一つでもあります。

高橋洋一は、こういった消費者物価指数の側の事情をまったく把握せず、完全に憶測でGDP統計について口走っていますから、内容はとても経済学者の発言とは思えないほどに稚拙なものとなっています。


輸出入デフレーターを完全に無視する高橋洋一

輸出入に於ける実質値について影響を与えるのは国内の物価ではありませんし、為替変動も大きく影響してきますから、輸出入に関しては国内のGDPとは異なる算出方法が用いられます。

GDPを考える場合、輸出入に関しては、輸出はGDPに加算され、輸入はGDPからマイナスされます。

ですから、いくら輸出が増えたところで、輸入される品目の総額が輸出を上回れば、輸出入はGDPに対してマイナスの影響を与えます。日本国内の消費活動が活発で、いくら内需が活発であったとしても、輸入額が比較期間と比べて上昇すれば、GDPにはマイナスの影響を与えるのです。

例えば今回発表された2016年度1-3月期の輸出入を名目と実質で掲載してみます。

【2016年度1-3月期輸出入GDP】
名目輸出額
前期比 5%
前年同月比 7.5%

名目輸入額
前期比 7.9%
前年同月比 8..4%

実質輸出額
前期比 6.1%
前年同月比 2.1%

実質輸入額
前期比 1.3%
前年同月比 1.4%

解りますか?
1-3月期のデータとして、名目では前期比、前年同月比とも輸出よりも輸入の方が前年同月比が高くなっています。
つまり、輸出入の項目は名目GDPに対してはマイナスの影響を与えています。

所が、実質値ではその値が大きく逆転していますね?

前期比、前年同月比とも輸出が輸入を上回っているのです。つまり、輸出入の項目は実質GDPに関してはプラスの影響を与えているのです。年度全体に関しては事情が異なっていますが、1-3月期に於けるGDPデフレーターに関する高橋洋一氏の解説がいかに的外れなものかということはご理解いただけると思います。


高橋洋一のでたらめなGDPデフレータ解説

消費者物価指数や輸出入デフレーターの側面から考えても高橋洋一氏の言っていることがいかにめちゃくちゃな内容なのかということはご理解いただけると思うのですが、もう一つ。

彼は2016年度のGDPデフレーターに関して以下のような発言をしています。
GDPデフレーターで今期の1-3月期を前の年と比べるとどうかっていうと、マイナス0.6%。っていう数字ですね。これよくないですね。ちょっとこの数字だけ見ますとデフレに戻っちゃったのかなと。そんなイメージっていうか、そういう事すらありますね。

安倍政権になってからこのデフレーターはずっとプラスになってたからよかったんじゃないかと思ってたんですけど、逆にこの、前の失われた20年か25年くらいに近い数字がちょっと出てきちゃった。

ですが、ちょっと待ってください。

改めて2016年度1-3期のGDPを見てみましょう。
【2016年度1-3期GDP】

名目GDP
前年同月比 0.8% 
前期比 -0.0%

実質GDP
前年同月比 1.6%
前期比 0.5%

GDPデフレーター
前年同月比 -0.8%
前期比 -0.6%

年率換算に関してはフィクションの数字ですからここには掲載しません。冒頭でご説明しましたね?

さて、こちらのデータに関して、高橋洋一はアナのコメントに続いて以下のような解説をしています。
アナ
「実質でこの0.5%増っていうのは、ある意味で、物価が下がった分だけ上がった様に見えてるだけ」

そうそう。だから名目の方は実際は殆ど変わっていないってことは、実際実感はよくないと思いますね。


ここで、再度
を振り返って見ます。

「名目GDP」と「実質GDP」、そして「GDPデフレーター」の関係は、

名目GDP=購入総額
実質GDP=購入数量
GDPデフレーター=購入単価

を意味しています。日本国内にあるすべてのサービス・品目を同じ一つの単位で表すために「GDPデフレーター」というものが用いられ、その販売総数として「実質GDP」という値が用いられているのです。実質GDPに関しても、全てを同じ数量単位で表すことは出来ませんから、その数量という単位を「円」で表しているわけです。

このことを踏まえて2016年1-3月期の数字を振り返って見ますと、

「前期比」では
名目GDP(購入総額:-0.0%)=実質GDP(購入数量:0.5%)×GDPデフレーター(購入単価:-0.6%)

「前年同月比」では
名目GDP(購入総額:0.8%)=実質GDP(購入数量:1.6%)×GDPデフレーター(購入単価:-0.8%)

という計算式で考えることができます。
前期比の場合、確かに数値はマイナスがついていますから、決して好ましいものでありません。ですが、高橋洋一自身が言っている様に、あくまでもこの数字は「殆ど変わっていない」のです。

ですが、単価が下落したおかげで購入数量は増えきちんと前期とほぼ同等の金額が消費されているのです。
もし本当にこの数字を「実際実感はよくない」と消費者が感じたのであれば購入数量は減少するのではないでしょうか?

飽くまで私は様々な人為的な手が加えられた「実質値」など眉唾ものだと考えていますが、高橋洋一の土俵に上がって考えるとすればの話です。

その上で実質純輸入額が増えており、日本国内の実質値(消費数量)から差し引かれていますから、この輸入額分を差し引いて考えると日本国内で起きた消費数量は実際にはもっと多いはずです。当然これにデフレーター(消費単価)をかけた金額はプラスになります。

増して「前年同月比」で考えれば購入単価こそ下落していますが、「購入数量」も「購入総額」も共に増えています。前期比同様実質純輸入(消費数量)を差し引かれた上で、です。これを以て「実際実感はよくない」などという評論が果たして的を射ているのでしょうか?


日本の目指すヴィジョンのデタラメ解説

ここは、まず高橋洋一のデタラメヴィジョンを引用してみます。
財政の方がちょっと悪さしてて、オペレーションがちょっと間違ってるんじゃないかなっていう風にこの数字からは見えるんですね。ですから財政の方もうちょっと出してもいいと思うんですよね。

で今国債で私教育国債の話なんかしてますけどね。財政再建ができてなくて今でも財政危機だっていう人いるんですよ。それ、嘘ですよ。要するにマーケットに国債がない状態なんですよ。マーケットに1000兆あるんですけど、日銀が400兆円以上持ってるとか、ほんでほかの所にも手放せないなんて言ってもう、国債不足なんですよね。

こういう時に国債を出して、国債を出しつつ政府支出を出すっていうのがまあ常道なんですよね。王道なんでまあそれをやるべきってのがこの数字から見えてくるんじゃないかなって私は思ってるんですね。

常道に王道ねぇ。。。

この人、完全に「目的」と「手段」が入れ替わってますよね。
日本国が目指すべき将来、ヴィジョンとは、民間が政府に促されずとも、自ら受容を生み出して自立できる経済体制を築くことです。

これは高橋洋一自身も書いていますが、もし民間がこれができていないのであれば民間ではなく政府が「民間の呼び水になる、政府が出ていくって言うのがセオリー」となるわけです。

ですが・・・笑っちゃいたくなりますね。

では、2016年度の「民間消費支出前年度比」はどうなっているでしょう。

【2016年度民間最終消費支出】
民間最終消費支出前年度比
名目 0.3%
実質 0.6%
デフレーター -0.3%

家計最終消費支出
名目 0.3%
実質 0.6%
デフレーター -0.3%

家計最終消費支出(持家の帰属家賃を除く)
名目 0.3%
実質 0.4%
デフレーター -0.2%

この年度単位のGDPについて、高橋洋一は以下の様にも言っています。

そのデフレーターの数字をまたあげますとね、2014年度はね、このデフレーターが2.5%だったわけなんですよ。
これは良い数字ですよ。

次がね、2015年度。これが、1.5%になっちゃった。

今度、2016年度、またマイナスになって、これすごく嫌な数字でマイナス0.2なんですよ。
で今もうちょっと、それより大きい数字でしょ?更にマイナスな数字でしょ?

これはね、悪い状況だと思うんですね。

悪い状況ねぇ・・・。

例えば高橋洋一のいう2016年度の数字を私が解説すると、

 デフレーターが0.2%下落したおかげで名目GDPが1.2%上昇し、実質GDPは1.3%も成長したんですよ。
 特にこの成長を牽引しているのは民間の消費で、二年連続で名実ともにプラス成長を果たしたんです。

とこんな感じでしょうか。
特に民間住宅はその傾向が顕著で、名目で6.2%、実質で6.5%の前年度費を記録しています。これを高橋洋一はこんな風に表現しています。

住宅金利があの、金利が安いから住宅ローンが安いからってからほとんどゼロとか0.何%ととか1%切ってるの多いじゃないですか。それはそれで出るんですよ。

でもね、民間はちょっと出にくいんですよ。住宅投資以外の設備投資だと先が不安なんですね。
今ちょっといいけど、この2~3年度どうなんですかっていうと不安なんですね。

どうしてもアベノミクスの成果が出ていないことにしたいんでしょうかね?
言ってることがめちゃくちゃです。

例え金利が低いことが原因であったとしても、「住宅」って民間人が行う買い物の中では、人生の中で最も大きな消費物です。
金利が低くなっただけの理由でおいそれと購入するわけにはいかないんですよ。

で、「民間住宅」の消費が伸びているのに、なぜか高橋洋一は「民間はちょっと出にくいんですよ」と。は? 出てるのは民間住宅なんですが。で、返す刀で「住宅投資以外の設備投資だと先が不安なんですね」とか。

いやいやいや。「民間住宅」ってそもそも企業じゃなく「家計」からの支出の事なんですけど。
「民間企業」の支出は別に「民間企業設備」っていう項目があって、その数値も前年度比で2.3%を記録しているんですけど。

高橋洋一はどうしても「消費増税」が失敗であったことにしたくて仕方ないんですよ。

消費増税が失敗で、消費増税が行われて早まる3年経過しているにも関わらず、未だに消費増税の影響から抜け出せていなくて、国民の消費は低迷していて、民間の代わりに政府が消費を増やし、国債を発行しなければならない状況でなければ都合が悪いんでしょうね、何か。

民間の経済が活性化しつつあるのなら、政府が歳出を減らしても別に問題はないんですけど。
政府が歳出を減らしているにも関わらず、民間が発展できているのなら、それはまさにアベノミクスが成功していることをはっきり示しているんじゃないでしょうかね?

なんであんな奴が重宝されるのか、私にはまったく理解できません。


さて。次回は同じ情報を、今度は高橋洋一フィルターを外して、もう少しわかりやすくまとめてみたいと思います。


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ゴールデンウィーク明けが多忙となってしまった為、前回(第319回)の記事を記してよりずいぶん日数が経過してしまいました。

シリーズを継承する形で記事を作りたいのですが、ロシア革命に関連する記事はどうしても一記事を記すのに多くの時間を必要としてしまう為、今回の記事では、普段の政経関連の記事ではなく、コラムとして私の個人的な考え方について記事にしてみたいと思います。

政経関連ではない、と言いつつも、私の考え方はうまく取り入れることができれば、実社会、会社や組織などのコミュニティを円滑に運営する上でも役に立つ内容となるのではないか、とも考えています。


「私」という人物

この章は「私」という人物を紹介することを目的としています。

私自身は、いくつかの「組織」に所属し、組織に所属することの難しさを痛切に実感させられ、特に「会社組織」からは事実上ドロップアウトしました。

ただ、そうは言っても人間ですから、生きていくためには当然自分以外の他者とかかわりあう必要があります。
私自身も、確かに所謂「会社組織」からは離れましたが、いくつかの「組織」には所属していますし、中には自分自身で運営している組織もあります(会社ではありません)。

そのような組織に所属する上で、最低限の常識やマナーを予め身に着けておく必要がありますし、ある程度のコミュニケーション能力も身に着けておく必要があります。そのような意味で、現在の様なスタンスとなる前に、「指導者」となるべき存在がいるいくつかの組織に所属し、辛い思いを経験したことは、現在では私自身のとても大切な「糧(かて)」となっています。

人間って、体験しなければ解らないこともたくさんあります。ですが、人から教えられたから、と言ってそれを突然身に着けられるほど器用な人ばかりではありませんし、素直になれる人間ばかりでもありません。

最初に大切になるのは、「器用ではない自分」や「素直ではない自分」に気づく事が出来るようになることで、それに気づいたとき、新しく環境を変えられる勇気を持てるかどうか、なのだと思います。その組織に身を置きながらでも構わないでしょうし、思い切ってその組織から一度離れる勇気を持つことも必要です。

そうして新しく環境を変える準備ができた後、新しい組織において、前回の組織で「できない」と気づいたことを今度こそやってみることができるかどうか。

「こうしたほうがいいよ」と前の組織でいわれていたんだけど、恥ずかしさや反発心があり、前の組織ではできなかった。
けど、新しい組織ではそんな前の組織にいた「私」を知っている人など存在しないのです。

そして、「私」自身はそのことを知っていますから、当然前の組織にいた「私」よりはグレードアップしているのです。


現在私が所属している組織は、基本的に「会社組織」ではありませんから、そこに参加している人間間での優劣の差はありませんし、「上司」に相当する存在も居なければ、「部下」に相当する存在もありません。お互いが本来「対等」であるべき組織です。

ですが、そういった組織に体を置いていたとしても、時として私自身に「リーダー」としての役割を求められるケースがあります。
それは、「経験」やその組織に身を置いている「時間」に基づくものです。

前置きが少し長くなりましたが、実はここからが本題。今回の記事のタイトルに紐づけられた内容となります。


「正論」という暴力

会議

仰々しいタイトルを付けてみましたが・・・。

正直な話、私は「リーダー」という立場に立って、自分以外の誰かに指示をしたり、指導したりすることはとても苦手です。
また、同じくらい私以外の誰かから「支持」をされたり「指導」をされたりすることが苦手です。

ですが、誰かからアドバイスを求められ、これに答えること。またそういう立場に立って、課題にぶつかって悩んでいる人の課題を解決すること。このような立場はそう苦手ではありません。

解らなければ調べればよいわけですし、自分自身が調べた内容を、私の情報を受け止める人にとって受け止めやすい内容に加工してお伝えするだけですから、私にとってはそう難しい話ではないのです。(もちろんその課題の内容によってハードルは上がりますし、当然解決できない問題も生まれますが)

ですが、私が第三者に対して、この様なソリューションを提供しようとしたときに課題になってくるのは、その第三者本人ではなく、その人の周りにいる人たちの存在です。

多くの場合、本来その人自身が解決しなければならない問題であるにも関わらず、その人に関わる立場にある、もう一人の第三者がその問題を解決しようとしている場合が多いのです。


【「正論」という暴力】

私自身が常に心の中に留め置いているのは、その問題を解決する能力を持っているのは、課題を抱えている人に関わるその人自身ではない第三者ではなく、その人自身だということです。

人間、誰しもその人が抱えている問題を解決する能力は持っているものです。
ですが、にも関わらすその問題がその人にとって「課題」となり、いつまでたっても解決できずにいるのはなぜか。

それは、実はその人が抱えている課題以外に、その人自身ではどの様な方法をとったとしても解消することができない、「もう一つの課題」が存在するから。

そして、その人が解決したいと考えている問題は、実は得てしてそのもう一つの課題であったりするわけです。

例えば、この記事の中で、私は以下のような事例をご紹介しています。

人間って、体験しなければ解らないこともたくさんあります。ですが、人から教えられたから、と言ってそれを突然身に着けられるほど器用な人ばかりではありませんし、素直になれる人間ばかりでもありません。

最初に大切になるのは、「器用ではない自分」や「素直ではない自分」に気づく事が出来るようになることで、それに気づいたとき、新しく環境を変えられる勇気を持てるかどうか、なのだと思います。その組織に身を置きながらでも構わないでしょうし、思い切ってその組織から一度離れる勇気を持つことも必要です。

そうして新しく環境を変える準備ができた後、新しい組織において、前回の組織で「できない」と気づいたことを今度こそやってみることができるかどうか。

「こうしたほうがいいよ」と前の組織でいわれていたんだけど、恥ずかしさや反発心があり、前の組織ではできなかった。
けど、新しい組織ではそんな前の組織にいた「私」を知っている人など存在しないのです。

そして、「私」自身はそのことを知っていますから、当然前の組織にいた「私」よりはグレードアップしているのです。

この場合、この文章に登場する「私」が抱えている課題は、

 「人から教えられたことをを身に着けることができないこと」

です。

で、周りの人から「なんでお前はこんなことができないんだ」とか、「いつになったらできるようになるんだ」とか言われてしまうわけです。「この間も同じこと、説明したよね」とか、「お前はやる気があるのか」とか。

だけど、実はこの人にとって本当に大切なのは、

 「人から教えられたことを失敗しても構わないから、やって見ることの出来る場所」

だったりするわけです。失敗しても怒られない。何度も繰り返しチャレンジしてみることができる場所。
ひょっとしたらその人がそのことを身に着けるためにはもっとほかの経験を積むことが必要なのかもしれませんし、ひょっとすると組織が変われば出来るようになるのかもしれません。

だとすれば、本来指導する立場にある人がやらなければならないのは、その人が失敗できる環境を作り、経験を積ませることに在るわけですが、得てして指導する立場にある人がその人に教えようとするのは、

 「正論」。

組織としてこうあるべき、あなたは人間としてこうあるべき。
仕事はこのようにするべきで、できないあなたがおかしい、と。

これは、まさしく「正論」という名の暴力だと私は思っています。

追い詰めてしまえば結局その人の能力が開発されることを阻害してしまいますし、ひょっとするとその組織にとって大きな利益をもたらす可能性のある人物をその組織から遠ざけてしまうことになってしまいます。

ひょっとすると、その組織自身が課題を抱えていて、その組織自身が抱えている課題が解消されていない為にその人は苦しんでいるのかもしれません。そしてそれを解消することはそう難しいことではなく、一日や二日もあれば簡単に解決できてしまうのかもしれません。

これを知るために必要なのは、課題を抱えている人物に対して組織側が正論を説いて聞かせることではなく、「組織」という枠をすべて外して、その人自身が思っていることを、包み隠さず語ってもらう事。

そのためにはその人が思っていることをプレッシャーを感じることなく話すことができる環境が必要です。
そこで何を話したとしても、そのことでその人を責めないことを約束すること。その情報が無関係な人にまで伝わらないことを約束すること。

そうしなければ、その組織が抱えている問題なんて出てくるわけがありません。
その人が抱えている課題は、その人だけの問題ではない場合も多いのです。

理想的なのは、指導する立場にある人が、そのことを敏感に感じ取って、課題を抱えている人が気づかないうちに「もう一つの課題」を解決してしまう事。

そのことでその人が本来抱えていた課題を解消することができれば、それがその人の成功体験となり、その人の自信にもつながります。そのことで今迄反発心から受け止めることができなかった「正論」を受け止めることができるようになり、それは組織自身のメリットにもつながります。

「正論という暴力」。
皆さんが所属する組織でも、もう一度振り返って見ると、新しいソリューションが見つかるかも・・・しれませんよ。


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<継承する記事>
第318回 ロシア第一革命以降のレーニン/ボリシェヴィキの指導者

人間の気持ちや感情ほど検証しにくいものはない・・・と、そう感じさせられるのが今回の「ロシア革命」についての検証です。

同一人物が考えている内容でも、これが段々変化していく様子が露骨に見て取れるし、それが元々考えていた事なのか、それとも途中で変説したのか、これを見ることがまた難しい・・・。

ですので、ごくわずかの事を調べるのにもものすごく膨大な時間が必要になってます。なので振り返って見ると記事そのものがとても短くなってますね。このあたり、ご容赦いただければと思います。


レーニンの四月テーゼ

四月テーゼ

前回の記事の復習と、更新すべき情報も含めて二月革命以降の様子をまとめてみます。

二月革命によってニコライ二世が失脚させられ、代わりに当時の国会(ドゥーマ)を構成していたメンバーによって臨時政府が打ち立てれます。

一方革命を起こした側であるボリシェヴィキ、メンシェヴィキ、社会革命党の三党ですが、二月革命後、この三党によって「ペトログラード・ソヴィエト」が結成されます。

ボリシェヴィキの主要メンバーが流刑にあっていたり亡命したりしており、この時ボリシェヴィキは中心的な役割を果たすことができず、ペトログラード・ソヴィエトはメンシェヴィキの旗振りによって結成されました。

ペトログラード・ソヴィエトが結成されたのが1917年2月27日。ペトログラード・ソヴィエトはこの時、ペトログラード守備軍に対し、

「国会軍事委員会の命令は、それが労兵ソヴィエトの命令と決定に反しないかぎりで遂行すべきである」

という命令を発しています。「国会軍事委員会」、すなわち臨時政府のことを一つの政府として承認しているんですね。


一方の臨時政府ですが、3月6日、

「同盟国との協定を維持して戦争を継続する姿勢を示した声明を発表」

しています。この時点で、臨時政府は戦争を継続することを発表しました。

難しいのはここからで、この政府決定に対し、ペトログラード・ソヴィエトは「全世界の諸国民へ」という声明に於いて、

「われわれは、自己の支配階級の侵略政策にすべての手段をもって対抗するであろう。そしてわれわれは、ヨーロッパの諸国民に、平和のための断乎たる協同行動を呼びかける」
「ロシア人民がツァーリの専制権力を打倒したように、諸君の反専制的体制のクビキを投げすてよ」

という主張を行います。

難しいんですが、その他の記述から想像すると、どうも戦争そのものは容認しながらも、戦争が終結した後の社会に於いて、二月革命において労働者や兵士が結束して帝国主義を崩壊させたようにヨーロッパの諸国民が結束し、専制君主制維持を打倒するための行動を起こすよう呼びかけている様です。

これが3月1日のこと。

同月12日、流刑地よりボリシェヴィキの中央委員であるカーネフとスターリンがペトログラードに帰還します。
15日、彼らはボリシェヴィキ機関紙である「プラウダ」に於いて、以下のような記事を掲載します。

軍隊と軍隊とが対峙しているときに、武器をしまって家路につくよう一方に提案するのは、最もばかげた政策であろう。これは平和政策などではなく、自由人民たちを苛立たせ拒絶させる、奴隷政策だ。

前回の記事 に於いて、レーニンが 第二インターナショナル に所属した社会主義者たちが暴力を否定し、反戦を訴えていながら、いざ第一次世界大戦が勃発すると「祖国擁護」を訴えて反戦の姿勢を翻したことを批判したことを記事にしました。

同じボリシェヴィキの指導者であるカーネフとスターリンが記した記事は、この様なレーニンの考え方と真っ向から対立するものです。

臨時政府による戦争継続の姿勢を容認したペトログラード・ソヴィエトと、更にこれに追随するような記事を掲載したカーネフとスターリン。レーニンがペトログラードに帰国するのは4月3日の事ですが、翌4月4日、レーニンが発表したものが「四月テーゼ」です。


具体的な四月テーゼの話題に進前に、少し時間を戻してペトログラード・ソヴィエトの圧力を受け、臨時政府が発表した「戦争目的についての声明」ついて掲載しておきます。

この声明が発表されたのが3月27日。臨時政府は、以下のような内容の声明を発表します。

「自由ロシアの目的は、他民族を支配することでもなく、彼らからその民族的な財産を奪取することでもなく、外国領土の暴力的奪取でもない。それは、諸民族の自決を基礎とした確固たる平和をうちたてることである。……この原則は、わが同盟国に対して負っている義務を完全に遵守しつつ……臨時政府の外交政策の基礎とされるであろう」(Wikiより)

この当時の戦争は主に他国の領土を侵略するために行われていましたから、この声明では、

・帝政を打倒した臨時政府は、外国の領土や財産を暴力的に侵略する為には戦争は行わないこと

を訴えています。また、「自決」とありますから、議会を通じて民族が統合的に意思決定を行うシステムを基盤とした平和な社会を築くことを目的とします、とも訴えているわけです。

ペトログラード・ソヴィエトの要求をそのまま声明とした形ですね。

臨時政府はこの声明を4月18日、連合国各国政府に発送します。ですが、この声明に「ミリュコフ覚書」なるものが添付されていました。

この内容については、時系列を追いかける形で後程掲載したいと思います。


「現下の革命におけるプロレタリアートの任務」

これが、「四月テーゼ」の正式な名称です。
四月テーゼの中でレーニンは、

 ・「臨時政府」を「ブルジョワ政府」とみなし、一切支持しないこと
 ・「祖国防衛」を拒否すること
 ・「全権力のソヴィエトへの移行」

などを訴えました。

「祖国防衛」の拒否、とはレーニンの訴えた「革命的祖国敗北主義」に基づくものと考えられます。

引用先の第63回の記事 では、この革命的祖国敗北主義を非常に辛辣に書き表しましたが、少なくともこの時点ではまだいうほど末恐ろしいものでもない様に感じます。

彼の後を引き継いだスターリンの政策をみるまでこの考え方に対する評価は先延ばしにしたいと思います。

さて。レーニンが四月テーゼを発表したのは4月4日ですが、同月18日、臨時政府が連合各国政府宛に送った声明に添付されていた覚書には、以下のような内容が記されていました。

「遂行された革命が、共通の同盟した闘争におけるロシアの役割の弱化を招来する、と考える理由はいささかもない。全く逆に……決定的勝利まで世界戦争を遂行しようという全国民的志向は、強まっただけである」

レーニンと当時のペトログラード・ソヴィエトとの間でも「戦争」に対する受け止め方に大きな開きがあったわけですが、この「ミリュコフ覚書」に書かれていた内容は、そんなペトログラード・ソヴィエトの考え方にすら大きく離反するものでした。

「ミリュコフ覚書」の内容が新聞で報じられると、労働者や兵士らの抗議デモを引き起こし(四月危機)、臨時政府のミリュコフ外相とグチコフ陸海相が辞職。そしてペトログラード・ソヴィエトよりもとより法務大臣として入閣していたケレンスキー以外に、メンシェヴィキ・社会革命党より合計4名が臨時政府に入党することとなりました。


ボリシェヴィキでは、四月危機の勃発を受け、レーニンの四月テーゼが党の公式見解となり、「全権力をソヴィエトへ」という言葉がスローガンとなります。


それにしても、ややこしい・・・。
目まぐるしく変化する情勢は、続いて「七月事件」、そして「十月革命」へと移行します。

次回記事ではこの七月事件と十月革命についての記事を作成します。


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<継承する記事>
第313回 「ウラジミール=レーニン」という人物

前回の記事では、後に10月革命の中心人物となり、ロシア革命を成し遂げてしまう人物、「ウラジミール=レーニン」について、彼の生い立ちをロシア第一革命が起こる直前まで追いかけてみました。

レーニン

記事を革命前後で分けたことには、単に文章が長くなってしまう事以外にもう一つ理由があります。

レーニンは、ロシアに於ける革命を「プロレタリアートによる革命」ではなく、「ブルジョワ」によって成し遂げるべきだと、そう考えたのだということを記事にしました。

そして、元々「マルクス」という人物によれば、「プロレタリアートによる革命」を「共産主義」、「ブルジョワによる革命」を「社会主義」と定義づけていましたから、ブルジョワによる革命を目指したレーニンの革命は、「共産主義革命」ではなく「社会主義革命」であったのだと、そうお伝えしたと思います。


プロレタリアートと農民がブルジョアジー抜きで遂行するブルジョア革命

それにしても解釈が難しい・・・。
何が、と申しますと、これがタイトルにある、「プロレタリアートと農民がブルジョアジー抜きで遂行するブルジョア革命」。

レーニンは元々「ロシアに於ける革命は、プロレタリアートではなくブルジョワに依って成し遂げられるべきだ」と考えていました。
ですが、1905年に勃発した血の日曜日事件 を受け、「レーニン来るるべき革命の性格を「労働者と農民の革命的民主主義独裁」と規定した」とWikiには掲載されています。

そして、その考え方の中で、「レーニンはプロレタリアートと農民がブルジョアジー抜きで遂行するブルジョア革命を構想した」とあるのです。

なんだそれは、と。
ブルジョア革命はブルジョワジー(資産階級)行われるものなんじゃないのか、と。

そこで、同じ記述をWikiではなく、「世界史の窓」に書かれてある「レーニン」のページを参考にしてみると、以下の様に記されていました。

1902年には『何をなすべきか?』を著し、少数の職業的革命家からなる中央集権的な革命政党が労働者を指導すべきであると主張した。1903年のロシア社会民主労働党第2回大会に参加し、その主張を展開しボリシェヴィキを指導した。第1次ロシア革命では当面のブルジョア民主主義革命の達成を目指した。

Wikiベースでは「ブルジョワによる」とされている部分が、「少数の職業的革命家からなる中央集権的な革命政党」と言い換えられています。

この、「少数の職業的革命家からなる中央集権的な革命政党」の事をレーニンは「ブルジョワ」と表現したのでしょうか。
世界史の窓の文章から見ますと、ロシア社会民主労働党の中で、「ボリシェヴィキ」としてブルジョワ民主主義革命を目指した、ということになります。

いや然しそれ、既にブルジョワジーが主導していない時点でブルジョワ革命じゃないだろう、というツッコミが入りそうな曲面ですね。

世界史の窓からの引用は、レーニンの著書である「何をなすべきか」からの引用です。
で、私が前回の記事 で掲載したレーニンの考え方もまた同じ「何をなすべきか」において掲載されている内容を意訳したものです。

レーニンは1916年、つまり第一次世界大戦場勃発した2年後、亡命先にて「帝国主義論」という著書を残しています。
レーニンがこの著書を通じて対立しているのは、元々反戦を訴えながら、第一次世界大戦の勃発を受けて「祖国擁護」へと転じていいった 第二インターナショナルの社会主義者 たち。

リンク先にも掲載しているとおり、ここでいう「社会主義者」とは、共産主義者たちが訴える「暴力による革命」を否定し、暴力の代わりに議会による話し合いでこれを解決しようと考えた人たちのことです。

ですが、暴力を否定し、反戦を訴えたはずのこの社会主義者たちが、いざ第一次世界大戦が勃発し、祖国が戦争に巻き込まれると一転して「祖国擁護」を訴えて祖国に戻り、第二インターナショナルは事実上崩壊してしまいました。

この時記された著書、「帝国主義論」の中で記されていたのは、「資本主義社会が発展し最終段階としていきつくところが『帝国主義』である」ということ。

つまり、レーニンが目指していたのは帝国主義と資本主義社会の打倒だったんですね。
つまり、「帝国主義と資本主義社会」を打倒すること、即ち「ブルジョワ革命」であると考えていたのではないでしょうか。

さて。では、このレーニン率いる「ボリシェヴィキ」がロシア第一革命に於いて何をしたのかというと、第310回の記事 よりの引用になりますが、

『武装蜂起を計画し、労働者を暴力によって従わせ、デモを決行』

します。このデモ隊に対して帝政ロシア政府軍が発砲、1000人以上の死者を出した後、ボリシェヴィキは政府軍に投降。ロシア第一革命は終結することになります。

つまり、レーニンはロシア第一革命に於いて、ブルジョワ民主主義革命を起こすことに失敗した・・・と。


さて。「ロシア第一革命」に続いて起きた革命が「二月革命」。
このとき、レーニンはスイスに亡命しており、二月革命を主導したのは「社会革命党」と「メンシェビキ」。

二月革命に於いてロシア皇帝であるニコライ2世が半ば強制的に退位させられ、後を引き継ぐことがいなかったことから帝政ロシアは崩壊。所謂「帝国主義」を崩壊させることに成功し、ここで無事「ブルジョワ革命」は成し遂げられることとなりました。

さて。ところが、です。
ここで問題となってくるのは帝政ロシアの後を引き継いだ臨時政府と、メンシェヴィキの旗振りで結成されたペトログラード・ソヴィエト。

「ロシア社会民主労働党」より分裂した「ボリシェヴィキ」と「メンシェヴィキ」ですが、この二つの派閥の最大の違いは、ボリシェヴィキの目指していたのは「プロレタリアートと農民がブルジョアジー抜きで遂行するブルジョア革命」。

一方のメンシェヴィキが目指していたのは、「ブルジョワ革命なんだから、やっぱりブルジョワジーの手で実現されるブルジョワ革命」。この違いがこの二つの派閥の考え方の違いです。

メンシェヴィキは、ニコライ二世が去った後のロシアで誕生した、ロシア国会(ドゥーマ)議長らによって結成された臨時政府を「ブルジョワ政党」であると考え、この臨時政府を支持する方針を示します。

これが、レーニンにとっては「社会主義革命を成し遂げず、妥協した姿である」と捉えるんですね。

レーニンに先駆けて同じボリシェヴィキの指導者であるカーメネフとスターリンも帰国するわけですが、レーニンはそんな二人もメンシェヴィキと変わりがない、と訴えます。



4月3日、スイスから帰国したレーニンは、この様な思いを記した「四月テーゼ」なるものを発表します。

次回記事では、この「四月テーゼ」を中心に記事を進めてみます。


この記事のカテゴリー >>日本の税収の見方


カテゴリー名を長らく 消費増税問題 としていたのですが、カテゴリー名としては対象を限定してしまうので、「日本の税収の見方」へとカテゴリー名を修正しました。

改めて、2016年度3月分所得税・法人税・消費税に関する記事を掲載したいと思います。


税収に関しては、2016年9月までほぼ毎月記事にしていたのですが、税収を毎月記事にすることそのものに、余り意味がないことに気づいてしまったため、10月以降はこれを記事にすることを中断していました。

その最大の理由は「消費税」の納税方法にあります。

消費税は、前年度の納税額に応じて「毎月納税」「二カ月ごとに納税」「半年に一度納税」「年に一度納税」という4つのパターンがあります。

前年度の納税額が大きければ大きいほど納税回数が多くなるのですが、その納税額は「1年間の納税額を均等割りした金額」となります。

ですが、1年間で納税しなければならない納税額が一体いくらになるのか。これはその年度が終了しなければわかりません。
解らない以上、均等割りして納税することは不可能ですので、そこでその納税額は「前年度の納税額を参考に」納税してかまわないということになっています。

つまり、前年度1年間の納税額を均等割りし、最終付きに不足する分はまとめて納税したので構わない、というやり方です。
逆に多く納税しすぎていた場合は最終月の納税額が少なくなるわけです。

ということは、毎月収められている「消費納税額」は、今年度の収益に基づくものではなく、前年度の納税額に基づくもの。
つまり、まったく参考にならない額である・・・ということに私は気づかされてしまいました。

以来私は税収について記事にすることを中断したわけです。
ところが、ついにその「年度」の納税額が一体いくらになるのか・・・ということがわかる時が来ました。

それが今月です。もちろん既にお伝えしました様に、消費税の納税は2か月遅れても構わないことになっていますから、年度の納税額がはっきりしたからと言って、全社きちんとした額を納めるわけではありませんが、3月に納税された金額を参考にすれば、通年で納税される金額が一体どの程度になるのか、その予測がつくことになるのです。

また、これ以外にも

【所得税の申告期限】
源泉徴収分 毎月翌10日

 納期の特例を受けている場合(平成28年度の場合)
 1月~6月分・・・7月11日 7月~12月分・・・1月20日

確定申告分 3月15日

 予定納税 第1期・・・8月1日 第2期・・・11月30日

【法人税の申告期限】
事業年度終了の日の翌月から2か月以内

等となっており、毎月現状を把握できるのは源泉徴収分のみで、法人に関して言えば所得税は政府会計年度、法人税は事業会計年度が終了しなければ全体の納税額は解らない為、特に事業会計年度が集中すると考えられる3月末まで待つことで、年度通年の「税収」の見込みが立つこととなるわけですね。

要は、税金は基本的に年に1回納められるものであり、その期限が集中するのが3月であるため、3月にならなければその年度の「税収」は見込みがつかない、ということです。


で、その2016年度3月のデータがようやく出て来ました。

2016年度3月税収

一覧で書き出してみます。

【2016年度3月分税収】
所得税合計
3月分 718,068 前年同月比 117.2 ←105.9
累計 14,881,737 前年同月比 98.5 ←97.7

 源泉徴収分
 3月分 354,835 前年同月比 123.8 ←107.8
 累計 13,332,636 前年同月比 97.7 ←97.1

 確定申告分
 3月分 363,233 前年同月比 111.5 ←94.9
 累計 1,549,101 前年同月比 106.5 ←105.0

法人税 
3月分 218,714 前年同月比 110.6 ←105.0
累計 5,593,693 前年同月比 94.3 ←93.7

消費税
3月分 827,703 前年同月比 100.4 ←98.7
累計 12,455,894 前年同月比 95.8 ←95.5

一般会計税収総額
3月分 2,791,756 前年同月比 105.1 ←101.5
累計 42,072,523 前年同月比 97.7 ←97.1

さて。私としてはこの「税収予測」に関して、前回思いっきり外してしまった経験があるのでこの様な形で予測を行う事には戦々恐々なのですが・・・

ご覧の通り、3月の数字は全て2月分より改善していますから、当然累計でも改善されています。
私がなぜこの「税収」にこだわるのか。

これはカテゴリー名が以前は「消費増税問題」としていたことからもご推察いただけるかもしれませんが、私がチェックしているのは、安倍内閣に於いて「消費増税」が行われた結果、日本の「消費」は減退するのかどうかということです。

特に「消費税」というのは、日本国民が起こした「消費」にかけられる税金ですから、消費税収から逆算することで日本国全体で起きた「消費」総額をを求めることが出来ます。

例えば私がずっとこだわって記事にしている「消費者物価指数」や、その他統計局が発表している「家計消費」などのデータで日本国内で起きている「消費」を知ることができる・・・と一般的には思われているわけですが、実際にはこれらのデータは大元となっている情報が「アンケート結果」ですから、その信憑性ははっきり言うと「参考程度」にしかならない数字です。

ですが、「消費税収」に関してはこのあたりとても正直です。
勿論「消費」を起こすのは家計だけではありません。当然「企業」や「政府」も起こすわけですが、GDPデータ等から見てもその大半を「家計」が起こしていることは想像に難くありません。

つまり、「消費税収」が年間を通じて増えているのか、減っているのかということを調べることで、一年間の消費が増えたのか、それとも減ったのかということを知ることができるのです。

時間的イレギュラーや、必ずしも申告者が正確に申告するわけではないことなど、正確にならない要素もありはしますが、特に1年間待ち続けることで、少なくとも「時間的イレギュラー」は解消できますし、アンケート結果に頼った消費者物価や家計消費などに比べれば、よほどその信憑性は高い、と私は考えています。


一般会計税収全体としては、2016年11月まで2015年度比で政府は102.3%の予算を組んでいたわけですが、法人税収の伸び悩みなどから、途中でその目標を99.2%に下方修正しました。

このことで野党やその野党を指示している面々からは「アベノミクスの失敗だ」とか、また元々安倍内閣を支持していながら、消費増税に伴って手のひらを返した面々からは、「消費増税のせいだ」といった批判を受けたわけですが、既にお伝えした様に月ごとに正確な税収が反映されていたのは「源泉徴収分」のみ。

それ以外の数字は3月のデータが全てで揃うまで(2か月のタイムラグを合わせて5月のデータが出てくるまで)、信憑性のある税収の評価はできません。

ですので、個人的には目標を下げる必要などなったのではないか・・・とも思っているわけですが、これもまた5月が到来するまでは何とも言えませんね。

ただ、少なくとも3月のデータで見る限り、主要三税、「所得」「法人」「消費税」そして「一般会計税収総合」は全て前年度の数字を上回っています。

私にとって特に「消費税収」と「一般会計税収総合」はアベノミクスの成否を判断する上での試金石。
三月のデータを見る限りでは、4月、5月と一気に納税が行われるのではないか・・・と考えています。

両月の結果をハラハラしながら見守りたいとおもいます。


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<継承する記事>
第315回 生鮮食品及びエネルギーを除く総合が前年同月割れした理由(H28年度3月)

いつもであれば、前回の記事の後「教養娯楽」の費目に記事を記事を進め、更に「テレビ」や「PC」等を分析するわけですが、同じ調査を毎月行っていますし、今回も異なった結果が出ることはそれほど想像しにくいことから、今回は「教養娯楽」を深めることはせず、もう一つの調査項目、「エネルギー物価の動向」へと記事を進めてみたいと思います。


消費者物価指数「総合」の内、私が重視ししているのは新コアコアCPIともいえる新たなる指標、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」であることから、態々「エネルギー」を調査する必用はないのではないか、という方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、それでも政府日銀が「2%の物価上昇」の目標としているのはあくまでも「生鮮食品を除く総合(コアCPI)」であり、ここにはエネルギーが含まれているため、無視するわけにもいきません。

また、私がずっと調査し続けている「10大費目」の中には、「エネルギー」に該当する物価とそうではない物価が混在している部分もあり、このあたりをきちんと分けて調べることでより私たち日本国民の生活に寄り添った「消費者物価」が見えてくるのではないか、とも考えていますので、引き続きこの「エネルギー」も分野として抽出して記事にしたいと思います。

エネルギー


「交通・通信」の消費者物価指数の前年同月比

【「交通・通信」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年2月の前年同月比です。
交通・通信 ウェイト:1476
0.2(0.3)

 交通 ウェイト:224
 -0.3(0.0)
 自動車等関係費 ウェイト:836
 4.4(3.4)
 通信 ウェイト:416
 (-7.4)-5.4

エネルギーをみる上で、まず外すことができないのは「ガソリン」の物価です。
ガソリンが含まれるのがこちらの「交通・通信」であり、「自動車等関係費」にガソリンの物価が含まれています。

「交通・通信」の費目を見てみますと、「自動車等関係費」はプラス幅を増大させていますが、「交通」が前年同月比0.0%から-0.3%へ悪化。「通信」も前年同月比-5.4%から-7.4%へとマイナス幅を拡大させており、「交通・通信」全体の消費者物価としては0.3%から0.2%に上昇幅を縮小させていることが分かります。

この費目で「交通」に含まれるのはバス、電車、鉄道、飛行機などの公共交通機関の運賃です。
JR在来線が-0.4%から0.0%に改善、高速のバス代が0.0%から0.1%に改善した以外はほぼすべて横ばい。

にも関わらずなぜ「交通」の消費者物価が上昇幅を縮小させているのかというと、実は唯一「航空運賃」のみが前年同月比-2.3%から-5.6%へとマイナス幅を拡大させています。

これが「交通」の消費者物価の上昇幅を縮小させた原因です。
ただし、他の費目にはなりますが、「教養娯楽」中「宿泊料(国内旅行費)」及び「パック旅行費(海外旅行費)」を見てみますと、

宿泊料 ウェイト:113
前年同月比
3月 1.8%
2月 0.0%

パック旅行費 ウェイト:42
前年同月比
3月 4.3%
2月 4.8%

と、パック旅行費は「4.8」から「4.3」に「上昇幅を縮小」させているとはいえ、それでも4.3%の上昇ですし、国内旅行も前年比0%から1.8%に大幅に改善していますので、航空運賃(ウェイト:22)の下落は、消費者物価全体には良い影響を及ぼしているのではないでしょうか。


「自動車等関係費」の消費者物価指数

こちらは全体を一覧表示する形を取らず、ポイントとなる部分をピックアップしてみたいと思います。

「自動車関係費」の前年同月比の上昇幅を拡大させている最大の原因は皆さんご想像の通り、「ガソリン」の物価上昇です。
ガソリンの消費者物価は2月の15.8%から更に20.4%も上昇しており、このことが「自動車関係費」の消費者物価を引き上げる要因となっています。

では、「ガソリン」以外の「自動車関係費」の消費者物価はどのようになっているのでしょう。

【「自動車」の消費者物価指数前年同月比】※( )内は2月の前年同月比です。
自動車 ウェイト:199
-0.3(-0.3)

 軽乗用車 ウェイト:40
 -0.3(-0.3)

 小型乗用車(国産車) ウェイト:55
 0.1(0.1)

 小型乗用車(外車) ウェイト:5
 -9.7(-9.7)

 普通乗用車(国産車) ウェイト:01
 0.1(0.1)

 普通乗用車(外車) ウェイト:-9.7
 -0.6(-0.6)

ガソリンのウェイトが206ですから、「自動車」全体のウェイトは消費者物価指数全体に対して、ガソリンとほぼ同等の影響力を持っていることになります。

「自動車」の消費者物価の前年同月比はほぼ横ばいです。
全体の傾向として外車の物価が「小型」「普通」共大幅に下落しており、また「軽自動車」の物価も下落しています。

「自動車」全体の傾向として、外車を選択する人が減り、国産車も「軽」ではなく「普通車」を選択する人が増えているのではないか、との推測が成り立ちますね。燃費の問題等もあるのでしょうが、これは日本国内で考える上ではとてもよい傾向にあるのではないでしょうか。

「ガソリン」と同じ考え方で、「輸入車」もまたその利益の大部分は海外に吸収されますから、消費者物価全体で考える上では、例え一時的に自動車全体の消費者物価を引き下げることになったとしても国産車が選択される状況の方が好ましいと考えられます。

その他、「ガソリン」が含まれる「自動車等維持費」では、バッテリーやカーナビゲーションの消費者物価が前年度割れしていますが、たの項目は0~プラス成長で、上昇幅にも大きな変動は見られません。


【「通信」の消費者物価】

通信の消費者物価に関しては、第314回の記事 に掲載した日経ニュースにも掲載されていました様に、携帯電話機の物価が-15.9%から-26.6%にマイナス幅を大幅に拡大させており、これが最大の原因となっています。

ただ、日経ニュースでは

「春先の値引きキャンペーンが広がった携帯電話機は26.6%下落した」

と掲載されていましたが、であれば同じ現象が起きると考えられる2016年3月にも同じ様な物価の下落が起きていなければおかしなことになります。ですが、2016年3月の消費者物価前年同月比は8.8%と大幅に上昇しています。

だとすれば、「春先の値引きキャンペーン」以外にも別の理由がある、と考えるべきではないでしょうか。
記事としては非常に安易すぎる内容だと思います。


「光熱:水道」の消費者物価

【「光熱・水道」の消費者物価指数前年同月比】※( )内は2月の前年同月比です。
光熱・水道 ウェイト:745
-0.8(-2.1)

 電気代 ウェイト:356
 -2.0(-4.0)

 ガス代 ウェイト:181
 -5.2(-6.5)

 他の光熱 ウェイト:41
 29.9(29.8)

 上下水道料 ウェイト:167
 0.5(0.5)

「他の光熱」とは「灯油」のことです。
ガソリンの前年同月比が20%増、灯油の前年同月比が30%増とあり、原油から直接精製される「エネルギー」に関してはこれまでの消費者物価の足を引っ張り続ける状況から大きく改善されていることが解りますが、それ以外の「電気代」や「ガス代」については未だに下落し続けていることが分かります。

最大の理由は電力の自由化が行われ、ガス代も価格競争に巻き込まれている状況が考えられるわけですが(ガス代と電気代が前年度割れし始めるのはほぼ同時期です)、ただここで一つ考えると、原発事故が発生するまで政府や電力会社が訴え続けてきた「原発を停止すると電力不足に陥り、電気代が上昇する」として主張は誤りであったのではないか、とも考えられます。

安倍内閣を支持する私たちとしては眼をそむけたくなる一つの事例にはなりますけどね。
勿論原発以外の方法を用いて発電を行うということは、一部の再生可能エネルギーを除いて火力を用いることになりますから、海外の原油価格の動向によって左右される部分も大きくなると思います。

ただ、それでも電気代が政府や電力会社によって「搾取」されていた部分もあったとする一つの「証拠」にもなりますから、個人的にはこのあたりの説明は政府や電力会社がきちんと行う必要のある分野だと思います。

そしてその上で原発を利用し続ける必要があるのであれば、その理由をきちんと国民が納得できるようにするべきなのではないでしょうか?

勿論私は安倍内閣を支持していますし、街中でドラを叩きながら大騒ぎして反原発を叫ぶような「反原発派」や「脱原発派」ではありません。

大切なのはこういった事情を「政府を批判するための材料」にしてしまうのではなく、本当のところはどうなのか。
正しいことは正しい、誤っていることは誤っていると指摘しあえる環境をつくることなのではないかと思います。

勿論、それでも原発を利用し続けなければならない理由はあります。
仮に日本が原発を利用しなくなったとしても、海外では原発は利用し続けられますし、もし日本が原発の利用を止めれば、日本は海外に対して「核を監理する技術」という側面で大きな「後進国」となってしまいます。

こじつけの様に思われるかもしれませんが、国際関係を考える上で、これは一つの大きな理由です。

少し話が大きくなってしまいましたが、電気代やガス代の変化についても今後とも着目していきたいと思います。


さて。税収に関するカテゴリー に於きまして、長らく放置していました「2016年度の税収」の調査結果ですが、「消費者物価指数」でも2016年度年間の指標が公表されたように、「税収」に関してもこれをうかがえるデータが出てき始めました。

法人に関する「税収」は基本的に2か月間猶予期間があり、3月の納税額が出そろうのはこれから2カ月後、5月の納税額が公表された後になるのですが、それでも2016年度3月の納税額が公表されたことで、昨年度通年の予測を行う事が可能になったのではないかな、と思っていますので、次回記事ではこの「2016年度税収」についての記事を作成したいと思います。

確定しているわけではないので、記事にするのはドキドキです・・・。


この記事のカテゴリー >>「物価」の見方


<継承する記事>
第314回 平成28年度(通年)及び3月度消費者物価指数が発表されました

ということで、平成28年度(2016年度)3月消費者物価指数の内、「生鮮食品エネルギーを除く総合」が前年同月割れした理由を記事にしたいと思います。

理由のうち一つは 前回の記事 でお伝えした通り、「持ち家の帰属家賃」がマイナス成長したから。これは毎月記事にしている通りです。

実際これがなければ2016年度3月の生鮮食品及びエネルギーを除く総合はプラス成長していますから、最大の理由と言っても過言ではありません。

ですが、とはいうものの、それでもその伸び率は2月度の伸び率より縮小していますから、「持家に帰属する家賃」以外にも「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」の消費者物価が伸び悩んでいる理由、というのは存在することになります。

それではいつも通り、まずは「10大費目別消費者物価指数」から検証してみます。


2016年度3月10大費目別消費者物価指数

【10大費目別消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年2月の前年同月比です。
食料 ウェイト:2623
0.5(0.8)

 生鮮食品 ウェイト:414
 -0.4(1.4)
 生鮮食品を除く食料 ウェイト:2209
 0.7 (0.7)

住居 ウェイト:2087
-0.2( -0.2)

 持家の帰属家賃を除く住居 ウェイト:589
 0.2 (0.1)

光熱・水道 ウェイト:745
-0.8 (-2.1)

家具・家事用品 ウェイト:348
-0.8(0.6)

被服及び履物 ウェイト:412
0.6(1.3)

保健医療 ウェイト:430
0.5(0.6)

交通・通信 ウェイト:
0.2(0.3)

教育 ウェイト:316
1.0(1.0)

教養娯楽 ウェイト:989
0.7(0.4)

諸雑費 ウェイト:574
0.4(0.3)

今回見ようとしているのは「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」ですから、「食料」は「生鮮食品を除く総合」で見ます。
また前回の記事で記した通り、「持家に帰属する家賃」は架空の数字ですから、「住居」も「持家に帰属する家賃を除く住居」で見ます。

さて、こうしてみますと、
〇「食料(生鮮食品を除く食料)」は0.7→0.7と横ばい。

◎「住居(持家に帰属する家賃を除く住居)」は0.1→0.2と改善。

▲「光熱・水道」は-2.1→-0.8へと下落幅を縮小

×「家具・家庭用品」は0.6→-0.8と悪化。

△「被服及び履物」は1.3→0.6と上昇幅が縮小。

△「保険・医療」は0.6→0.5と上昇幅が縮小

△「交通・通信」は0.3→0.2と上昇幅が縮小

〇「教育」は0.1→0.1と横ばい

◎「教養・娯楽」は0.4→0.7と改善

◎「諸雑費」は0.3→0.4と改善。

と、こんな感じです。

改善しているのが 「住居」「教養娯楽」「諸雑費」 の4費目。
横ばいが 「食料」「教育」 の2費目。下落幅を縮小させているのが「光熱・水道」の1費目。

上昇幅が縮小しているのが 「被服及び履物」「保険医療」「交通・通信」の3費目。
悪化しているのが「家具・家庭用品」の1費目。

上が2016年度3月の物価上昇幅を拡大させる要因となっているのは 「住居」「教養娯楽」「諸雑費」 の3費目であり、逆に縮小させる要因となっているのは 「被服及び履物」「保険医療」「交通・通信」 の3費目、及び 「家具・家庭用品」だということになります。

「光熱・水道」に関しては「下落幅が縮小した」というだけで、物価そのものの足を引っ張っている要因であることに変わりありません。ただ、「エネルギー」の占める割合が多いですから、一旦調査対象から外します。ちなみにこの費目で唯一「エネルギー」ではない「水道」は0.5%の上昇で2月と比較して横ばいです。


ということは、やはり3月の消費者物価指数が伸び悩んでいる一番の原因はあいつ・・・ですよね、おそらく。そう。「家電製品」です。

これは、前回の記事 で掲載した日経ニュースでも

「春先の値引きキャンペーンが広がった携帯電話機は26.6%下落したほか、ノートパソコンも11.0%下がるなど耐久財が物価を押し下げた格好だ。」

と記されており、「耐久財が物価を押し下げた」ことが記されています。
ただ、「ノートパソコン」は「教養娯楽」分野であり、「家具・家庭用品」ではありませんけどね。

ということで、まずは「家具・家庭用品」を砕いてみます。


「家具・家庭用品」の消費者物価指数前年同月比


洗濯機

【「家具・家庭用品」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年2月の前年同月比です。
家具・家事用品 ウェイト:348
-0.8(0.6)

 家庭用耐久財 ウェイト:111
 -1.6(0.6)

 室内装備品 ウェイト:25
 -3.4(-3.1)

 寝具類 ウェイト:27
 2.2(1.1)

 家事雑貨 ウェイト:72
 1.4(3.7)

 家事用消耗品 ウェイト:86
 -2.3(-0.9)

 家事サービス ウェイト:27
 0.1(-0.1)

ということで、「家具・家庭用品」の中で、最も「ウェイト」の大きい「家庭用耐久財=家電」がやはり「消費者物価」の足を引っ張る要素となっていることが分かりました。

「室内装備品(カーテンやカーペット、電気など)」がマイナス幅を拡大していますが、この分野は平成26年4月~平成27年5月にかけて一時的に物価が上昇していた時期もありますが、それ以外では平成5年以降1カ月の途切れもなく前年同月割れをしている分野ですので、今回の対象からは外します。

この他、「家事雑貨」が上昇幅を縮小させており、「家事用消耗品」もまた下落幅を拡大させていますので、この2分類も調査してみます。


【「家庭用耐久財」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年2月の前年同月比です。
家庭用耐久財 ウェイト:111
-1.6(0.6)

  家事用耐久財
  -3.8(-2.7)

   電子レンジ
   -26.0(-19.5)

   電気炊飯器
   2.0(2.6)

   ガステーブル
   3.0(3.7)

   電気冷蔵庫
   -5.5 (-6.5)

   電気掃除機
   12.6(16.2)

   電気洗濯機(全自動洗濯機)
   -18.4(-20.2)

   電気洗濯機(洗濯乾燥機)
   -2.1(3.9)

  冷暖房用器具
  -0.4(5.1)

   ルームエアコン
   -0.7(5.9)

   温風ヒーター
   1.0(2.2)

   空気清浄機
   0.1(1.8)

さて。今回も一般社団法人日本電機工業会 より、メーカーベースでの「出荷台数」及び「合計出荷額」について調べてみます。

【2017年3月出荷状況(前年同月比)】
電子レンジ
出荷台数 117.2% 
出荷総額 112.7%

電気炊飯器
出荷台数 112.2%
出荷総額 106.7% 

電気冷蔵庫
出荷台数 107.5%
出荷総額 99.3% 

電気掃除機
出荷台数 109.7%
出荷総額 106.4%

電気洗濯機
出荷台数 121.5%
出荷総額 114.4% 

ルームエアコン
出荷台数 106.1%
出荷総額 104.6% 

と、こんな感じでしょうか。

見ての通り、唯一「電気冷蔵庫」の出荷総額が前年度割れしているものの、他は全て前年度オーバー。
ただ、どの項目も「出荷総額」を「出荷台数」が上回っていますので、「単価は下がったけれども、販売数量が増加した為、結果的に出荷総額が増えた」という状況も想定することは出来ます。

とはいえ、メーカーベースではきちんと「消費」は増えていることが分かります。
後はやはり販売店側の問題でしょうね。


この他、「一般家具」に関しては前年同月比2.9%。2月が2.7%ですから、「物価上昇率」としては非常に優秀な結果となっています。


「室内装備品」に関しては「照明器具」が-14.8%と大きく前年割れしていますが、「照明器具」に関してはデータが集計され始めて以来、ほぼすべての期間において前年度割れしており、どこか特定の内閣に於いて敢えてその影響を問題視する必要はないものと思われます。


「家事雑貨」に関しては、確かに前年同月比3.7→1.4と大きく上昇幅を縮小させてこそいますが、それでも1.4%という物価上昇率はそれほど悪い数字ではありません。

また、今回の「家事雑貨」という項目の中で、その最も大きな影響がみられるのは「台所用密閉容器」。つまり「タッパー製品」のことです。

理由はよくわかりませんが、この「台所用密閉容器」。2016年3月より2017年2月にかけての丸1年間、前年同月比70%超という物価上昇率を記録していました。これは、何かメーカー側の事情があったものとしか考えられません。

これが3月に入って前年同月比2.6%と落ち着いたため、このことが「家事雑貨」の消費者物価指数の上昇幅を大きく縮小させる結果となりました。ただこれは先月までが異常すぎたのであり、今月は「正常に戻った」と表現する方が正確だと思われます。


「家事用消耗品」は2月の下落幅0.9%から更に大きく物価が下落し、-2.3%となっています。

家事用消耗費の中で下落幅が広がっているのは「ティッシュペーパー」の-1.8%→-3.3%、台所用洗剤の1.4%→-3.6%の二つ。
共に石油精製品です。

正確な理由は分かりませんが、実際に原油が前年度を上回り始めたのは2016年11月以降の話であり、まだその影響が反映されきっていない、ということなのでしょうか。まあ、このあたりは特に付加価値が重要視されない分野ですから、それほど深く考える必要はないのかもしれません。


総括ですが、日経記事にもあった通り、「新生活応援」の影響もあったのかもしれませんが、やはり「家具・家庭用品」分野の内、「家電製品」の物価下落が「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」の伸び悩みに一つの大きな影響を与えているものと考えられます。

もう一つの家電分野、「テレビ、パソコン」に関しても同じ現象が起きているものと推察されますが、今回はこの分野に関しては深入りをせず、次回記事ではもう一つの気になる分野、「エネルギー」に関して調査を進めてみたいと思います。


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タイトルにございます通り、本日(4月28日)、平成28年(2016年)度通年の消費者物価指数が発表されました。

これは、勿論同時に平成28年(2016)度3月度の消費者物価も発表されたという事。
日経ニュースですと、こんな感じで報道されています。

【日経ニュースより】
消費者物価3月0.2%上昇 エネルギー除くとマイナス
2017/4/28 12:12

 総務省が28日発表した3月の全国消費者物価指数(CPI、2015年=100)は、値動きの激しい生鮮食品を除く総合指数が99.8となり、前年同月比0.2%上昇した。3.9%上昇したエネルギーが物価全体を押し上げた。エネルギーを除くベースでは0.1%下落し、13年7月以来3年8カ月ぶりにマイナスに転じた。

日経ニュースより(前年同月比)

 生鮮食品を除く総合指数は3カ月連続の上昇。ガソリンが20.4%と大きく伸びたほか、電気代や都市ガス代も前年比のマイナス幅を縮小した。国内外の旅行需要を反映し、宿泊料や外国パック旅行費も物価を押し上げた。

 ただ消費が力強さを欠くなか、エネルギー以外の物価は伸び悩んでいる。春先の値引きキャンペーンが広がった携帯電話機は26.6%下落したほか、ノートパソコンも11.0%下がるなど耐久財が物価を押し下げた格好だ。

 先行指標となる東京都区部の4月のCPIは、生鮮食品を除く総合指数で0.1%下落した。被服及び履物が0.1%下がった。昨年に比べて春夏物を値上げする動きが鈍かったという。4月中旬から小売り大手が日用品などの値下げに動いており、総務省は「ある程度は物価に反映されている」との見方を示した。

通年のニュースではなく、3月度の記事になります。

記事内容がだいぶん私が毎回掲載している記事に近くなってきたかな、とも感じます。
記事内容として、携帯電話や耐久消費財に焦点を当てているあたりがまさしく・・・といった感じですね。

記事で「消費者物価指数」と書いているのは、「生鮮食品を除く総合」であり、政府・日銀が「物価上昇」の目標としている数字で、「コアCPI」と呼ばれるものの事。

記事では、「3.9%上昇したエネルギーが物価全体を押し上げた。」と記されています。
消費者物価が下落している当時では、「エネルギー価格が全体を押し下げている」等とは書いていなかった様に記憶していますが、随分都合の良い話です。

で、記事中にある「エネルギーを除くベース」とは、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」の事。
第280回の記事 でご紹介した様に、平成28年度1月より新たに消費者物価指数に加えられた数字です。

12月までは「コアコアCPI」として、「食料およびエネルギーを除く総合」という指標がこの位置に割り当てられていましたが、これが「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」へと変更された形です。理由はリンク先 でご覧ください。
 
28年度通年のニュースも報道されているんですが、ネット上ではまだ検索にかかりませんので、今回は報道を確認できる平成28年(2016年)度3月の消費者物価指数から記事にいたします。


平成28年(2016年)度3月度消費者物価指数の見方

先ずは大枠で、「消費者物価指数総合」に関連した項目から記事にします。

【消費者物価指数総合の前年同月比】※( )内は2017年2月の前年同月比です。
総合
0.2(0.3)

生鮮食品を除く総合
0.2 (0.2)

持家の帰属家賃を除く総合
0.3(0.4)

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合
0.4(0.3)

生鮮食品及びエネルギーを除く総合
-0.1 (0.1)

こちらは2017年3月の消費者物価指数(前年同月比)です。

私は、長い間「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」を見ることが大切だ、と言い続けてきたわけですが、その「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が、遂に前年度割れしてしまいました。

ここが大切だ、と言ってきた私としては、この「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が下落した理由を追求することが今回この「消費者物価指数」に関連した記事を作成する最大の目的となります。


「持家に帰属する家賃」の見方

住居

私の記事を読んでいる方であれば、既にご承知のことと思いますが、「消費者物価指数」をみる上で、一番気を付けなければならないのはこの「持家に帰属する家賃」の存在です。

【持家に帰属する家賃」の前年同月比】※( )内は2017年2月の前年同月比です。
持家の帰属家賃を除く総合
0.3(0.4)  ウェイト:8501

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合
0.4(0.3)  ウェイト:8087

持家の帰属家賃
-0.4( -0.4) ウェイト:1499

第281回の記事 でお伝えしていますように、「持家に帰属する家賃」とは、

 「現在居住する持家が、もし持家ではなく借家であったとすると、その家賃はいったいいくらになるのか?」

という数字であり、本来そんなものに対する「消費」は全く発生していません。
そんな数字は現実には存在しない、フィクションの数字なのです。ですから、私個人の考えではありますが、この数字は本来「消費者物価指数」そのものに加えるべきではない数字です。

ちなみに上表の「ウェイト」とは、日本国で起きる全ての「消費量」を「10000」と考えたとき、持家に帰属する家賃であれば、その消費量は一体どのくらいの数字になるのか、という数字です。

日本国内で起きるすべての「消費」には共通の単位が存在しませんから、これを「加重平均」という方法を用いて平均化したもの。
私はこれを「重要度」と表現しています。

つまり、ウェイトとは、「消費者物価」を考えるとき、そのアイテムの「重要度の割合」を示したものです。
持家に帰属する家賃のウェイトは「1499」。本来日本ではそんなものの消費は全く起きていないにも拘わらず、なぜか存在する「持家に帰属する家賃」のウェイトが、なんと消費者物価指数全体の約15%も占めているのです。これははっきり言って異常です。

「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」には、そんなフィクションの数字が含まれており、その数字を差し引いた結果、前年同月比が前年度割れした、ということになります。

ですが、例えば「持家の帰属家賃を除く総合」では「持家の帰属家賃が含まれた総合」の前年同月比が0.2であることと比較して0.1ポイント増しの0.3%。この差は大きいと思います。

また、ここから「生鮮食品」を除いた「持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合」は0.4%と更に上昇幅を拡大させていることから、消費者物価指数「総合」の物価を引き下げている原因として、「生鮮食品」が影響を与えていることが分かります。

逆に上昇させている理由は「エネルギー」にあるわけですが、「持家に帰属する家賃」そのものは2月も3月も-0.4%と変化しておらず、持家に帰属する家賃を除かない「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は0.1%から-0.1%と、その下落幅は0.2%にすぎませんから、持家に帰属する家賃を除く「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は恐らく0.2%。

未だ前年同月比でプラス圏内にとどまっているものと考えられます。
私は思います。もし本当に正確に「消費者物価指数」を活用したいのであれば、「生鮮食品及びエネルギー」から、更に「持ち家の帰属家賃」を除いた「総合」も指標として加えるべきだと。


然し、それでも「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が、2月から3月にかけて下落していることには変わりありませんから、次回記事ではこの「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が下落した理由について検証してみたいと思います。


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